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フツーのIT女子が、 Engineering Managerになるまで
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NAVITIME JAPAN
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November 09, 2023
Technology
3
220
フツーのIT女子が、 Engineering Managerになるまで
2023/11/7 に開催された「Women Developers Summit2023」で発表した資料です
https://event.shoeisha.jp/devsumi/20231107
NAVITIME JAPAN
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November 09, 2023
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Transcript
フツーのIT女子が、 Engineering Managerになるまで 笹谷 和美
はじめに
以前、「ごくフツーの私たちの考えるIT女子的アレコレ」というタイトルで Women Developers Summit 2021で登壇させていただいた
それから2年間でEngineering Managerになったので、その過程や なってからどうだったかについて話します
自己紹介
笹谷 和美 Engineering Manager 研究開発部門 共通API PJ / Project Manager
Kazumi Sasaya
前提
ナビタイムジャパンの組織構成 ビジネス・技術・研究開発 育成 ・ 評価 ユニット1 ユニットの役割 メンバーの成長を促し 社会に貢献できる 人材を輩出する
事業・研究開発の役割 社内リソースを活用して 収益・技術基盤を生み出す ユニット2 ユニット3 ユニット4 ... 事 業 A 事 業 B 研 究 開 発 A 研 究 開 発 B 育成・評価とものづくりをするプロジェクトを分けることで多様なキャリア形成を可能にする
ビジネス・技術・研究開発 事 業 A 事 業 B 研 究 開
発 A 研 究 開 発 B ナビタイムジャパンの組織構成 育成 ・ 評価 ユニット1 ユニット2 ユニット3 ユニット4 ... 今日は育成・評価を行う組織の Engineering Managerになった お話をします
Engineering Managerの役割 育成 エンジニア・デザイナーの 長期的観点での育成 評価 エンジニア・デザイナーの 四半期ごとの評価 勤怠管理 出勤・退勤時間や
休日取得の管理など Engineering Managerは略して以下EMとする
このセッションで もちかえってほしいこと
• コンフォートゾーンから一歩踏み出す勇気 • 自分自身の課題との向き合い方 • 不安や過小評価してしまうときの対処法 • 等身大のマネージャー像
1. Engineering Managerを目指すきっかけ 元々持っていたイメージや目指すきっかけ 2. Engineering Managerになる過程 自分自身の課題とブレークスルーについて 不安との向き合いかた 3.
Engineering Managerになってから イメージとギャップ 思うこと 4. まとめ 今日のお話
時系列 2021春 2022 2023春 EMを目指し始める EMになる EMになる過程 (研修など) 今に至る
1. Engineering Managerを目指すきっかけ 元々持っていたイメージや目指すきっかけ 2. Engineering Managerになる過程 自分自身の課題とブレークスルーについて 不安との向き合いかた 3.
Engineering Managerになってから イメージとギャップ 思うこと まとめ
1. Engineering Managerを 目指すきっかけ
皆さん、EMに対するイメージって どうですか?
自分の漠然としたイメージ
忙しそう、大変そう 特に女性はいわゆるバリバリの人しかなれないんじゃないか 悩んだ際に力になってもらった経験がありお世話になっている
2021年の春ごろ、 EM選抜研修の打診をいただく
当時の自分の状況と気持ち
共通API PJのPMを任されたばかり どちらかというとサポーティブな性質という自己認識 正直、自信があるとはいえない
なぜ目指すことにしたのか
PJメンバーの育成、若手メンバーのメンター経験などから 今後のキャリアとしてマネジメントに興味があった 今までやってもらって嬉しかったことを返すチャンス
環境面では 失敗を悪としない、ふりかえり文化 (失敗してもそこから学べば大丈夫)
1. Engineering Managerを目指すきっかけ 元々持っていたイメージや目指すきっかけ 2. Engineering Managerになる過程 EMになるまでの流れ 自分自身の課題とブレークスルーについて 不安との向き合いかた
3. Engineering Managerになってから イメージとギャップ 思うこと まとめ
2. Engineering Managerに なる過程
EMになるまでの流れ
2年間の間、四半期ごとに1回(計8回)の候補者研修に参加する 研修期間を通し、EMへの適性を認めてもらう必要がある 研修の場だけでなく、普段の業務での成果も必要
2021春 2022 2023春 EMを目指し始める EMになる EMになる過程 (研修など) 今に至る
自分自身の課題と ブレークスルー
当時の課題
共通API PJのPMとして、求められている成果が出せない
当時のプロジェクトの状況
1Q 2Q 3Q 4Q 案件A 案件B 案件C 案件D ...
