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AI連携の新常識! 話題のMCPをはじめて学ぶ!

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October 29, 2025

AI連携の新常識! 話題のMCPをはじめて学ぶ!

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MakoAkiba

October 29, 2025
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Transcript

  1. © 2025 IBM Corporation 3 自己紹介 金 俊赫 (Junhyuk Kim)

    カスタマーサクセスマネージャー 製造・電力のお客様担当 これまで、アプリ、インフラ両領 域で開発からコンサルまで幅広く 経験 今日は、一つでも新しい気づきを お伝えできると嬉しいです! 秋葉 眞子 (Mako Akiba) カスタマーサクセスマネージャー 新卒1年目 大学時代 農学系 リモートセンシング、画像解析 今年中に基本情報技術者取得! 松下 浩大 (Kodai Matsushita) クライアントエンジニアリング プラットフォームエンジニア 保険のお客様担当 前職はSIerで要件定義〜運用保守 まで幅広く担当 宮崎 達也 (Tatsuya Miyazaki) カスタマーサクセスマネージャー 前職は SIer でアジャイル開発から 大規模システムのPMまで 幅広いIT技術の実利用やトレンド を共有して、お客様に悩みを共有 いただける徳の高いエンジニアに なることが目標です
  2. © 2025 IBM Corporation 4 このセッションについて 目的 • MCP の概要を理解する

    • MCP を活用した業務ユースケースをイメージできるようになる ゴール • 「MCPとは何か?」を理解する • 「MCPがなぜ便利か?」を理解する • 「自分の業務にどう活かせるか?」をイメージできる
  3. © 2025 IBM Corporation 5 本日の進行 • 第一部:MCPとは? ✓ MCPの概要説明

    ✓ なぜMCPが必要なのか • 第二部:MCPを業務で活用するには? ✓ 設備保全システムにおけるユースケースの紹介 ✓ 背景課題とMCPによる解決イメージ ✓ デモンストレーション(チャットからの操作体験) ✓ 今回実装した内容の説明 • 第三部:まとめ ✓ アンケート ✓ IBM TechXchange Summit Japan 2025 のご案内 ✓ QA →Teamsのチャット欄にて随時受付中
  4. © 2025 IBM Corporation 8 ① Master Control Program ②

    Model Context Protocol ③ Multi-Cloud Platform Q.MCPとは何の略でしょうか?
  5. © 2025 IBM Corporation 9 ① Master Control Program ②

    Model Context Protocol ③ Multi-Cloud Platform Q.MCPとは何の略でしょうか?
  6. © 2025 IBM Corporation 10 MCPとは? Anthropic 社が2024年11月に提唱 公式定義: AI

    アプリケーションを外部システムに接続するためのオープンソース標準 Model Context Protocolの略。 実際のところ、注目されているの?なぜ注目されているの? AIモデル Context Model Protocol 周辺情報 → (AIモデルがツールと)接続するために必要な情報 共通ルール 生成AIが、ツール(アプリやサービス)と連携するための新しい規格!
  7. © 2025 IBM Corporation 11 MCPが注目される背景 • AI連携のデファクトスタンダードになりつつある ✓ IBM、OpenAI、Google、Microsoftなどが採用を決定

    • AI連携がしやすくなった! 異なる規格... 同じ規格! 従来 MCP採用後 AIモデルA AIモデルB アプリA アプリB AIモデルA AIモデルB アプリA アプリB MCP
  8. © 2025 IBM Corporation 12 MCPの基本構成 言語モデル(LLM)を扱う アプリやエディタ 例) VS

    Code, watsonx Orchestrate = AIアプリ MCPホスト 特定のサーバーと1対1で接続 = プログラム アプリ、サービスの 使い方や動かし方が書かれている = 通信担当 種類 ① Resource: データ参照 ② Prompt: プロンプト提供 ③ Tool: アクション実行 例) read_file: ファイルを読み込む send_message: メッセージ送信 create_commit: Githubコミット データ形式 ・ JSON-RPC MCPサーバー 通信方式 ・ Stdio transport ・ Streamable HTTP transport MCPクライアント トランス ポート AI モ デ ル ア プ リ ・ サ ビ ス MCPの範囲
  9. © 2025 IBM Corporation 14 MCPが得意なユースケースは? アプリやサービスと連携して業務効率化 例) • 業務管理

