Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
MVP開発をするための要求の詰め方/How to think about requiremen...
Search
MisatoKii
December 07, 2023
Programming
0
580
MVP開発をするための要求の詰め方/How to think about requirements for MVP development
MisatoKii
December 07, 2023
Tweet
Share
More Decks by MisatoKii
See All by MisatoKii
若手育成と機能開発を両立する開発戦略 〜新機能開発を若手チームに任せてみた〜 / Development strategy that balances training of young engineers and function development
misatokii
0
2.3k
rakus-meetup-tokyo-5-from-dev-group-to-dev-team
misatokii
3
1.6k
Other Decks in Programming
See All in Programming
各クラウドサービスにおける.NETの対応と見解
ymd65536
0
250
rails newと同時に型を書く
aki19035vc
5
710
ecspresso, ecschedule, lambroll を PipeCDプラグインとして動かしてみた (プロトタイプ) / Running ecspresso, ecschedule, and lambroll as PipeCD Plugins (prototype)
tkikuc
2
1.8k
functionalなアプローチで動的要素を排除する
ryopeko
1
190
Findy Team+ Awardを受賞したかった!ベストプラクティス応募内容をふりかえり、開発生産性向上もふりかえる / Findy Team Plus Award BestPractice and DPE Retrospective 2024
honyanya
0
140
PHPで学ぶプログラミングの教訓 / Lessons in Programming Learned through PHP
nrslib
4
1.1k
20年もののレガシープロダクトに 0からPHPStanを入れるまで / phpcon2024
hirobe1999
0
1k
Оптимизируем производительность блока Казначейство
lamodatech
0
950
Итераторы в Go 1.23: зачем они нужны, как использовать, и насколько они быстрые?
lamodatech
0
1.3k
ある日突然あなたが管理しているサーバーにDDoSが来たらどうなるでしょう?知ってるようで何も知らなかったDDoS攻撃と対策 #phpcon.2024
akase244
2
7.7k
EC2からECSへ 念願のコンテナ移行と巨大レガシーPHPアプリケーションの再構築
sumiyae
3
580
asdf-ecspresso作って 友達が増えた話 / Fujiwara Tech Conference 2025
koluku
0
1.3k
Featured
See All Featured
Build your cross-platform service in a week with App Engine
jlugia
229
18k
Faster Mobile Websites
deanohume
305
30k
Making the Leap to Tech Lead
cromwellryan
133
9k
The Straight Up "How To Draw Better" Workshop
denniskardys
232
140k
Product Roadmaps are Hard
iamctodd
PRO
50
11k
No one is an island. Learnings from fostering a developers community.
thoeni
19
3.1k
For a Future-Friendly Web
brad_frost
176
9.5k
Rails Girls Zürich Keynote
gr2m
94
13k
Exploring the Power of Turbo Streams & Action Cable | RailsConf2023
kevinliebholz
28
4.5k
Six Lessons from altMBA
skipperchong
27
3.6k
The Success of Rails: Ensuring Growth for the Next 100 Years
eileencodes
44
7k
[RailsConf 2023] Rails as a piece of cake
palkan
53
5.1k
Transcript
© RAKUS Co., Ltd. MVP開発をするための要求の詰め⽅ #RAKUS Meetup 株式会社ラクス 楽楽精算開発部 製品管理課 紀井
美⾥ 2023/12/6 1
⾃⼰紹介 2 PG/BrSE PjM PdM 紀井 美⾥ 株式会社ラクス 楽楽精算PdM 2013
2017 2022
本⽇お話すること 3 インボイス制度対応を事例にMVP開発とするために、どのような⼯夫をし て要求を詰めていったか プロダクト4階層を⽤いた要求を詰めるための実施アクション • 意志決定要素の構造化(システム思考) • やらないことを決める •
ステークホルダーと適切な単位ごとに合意形成をする
インボイス制度とは 4 インボイス制度とは? 2023年10⽉1⽇から施⾏された新しい消費税の制度 国が定める「適格請求書発⾏事業」の登録を受けた事業者が発⾏する適格請求書に 基づく消費税しか原則、仕⼊税額控除を認めないとする制度(国税庁より抜粋) 楽楽精算を利⽤しているユーザーへの影響 • 各種精算時に「適格請求書発⾏事業者」が交付した「適格請求書」であるかの判断 と「適格請求書」の保存が必要
• 上記を判断した上で税額の計算をする必要がある(仕⼊税額控除)
インボイス制度とは 5 インボイス制度とは? 2023年10⽉1⽇から施⾏された新しい消費税の制度 国が定める「適格請求書発⾏事業」の登録を受けた事業者が発⾏する適格請求書に 基づく消費税しか原則、仕⼊税額控除を認めないとする制度(国税庁より抜粋) 楽楽精算を利⽤しているユーザーへの影響 • 各種精算時に「適格請求書発⾏事業者」が交付した「適格請求書」であるかの判断 と「適格請求書」の保存が必要
• 上記を判断した上で税額の計算をする必要がある(仕⼊税額控除) 事業者は原則回避することができない!!
