Amazon Q Developer IDEのプロンプト整備と MCP活用によるpull request作成自動化

生成AIコーディングアシスタントサービスである Amazon Q Developer IDE は、プロンプトの入力内容によっては必ずしも期待通りのソースコードを生成しない場合があります。一貫して期待する生成結果を得るためには、プロジェクトルールやdevfileの設定、プロンプトファイルによるプロンプトの管理など、工夫が必要です。
さらに、2025年6月12日のアップデートにより、Model Context Protocol (MCP) が利用可能となり、外部システムとの連携が容易にできるようになりました。
今回はMCPを利用した、一歩踏み込んだ Amazon Q Developer の活用方法について紹介します。

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1. 2025年7月22日 Amazon Q Developer IDEのプロンプト整備と MCP活用によるpull request作成自動化 NRIネットコム株式会社 NTシステム事業一部 NTシステム開発三課 松澤 武志 ～NRIネットコム TECH AND DESIGN STUDY #71～
2. 2 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. 1. 自己紹介 2. Amazon Q Developerとは 3. Model Context Protocolとは 4. コーディング～pull request作成自動化の事前準備 5. コーディング～pull request作成自動化の実践 6. まとめ 目次
3. 3 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. 1. 自己紹介
4. 4 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. 1. 自己紹介  名前：松澤武志  出身：兵庫県小野市  趣味：  お弁当作り  ブログ執筆 • 10本執筆  保有AWS認定：  所属：NTシステム事業一部 NTシステム開発三課  職種：アプリケーションエンジニア  Webアプリケーションのフロントエンド・バックエンド開発  Spring Boot(Java)・Angular(TypeScript)  2025年7月より C# デスクトップアプリケーション開発  経歴：  2024年4月 NRIネットコム入社  2024年12月 Amazon SageMaker AIに10$課金  2025年3月 JAWS DAYS 2025参加  2025年6月 AWS Summit 2025参加 Amazon SageMaker AI
5. 5 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. 2. Amazon Q Developer IDEとは
6. 6 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. Amazon Q Developer IDEの概要 2. Amazon Q Developer IDEとは 参考：Amazon Q - 生成 AI 搭載アシスタント アプリケーション のコーディング テスト レガシーなコード のモダナイズ エラー診断 セキュリティ スキャン AWSリソースの 最適化 開発タスクをサポートする生成AIコーディングアシスタントサービス • IntelliJ IDEA（JetBrains） • Visual Studio Code • Visual Studio さまざまなIDEでサポート
7. 7 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. 2種類のプロンプト入力方法 2. Amazon Q Developer IDEとは Amazon Q Chat インラインコメント 今回はAmazon Q Chatを利用
8. 8 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. Amazon Q Developer エージェントコマンド一覧 • コードやファイルの生成 /dev • レガシーなコードのモダナイズ /transform • ユニットテストの自動生成 /test • コードレビューの実行 /review • コードをもとにReadmeファイルを自動生成 /doc 2. Amazon Q Developer IDEとは ※エージェントコマンドはタスク特化機能。コマンドを使用しない場合でも、プロンプト入力時 Agentic codingをonにすることでAIエージェントを利用できる
9. 9 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. Amazon Q Developer その他機能 • あらかじめプロンプトをMarkdown形式で記載 • ローカルの「.¥aws¥amazon¥prompts」に保存 • 「@ファイル名」で呼び出し可能。 • プロンプトの再利用、構造化されたプロンプトの記述が可能 プロンプトファイル • 生成AIコーディング時のルールを記載 • 「project-root¥.amazonq/¥rules」に保存 • Javadocの記載、命名規則などを定義可能 プロジェクトルール • @workspace • ワークスペースコードの最も関連性の高いチャンクをコンテキストに含める • コンテキストのピン止め コンテキスト 2. Amazon Q Developer IDEとは
10. 10 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. 3. Model Context Protocol とは
11. 11 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. AIエージェントとは 3. Model Context Protocol とは AIエージェントの4つの特徴 プロファイル 記憶 計画 行動 LLMの事前学習済みの知識に 基づいて推論・ツール実行 外部接続を容易にしてくれるのが Model Context Protocol
12. 12 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. Model Context Protocol とは 3. Model Context Protocol とは MCP クライアント MCPサーバー MCPサーバー 外部ツールA 外部ツールB メリット • 外部ツールの連携が容易になる • マルチモーダルなタスクに強い （画像、テキスト、コードなど） • 開発者が管理しやすい LLM MCPによる通信 APIによるツール利用 MCPホスト アプリケーションと外部システムの接続方法を 標準化する規格（プロトコル）
13. 13 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. 今回の取り組み 3. Model Context Protocol とは 外部ツールA Notion 外部ツールB GitHub  ドキュメント管理 ツール  構造的に ドキュメントを管理 プロンプトの管理 × MCP チケットを作成 →PRの作成までを自動化 プロンプト ファイル プロジェクト ルール プロンプトの管理 Model Context Protocol  バージョン管理 ツール  プロンプトを記載  毎回Chat時に プロンプトを考えな くてよい  コーディングルール を記載
14. 14 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. 4. コーディング～pull request作成自動化の事前準備