1Q 2Q 3Q 4Q 案件A 案件B 案件C 案件D ... たくさんのことを
やりすぎていた
1Q 2Q 3Q 4Q 案件A 案件B 案件C 案件D ... スタートが
遅れた
1Q 2Q 3Q 4Q 案件A 案件B 案件C 案件D ... 全てを同じ優先度で
並行して進めた
なぜ、そうなったのか
元々自分は周囲の人の意見を聞きながら進めていくタイプ さらに自信がないため、他人の意見に過剰に影響されていた
EM候補として、成果を出すプレッシャーと周囲の期待もあり 全員が納得する決断と行動をしなくてはという思いこみを感じていた
結果、身動きが取りづらくなり成果が 出せない状況に陥った
1Q 2Q 3Q 4Q 案件A 案件B 案件C 案件D ... (みんなの期待に応えたくて)
ステークホルダー全員の 意見を取り入れた
1Q 2Q 3Q 4Q 案件A 案件B 案件C 案件D ... (自分の意見に自信がないから)
プロジェクトメンバー 全員の納得が最優先になり 目標を決めて動き出すのが遅れた
1Q 2Q 3Q 4Q 案件A 案件B 案件C 案件D ... (メリハリを付ける
決断力がないので) 全部並行で進めた
上司からのFB
• 求めるアウトプットが出ていない • 客観的に見た自分自身の課題 • 並行して色々なことをやりすぎている
今のままではいけないという 自己認識が芽生えた
ブレイクスルーのきっかけ
候補者研修でのプログラムがきっかけ • 経営のシミュレーション • 最終的な目標は利益を増やすこと 経営全般の意思決定を全て自分自身で決める必要がある
ここで成果を残すことができれば 自分自身を変えることができるかも
今までにないほど全力で考え抜いた結果、 その研修では好成績を残すことができた
全て自分自身の決断で好成績を残したことで、 自分の意見、判断に自信を持つことができた
結果、自業務でも自分の判断に自身が持てるようになり 意思決定スピードが上がり、選択と集中ができるようになった
重要だったこと
「変わる必要がある」という自己認識 上司からのFBを素直に受け止める
一歩踏み出すこと 今までの自分だったらできないと思うことでも全力でやってみる
成功体験 自分の場合は「自分自身で」判断・行動して成功することが重要
不安との向き合い方
”女性だから” 選ばれているのではないかという不安 (実際に周囲の人にそのようなことを言われているわけではない)
インポスター症候群 仕事などでうまくいっていても自分自身の能力を認められず 他人から過大評価されているだけだと思いこんでしまう心理状態 • 「本当は能力なんてないのに、騙しているのでは?」 • 「周囲に恵まれているだけで、自分自身の実績ではない」
その不安に向き合うための考え方
• 周囲の人を信頼する・信頼できる関係を構築する • 褒められたことについて、きちんと受け止めて自分の糧にする • 目の前の仕事でアウトプットを出すことに集中する
1. Engineering Managerを目指すきっかけ 元々持っていたイメージや目指すきっかけ 2. Engineering Managerになる過程 自分自身の課題とブレークスルーについて 不安との向き合いかた 3.
Engineering Managerになってから イメージとギャップ 思うこと、女性がEMになるメリット まとめ
3. Engineering Managerに なってから
なるにあたって 実際に不安だったこと
• マネジメント業務が多くなり、開発などをやる時間が無くなりそう • 自分がマネジメントされる機会が少なくなるので、 誰にも相談できなくなることが増えてしまうのでは…
• 育成・評価ができるかどうか不安 • 自分が未経験の分野に携わる方にどう関われば良いのか • アプリ開発、デザインなど
なってみて 実際どうだったか
開発や作業時間について EMになったことをきっかけにPJの業務のやり方を変えた (アジャイル開発のスクラムを導入しました) 結果、以前よりも開発などのタスクができるようになった メリハリを持って仕事に取り組むようになった
相談する人について EM陣と話す機会が増え、逆に相談できる人が増えた 同期のEMと月イチで1on1を実施したり 今までお世話になってきたEM陣に相談に乗って頂いている
育成と評価 すごく悩むし、とても責任を感じる • 経験のなさを行動で埋める努力をする • 自分の長所を活かす • 相手の話を聞くことを大切に
思うこと
様々な人がEMのポジションにいる 素晴らしいスキル、才能を持つ人でも人間関係は相性が影響する 多様なタイプのEMが存在することで様々な相性のメンバーに対応できる 自分もその多様性の一つ
女性がEMになることについて
女性メンバーが今まで相談しにくかったことを話せる機会になるかも とはいえ大事なのは性別などの属性ではなく、自分の個性を活用すること 女性だからどうこうと自分で気負わず、自分なりの強みを活かしたい
1. Engineering Managerを目指すまで 元々持っていたイメージや目指すきっかけ 2. Engineering Managerになる過程 自分自身の課題とブレークスルーについて 不安との向き合いかた 3.
Engineering Managerになってから イメージとギャップ 思うこと、女性がEMになるメリット 4. まとめ
4. まとめ
• 少しでも興味があったらチャレンジしてみる • やる前から諦めない • 一歩踏み出すには、失敗しても大丈夫という環境も大切
• サポーティブな性質でもEMを目指すことができる • ただ、個人の課題に応じた自己変革は必要となる • 自分自身の課題の克服については正しい自己認識ときっかけが必要
• 不安や過小評価してしまうときは下記を心がけると良い • 周囲の人との信頼関係を築くこと • 褒められた際に素直に受け止めること • 目の前のアウトプットに集中する
• EMになってもやり方次第で開発はできる • 周囲のEMとコミュニケーションを取ることは大切 • 女性だからどうこうと自分で気負わず、自分ならではの特性を活用する
以上、 ありがとうございました