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20240502_【DCC】スタートアップ投資促進WG_中間整理

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May 02, 2024
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 20240502_【DCC】スタートアップ投資促進WG_中間整理

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May 02, 2024
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  1. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #2 エグゼクティブサマリ

    VCファンドSTの 取組意義/商品性 VCファンドSTのスキーム VCファンドSTのスキーム詳細 (規制/投資家保護) VCファンドSTのスキーム詳細 (取引事由/スキーム参加者) VCファンドSTのスキーム詳細 (会計処理) 実現に必要なアクション ・VCファンドにおける新たな投資家層への裾野拡大により、ファンドへの資金供給が安定化し、成長資金の円滑な供給/循環につながる。 ・スタートアップ企業への投資が個人投資家にとっての資産形成の新たな選択肢となり、スタートアップ企業から見れば、不特定多数の個人投資家を直接の株主と することなく資金調達を行うことが可能となる。 ・近接商品との比較では、個人投資家とVCファンドの双方に新しい機会を提供できるという点で、独自性がある。 ・ST化のためのSPV(法的な器)は、権利移転の安定性と税制面において比較優位な、特定受益証券発行信託(特定JS)を想定する。 ・ST化対象アセット(信託財産)は、「VCファンドのLP出資持分」および「運営上必要な金銭」を想定する。 ・各スタートアップへの出資判断自体はVCファンド側で行う。 ・LP投資主体は委託者(金融商品取引業者)から信託譲渡を受けた「信託口」(受託者たる信託銀行)1名であるが、VCファンドSTが投資するVCファンドは、 諸条件を満たすことで、基本的に適格機関投資家等特例業務に該当すると考えられる。(最終的には個別案件の実態によって判断される) ・法定開示に加えて、VCや投資先未上場企業にとって無理のない範囲で、任意開示水準(VCファンド出資先の銘柄名や組入比率、LPS業務報告情報の一 部)を満たすことがより望ましい。 ・業界として一定の目線(特定投資家以外の投資家は、年収又は保有金融資産の5%又は10%程度の取引上限額設定等)を共有しつつ、各証券会社にお いて具体的な取引開始基準を設定することが、投資家保護の観点から望ましい。 ・PTSで取り扱う際は、不公正取引を防止するための措置が必要となる。 ・VCファンドST運営上、期中管理コストや追加出資要請対応に要する資金は信託組成時に金銭を拠出し、各種対応条件等は信託契約に明定する。 ・委託者および精算受益者は、VCファンドのGPではなく、適格機関投資家/第一種金融商品取引業者(信託財産の運用については、委託者が投資運用業の 登録を受けていること又は投資運用業の登録を受けているアセットマネジメント会社に資産運用業務の全部を委託することが必要)。 ・特定JSでは、税制面で優遇を受ける条件として、発生した収益は原則分配する(留保割合は2.5%以下)という制約があるが、VCファンド側の会計処理上、 非上場株式が時価評価となりVCファンドでの未実現評価益が生じる場合に、特定JS側で現金収入を伴わない(分配不能な)収益が発生する。 ・特定JSの利益留保割合計算において現金収入を伴わない未実現評価益を参入しないことができるルールができれば、ボトルネックが解消されるものと考えられる。 ・特定JSのルールメイク議論を行うにあたり、既存商品や他のST化アセットの拡張(海外アセットや国内動産等)の検討との不整合が生じないよう、STに関連した 信託会計ルールメイクの議論を包括的に行う「信託会計ルールWG」を新設し、信託銀行及び専門家を集めて業界横断での全体最適を図る。
  2. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #4 #1‐1

    「Progmat」とは|プログラマブルなネットワークで社会を繋ぎ、あらゆる価値をデジタル化する SC あらゆる価値をデジタル化 権利/資金の流れをプログラマブルに ST SC UT セキュリティトークン ユーティリティトークン ステーブルコイン SC ST UT 社会をネットワークで繋ぐ ボーダーレス/24・365/P2P #01 Progmat/DCCと本WGの概要
  3. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #5 #1-1

    「Progmat」とは|「インフラ層」を共創/標準化し、市場参加者の圧倒的利便性向上を実現する インフラ層 Ⅰ サービス層 Ⅱ 株式会社Progmat…「Core Developer」兼「コンソーシアム(DCC)事務局」 ST UT Coin DCC事務局 信託銀行 A 信託銀行 B 信託銀行 C 銀行 D 銀行 E 証券 F 証券 G エクスチェンジ H コア機能提供 利用料 & 各発行体 役務 対価 Service Developers 株主企業群=アライアンスパートナー 出資 利益還元 スピンアウト (独立化) DCC会員 による 分権運営 インフラ としての 中立的 資本構成 (競争領域) (共創領域) #01 Progmat/DCCと本WGの概要
  4. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only #6 #1-2 「DCC」とは|多数の組織が参加する、業界横断で価値を生み出す枠組み 最新ナレッジ 共有

