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B.LEAGUE におけるバスケットボールのリアルタイム勝利確率モデルの構築 / Realti...

konakalab
January 11, 2022

B.LEAGUE におけるバスケットボールのリアルタイム勝利確率モデルの構築 / Realtime win probability model for B.LEAGUE

2022年1月11日に電子情報通信学会システム数理と応用研究会(MSS)で発表したスライドです.

https://www.ieice.org/ken/program/index.php?tgs_regid=276586825ef612fbbfb5fc45adddf2e3116cfc34c4793e52a4797384e6c893ca&tgid=IEICE-MSS

得点差と残り時間から予測勝率を出力する数理モデルをB.LEAGUEに対して作成してみました.得失点差に対する単調性が既存手法との違いです.

konakalab

January 11, 2022
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Transcript

  1. 各時間ごとの経験的勝敗確率の計算 経験的勝敗確率の定義 𝑤 Δ𝑠, 𝑡 = 𝑂𝑤 Δ𝑠, 𝑡 𝑂(Δ𝑠,

    𝑡) 𝑡: 経過時間 𝑖,𝑗: チーム添え字 𝑠𝑖 ,𝑠𝑗 : チーム 𝑖, 𝑗 の得点 Δ𝑠: 𝑠𝑖 - 𝑠𝑗 𝑂 Δ𝑠, 𝑡 : 経過時間 𝑡 ごとの Δ𝑠の発生回数 𝑂𝑤 Δ𝑠, 𝑡 : 𝑖 が試合に勝利したときの 経過時間 𝑡 ごとの Δ𝑠の発生回数 9
  2. アルゴリズム 1. プレイ単位のデータ (以降,Play-by-play データ) を 𝑁𝑠 試合分用意する. 2. 試合単位で

    Play-by-play データを選択し,経過時間 𝑡 ごとに ホームチーム 𝑖 の点差 Δ𝑠 を計算する.これを全試合に対して行う. このときクオーター数が 4 つではない試合 (延長戦など) は除外する. 3. 𝑡 ごとの Δ𝑠 の発生回数 𝑂(Δ𝑠, 𝑡) とチーム 𝑖 が試合に 勝利したときの 𝑡 ごとの Δ𝑠 の発生回数 𝑂𝑤 Δ𝑠, 𝑡 を計算する. 11
  3. アルゴリズム 4. 𝑂(Δ𝑠, 𝑡) と 𝑂𝑤 Δ𝑠, 𝑡 から経験的勝敗確率 𝑤(Δ𝑠,

    𝑡) を 計算する. 5. 𝑤(Δ𝑠, 𝑡) に対してシグモイド関数に基づいて 一般化線形モデルのあてはめを行い,ෝ 𝑤(Δ𝑠, 𝑡) を構築する. この処理を 𝑡 = 0, 1, · · · , 2400[s] に対して行う. 12
  4. モデリング結果・有効性の確認 1. Play-by-play データを試合単位でランダムに訓練用と検証用に分ける. また,データの割合は 8:2 とする. 2. 訓練用の Play-by-play

    データを用いて,予測勝敗確率 ෝ 𝑤(Δ𝑠, 𝑡) を構築する. 3. 検証用の Play-by-play データから試合単位で Δ𝑠, 𝑡 を 算出する. 4. 作成した ෝ 𝑤(Δ𝑠, 𝑡) と (Δ𝑠, 𝑡) を用いて各時刻 𝑡 ごとに予測正解率,対数損失,較正値を 計算する. 5. 1-4 を 5 回繰り返す. 14
  5. モデリング結果・有効性の確認  予測正解率:実際の試合の最終的な勝敗と, ෝ 𝑤(Δ𝑠, 𝑡) > 0.5 が一致する割合. 

    対数損失:実際の試合の最終的な勝敗を 𝑤𝑎 ∈ {0, 1} としたとき,以下の値. − (𝑤𝑎 log2 ෝ 𝑤 Δ𝑠, 𝑡 + (1 − 𝑤𝑎 ) log2 (1 − ෝ 𝑤 Δ𝑠, 𝑡 ))  較正値:各時刻 𝑡 ごとのホームチームの (予測勝率の和)/(実勝利数) 15