Scrum Fest Osaka 2023 鹿児島セクションで発表させていただいた際の資料です。
Scrumチームの健康状態を可視化する 〜SPACEフレームワーク・Four Keys〜 Scrum Fest Osaka 2023 登壇資料 株式会社ZOZO ブランドソリューション開発本部 ZOZOMO部 FBZブロック 三好 直紀 ブランドソリューション開発本部 ZOZOMO部 OMOバックエンドブロック 木目沢 康廣Copyright © ZOZO, Inc.1
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© ZOZO, Inc.株式会社ZOZO ブランドソリューション開発本部 ZOZOMO部 OMOバックエンドブロック 木目沢 康廣 認定スクラムマスター Twitter: @pilgrim_reds FB: pilgrim.ericclapton Qiita: YasuhiroKimesawa 2
© ZOZO, Inc.株式会社ZOZO ブランドソリューション開発本部 ZOZOMO部 FBZブロック 三好 直紀 ZOZOMO開発チーム スクラムマスター GitHub: naoki344 Qiita: naoki344 Email: [email protected] 3
© ZOZO, Inc.https://zozo.jp/ ● ファッションEC ● 1,500以上のショップ、8,400以上のブランドの取り扱い ● 常時95万点以上の商品アイテム数と毎日平均2,900点以上の新着 商品を掲載(2023年3月末時点) ● ブランド古着のファッションゾーン「ZOZOUSED」や コスメ専門モール「ZOZOCOSME」、靴の専門モール 「ZOZOSHOES」、ラグジュアリー&デザイナーズゾーン 「ZOZOVILLA」を展開 ● 即日配送サービス ● ギフトラッピングサービス ● ツケ払い など 4
© ZOZO, Inc.https://fbz.zozo.com/ ● ZOZOTOWN出店企業の自社ECのフルフィルメント支援サービス ● 自社EC運営のための撮影・採寸・梱包・配送などの各種フルフィルメント業務を、ZOZOTOWNの物流センター「ZOZOBASE」が受託 ● 設備投資・人件費・在庫保管料などの負担なしで、自社ECの運営が可能 ● 各販売チャネル(自社EC・店舗・ZOZOTOWN)の在庫連携が可能。 これにより、商品欠品による販売機会の損失を最小化 5
© ZOZO, Inc.6エレベーターピッチ● 開発チームの生産性が高いのかどうか悩むことはありませんか?● ただ、私たちが求めているのは、真にプロダクトに価値を提供できる開発チームになることを求めてるだけなのに。● 我々が毎年バリウムに苦しめられるように、チームにも健康診断が必要だと思いませんか?● 今日の登壇では、ZOZOMOチームの事例を紹介させていただきます。
© ZOZO, Inc.どうやって測ってますか?私たちZOZOMOチームでは、Four Keysを元々取り入れていました。7計測していますか?
© ZOZO, Inc.Four Keysを計測定量的な指標としてFour Keysを採用デリバリのリードタイムデプロイの頻度サービス復旧の所要時間変更失敗率LeanとDevOpsの科学(https://book.impress.co.jp/books/1118101029)8
© ZOZO, Inc.Four Keysを計測9デリバリのリードタイム デプロイの頻度サービス復旧の所要時間 変更失敗率毎週一定の数値を出せるようになってきた元々DevOpsを進めていて、問題ない数値になっていた
© ZOZO, Inc.10振り返りで、「レビュー前日がしんどい」という声が・・・Four Keys上は良好に見える。だが、振り返りでの声から、無理に良好にしているのかも・・・このままだと燃え尽き症候群に・・・この課題に早く気がつくにはどうすればよかったか?だがしかし
© ZOZO, Inc.11チームが今健康なのかを計測できないか?Four Keysだけでは見えないチームの健康状態
© ZOZO, Inc.今日の話12SPACEZOZOMOチーム✖
© ZOZO, Inc.2021年に、LeanとDevOpsの科学の著者でもあるNicole Forsgren氏がGitHub、ビクトリア大学、Microsoft Researchなどのメンバーと提唱した生産性を計測するためのフレームワークSPACEって何?「The SPACE of Developer Productivity」13
© ZOZO, Inc.SPACEより - 生産性に関する誤解 -14● 生産性は開発者の活動量によって決まる活動量の増加はポジティブな面もあるが、残業時間の状況などが見えず、望ましくない結果や開発者の不満を引き起こす可能性がある。● 生産性は個人のパフォーマンスのみで決まる個人のパフォーマンスは重要だが、サービスの品質を維持するには、チームとしてのパフォーマンスも重要である。適切なバランスを見つける必要がある。● 1 つの指標ですべてがわかる「重要な1つの指標」から、チームの仕事全体を測定できない。また、それを組織や業界全体でチームを比較することはできない。● 生産性の指標は管理者が見るものだ適切な生産性の指標であれば、開発者自身が自分の仕事に向き合うために活用することができる。● 生産性は開発ツールやワークフローによって決まる開発ツールやワークフローだけでなく、環境や職場文化などの人的要因も影響を与える。「The SPACE of Developer Productivity - 生産性に対する誤解 」より
© ZOZO, Inc.SPACEの価値環境や職場文化などの人的要因も生産性に大きな影響を与える 単一の指標やアクティビティだけで生産性を計測することは不可能 普遍的な指標は存在しない開発チームの生産性はそう簡単には測れない多面的な考察から、バランスの取れた指標を選定し、成果につながる計測をするためのフレームワーク「The SPACE of Developer Productivity - 生産性に対する誤解 」より一部抜粋15
