Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
時系列分析と状態空間モデリングの基礎 / Foundations of Time Series Analysis and State Space Models 0
Search
masso
December 17, 2020
Science
0
440
時系列分析と状態空間モデリングの基礎 / Foundations of Time Series Analysis and State Space Models 0
masso
December 17, 2020
Tweet
Share
More Decks by masso
See All by masso
データ解釈学入門 第一部 / Data hermeneutics Part 1
masso
8
2k
わかりやすいパターン認識2章 / Pattern Recognition Manual Easy to understand SS 02
masso
0
620
分析環境紹介LT / the introduction of as my analysis env is
masso
0
77
わかりやすいパターン認識1章 / Pattern Recognition Manual Easy to understand SS 01
masso
0
130
データ解析のための統計モデリング入門6章 / Handbook-of-statistical-modeling-for-data-analysis-section6
masso
0
220
DLGが目指すコミュニティの形 / DLG Community Objective
masso
0
2.2k
PowerAutomateによる社員健康状態集計システム / Employee health status tabulation system with Power Automate
masso
0
1.3k
Other Decks in Science
See All in Science
Introduction to Graph Neural Networks
joisino
4
1.4k
AI(人工知能)の過去・現在・未来 —AIは人間を超えるのか—
tagtag
0
230
Endocannabinology 101
drbonci
PRO
0
250
Pokemon Roughs
shoryuuken
0
370
東大・松尾研主催 LLM Summer 2023 コンペ解法 (11位 – 20位枠での優秀賞)
hayataka88
0
180
データで課題を解決する -因果関係を調べる統計的因果推論-
sshimizu2006
4
1.3k
Machine Learning for Materials (Lecture 8)
aronwalsh
0
320
Pandas 2 vs Polars vs Dask (PyDataGlobal 2023 December)
ianozsvald
0
430
最新のAI技術を使った材料シミュレーションで材料研究現場に変革を
matlantis
0
420
The Universe, How it works
arafkarsh
0
100
バックアップ『しながら』ランサムウェア検出も!? セキュリティ強化が満載 Veeam 12.1
climbteam
0
300
ベクトル型スーパーコンピュータ「AOBA-S」の性能評価
keichi
0
250
Featured
See All Featured
How to Create Impact in a Changing Tech Landscape [PerfNow 2023]
tammyeverts
14
1.5k
VelocityConf: Rendering Performance Case Studies
addyosmani
320
23k
"I'm Feeling Lucky" - Building Great Search Experiences for Today's Users (#IAC19)
danielanewman
221
21k
Teambox: Starting and Learning
jrom
128
8.4k
Thoughts on Productivity
jonyablonski
58
3.8k
GitHub's CSS Performance
jonrohan
1025
450k
Into the Great Unknown - MozCon
thekraken
10
990
BBQ
matthewcrist
80
8.8k
Fireside Chat
paigeccino
21
2.6k
The Cost Of JavaScript in 2023
addyosmani
16
3.8k
Facilitating Awesome Meetings
lara
42
5.6k
Navigating Team Friction
lara
178
13k
Transcript
基礎からわかる時系列分析 輪読会 第5回 〜ちょっと⽴ち⽌まって基本を学ぶ回〜
すいません、違う本の内容を紹介させてください (エクストリームすぎるだろw というツッコミ待ち) ✋
なぜ別の本を持ち出したか • 時系列分析の基本がわからなすぎて前回ついて いけなかった • 『基礎からわかる時系列分析』の場合、 AR/MA/ARMA/ARIMAあたりを丁寧に解説して いるところがなかった(そこを知りたい…) • 今回紹介する本は、そこんとこを優しく解説し
てくれてた
お品書き ① 時系列データを表現する上での基本 ② データの⽣成過程〜定常過程・⾮定常過程 ③ ARIMAモデルとはなんだ〜有⾺さんじゃないよ
