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SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法 / A Path Calculat...

SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法 / A Path Calculation Method Satisfying Constraints between Multiple Paths Using SAT Solver

2024年11月11日の電子情報通信学会 情報通信マネジメント研究会で発表した「SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法」の講演資料です。講演詳細についてはこちらを御覧ください( https://ken.ieice.org/ken/paper/20241114Ocfp/

NTT Communications

December 02, 2024
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  1. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. SATソルバを用いた 複数パス間の制約を満足する経路計算手法 ◯田辺和輝

    竹中幹 吉田晴信 藤原達弥 田島照久 NTTコミュニケーションズ株式会社 イノベーションセンター 2024/11/14 電子情報通信学会 情報通信マネジメント研究会
  2. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 2 Agenda •

    研究背景 • 提案手法 • 実装・評価 • まとめ SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会
  3. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 4 SLAを満足するネットワークサービスの提供 ◼

    ISP, CSP等の運用者は、顧客に提供するネットワークサービスに対し 顧客が要求するSLA(Service Level Agreement)の保証が求められる … ネットワーク サービスA ネットワーク サービスB ネットワーク サービスC SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会 遅延 + ジッタ 遅延 帯域 ネットワーク
  4. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 5 ネットワークにおける通信品質保証の重要性 ◼

    通信品質の悪化(輻輳,障害 etc.)が及ぼす影響 ⚫ 金銭的損失(違約金 etc.) ⚫ 顧客がエンドユーザに提供するサービスの提供品質低下 • 影響はエンドユーザにまで波及 安定したトラフィックの通信品質保証が求められる SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会
  5. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 6 ネットワークサービスの提供フロー パス設計

    実装 検証 構築 運用 サービス 企画 設計が完了したネットワーク上の オーケストレーションなど 要件(SLA)定義と 経路設計 本発表で着目する フェーズ 実装や議論が 盛んなフェーズ オーケストレータやコントローラで 自動制御 複雑な要件をもとに 経路計算・設計 迅速なサービス提供および手戻り削減のため, パス設計の高速化・高品質化が求められる SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会 設計の品質に不備があると 手戻りが発生
  6. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 7 ネットワークのパス設計フェーズにおける課題 ◼

    通信パス間に跨る複雑な制約を満たす経路設計工程の長期化 ⚫ サービスの冗長化・トラフィックの平滑化を目的とした, 通信パス間の関係性に対する制約の考慮が求められる ⚫ 例 • ノード・リンクの 排他制約 • 通信パス間の 遅延差制約 SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会 パスA: 50 ms パスB: 210ms 遅延差要件 ≦ 200ms 遅延差要件 ≦ 200ms パスA: 50 ms パスB: 300ms
  7. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 8 通信パス間の制約を考慮した経路計算の困難性 ◼

    既存技術ではすべての通信パス間の制約を考慮できない ⚫ 既存技術の例 • Dijkstra ベースの経路計算機能 • Disjoint Path 計算機能 ◼ 主系/副系の冗長経路で, ノードやリンクを共有しない経路を計算する機能 ⚫ 既存技術による経路計算結果を元に,手動での経路の再計算・修正が必要 通信パス間の制約 既存技術 ノード・リンクの排他制約 ◦ : Disjoint Path 通信パス間の遅延差制約 × : 扱えない サービス提供の高速化・属人性排除の観点から ツールによる自動化が求められる SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会
  8. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 9 本研究の目的 ◼

    パス間の制約を考慮した通信パスの経路計算手法を提案 ⚫ 通信パスの経路計算過程を充足可能性問題 (SAT) として定式化 ⚫ SATソルバにより,制約を満足しつつメトリック面で最適な経路を計算 提案手法 ネットワーク情報 SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会 ネットワークサービスの通信品質向上および サービス提供の高速化を実現 通信パスの 最適経路 通信パス A, B 間で ノード・リンク非共有 𝐴. 𝑙𝑖𝑛𝑘𝑠 ∩ 𝐵. 𝑙𝑖𝑛𝑘𝑠 = 𝜙 通信パス A, B 間で 遅延差 200ms 以内 |𝐴. 𝑑𝑒𝑙𝑎𝑦 − 𝐵. 𝑑𝑒𝑙𝑎𝑦| ≤ 5 複雑な制約 (パス間の制約含む) 等式・不等式制約
  9. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 11 モデル設定: ネットワーク