    (AIが業務ツールを直接操作) ✓ 会議のスケジューリング ✓ 顧客情報や在庫の管理 • 資料作成 (AIがデータ参照し、文書を自動作成) ✓ レポート、ドキュメント、議事録作成 • 外部ツールとの連携 ✓ Githubでブランチを切る、コミットする MCP MCP スケジュール 管理アプリ ドキュメント 管理アプリ 文書作成 アプリ
  10. © 2025 IBM Corporation 16 今回の対象業務:設備保全業務 設備を保全(≒メンテナンス)する業務です。 設備の例 • エネルギー設備

    ✓ 太陽光パネル、変電所など • 機械設備 ✓ 溶接ロボット、エレベーターなど • その他 ✓ ガス管(パイプ)、製造装置など 保全(≒メンテナンス)の例 • 点検、修理、保全計画 • その他 ✓ 潤滑油など保全資材の調達と管理 出典:IBM お客様事例 ページから、「ソリューションで探す=サステナビリティー」 「キーワードで探す=Maximo」をそれぞれ指定して表示された結果(2025年10月23日時点)
  11. © 2025 IBM Corporation 17 今回の対象業務システム:Maximo Maximo(”マキシモ”と読む)は、IBM Maximo Application Suite

    (MAS) が正式名称です。 設備保全業務を支援するパッケージ・ソフトウェアです。 出典:https://www.ibm.com/jp-ja/products/maximo
  12. © 2025 IBM Corporation 18 ユースケース 今回のMCPデモ:ユースケース 設備の異常に気づき、対象設備の急な点検が発生した場合のユースケースです。 Maximoの操作例 •

    Maximoにログイン • ワークオーダー(作業依頼) を作成 ✓ どのような作業依頼かを記載 ✓ 担当者(今回は上司)を指定 ロボットの 点検担当者 冷却水 循環ポンプ • 条件 ✓ 設備の異常に気づいた人が対象設備の担当ではない ✓ Maximo上ですぐにアクションできる状況ではない
  13. © 2025 IBM Corporation 20 今回のMCPデモ:業務システム(アプリ)観点の気づき MCPを活用していく際、アプリ観点で2点の気づきがありました。 API利用時の一般的なポイントですが、MCP活用のシーンでも検討・考慮は必要です。 • アプリの実運用と矛盾が発生しないように検討しましょう

    ✓ 特に、API経由でデータを更新する場合 ➢ 例えば、アプリ上のデータに対する最終更新者の問題です。 アプリ上でデータを更新する場合は、アプリのログインユーザーが最終更新者です。 また、API経由でデータを更新する場合は、APIをリクエストしたユーザー(MCP側で指定したユーザー)です。 アプリでログインしたユーザー(アプリ実運用)と、MCP側で指定したユーザーが異なる場合、 アプリ上のデータの最終更新者情報が、アプリの実運用(ログインユーザー)と矛盾してしまいます。 • アプリのお作法を考慮しましょう ✓ 特に、パッケージ・ソフトウェアが対象のシステムとなる場合 ➢ 例えば、API利用時に、技術的な観点だけでなく、ライセンス的な制約はないか。 APIを利用するためにライセンスの追加が必要だったり、APIの用途(データの取得や更新など)ごとにもライセンスの 考え方が異なってライセンスの追加が必要だったりする場合もあります。
  14. © 2025 IBM Corporation 21 MCPを活用するとできること Maximoを使った設備保全業務でMCPを活用した場合を例に説明します。 チャットで実施するMaximo操作 • 自然な会話でMaximoを操作

