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再利用ロケットの現状と今後.pdf

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November 08, 2024
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  1. スペースシャトル以降の再利用ロケット • 世界各国でもスペースプレーン型の再利用ロケットが構想、計 画されたが・・・ エネルギア・ブラン(ソ連) HOPE(日本) ゼンガーⅡ(ドイツ)[1] ベンチャースター(アメリカ) • いずれも予算超過等により中止

    • 現在はロケット(Launch vehicle) というよりも純粋な貨物として のスペースプレーンが存続 X-37B(アメリカ) ドリームチェイサー(アメリカ) [1]Palatinatian, https://commons.wikimedia.org/wiki/File:S%C3%A4nger_Raumtransporter.JPG
  2. スペースシャトル以降の再利用ロケット • 世界各国でもスペースプレーン型の再利用ロケットが構想、計 画されたが・・・ エネルギア・ブラン(ソ連) HOPE(日本) ゼンガーⅡ(ドイツ)[1] ベンチャースター(アメリカ) • いずれも予算超過等により中止

    • 現在はロケット(Launch vehicle) というよりも純粋な貨物として のスペースプレーンが存続 X-37B(アメリカ) ドリームチェイサー(アメリカ) [1]Palatinatian, https://commons.wikimedia.org/wiki/File:S%C3%A4nger_Raumtransporter.JPG 計 画 中 止
  3. SpaceXの登場 • X.com(後のPayPal)創業者 イーロン・マスクがPayPal株の 売却資金を元手に2002年に設立 • ファルコン1の成功 • ファルコン9でISSへの補給任務に 成功(2012年)

    • そして再使用へ・・・ ちなみに数字は第一段エンジンの数。 バージョン数ではない NASAと契約しISS補給任務を行ったドラゴン補給船
  4. ファルコン9の再利用 • ファルコン9の回収実験 • パラシュート回収の断念、数多 の爆発を乗り越え・・・ • 2015年に着陸成功! • その後次々と打ち上げを受注、

    自社のスターリンクも併せて 2023年は96回打ち上げ • 2024年11月5日時点で累計387回 (スペースシャトルは30年で 135回) [2] SpaceX社,”FALCON USER’S GUIDE”, https://www.spacex.com/media/falcon-users-guide-2021-09.pdf, P.64 1.Boostback burn(地上着陸の場合) 2.Entry burn 3.Landing burn [2]
  5. ファルコン9のハードウェア • 推進剤はケロシン (石油系の燃料) +液体酸素 • 第二段は使い捨て • 第一段分離後に グリッドフィンを展開

    Landing burn中に着陸脚 を展開 • フェアリングも パラシュートで海に着水 させ回収可能 第一段 マーリンエンジン9基 第二段 マーリンエンジン1基 (真空用) フェアリング グリッドフィン 着陸脚 グリッドフィン[4] [3] [3] SpaceX社, “FALCON USER’S GUIDE”, https://www.spacex.com/media/falcon-users-guide-2021-09.pdf, P.6 [4]SpaceX社, https://www.spacex.com/vehicles/falcon-9/
  6. ファルコン9以外の再利用ロケット開発 • ファルコンヘビーのみ 運用中 • その他アメリカ、中国を中心 に多数のベンチャー企業が 開発中 ファルコンヘビー(SpaceX) ファルコン9の両サイドに第一段を

    追加で合体させた派生型 スターシップ(SpaceX) 全段再利用を目指す超大型ロケット ニューグレン(Blue Origin) 第一段を回収する大型ロケット ニュートロン(Rocket Lab)[5] [5]CaglayanKutay, https://commons.wikimedia.org/wiki/File:RocketLab_Neutron_ana_k%C4%B1s%C4%B1mlar.png CALLISTO(日独仏共同) 1段再使用飛行実験 [6]JAXA研究開発部門, https://www.kenkai.jaxa.jp/research/callisto/callisto.html
  7. 今後の宇宙開発の中での再利用ロケット • アルテミス計画、月軌道プラットフォーム ゲートウェイの建設が今後進行する予定 • 月軌道までの輸送には多額のコスト (ロケットにもよるが低軌道に比べ 1/3~1/2の重量しか運べない) • 月面着陸船にスターシップが採用

    • 火星探査、衛星コンステレーション アルテミスⅠは2022年に実施済み アルテミスⅡ(有人月周回)は 2025年9月の予定 月軌道プラットフォームゲートウェイ はSLS、ファルコンヘビーで打ち上げ予定
  8. スターシップの開発 • ファルコン9では2段目の回収は断念 →大気圏再突入時の加熱 • 火星探査、植民のためには ファルコンヘビーですら能力不足 • 液体メタン+液体酸素エンジン →再利用性、火星での推進剤生成

    • ステンレス製タンク、耐熱タイル装備、 33基のエンジンによる7500tの推力 全長100mを超える史上最大の 超大型ロケット誕生! • 低軌道100t以上の能力 • 軌道上推進剤補給で重い貨物を遠くに 第一段(ブースター)は発射台のタワー に付けられたアームで空中キャッチ 将来的には第二段(シップ)も同様 第二段には六角形の耐熱タイルと フラップを装備[7] [7] Lars Plougmann, https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Starship_SN20_getting_a_tile_inspection_(close-up)_(51432107025).jpg
  9. スターシップの能力 • 11/5時点で5回の試験飛行 • 第一段(B)の空中キャッチに成功 • 第二段(S)は再突入、軟着水に成功 • 達成すべき課題 ・軌道上推進剤補給

    ・第二段空中キャッチ ・迅速な再整備 Flight5でS30+B12が飛行 Flight6はS31+B13? V1はS32で製造終了 現在はV2のS33、S34の製造が確認されている 将来的にはV3まで発展し低軌道200t、離床推力1万t、全長150mに [8] [8]SpaceX社, https://x.com/SpaceX/status/1776669097490776563
  10. スターシップの開発スケジュール • Flight6に向けてS31とB13が準備を受けている • Flight6は11月18日を目標。V1最後の飛行? • V2からはタンクの延長、フラップの位置が変更 • V2の初飛行は来年初頭?スターリンクを搭載? •

    2025年3月から軌道上推進材補給の実証? • 2026年9月以降にアルテミス3 (スターシップHLSの月面着陸) • 2026年中に火星へ飛行? Flight5の打ち上げ[9] [9] Steve Jurvetson, “SpaceX Starship ignition during its launch on IFT-5. ” https://commons.wikimedia.org/wiki/File:SpaceX_Starship_ignition_during_IFT-5.jpg