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exists?で起きるN+1問題にSetで対処する

 exists?で起きるN+1問題にSetで対処する

Ruby on Railsでよく発生するN+1問題の解決方法として、exists?の場合は標準ライブラリのSetを使うといいかもしれない、という話です。

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patorash

July 21, 2021
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  1. exists?で起きるN+1問 題にSetで対処する 2021-07-21 株式会社リゾーム 社内勉強会 @patorash

  2. 稀によくあるコード # CSVファイルの行数だけUser.exists?が実行されるやーつ csv.foreach do |row| name = row['名前'] age

    = row['年齢'] hobby = row['趣味'] # User.find_or_create_by!とか言わないで… unless User.exists?(name: name, age: age, hobby: hobby) User.create!(name: name, age: age, hobby: hobby) end end
  3. 何が問題か? • CSVファイルの⾏数だけexists?が実⾏される • exists?の1回の実⾏時間が仮に1msだったとしても、CSVが1,000⾏あれば1秒か かる。1万⾏あれば10秒、10万⾏あれば100秒…と増えていく • usersテーブルにデータがたくさんあると、exists?の時間は更にかかる • 1msではなく5msなら?

    • 1,000⾏なら5秒、1万⾏なら50秒、10万⾏なら500秒
  4. どうしてこんなことに… • 重複データを検知したいから

  5. どうすれば… • とはいえ、重複しているかどうかは DBに問い合わせしなければわからな いじゃないか! • N回のクエリが発⽣するのも⽌むを 得ない!

  6. そう考えていた頃が私にもありました

  7. 標準ライブラリSetを使え! • Setは、数学の集合を扱うクラス • 集合とは、重複のないオブジェクトの集まりです。Arrayの持つ演算機能とHash の⾼速な検索機能を合わせ持ちます。 Setは内部記憶としてHashを使うため、集合要素の等価性はObject.eql?と Object#hashを⽤いて判断されます。したがって、集合の各要素には、これらの メソッドが適切に定義されている必要があります。 集合の順序は保証されません。

    (Ruby リファレンスマニュアルより)
  8. どういうこと? • Setを使うと、配列の要素毎にhash関数が呼ばれて、それがkeyに設定された Hashを持つことになる。(内部的に) # これはつまり… set = Set.new(["a", "b"])

    # 内部としてはこういう感じになっている hash = ["a", "b"].each_with_object({}) {|v, o| o[v.hash] = v } # => {690777552598146486=>"a", -2489798041940868951=>"b"} # これはつまり… set.include?("a") # => true # こういうこと。総当りせず、hash値がキーとヒットするかを調べるので速い hash.keys.include?("a".hash) # => true
  9. つまり… • usersテーブルの内容を全て持ってきてSetに⼊れてしまえばN回発⾏される クエリは必要ない!(富豪的発想) • なぜ富豪的? • メモリにusersテーブルの全データを載せるから

  10. 修正後 # 事前に全データを取得して集合を作る user_data = User.in_batches.flat_map do |records| records.pluck(:name, :age,

    :hobby) end.to_set # N回クエリが呼ばれなくなったやつ users = csv.map do |row| name = row['名前'] age = row['年齢'].to_i hobby = row['趣味'] # CSVの行には重複データがない前提 unless user_data.include?([name, age, hobby]) User.new(name: name, age: age, hobby: hobby) end end User.import!(users) # activerecord-importでバルクインサート
  11. 推測するな、計測せよ • ⽐較対象 • exists?(1万回クエリ呼ぶ) • Array#include?(全データをロードして線形探索。つまり、O(n)) • Set#include?(全データをロードしてハッシュ探索。つまり、O(1)) •

    事前準備 • rails newしてsqlite3でusersテーブルに1万件登録 • 名前1..名前10000というデータ • 1万件の配列のデータで⽐較させる • 名前10001..名前20000というデータ。exists?やinclude?は必ずfalseとなる。
  12. 推測するな、計測せよ(結果) bin/rails runner script/benchmark.rb Warming up -------------------------------------- exists? 1.000 i/100ms

    Array#include? 1.000 i/100ms Set#include? 1.000 i/100ms Calculating ------------------------------------- exists? 0.085 (± 0.0%) i/s - 1.000 in 11.734614s Array#include? 0.059 (± 0.0%) i/s - 1.000 in 17.012424s Set#include? 8.503 (± 0.0%) i/s - 43.000 in 5.064850s Comparison: Set#include?: 8.5 i/s exists?: 0.1 i/s - 99.78x (± 0.00) slower Array#include?: 0.1 i/s - 144.66x (± 0.00) slower
  13. 推測するな、計測せよ 1. Set#include?(全データをロードしてハッシュ探索) 2. exists?(1万回クエリ呼ぶ) ・・・100倍遅い 3. Array#include?(全データをロードして線形探索) ・・・145倍遅い

  14. ご清聴ありがとうございました