プロダクトの取り巻く環境 6 経理業務ドメイン領域 インボイス制度 仕⼊管理 経費管理 会計システム 売上管理 販売管理 請求書発⾏
仕訳デー タ 仕訳デー タ ドメイン×インボイス制度×製品の関係性 債権管理 固定資産 管理 原価(⼈件費) 管理 仕訳デー タ 決算報告書 適格請求書 確定申告書
© RAKUS Co., Ltd. 7 意志決定要素の構造化 (システム思考) #RAKUS Meetup
プロダクト4階層 8 プロダクト開発を進める時に効果的だとされる考え⽅ 書籍 プロダクトマネジメントのすべて より抜粋
プロダクト4階層 9 Why、Whatにフォーカスしていく 書籍 プロダクトマネジメントのすべて より抜粋
Why 「誰」を「どんな状 態にしたいか」 意志決定要素の構造化(システム思考) 10 What ユーザー体験 優先度 要素 ユーザーに提供する価値
プロダクトの価値提供としてや らないこと 課題仮説の⽴案 MVPの機能の策定スタンス MVP開発で提供する状態 「今」は開発をやらないこと コア コア
意志決定要素の構造化(システム思考) 11 要素 ユーザーに提供する価値 プロダクトの価値提供としてや らないこと 課題仮説の⽴案 MVPの機能の策定スタンス MVP開発で提供する状態 「今」は開発をやらないこと
コア コア 1 2 3 4 5 6 依存関係が物事を 考える順番
意志決定要素の構造化(システム思考) 12 要素 ユーザーに提供する価値 プロダクトの価値提供としてや らないこと 課題仮説の⽴案 MVPの機能の策定スタンス MVP開発で提供する状態 「今」は開発をやらないこと
コア コア 1 2 3 4 5 6 要素のコアを定める ※変更不可部分
意志決定要素の構造化(システム思考) 13 要素 ユーザーに提供する価値 プロダクトの価値提供としてや らないこと 課題仮説の⽴案 MVPの機能の策定スタンス MVP開発で提供する状態 「今」は開発をやらないこと
コア コア やらないことを 決める 1 2 3 4 5 6
MVP(Minimum Viable Product)とは 14 ユーザーに最⼩限の価値を提供できるプロダクトのこと 初期の顧客を満⾜させ、将来の製品開発に役⽴つ有効なフィードバックや実証を得られる機能を 備えた製品のバージョンを指す。 Crisp社のブログ記事 より抜粋
MVP(Minimum Viable Product)とは 15 ユーザーに最⼩限の価値を提供できるプロダクトのこと 初期の顧客を満⾜させ、将来の製品開発に役⽴つ有効なフィードバックや実証を得られる機能を 備えた製品のバージョンを指す。 Crisp社のブログ記事 より抜粋 MVPを決めるために、
やらないことを決める!!