    プロダクト 共創 デジタルアセット共創コンソーシアム 共同検討 ・提言 (DCC) 【目的】 デジタルアセット全般を対象とした、 業界横断での新たなエコシステムの共創 【運営概要】 ②業界横断的/新規性の高いテーマを対象に、 ワーキング・グループ(WG)を組成し、任意参加 ③秘密情報の共有範囲を限定し、 会員同士で柔軟に個別プロジェクトを実施 ④プロダクトに係る分権的運営 ①複数関係者間を跨ったWGや個別プロジェクトを 柔軟に進めるため、”包括的な秘密保持契約” として機能(共有範囲を調整し、都度個別の NDA締結を不要化) 【ポイント】 ①入会金/参加費無償 ②入会申込書(Word/押印不要)の電子送付 (事務局で締結手続完了後、会員サイト案内) ③社名非開示のオプション選択可能 © Progmat, Inc. #01 Progmat/DCCと本WGの概要
  5. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only #7 #1-2 「DCC」とは|エコシステムの意見をDCCで集約、「Core Dev」がコア機能を開発/提供する BC基盤

    Core Dev /API User Progmatに係る意思決定機関 開発・運用保守 協議・意思決定 (会員規定、開発方針等) 事務局サポート 開発依頼 参加 ライセンス契約 役割 ・BC基盤の提供 ・Progmat NW内の全Nodeの ・DCC会員規定や開発方針等の ・Nodeを保有しProgmat API利用 連携 etc. Service Dev 機能提供 *1 Core Devは(株)Progmatだけでなく、複数の企業が担える想定 *1 ・動作責任、障害時一時窓口 ・重要事項の意思決定 ・上でビジネスを構築 ・機能要件の調整、Progmatへの ・[API User]Service ・DevとAPI利用計画結び ・開発依頼 ・ビジネスを構築 ・開発推進、及びService Devへの ・ライセンス提供 © Progmat, Inc. #01 Progmat/DCCと本WGの概要
  6. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only #8 #1-3 本WGの位置づけ|「保有可能なアセットの多様化」の一環として、実現に向けた論点を整理する © Progmat,

    Inc. #01 Progmat/DCCと本WGの概要 保有可能なアセットの多様化 プラットフォームの拡張 市場・決済機能の拡張 不動産 航空機・船舶 インフラ・設備 電車・自動車 ロケット・人工衛星 コンテンツ 嗜好品 金銭債権 社債 デジタル完結の 権利移転基盤 (特許登録) ユーティリティトークン API&DLT 証券会社を介した 随時売買・換金 デジタル証券PTS 連携 ステーブルコイン 連携 DEX/P2P(直接取引) 「利用」との融合 照合不要化 決済リスク減 流動性向上 可能性拡大 (障壁減,投資家層拡大) 構築支援,スマコン共創 未上場株式 オープン化 連携(ファンマーケ) 執行自動化 新たな取引機会 …実現済み …進行中/公表済み /ファンド持分 スタートアップ投資促進 ワーキング・グループ(WG)
  7. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only #9 #1-3 本WGの位置づけ|具体的な整理内容を公表すると共に、実現に向けた新たなアクションを開始する © Progmat,

    Inc. #01 Progmat/DCCと本WGの概要 投資促進 12月 開催に係る公表 ・開催準備 検討会 キックオフ スタートアップ 2023年 1月 2024年 2月 3月 検討会 議論終了 ルールWG 信託会計 政府/当局 改正要望 現在の立ち位置 検討会 (Web/隔週) 検討会 議論終了 (新設) WG 「中間整理」 公表 検討会 キックオフ 4月~
  8. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #11 #2