15. 15 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. 自動化までの一連の流れ 4. コーディング～pull request作成自動化の事前準備
16. 16 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. チケットの起票 4. コーディング～pull request作成自動化の事前準備  API概要  APIエンドポイント  リクエスト仕様  クエリパラメータ  レスポンス項目  エラーレスポンス/エラーコード  DBのテーブルやカラムの詳細  シーケンス図 Notion上でチケットを起票
17. 17 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. プロンプトファイルの編集 4. コーディング～pull request作成自動化の事前準備 1. ブランチの チェックアウト 2. 実装修正 3. ビルド、テスト 確認 4. Pull Request 作成
18. 18 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. プロジェクトルールの編集 4. コーディング～pull request作成自動化の事前準備 Javadocの記載 パッケージ構成 命名規則 テストファイルのルール • Junitの利用 • 分岐網羅をカバー
19. 19 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. MCPの設定 ～side Notion～ 4. コーディング～pull request作成自動化の事前準備 1. インテグレーション を作成 2. APIアクセストークン を作成 3. ワークスペース を指定
20. 20 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. MCPの設定 ～side Amazon Q Developer～ 4. コーディング～pull request作成自動化の事前準備 設定値 設定変数 MCPサーバーが利用できるワークスペース Global / This workspace scope 任意 Name MCPサーバーとMCPクライアントの通信 Stdio（標準入出力） Transport サーバー起動時に使用するshellコマンド npx Command サーバー起動時に渡すコマンドライン引数 -y @notionhq/notion-mcp-server Arguments 環境変数 "OPENAPI_MCP_HEADERS": "{¥"Authorization¥": ¥"Bearer ntn_****¥", ¥"Notion-Version¥": ¥"2022-06-28¥" }" Enviroment variables MCP サーバーの設定
21. 21 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. 5. コーディング～pull request作成自動化の実践
22. 22 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. 全体像の再確認 5. コーディング～pull request作成自動化の実践
23. 23 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. 1. プロンプトの入力 5. コーディング～pull request作成自動化の実践 プロンプトファイル 「DEV4.md」 作成済みのため 「@DEV4」を入力するのみ  agentic coding をON → /コマンドを利用しなくとも agentic coding可能  LLＭの選択：Claude Sonnet 4 / 3.7
24. 24 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. 2. ブランチのチェックアウト 5. コーディング～pull request作成自動化の実践 作業用ブランチ「#4」を作成してチェックアウト ブランチ名もfew shot promptingによって「#4」となる DEV4.md の 「# 1. ブランチのチェックアウト」の内容を実行
25. 25 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. 3. チケットの内容確認 5. コーディング～pull request作成自動化の実践 APIを実行 Notionからページ・ 内部のテーブルの 情報を取得
26. 26 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. 4. コーディング 5. コーディング～pull request作成自動化の実践 14ファイル生成！
27. 27 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. 5. ビルド/UT/IT実行確認 5. コーディング～pull request作成自動化の実践 エージェント 実行 失敗 計画 振り返り
28. 28 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. 5. ビルド/UT/IT実行確認 5. コーディング～pull request作成自動化の実践 エージェント 実行 失敗 計画 振り返り
29. 29 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. 5. ビルド/UT/IT実行確認 5. コーディング～pull request作成自動化の実践 エージェント 実行 失敗 計画 振り返り
30. 30 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. 6. pull request 作成 5. コーディング～pull request作成自動化の実践  Pull requestを自動生成  修正結果サマリの記載
31. 31 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. 6. まとめ
32. 32 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. 冪等性は担保されるのか？ 6. まとめ タスク取得API作成チケットを２回 行い、コミットを分けて比較した結果  Javadoc：「を」「の」の違い  Try-catch文の追加  MappingのURLの記載箇所 TaskController.javaでの差異  エージェントの思考に左右される ため、冪等性は担保されない  コーディングルール、チケットの粒 度の変更で対応可能
33. 33 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. 利点と課題 チケット→PR作成まで 人の手を介さない API作成タスクの場合 10分程度でPR作成 利点 エージェントの思考に よっては既存実装にも 影響を及ぼす プロジェクトルールを詳 細に記載しないと冪 等性は担保されない 課題 6. まとめ  開発者のチェック無しでPR作成まで自動化するのは危険  ストーリーポイントが1や2のような、修正箇所が少ないタスクには有用
34. 34 Copyright（C） NRI Netcom, Ltd. All rights reserved. 終わりに 6. まとめ Amazon Q Developer IDE Model Context Protocol チケット→PR作成までの工程を自動化可能 試行錯誤して、プロンプトファイル・プロジェクトルールの ベストプラクティスを模索する必要がある