    ✓ 「照明点検の新しい作業を登録して」 ✓ 「担当を佐藤に変えておいて」 • 生成AIが指示内容を理解し、MCPを通じてMaximoに反映 • Maximo画面を開かなくても、チャット上で作業完了 業務への効果 • 作業依頼・進捗報告が迅速に ✓ 現場や営業が直接チャットから依頼・更新 • Maximoの操作負担を軽減 ✓ ログイン・検索・登録といった操作が不要 • システム間の連携を意識せず利用 ✓ 生成AIとのチャットがそのまま業務操作になる
  15. © 2025 IBM Corporation 22 システム構成 今回のデモで作成したシステムの構成を説明します。 watsonx Orchestrate チャットでやり取り

    各種ツール呼出 watsonx.ai (生成AI) API呼出 MCPサーバー Maximo 各種ツールを定義 • ワークオーダー作成 • ワークオーダー更新 • 作業者リスト取得 利用ライブラリ • FastMCP(Python) ユーザー
  16. © 2025 IBM Corporation 23 ソースコードのご紹介 簡単に利用できるイメージを持ってもらうため、ソースコードを一部紹介します。 「FastMCPでは最小構成でMCPサーバーを構築できること」を設計思想にしており、3ステップで実装が完了します。 ① 認証の設定

    • 今回はシンプルなStatic Token認証を採用 ② 各種ツールの実装 • 関数定義部分に説明を記載 ✓ 生成AIが説明を見て状況に 合わせたツールを使用 ③ MCPサーバーの起動
  17. © 2025 IBM Corporation 24 MCPを利用することのメリット サーバー開発者の視点 • 標準プロトコルに基づくため、独自規格を調整する必要がなくなる ✓

    非機能要件の調整事項が少なくなり、設計工数の削減に寄与する ✓ クライアント別に実装する必要が無くなる • シンプルな仕様で実装が容易 ✓ REST APIに近いインターフェース仕様のため、API実装経験があれば特に対応しやすい ✓ 既にAPIが提供されているサービスであれば、ラッパーを作成してMCP化する形で容易に変換できる 業務利用者の視点 • さまざまなMCPホスト(アプリケーション)で利用可能 ✓ 使い慣れたアプリケーションに接続することができる • 利用のためにはエンドポイントURLを指定するだけでよい ✓ USB-Cを使うように、接続先のサービスを問わず簡単に設定できる ✓ ただし、MCPサーバーの仕様にあわせて認証設定が必要な場合がある • 複数のMCPサーバーと同時に接続して透過的に利用できる ✓ ツールを使い分ける必要がなくなる
  18. © 2025 IBM Corporation 25 まとめ • 「MCPとは何か?」を理解する → 生成AIがツールと連携するための規格

    • 「MCPがなぜ便利か?」を理解する → 提供者/利用者ともにAIを拡張する機能を簡単に提供/利用できる • 「自分の業務にどう活かせるか?」をイメージできる → 既存の業務システムを自然言語で操作できる
  19. © 2025 IBM Corporation 27 IBM TechXchange Summit Japan 2025

    日時 : 2025年12月3日(水)9:00-19:00(懇親会含む) 会場 : 東京国際フォーラム 参加費 : 無料 参加方法: 事前登録制 Register today → URL: https://www.ibm.com/events/reg/flow/ibm/ dzcwizmb/createaccount/page/contactInfo おすすめのブレイクアウト・セッション • [G602-6] Project Bobを使ったAI駆動型の業務アプリ設計・実装入門 • [G604-4] Maximo v9.1最新情報とデモ紹介 • [G607-3] AI×オンプレ×マルチクラウド - システム連携の新時代へ • [G608-1,2] ハンズオンで体験 ノーコードで作るAIエージェント • [G609-1] 現場から始める AIエージェント開発 - 要件定義から本番導入まで 注意事項! • 登録時の「紹介者」欄には以下のどちらかの名前・メールアドレスを 記載いただきますようお願い致します。 • 松下 浩大([email protected]) • 秋葉 眞子([email protected]) • 本イベントは、一昨年・昨年と多くの反響をいただいた弊社最大規 模の技術イベントであり、特に人気のセッションは早期に満席とな ることがあります。予めご了承いただけますようお願いいたします。