    VCファンドSTの取組意義/商品性 #2-1 取組意義|各参加者にとっての意義は以下のとおり スタートアップ企業群 VCファンド LPS 信託銀行 特定受益証券発行信託 流通市場 新たな投資家層 新たな投資家層 委託者 / 証券会社 新たな投資家層への裾野拡大により、ファンドへの 資金供給安定化/成長資金の円滑な供給・循環 小口投資×裾野拡大 非上場のまま 出資契約に基づき キャピタルコール対応 流動性確保 (as LPの一角) プロの目が入った 間接的な投資機会 ビジネス拡大機会 (LPS×JSの他アセット横展開も) (特定JS) ビジネス拡大機会 (LPS×JSの他アセット横展開も) 適切なリスク範囲の中で、 資産形成の新たな選択肢 ビジネス拡大機会 (取扱銘柄多様性/取引量拡大) 不特定の個人が直接株主に なることなく、円滑な調達促進 「スタートアップ育成5か年計画」 ×「web3.0」促進施策 ST ST ST
  9. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #12 #2-2

    近接商品比較|個人投資家とVCファンドの双方に新しい機会を提供 #2 VCファンドSTの取組意義/商品性 上場ベンチャーファンド 株式投資型クラファン 公募非上場株投信 想定SPV N/A 投資信託(契約型) 投資信託(会社型) 公募/私募 公募 公募 公募 上場/非上場 非上場 非上場 上場 開示要件 金商法等の法定開示 +東証上場規程等 1億未満のため法定開示少 金商法等の法定開示 流動性/ 高 (金融商品取引所取引) 7 8 9 1 2 3 個 人 投 資 家 想定組入資産 上場株+非上場株+金銭等 (期中入替有り) 特定の未上場企業株式 4 5 VCファンドST(特定JS) 特定受益証券発行信託 公募 非上場(PTS取扱可能性有) 金商法等の法定開示 +(ST)PTS規程等 中~高 (業者内 &/or PTS取引) VCファンドのLP持分+金銭 (期中入替無し) 換金性 低~中 (一部、株主コミュ内マッチング有) 中~高 (解約請求) 投資上限額 上限無し ~50万円/年間 N/A 取引開始基準による(後述) 適用税制 (個人) 分離課税適用可、 特定口座利用可 分離課税適用可、 特定口座利用可 分離課税適用不可、 特定口座利用不可 分離課税適用可、 特定口座利用可 (期中入替無し) 上場株+非上場株+金銭等 (期中入替有り) *2 投資信託の運用者 投資家自身 VCファンドのGP 投資信託の運用者 スタートアップ投資判断 10 調達金額制約 制約無し ~1億円/年間 制約無し 事 業 者 11 株主対応負荷 低負荷 (株主はあくまで大口ファンド) 低負荷 (株主はあくまで大口ファンド) 高負荷 (小口株主(個人)対応が必須) 制約無し 低負荷 (株主はあくまで大口ファンド) *1 *3 6 (1億以上/公募の取扱議論中) *1 50万円超/年の規制緩和可能性有 *2 優遇税制(エンジェル税制)適用対象拡大可能性有 *3 ~5億円/年の規制緩和可能性有
  10. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #14 #3

    VCファンドSTのスキーム #3-1 前提|SPV比較|権利移転の安定性と税制面において、特定受益証券発行信託が比較優位 特定受益証券発行信託 1 GK-TK TMK 信託 ST化対象権利 2 譲渡成立要件 3 第三者対抗要件 4 5 6 7 8 匿名組合出資持分 (主な根拠法) (会社法、民法) 確定日付ある証書による 債務者への通知又は承諾 課税無し (匿名組合の除外規定有) 原則、雑所得として 総合課税のみ(累進課税) 譲渡所得として 総合課税のみ(累進課税) BC外譲渡を妨げられず、 BCとは別に対抗要件具備要 課税所得金額330万円以上 の場合、相対的に不利な税制 優先出資証券 (資産流動化法) 新旧当事者間の合意 +優先出資証券交付 優先出資者名簿への記録 +優先出資証券交付 軽減可=配当損金算入可 ※導管性要件有 申告分離課税可(20.315%) BC=原簿として安定的に 移転可だが、証券管理が煩雑 GK-TK比有利だが、特定受益 証券発行信託比不利な税制 受益権 (信託法、投信法) 新旧当事者間の合意 (信託法上、譲渡制限可) 確定日付ある証書による 債務者への通知又は承諾 信託の種類による BC外譲渡を防止できるが、 BCとは別に対抗要件具備要 信託の種類による 受益権 (信託法) 新旧当事者間の合意 (信託法上、譲渡制限可) 受益権原簿への記録 課税無し (集団投資信託) 申告分離課税可(20.315%) BC外譲渡を防止でき、且つ BC=原簿として安定移転可 課税所得金額330万円以上 の場合、相対的に有利な税制 SPV段階での 法人税課税 *1 *1 *2 個人投資家の 配当金課税 個人投資家の 譲渡損益課税 信託の種類による *2 信託の種類による *2 源泉徴収(20.315%) or 申告分離課税可(20.315%) 権利移転の 法的安定性評価 個人投資家の 経済合理性評価 新旧当事者間の合意 (民法上、譲渡制限困難) *1 *1 *2 *1 改正産業競争力強化法に基づく「新事業特例制度」により、事業主管大臣から新事業活動計画の認定を受けることで、規制の特性措置を適用することが可能にはなった *2 ①集団投資信託(合同運用信託,主な投資信託等)、②法人課税信託(特定目的信託や①以外等)、③受益者等課税信託(①②以外)、の3区分が存在 ①は特定受益証券発行信託も①の1種のため課税の考え方は概ね同じだが、②はSPV段階で二重課税され不利、③はSPV段階の収益等発生時に受益者の収益等と見做される 原則、配当所得として 総合課税(累進課税)
  11. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #15 #3-2