時系列データを表現する上での 基本 『時系列分析と状態空間モデルの基礎』1部2章付近
学ぶ⽤語⼀覧 • ⾃⼰相関とコレログラム • 季節成分・周期成分 • トレンド • 外因性 •
ホワイトノイズ
⾃⼰相関とコレログラム ⾃⼰相関 過去の⾃分との相関。 時系列じゃない場合は、説 明変数XとYの相関Cov(x,y) とか考えるけど、時系列は、 ⾃分との相関Cov(Xt, Xt-1) を考える点が特徴といえる ⾃⼰相関係数(ACF)と
偏⾃⼰相関係数(PACF)がある コレログラム 何時点前との⾃⼰相関が強 いのかを判断するのに使わ れる作図⽅法
季節成分・周期成分 • 常にN時点前のデータと強い相関がある場合、 周期性があると⾔える • 単に、「⾃⼰相関がある」と捉えるだけで終わ らせてはいけない • 特に1年単位の周期があるもの(12ヶ⽉前と 強い相関がある)ものを季節性と呼ぶ
• 他にも週単位、⽇単位の周期性もある
トレンド • 例えば、「毎⽉の売上が20万円ずつ上昇する ような右肩上がりの業績データ」であれば、正 のトレンドがあるなどという • もう少し⼀般的な表現をするなら、「中⻑期的 なデータの単調変化(増加・減少)」とも⾔え るかも
外因性 • 外部の要因によるもの、例えば「近くでイベン トが⾏われたので売上が際⽴って⾼い⽇」の データなどは、外因性によるデータの振る舞い といえる • もう少し⼀般的な表現をするなら、「分析対象 としている『系』の外のイベントによる影響」 と⾔えそう
ホワイトノイズ • 純粋なノイズ。予測不可能と考えてよい。 • 具体的な条件は – 期待値が0 & 分散が⼀定 &
⾃⼰相関が0 • よく使われるのは、平均0で分散σ2の正規分布
時系列データの構造 時系列データ = 短期の⾃⼰相関 + 周期的変動(季節性含む) + トレンド + 外因性
+ ホワイトノイズ
データの⽣成過程 〜定常過程・⾮定常過程 『時系列分析と状態空間モデルの基礎』2部2章付近
特徴と定義 定常過程 ⾮定常過程 • 分析しやすい • 時点によらず期待値が⼀定 & 時点に よらず⾃⼰共分散・⾃⼰相関が時点差
のみに依存 • 分析しにくい • 定常過程以外の全て(現実はこっちが 多い)
定常過程が分析しやすい理由 • 基本統計量は以下のように表せる • これが時点によって変わらないので、ある区間(例えば1ヶ ⽉分)のデータから算出した期待値や分散がそのまま「特定 時点の期待値や分散の推定量」とみなせる • 定常過程データに対して(後述の)ARMAモデルが⾼い説明 能⼒を持つ
⾮定常過程のデータを扱いやすく変換する • 差分をとる→トレンドを消せる – d階差分をとると定常過程に変化するものをd次和分過程という
⾮定常過程のデータを扱いやすく変換する • 対数をとる→和が積になる。解釈内容が変わる。 時系列データ=周期的変動+トレンド+ホワイトノイズ log時系列データ=log周期的変動+logトレンド+logホワイトノイズ log(時系列データ)=log(周期的変動×トレンド×ホワイトノイズ)
ARIMAモデルとはなんだ 〜有⾺さんじゃないよ 『時系列分析と状態空間モデルの基礎』2部3・4章付近
結論 • AR(⾃⼰回帰)モデル • MA(移動平均)モデル • I(d)︓d次和分過程 • ARIMA=AR+I(d)+MA
⾃⼰回帰モデル • AR(⾃⼰回帰)モデル • MA(移動平均)モデル • I(d)︓d次和分過程 • ARIMA=AR+I(d)+MA
移動平均モデル • AR(⾃⼰回帰)モデル • MA(移動平均)モデル • I(d)︓d次和分過程 • ARIMA=AR+I(d)+MA 係数が1より⼩のAR(1)
はMA(∞)に等しい という関係がある
ARMA • AR + MA(⾃⼰回帰移動平均)モデル • p次のARモデルとq次のMAモデルはARMA(p,q) • ⾃⼰相関をより柔軟に表現できる
d次和分過程 • AR(⾃⼰回帰)モデル • MA(移動平均)モデル • I(d)︓d次和分過程 • ARIMA=AR+I(d)+MA d階差分するとはじめて定常過程になる
⾮定常過程のこと 何階差分をとれば⼗分なのかは単位根検定によっ て判断する
ARIMAモデル • AR(⾃⼰回帰)モデル • MA(移動平均)モデル • I(d)︓d次和分過程 • ARIMA=AR+I(d)+MA d次和分過程のデータをd階差分して、
定常過程に変換した上で、ARMAを適⽤する 次数p,d,qを⽤いてARIMA(p,d,q)と表現する
ARIMAの拡張 • SARIMA モデル=ARIMA+Seasonal(季節性) • ARIMAX モデル=ARIMA+Exogenous(外因性)
SARIMA • SARIMA モデル=ARIMA+Seasonal(季節性) • ARIMAX モデル=ARIMA+Exogenous(外因性) ⽉単位のデータを例に取ると データを前年同期ごとにとり、「去年との相関関係」をモ デル化する
1周期がsのデータにおいて、ARIMAの次数(p,d,q)、 季節性の次数(P,D,Q)として、SARIMA(p,d,q)(P,D,Q)[s] と表現する
ARIMAX • SARIMA モデル=ARIMA+Seasonal(季節性) • ARIMAX モデル=ARIMA+Exogenous(外因性) 回帰の要素をいれたARIMAといえる。 ある店舗のの売上が、近くで⼤きなイベントが開催され たために急激に増加した場合を考慮するときとか
また、曜⽇や祝⽇の効果をモデルに組み込むときも使われ ることがある。SARIMAと異なりダミー変数(祝⽇フラグ とか)で様々なパターンが作れるので、季節性のデータで もARIMAXでモデル化した⽅が楽なときもある。
まとめ
補⾜
SARIMAの数式表現 結論 導出
ARIMAXの数式表現