    ◼ ネットワークトポロジを有向グラフ G=(V, E) として表現 ⚫ V : ノード vi (0 ≦ i ≦ n-1) の集合 ⚫ E : リンク ei, j の集合,接続行列として表現 • vi → vj のリンク ei, j が存在するとき ei, j =1 ◼ 上下方向は区別される • 属性値: メトリック mi,j , リンク帯域 bi,j v0 v2 v3 e0,1 e1,0 e1,3 e3,1 e2,3 e3,2 Metric: m0,1 Bandwidth: b0,1 e2,0 e0,2 v1 e2,1 e1,2 G E = 0 1 1 0 1 0 1 1 1 1 0 1 0 1 1 0 V = (v0 , v1 , v2 , v3 ) SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会
  10. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 12 モデル設定: 通信パス

    ◼ 通信パス NP 本の経路計算が要求される ⚫ pk = (head-k, tail-k): 通信パス (0 ≦ k ≦ NP -1)の計算要求 ⚫ head-k: 始点ノード (vhead-k ) の添字, tail-k: 終点ノード (vtail-k ) の添字 ⚫ 属性値: メトリック上限 Mk , 要求帯域 Bk v0 v2 v3 e0,1 e1,0 e1,3 e3,1 e2,3 e3,2 e2,0 e0,2 v1 e2,1 e1,2 Metric max: M0 Required bandwidth: B0 p0 =(0 , 3) G SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会
  11. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 13 問題設定: 候補パス

    ◼ 候補パスの集合 CPk = {cpk, 0 , cpk, 1 , ..., cpk, l , ..., cpk, -1 } ⚫ 通信パス pk の候補となる経路を持つ通信パス(候補パス, 通り)の集合 ◼ 候補パス cpk, l = (i0 (k, l), i1 (k, l), i2 (k, l), ..., i -1 (k, l), i (k, l)) ⚫ 経由ノードの添字の配列を表すベクトル ⚫ cpk, l : pk の(l 番目の)候補パス • ホップ数: Hk, l CP0 v0 v2 v1 v3 cp0,0 = (0, 1, 3) v0 v2 v1 v3 cp0,1 = (0, 2, 3) v0 v2 v1 v3 cp0,2 = (0, 1, 2, 3) v0 v2 v1 v3 cp0,3 = (0, 2, 1, 3) SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会 v0 v2 v3 v1 p0 =(0 , 3) 経路候補探索
  12. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 14 問題設定: 候補パスの選択

    ◼ δk, l : 候補パスcpk, l の使用フラグを表す変数 CP0 cp0,0 v0 v2 v1 v3 cp0,1 v0 v2 v1 v3 cp0,2 v0 v2 v1 v3 cp0,3 v0 v2 v1 v3 δ0,0 = 0 δ0,1 =0 δ0,2 =1 δ0,3 =0 δk, l = 1 (cpk, l が通信パスpk の経路として使用される場合) 0 (cpk, l が通信パスpk の経路として使用されない場合) SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会
  13. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 15 目的関数 ◼

    すべての制約(後述)を満たしつつ,加重メトリックの総和を最小化 ⚫ 目的関数を最小化する各通信パスの候補パス cpk, l を決定 ⚫ wk : 通信パス pk の種別に応じたメトリックの重み δk, l = 1となる各候補パス cpk, l に対し SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会 すべての通信パス pk (0 ≦ k ≦ NP -1) について pk の候補パス cpk, l の j ホップ目 (0 ≦ j ≦ Hk, l -1) について リンクの加重メトリックを 目的関数に加算 すべての制約を満たしながら
  14. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 16 制約 ◼