    前提|参考スキーム|既存の不動産ST ※一部簡素化 #3 VCファンドSTのスキーム 不動産管理処分信託 不動産 不動産 委託者 信託銀行 特定受益証券発行信託 不動産 金銭 一般受益権 (ST) 精算受益権 01 受益権 ローン 精算受益者 受益者代理人 レンダー 信託受益権 信託受益権 AM 一般受益者 兼当初受益者 *1 02 選定 ※受託者裁量無し 03 金銭/受益権 を信託 04 受益権 (ST含む) 金商業者 一般受益者 金商業者 流通市場 11 05 06 07 NRL 選定 取得 指図 08 一般受益権(ST)引受 09 売買 10 売買 *2 *3 *4 *5 *1 ブリッジファンド等のSPCが主流(STファンド設定後に清算前提)。 *2 信託契約により委託者裁量で選定。投資運用業の登録が必要。 *3 NRL実行額と同額の「ローン受益権」を設定し、NRL実行により受益権は即償還され、貸方にローンが残る。 *4 信託契約により委託者裁量で選定(弁護士想定)。一般受益者の配当受領権を除く権利を代理し、ファンド運営における意思結集時に多数個人投資家の関与を不要化。 *5 当初受益者から取得(オリジネーター/スポンサー想定)。信託終了~信託清算時に一般受益者分の償還完了後、残余債権/債務の処理を寄せる役割(券面発行不所持)。 信託銀行
  12. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #16 #3-3

    前提|参考スキーム|既存のJDR(日本型預託証券) ※一部簡素化 #3 VCファンドSTのスキーム 資産 負債 株式 外国会社等 委託者 信託銀行 特定受益証券発行信託 外国株式 振替 受益権 01 外国株式引受 受益者 兼当初受益者 *1 02 外国株式 を信託 03 振替受益権 (JDR) 受益者 金商業者 流通市場 04 売買 05 売買 *2 *1 証券会社で取扱中 → 野村證券(外国株JDR,ETN-JDR)・みずほ証券(外国株JDR)・三菱UFJモルガン・スタンレー証券(ETN-JDR) *2 受託者が必要と認める場合、又は総受益権の100分の3以上を有する受益者が、受益者決議手続を行うことができる。 06 指図 (金商業者) (JDR) 07 受益者決議 (出典)https://jdr.tr.mufg.jp/ja/products.html
  13. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #17 #3-4

    前提|参考スキーム|公募非上場株投信(想定) ※一部簡素化 #3 VCファンドSTのスキーム 非上場 株式 LP持分 GP持分 VCファンド LPS 委託者 信託銀行 投資信託 上場株 金銭 受益権 03 直接出資& 受益者 *2 04 金銭/各種株式/LP持分 を信託 05 受益権 06 販売 07 買取/解約請求 *2 アセットマネジメント会社 *1 入替有。原則、非上場株等は純資産の15%以内。ただし、解約制限等、流動性および投資家間の平等性を確保する措置が講じられている場合は15%超の組入可 GP 機関投資家 01 02 引受 引受 10 指図 (金商業者) 非上場株 LP持分 *1 *1 金商業者 *3 *3 証券会社 上場企業 上場企業 非上場企業 非上場企業 LP持分引受 08 解約請求 09 一部解約
  14. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #18 #3-5