思考プロセス概要 16 Why What ユーザーへの 提供価値 仮説課題の ⽴案 MVP機能策定 スタンス
MVP開発での 提供状態
© RAKUS Co., Ltd. 17 やらないことを決める #RAKUS Meetup
やらないことを決める 18 要素 ユーザーに提供する価値 プロダクトの価値提供として やらないこと 課題仮説の⽴案 決定内容 • 法律を遵守した適切な経理業務
ができる • 業務負担の軽減 • プロダクトの担う役割以外はや らない Viable Viable編 やらないことを決める上での重要なこと • 外部環境、内部環境の理解 • 経理業務の範囲×インボイス制度の影響範囲×プロダクトの担う役割範囲の理 解 Why What ユーザーへ の提供価値 仮説課題の ⽴案 MVP機能策 定スタンス MVP開発で の提供状態
やらないことを決める 19 外部環境 内部環境 • 法律 ◦ インボイス制度、電⼦帳簿保存法、 消費税法、法⼈税法、会社法、etc... •
ユーザーのインサイト • 競合 • 関連システム • プロダクトの担う役割(ベストオブリード) • 社内の関係部署(PMMとの連携) ◦ マーケティング(プレスリリース)、 カスタマーサクセス(インボイス制度 対応LP) • 経営資源(開発期間、開発リソース) プロダクトの取り巻く環境を把握する Why What ユーザーへ の提供価値 仮説課題の ⽴案 MVP機能策 定スタンス MVP開発で の提供状態
やらないことを決める 20 プロダクトの取り巻く環境は「なぜ⾃社がするのか」の部分 書籍 プロダクトマネジメントのすべて より抜粋 Why What ユーザーへ の提供価値 仮説課題の ⽴案
MVP機能策 定スタンス MVP開発で の提供状態
ドメイン × インボイス制度 × 製品の関係性 21 経理業務ドメイン領域 インボイス制度 仕⼊管理 経費管理
会計システム 売上管理 販売管理 請求書発⾏ 仕訳デー タ 仕訳デー タ 経理業務の範囲×インボイス制度の影響範囲×プロダクトの担う役割範囲の理解が必要 Why What ユーザーへ の提供価値 仮説課題の ⽴案 MVP機能策 定スタンス MVP開発で の提供状態
やらないことを決める 22 要素 ユーザーに提供する価値 プロダクトの価値提供として やらないこと 決定内容 • 法律を遵守した適切な経理業務 ができる
• 業務負担の軽減 • プロダクトの担う役割以外はや らない Viable 課題仮説の⽴案 • 外部環境(法律、関連システム情 報)、内部環境(プロダクトの担 う役割、既存機能の制約や前提) から⽴案 • 業務フロー ◦ 誰が、どのシーン、実 害、あるべき Why What ユーザーへ の提供価値 仮説課題の ⽴案 MVP機能策 定スタンス MVP開発で の提供状態
やらないことを決める 23 MVPの機能の策定スタンス MVP開発で提供する状態 「今」は開発をやらないこと 法要件に関してのスタンス • インボイス制度対応において、あ くまで楽楽精算はお客様の業務を ⽀援する⽴場である
顧客に提供する価値の依存関係 • 法律を遵守できることが前提とし て、業務負担の軽減がある 課題仮説の分類 • 課題の解決⽅針として、機能開発 のみか、運⽤回避が可能なのか 提供する機能として「今」は作らない • 課題の解決⽅法に運⽤回避がある Minimum Why What ユーザーへ の提供価値 仮説課題の ⽴案 MVP機能策 定スタンス MVP開発で の提供状態 要素 決定内容
やらないことを決める 24 MVPの機能の策定スタンス MVP開発で提供する状態 「今」は開発をやらないこと 法要件に関してのスタンス • インボイス制度対応において、あ くまで楽楽精算はお客様の業務を ⽀援する⽴場である
顧客に提供する価値の依存関係 • 法律を遵守できることが前提とし て、業務負担の軽減がある 課題仮説の分類 • 課題の解決⽅針として、機能開発 のみか、運⽤回避が可能なのか 提供する機能として「今」は作らない • 課題の解決⽅法に運⽤回避がある Minimum 要素 決定内容 Minimum編 やらないことを決める上での重要なこと • 外部環境、内部環境の理解 • ⾃プロダクトの既存機能理解 ◦ 制約や前提 Minimum Why What ユーザーへ の提供価値 仮説課題の ⽴案 MVP機能策 定スタンス MVP開発で の提供状態
© RAKUS Co., Ltd. 25 ステークホルダーと適切な単位ごとに 合意形成をする #RAKUS Meetup
Why 「誰」を「どんな状 態にしたいか」 ステークホルダーと適切な単位ごとに合意形成をする 26 What ユーザー体験 優先度 要素 ユーザーに提供する価値
プロダクトの価値提供としてや らないこと 課題仮説の⽴案 MVPの機能の策定スタンス MVP開発で提供する状態 「今」は開発をやらないこと コア コア 1 2 3 4 5 6 要素の単位で依存 関係のコアから順 に合意形成をする
ステークホルダーと適切な単位ごとに合意形成をする 27 コミュニケーションの取り⽅ 適切な単位 • 意思決定要素の単位 合意形成単位 • 意思決定要素をそのまま合意形成の単位に、意思決定要素の依存関係のコ アから階層順に合意形成の順番とする
• 情報を依存関係を元に構築した単位であるため、合意形成のスコープが明 確になり発散しにくい
まとめ 28 MVPを決めるポイントは3つ • 外部環境、内部環境の理解 • 経理業務の範囲×インボイス制度の影響範囲×プロダクトの担う役割範囲 の理解 • やらないことを決める
© RAKUS Co., Ltd. 29 ご清聴ありがとうございました #RAKUS Meetup