Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

Feature Flagを用いたサーバーサイドリリースの実装と柔軟な運用について/implementation_and_operation_of_server_side_release_with_feature_flag

Feature Flagを用いたサーバーサイドリリースの実装と柔軟な運用について/implementation_and_operation_of_server_side_release_with_feature_flag

担当しているプロダクトでのフィーチャーフラグの事例とサーバーサイドの実装、運用について共有します。
以下イベントでの登壇資料です。
https://findy.connpass.com/event/299657/

hirai.kazushi

October 27, 2023
Tweet

More Decks by hirai.kazushi

Other Decks in Technology

Transcript

  1. ⾃⼰紹介 l 所属︓ l LINEヤフーコミュニケーションズ株式会社 (旧LINE Fukuoka株式会社) l 開発1部 開発Kチーム

    リーダー l サーバサイドエンジニア l 興味︓ l 家族(娘、息⼦), 体を動かすこと, マラソン l X(旧Twitter): @hkazushi0627 ฏҪ Ұ࢙ ,";64)*)*3"*
  2. LINE STORE 背景 l LINE STOREのサーバサイド開発を担当 l LINEの各デジタルアイテムを販売する 公式オンラインストア l

    https://store.line.me l Webアプリケーション l Java/Kotlin、Spring Boot l オープンソースソフトウェアを活⽤ l ミドルウェア、ストレージなど、⾃前で構築 l トランクベース開発 l 週1回のプロダクションリリース
  3. LINE STORE フィーチャーフラグのユースケース l リリースフラグ︓ l 新機能をフラグを使って、リリース(機能ON)する l 開発中やテストが完了していないコードをプロダクション環境にデプロイできる l

    デプロイなしで、指定⽇時に機能をリリースできる l 例︓サイト上の会社名を10/1 10AMに変更したい l ⼀定期間だけ有効な機能(キャンペーン)のON、OFFを制御する
  4. LINE STORE フィーチャーフラグのユースケース l 機能制限フラグ︓ l 特定の属性を持つユーザのみに機能を提供する l 例︓サブスクリプション機能は⽇本と台湾のユーザに提供 l

    コードではフラグのチェックだけを⾏い、国などの条件をハードコードしない l デプロイなしで、段階的に機能をリリースができる 設定ファイル︓ プログラムコード︓ ユーザ国 フラグ ⽇本 ON 台湾 ON それ以外 OFF ⽇本・台湾 それ以外 機能ON 機能OFF
  5. LINE STORE フィーチャーフラグの実装 l フラグ管理サーバ︓ l 設定ファイルを⼀元管理する l 開発者は設定を変更できる l

    変更後、アプリケーションサーバに変更を配布する l 設定ファイル︓ l フィーチャーフラグを定義する l アプリケーションは、フィーチャーフラグの設定値に よって、環境やユーザの属性に応じて 機能のON/OFFを切り替える l プログラムコード︓ l フィーチャーフラグを⽤いて、処理を分岐する
  6. LINE STORE 実装︓フラグ管理サーバ https://line.github.io/centraldogma/ l Central Dogma︓ l Git、Zookeeperベースのサービス設定リポジトリ l

    LINEのオープンソースソフトウェア l 設定ファイルをサーバ上で可⽤性⾼く、バージョン管理できる l クライアントライブラリ l ほぼリアルタイムで、アプリケーションに変更を反映できる
  7. LINE STORE 実装︓フラグ管理サーバ l GitHub連携︓ l 設定ファイルをGitHub上で管理できる l プルリクエストを作成して、レビューした上で変更をマージする l

    プルリクエスト作成時︓CI上でビルドチェックの実⾏ l プルリクエストマージ後︓アクションの実⾏、Slack通知など
  8. LINE STORE 実装︓設定ファイル l DSL(Domain Specific Language)として、PlanOutを使⽤ l PlanOut︓ l

    Meta(旧Facebook)が開発したA/Bテスト、フィーチャーフラグ⽤のフレームワーク l Javaの実装であるPlanOut4jをライブラリとして使⽤ 設定ファイル(YAML)︓ PlanOut4j userId=xxxx isRelease=true country=JP パラメータ user-new-string=true フラグ値を算出 フィーチャーフラグ︓ アプリケーションで 環境やユーザの属性値を パラメータとして設定 If, elseの条件分岐の記述 環境やユーザ属性で分岐して フラグのON/OFFを設定 アプリケーション︓
  9. LINE STORE 実装︓プログラムコード l 初回導⼊のみ l アプリケーションに、Central DogmaクライアントやPlanOut4jの組み込みが必要 l 導⼊以降

    l 開発者はフラグによる分岐を⾏うだけなので、容易にフラグの導⼊が可能 l ユーザのコンテキストクラスやシステムクラスに フィーチャーフラグが判定するメソッドがあれば、どこでも使⽤できる
  10. LINE STORE 運⽤における課題と対策 l リグレッションテストで、フィーチャーフラグON、OFF両⽅の検証が必要 l フラグの組み合わせが、Beta、Staging: ON、Production: OFF の状態で

    フラグOFF の検証が漏れた場合、 Productionデプロイで、初めてOFFの動作検証が⾏われる 実際、検証漏れによる不具合や障害が発⽣ 対策 導⼊されているフィーチャーフラグの⼀覧や各環境の状態を 開発者以外のプロジェクトメンバー(特にテストメンバー)に共有する 課題 プロダクションデプロイまでのプロセスが複雑になる
  11. LINE STORE 運⽤における課題と対策 対策 テスト⽤にフラグを上書きする機能をアプリケーションを追加 ⾮開発者でもON/OFFの切り替えを可能にして、検証実施の障壁を下げる (ただし、プロダクション環境は⾮表⽰) 設定ファイル︓ フラグを変更するUI︓ Cookie︓

    フラグ︓ON フラグ︓OFF 設定 Cookieの値を優先 機能ON 課題 ⾮開発者にとって、フラグの変更にはサーバの設定変更が必要 ON/OFFの検証実施の障壁が⾼い(コミュニケーションコスト、いつでも変更できない) 上書きした値はCookieで管理することで、他のユーザのテストやアプリケーションの動作には影響を与えない
  12. 発表の流れ l コードのデプロイと機能リリースを分離するためにフィーチャーフラグを使⽤ l ユーザ属性を使⽤した機能制限でもフィーチャーフラグを活⽤ l フラグ管理サーバには、Central Dogma を使⽤ l

    リアルタイムでの変更反映とGitHubと連携した安全なオペレーションを実現 l 設定ファイルのDSLに、PlanOut を使⽤ l 環境やユーザ属性によるフラグの分岐を実装 l フィーチャーフラグ導⼊による運⽤の課題を解決するために l プロジェクトメンバー内で、フィーチャーフラグ状態を共有を実施 l フラグを上書きする機能を実装して、容易にON/OFFの検証実施を可能にする まとめ