    制約の集合 C = {c0 , ..., ci , ..., cNc -1 } ⚫ Nc : 等式制約・不等式制約の総数 ◼ 提案手法で用いる制約 ci の分類 ⚫ 通信パス単体の制約 (1) 候補パス cpk,l の選択制約 (2) 候補パス cpk,l の経由リンクの存在制約 (3) 通信パス pk のメトリック制約 ⚫ リンク単位の制約 (4) 帯域制約 ⚫ 通信パス間の制約 (5) リンクの排他制約 (6) 冗長パス制約 (7) 双方向パス制約 本発表でご紹介 SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会
  15. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 17 (1) 候補パス

    cpk,l の選択制約 ⚫ pk の候補パスのうち、 解として選択されるのは1つのみ (6) 冗長パス制約 RedundantPath(pk , pk’ ) a) メトリック差分制約 • 冗長パスを構成する各候補パスのメトリックの総和の差が閾値以内 b) ノードの非重複制約 • 冗長パスを構成する各候補パスは同じノードを通過しない 制約 ci の例 SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会 候補パスcpk,l : 100 ms 候補パスcpk',l' : 160 ms 遅延差 ≦ 100 ms
  16. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 18 アルゴリズムの概略 1.

    ネットワーク G , 通信パスの集合 P を入力 2. 制約の集合 C を初期化 3. 各通信パス pk の候補パスの集合 CPk を探索 4. 各候補パス cpk, l の経由リンクの加重メトリックの総和を計算し, 目的関数に加算 5. 通信パス単体の制約,各リンクの帯域制約を C に追加 6. 通信パス間の制約を C に追加 7. SATソルバに C および目的関数を追加 8. SATソルバを実行し,解を求める SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会 各通信パス pk に対し,経路として選択される (δk,l =1 となる) 候補パス cpk,l が決定
  17. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 19 提案手法の出力解 ◼

    最適な経路情報を持つ通信パス pk * の組 P* = (p0 *, ..., pk *, ..., pNP -1 *) ⚫ pk * = cpk, l* = (head-k, i1 (k, l*), i2 (k, l*), ..., i -1 (k, l*), tail-k) CP0 CP1 CP2 SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会 始点ノード vhead-k の添字 終点ノード vtail-k の添字
  18. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 21 試作ツールの概要 ◼

    提案手法・アルゴリズムをPython3により実装 ⚫ SATソルバ: Google OR-Tools CP-SAT solver[4] ⚫ 入出力: JSON形式 ◼ 提案アルゴリズムと実装上の差異 ⚫ メトリックには下記4種の値を使用可能 • 遅延 • ジッタ • IGP メトリック (IGP(OSPF, IS-IS) 用メトリック) • TE メトリック (MPLS-TE 用メトリック) ⚫ 候補パスの探索では,K-Shortest path routingアルゴリズム[5] により メトリック制約を満たす候補パスのみに絞り込みSATソルバの計算対象とする SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会 [4] Google OR-Tools, https://developers.google.com/optimization [5] J. Y. Yen, ”Finding the K Shortest Loopless Paths in a Network,”Management Science, vol. 17, no. 11, pp. 712–716. Jul. 1971.
  19. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 22 評価の概要 ◼

    試作ツールを用いた定性評価・定量評価を実施 ⚫ 定性評価: 提案手法によるパス間制約を含む経路計算の有効性評価 ⚫ 定量評価: 試作ツールの様々な入力パターンにおける性能検証 ◼ 評価環境 ⚫ ハイパーバイザ上の仮想マシン (VM) で実施 • ハイパーバイザの構成 • VMの構成 SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会 Hypervisor VMware ESXi Hypervisor Ver 6.7.0 CPU Intel Xeon Gold 6240R (24Core 48Thread @ 2.40GHz) x 2 Memory 768 [GB] OS Ubuntu 22.04 LTS vCPU 16 Core vRAM 512 [GB]
  20. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 23 定性評価トポロジ ◼

    専用線ネットワークを模擬 ⚫ リンク帯域: すべて1Gbps ⚫ 遅延・ジッタ: 上下方向共通 遅延 [ms] / ジッタ [ms] Site a Site b Site c Site d a-1 a-2 a-3 b-1 b-2 b-3 c-1 c-2 c-3 d-1 d-2 d-3 11 / 3.5 12 / 1.5 8 / 2 0.1 / 0.1 0.1 / 0.1 0.1 / 0.1 0.1 / 0.1 0.1 / 0.1 0.1 / 0.1 0.1 / 0.1 0.1 / 0.1 0.1 / 0.1 0.1 / 0.1 0.1 / 0.1 0.1 / 0.1 SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会
  21. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 24 定性評価の概要 ◼