© ZOZO, Inc.計測の5つのカテゴリ生産性のさまざまな側面を捉えるために、5つのカテゴリに分類 Satisfaction and well being 仕事、チーム、ツール、文化への満足度 Performance 生み出した成果、アウトカムがどれだけあるか Activity 実際の行動、アウトプットがどれだけあるか Communication and collaboration コミュニケーションや協力体制など、チームワークがあるか Efficiency and flow 開発効率。チーム内及びチーム間の活動が円滑かどうか 16
© ZOZO, Inc.SPACEの関係性17Satisfaction and well being Performance Activity Communication and collaboration Efficiency and flow
© ZOZO, Inc.計測の3つのレベル3つのレベルがカテゴリ毎に存在している。 個人 18チーム システム Satisfaction and well being Performance Activity Communication and collaboration Efficiency and flow SPACEの相関関係とレベルを考慮して、指標を定め計測する
© ZOZO, Inc.指標の策定に向けて19● 複数のカテゴリに渡って少なくとも 3つのメトリクスを取得することを推奨多面的に計測する必要がある● 指標の少なくとも 1 つにアンケートなど定性的な指標を含めることを推奨経験や感覚の指標を含めることで、直接的に正確な情報を得ることができる● 計測する指標が多すぎると問題もある指標が多すぎると、混乱やモチベーションの低下につながる可能性もある● 指標は、チームの性質やフェーズによっても異なるプロダクトが対象とする顧客によっても違うし、開発フェーズが初期開発段階なのか運用段階なのかでも違う● 指標は、チームや組織が大切にするものを示し、行動を形成する測定基準の追加、削除などからチームの変化を生み出すことができる「The SPACE of Developer Productivity - フレームワークの使用方法、 注意点 -」より
© ZOZO, Inc.SPACEは答えを教えてくれない20あくまでフレームワーク測定すべき指標を明確に提示はしてくれないチームの性質や文化、目標に合わせて策定するZOZOMOチームでどうこれを解釈して取り入れたのか
© ZOZO, Inc.これまで計測してたもの21Satisfaction and well being Performance Activity Communication and collaboration Efficiency and flow オープンからマージまでの平均時間を計測 ○ 「Findy Team+」を活用 ○ 困った時の助け合いが行われているのか ○ チーム内のメンバーの仕事に対して関心を持つことができているか コミュニケーションや協力体制など、チームワークがあるか チーム 個人
© ZOZO, Inc.これまで計測してたもの22Satisfaction and well being Performance Activity Communication and collaboration Efficiency and flow デプロイ頻度を計測 ○ 「Findy Team+」を活用 ○ 開発フロー最適化は、デプロイ頻度を上げるためにあると考えたため 開発効率。チーム内及びチーム間の活動が円滑かどうか チーム システム
© ZOZO, Inc.新しく加えた指標23Satisfaction and well being Performance Activity Efficiency and flow 週1回アンケートを実施 幸福度満足度Communication and collaboration 仕事、チーム、ツール、文化への満足度 個人
© ZOZO, Inc.新しく加えた指標24Satisfaction and well being Performance Activity Communication and collaboration Efficiency and flow 開発行為を数値化 ○ 「Findy Team+」を活用 ○ イシュー作成数、プルリク作成数、 マージ数、コミット数、レビュー数の合計 ○ GitHubを用いて開発を進めているため、 実際に開発のために行った活動を数値化 実際の行動、アウトプットがどれだけあるか チーム 個人
© ZOZO, Inc.新しく加えた指標25Satisfaction and well being Performance Activity Communication and collaboration Efficiency and flow 今週達成できたことを全員で付箋に書き、 付箋の数を計測 ○ プロダクト、チーム、メンバーの 「成長、チャレンジ、改善、相互成長」 ○ どんな小さなことでもOK ○ 外的要因がなるべく小さいものを選定 理想は、アウトカムを計測したいが、アウトカムを継続的に評価できる指標を探すことが難しいSPACE論文内の参考例)ストーリーポイント or デプロイ頻度生み出した成果、アウトカムがどれだけあるか チーム 個人
© ZOZO, Inc.ZOZOMOチームの計測26幸福度&満足度 アンケート(S) 成果(P) 活動量(A) マージ速度(C) デプロイ頻度(E)
© ZOZO, Inc.健康診断始めました● SPACEを意識することで「なぜこの指標を見ているのか」を明確にできた ● チームの状態について、振り返りの時に立ち返るための基準ができた ● 多面的な計測により、潜在的な課題を見つけるためのきっかけができた 複合的な視点で計測することで健康状態を振り返れるようになった27
© ZOZO, Inc.これから● 計測する値やディメンションも引き続き改善していきたい ● Performanceの指標は、現状アウトプットを測定しているが、 本来はアウトカム(成果、業務に与えたインパクト)を測定するべき →ここの指標をどうするか今悩んでる最中 ● SPACEについて、様々なチームとディスカッションしたい 28
© ZOZO, Inc.さいごにチームの健康診断、始めませんか? SPACEを使った健康診断は、あくまでも出発点開発者も管理者も、みんなが幸せになれる開発チームを目指していきます!29
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