    専用線ネットワークにおける3種別の通信パス構築 ⚫ Critical(高優先度): a-1 → d-1, a-3 → d-3の冗長パス ⚫ Premium(中優先度): a-3 d-3の双方向パス ⚫ Normal(低優先度): a-3 d-3の双方向パス ◼ 各通信パスの制約 SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会 Critical Premium Normal パス間制約 冗長パス 双方向パス 双方向パス メトリック制約 遅延 ≦ 40 [ms] ジッタ ≦ 7 [ms] 遅延 ≦ 50 [ms] メトリック差の制約 遅延差 ≦ 10 [ms] ジッタ差 ≦ 0 [ms] 遅延差 ≦ 0 [ms] メトリック重み 1010 105 1 帯域制約 100 [Mbps] なし 1 [Gbps] Critical Premium Normal Site a Site b Site c Site d a-1 a-2 a-3 b-1 b-2 b-3 c-1 c-2 c-3 d-1 d-2 d-3
  22. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 25 経路計算過程・結果の比較 ◼

    手動計算による経路例 Critical Premium Normal Site a Site b Site c Site d a-1 a-2 a-3 b-1 b-2 b-3 c-1 c-2 c-3 d-1 d-2 d-3 ◼ 提案手法の計算結果 Critical Premium Normal Site a Site b Site c Site d a-1 a-2 a-3 b-1 b-2 b-3 c-1 c-2 c-3 d-1 d-2 d-3 すべての制約を満たす最適経路を 一回の計算で導出可能 SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会
  23. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 26 ◼ ネットワーク全体における合計メトリックが

    手動計算 ≧ 提案手法 を満たす 各通信パスのメトリックの比較 手動計算 提案手法 Critical a-1 → d-1 遅延 [ms] 31 31 Critical a-3 → d-3 遅延 [ms] 40 36.2 Premium a-3 d-3 往復ジッタ [ms] 9 5.2 Normal a-3 d-3 往復遅延 [ms] 100 80.4 合計メトリック 180 152.8 提案手法により、通信パスの更なる通信品質向上が可能 SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会
  24. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 27 定量評価 ◼

    試作ツールのパフォーマンス評価 ⚫ 下記条件を変動させ,試作ツールの経路計算処理時間・メモリ使用量を測定 • ネットワーク規模 (ノード数) • 通信パス数 • パス間の制約(冗長パス制約)数 ⚫ 測定ツール: GNUtime ◼ 評価環境 ⚫ MPLS-VPN環境を模したネットワークトポロジ • P (Provider) ノード: MPLS網内のパケット中継を行う • PE (Provider Edge) ノード: エッジ(拠点)との接続を行う • Pノード数,PEノード数は総ノード数からランダムに割当しトポロジ生成 SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会 本発表でご紹介 P p-1 PE1 p-2 p-3 p-4 p-5 p-6 p-7 PE2 PE3 PE4 pe-2 pe-1 pe-3 pe-4
  25. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 28 定量評価: 通信パス数

    ◼ ノード数: 60 ◼ 通信パス数: (Critical, Premium, Normal) = (10, 10, 10),..., (100, 100, 100) ◼ 冗長パス制約数: 10 SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会 Good 通信パス数の増加に伴い,計算時間・メモリ使用量共に線形に増加 → スケーラビリティ面における計算量削減が課題 合計通信パス数 [s] 計 算 時 間 [GB] メ モ リ 使 用 量
  26. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 30 まとめ ◼

    まとめ ⚫ 通信パス間の制約を考慮した経路計算手法の提案 • グラフ理論によるモデル化・SATによる定式化 • SATソルバを用いた計算アルゴリズム ⚫ 試作ツールの実装・評価 • 定性評価: 自動で最適経路計算が可能であることを確認 • 定量評価: スケーラビリティ面における計算量削減が課題 ◼ 今後の課題 ⚫ 試作ツールのアルゴリズムの高速化 • 候補パス探索処理の改善 etc. ⚫ 構築フェーズとの連携 • 提案手法の経路情報を用いた既存のルータ製品との連携 SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会
  27. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 31 関連発表 ◼

    通信パス間制約の具体事例のご紹介[MPLS Japan '24] [MPLS Japan '24] 竹中幹,門脇伸明,"複数パス間の要件を満たすパス計算ツールの開発", MPLS Japan 2024, 2024/10/28, 東京大学本郷キャンパス, https://mpls.jp/2024/presentations/mpls2024-takenaka-kadowaki.pdf SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会
  28. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 33 モデル設定: 通信パス

    ◼ 通信パス NP 本の経路計算が要求される ⚫ pk = (head-k, tail-k): 通信パス (0 ≦ pk ≦ NP -1)の計算要求 ⚫ head-k: 始点ノード (vhead-k ) の添字, tail-k: 終点ノード (vtail-k ) の添字 ⚫ 属性値: メトリック上限 Mk , 要求帯域 Bk ,パス種別(優先度) • パス種別単位の通信パス集合 P0 , P1 , P2 , ... に分類される v0 v2 v3 e0,1 e1,0 e1,3 e3,1 e2,3 e3,2 e2,0 e0,2 v1 e2,1 e1,2 Path type: 0 Metric max: M0 Required bandwidth: B0 p0 =(0 , 3) G SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会 P0 (Path type 0) p0 p2 ... P1 (Path type 1) p1 p5 ... P2 (Path type 2) p3 p4 ...
  29. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 34 提案手法の出力解 ◼

    最適な経路情報を持つ通信パス pk * の組 P* ⚫ P* = (p0 *, ..., pk *, ..., pNP -1 *) ⚫ pk * = cpk, l* = (i0 (k, l*), i1 (k, l*), i2 (k, l*), ..., i -1 (k, l*), i (k, l*)) 始点・終点ノードはそれぞれhead-k, tail-kのため = (head-k , i1 (k, l*), i2 (k, l*), ..., i -1 (k, l*), tail-k) CP0 CP1 CP2 SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会
  30. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 35 (1) 候補パス

    cpk,l の選択制約 ⚫ pk の候補パスのうち、選択されるのは1つのみ (2) 候補パス cpk,l の経由リンクの存在制約 ⚫ 候補パスが経由するリンク変数の値はすべて1 通信パス単体の制約の例 v0 v2 v1 v3 cp0,1 = (0, 2, 3) E = 0 1 1 0 1 0 1 1 1 1 0 1 0 1 1 0 e0,2 = 1 かつ e2,3 = 1 SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会
  31. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 36 (3) 通信パス

    pk のメトリック制約 ⚫ 経由リンクのメトリックの総和は 通信パスのメトリック上限値以下となる (4) 帯域制約 ⚫ 同一リンクを通るすべての候補パスの要求の総和はリンク帯域以下となる • : リンク ei, j を経由する候補パスの集合 通信パス単体・リンク単体の制約の例 SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会 10 ms 15 ms 合計 25 ms 上限値 50 ms ≦ 要求帯域 合計 500 Mbps リンク帯域 1000 Mbps ≦ 300M 200M 1G
  32. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 37 (5) リンクの排他制約

    ⚫ 異なるパス種別 Pn , Pn’ について, パス種別の異なる通信パスは同じリンクを経由しない • : リンクを ei, j を経由する パス種別 Pn の候補パスの集合 通信パス間の制約の例 SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会
  33. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 38 (6) 冗長パス制約

    RedundantPath(pk , pk’ ) a) メトリック差分制約 • δk,l = δk',l' =1 を満たす,冗長パスを構成する各候補パスの メトリックの総和の差が閾値以内 b) ノードの非重複制約 • 冗長パスを構成する各候補パスは同じノードを通過しない 通信パス間の制約の例 SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会 候補パスcpk,l : 100 ms 候補パスcpk',l' : 160 ms 遅延差 60ms ≦ 100ms
  34. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 39 (7) 双方向パス制約

    RoundTripPath(pk , pk’ ) a) メトリック差分制約 • δk,l = δk',l' =1 を満たす,双方向パスを構成する候補パスについて メトリックの総和の差が閾値以内 b) 始終点ノード組の一致制約 • 一方の通信パスの始点・終点はもう一方の通信パスの終点・始点にそれぞれ 一致する 通信パス間の制約の例 SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会 候補パスcpk,l : 100 ms 候補パスcpk',l' : 160 ms 遅延差 60ms ≦ 100ms
  35. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 41 定量評価環境 ◼

    MPLS-VPN環境を模したネットワークトポロジ ⚫ P (Provider) ノード: MPLS網内のパケット中継を行う ⚫ PE (Provider Edge) ノード: エッジ(拠点)との接続を行う ◼ 総ノード数に対し,Pノード数・PEノード数をランダムに割り当て トポロジを生成 P p-1 PE1 p-2 p-3 p-4 p-5 p-6 p-7 PE2 PE3 PE4 pe-2 pe-1 pe-3 pe-4 SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会
  36. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 42 定量評価 トポロジ生成アルゴリズム

    1. PEノード数を 4 ≦ N ≦ (総ノード数の1/4) の範囲で ランダムに決定し,トポロジに追加 2. 残るPノードの総数を Critical/Premium/Normal/その他ノードの4種別にランダムに割当 3. Critical, Premium, Normal 用の各Pノードをトポロジに追加し, 同種別のPノード間をフルメッシュで接続する また,各PEノードを少なくとも1台以上のPノードと接続 4. 種別が異なる(Critical/Premium/Normal 用)各Pノード間を 10%の確率で接続 5. 各その他ノードに対し,Critical/Premium/Normal 用の 全Pノードのうちランダムな2台と接続する 接続した2台以外の各Pノードとは10%の確率で接続する
  37. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 43 生成トポロジ例 ◼

    Pノード55台,PEノード5台の場合 ◼ Pノード47台,PEノード13台の場合
  38. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 44 定量評価1: ネットワーク規模

    ◼ ノード数: 20, 40, 60, 80, 100 ◼ 通信パス数: (Critical, Premium, Normal) = (10, 10, 10) ◼ 冗長パス制約数: 10 SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会 Good ノード数増加に伴い計算時間も増加 ノード数 [s] 計 算 時 間 [GB] メ モ リ 使 用 量
  39. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 45 定量評価2-1: 通信パス数

    ◼ ノード数: 60 ◼ 通信パス数: (Critical, Premium, Normal) = (10, 10, 10),..., (100, 100, 100) ◼ 冗長パス制約数: 10 SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会 Good 通信パス数の増加に伴い,計算時間・メモリ使用量共に線形に増加 → スケーラビリティ面における計算量削減が課題 合計通信パス数 [s] 計 算 時 間 [GB] メ モ リ 使 用 量
  40. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 46 定量評価2-2: 通信パス種別の内訳

    ◼ ノード数: 60 ◼ 通信パス数: (Critical, Premium, Normal) の合計を300に固定し,内訳を変動 ◼ 冗長パス制約数: 10 SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会 Good パス種別1種のみの場合,通信パス種別間の排他制約が発生しないため 計算時間・メモリ使用量ともに減少 合計通信パス数 (Critical, Premium, Normal) [s] 計 算 時 間 [GB] メ モ リ 使 用 量
  41. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 47 定量評価3: パス間の制約数(冗長パス)

    ◼ ノード数: 60 ◼ 通信パス数: (Critical, Premium, Normal) = (100, 100, 100) ◼ 冗長パス制約数: 10, 20, 30, ..., 150 SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会 通信パスの始終点ノードの偏りにより 一部計算時間・メモリ使用量が増加 Good [s] 計 算 時 間 [GB] メ モ リ 使 用 量 冗長パス制約数
  42. © NTT Communications Corporation All Rights Reserved. 48 評価結果考察 ◼

    定性評価 ⚫ 通信パス間の制約を満足する最適経路を自動で計算可能 ◼ 定量評価 ⚫ 小規模トポロジ・少数の通信パスの経路計算処理は分オーダで可能 ⚫ 大規模トポロジ・多数の通信パスの経路計算においては, 組合せ増加に伴い処理時間・メモリ使用量が大幅増加 SATソルバを用いた複数パス間の制約を満足する経路計算手法, 2024/11/14 IEICE ICM研究会 スケーラビリティ面において, アルゴリズムの改善による 計算量削減・メモリ使用量削減が課題