    本件スキームとエンティティ|VCファンドST ※一部簡素化 #3 VCファンドSTのスキーム 非上場 株式 LP持分 GP持分 VCファンド(新設or既存) LPS 委託者 信託銀行 特定受益証券発行信託 LP持分 金銭 一般受益権 (ST) 精算受益権 01 LP持分引受 精算受益者 受益者代理人 一般受益者 兼当初受益者 *1 03 金銭/LP持分 を信託 04 受益権 (ST) 一般受益者 金商業者 流通市場 05 06 選定 取得 07 売買 08 売買 *4 *5 *1 VCファンドがQⅡ特例業務に依拠するための要件として、適格機関投資家であることが必須。(VCファンドのGPが兼任することは不適) *4 信託契約により委託者裁量で選定(弁護士想定)。一般受益者の配当受領権を除く権利を代理し、ファンド運営における意思結集時に多数個人投資家の関与を不要化。 *5 JSにおける全ての受益権について受益証券(券面)不発行が可能な解釈であれば、本来的には設定不要。設定する場合、委託者兼当初受益者がそのまま保持する想定。 GP 機関投資家 01 02 引受 引受 09 指図 (金商業者) 金商業者 *2 *2 *2 信託財産の運用については、委託者が投資運用業の登録を受けていること又は投資運用業の登録を受けているアセットマネジメント会社に資産運用業務の全部を委託することが必要。 *3 *3 組入対象のLP持分は、新設ファンドだけでなく既存ファンドのLP持分もあり得る。 また、委託者兼当初受益者が一般受益権(ST)を販売するのであれば証券会社(第一種金融商品取引業者)であることが必要だが、 販売を他の証券会社に委託する場合には、その限りではない。
  15. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #20 #4

    VCファンドSTのスキーム詳細 #4-1 規制/投資家保護|大きく3つの論点有り   最終投資家 LP投資家 スタートアップ企業 株主 他VCファンド … … VCファンド(LPS) 他機関投資家 … STファンド(信託) 委託者 (投資判断) 受益者代理人 (権利保全) 受益者 意思 GP (投資判断) 指図 【私募】 【公募】 【私募】 論点① 適格機関投資家等 特例業務該当性 論点② 情報開示水準 論点③ 対象投資家 (取引開始基準) 信託譲渡/指図 代理
  16. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #21 #4-2

    規制/投資家保護|①適格機関投資家等特例業務該当性 「受益証券発行信託」が、金商法第63条に基づく適格機関投資家等特例業務として運用されているLPSの持分を事後的に取得した場合、当該LPSからみると投 資主体は委託者(金商業者)から信託譲渡を受けた「信託口」1名であり、法の潜脱目的と評価される場合を除き、本特例業務に該当する整理でよいかが論点。 金融商品取引法 第63条(適格機関投資家等特例業務) 「次の各号に掲げる行為については、第29条及び第33条の2の規定は、適用しない。 一 適格機関投資家等(…略…)で次のいずれにも該当しない者を相手方として行う第2条第2 項第5号又は第6号に掲げる権利に係る私募(…略…)。 イ その発行する資産対応証券(…略…)を適格機関投資家以外の者が取得している特定目的 会社(…略…) 」 ロ (…略…)投資事業に係る匿名組合契約(…略…)で、適格機関投資家以外の者を匿名組合 員とするものの営業者又は営業者になろうとする者 ハ イ又はロに掲げる者に準ずる者として内閣府令で定める者 金融庁2007年パブコメ 29頁 No.49 「開示規制の適用に当たって「第二項有価証券」 の取得勧誘が「募集」に該当するか否かを判 断する際には、民法上の組合や投資事業有限責任組合等が「第二項有価証券」を保有する場合、 これらの組合等が当該第二項有価証券の取得勧誘と合わせて組成される等の法を潜脱する目的で 組成されたようなものではなく、当該組合等が当該 第二項有価証券の取得勧誘とは無関係に独 立に事業を行うものとして組成されているようなものであれば、当該組合等の業務執行者等を もって、1名の保有者と数えることになるものと考えられます。(…略…)個別事例ごとに実態 に即して実質的に判断されるべきものと考えられます。 」   LP投資家 VCファンド(LPS) 他機関投資家 … STファンド(信託) 委託者 (投資判断) 受益者代理人 (権利保全) 信託譲渡/指図 意思 GP (投資判断) 指図 【私募】 論点① 適格機関投資家等 特例業務該当性 LPS組成後、LPの一角として 独立して投資/信託組成 #4 VCファンドSTのスキーム詳細 金融庁2016年パブコメ 5頁 No.18 「例えば、特例業務届出者が、信託銀行を相手方として同項第1 号に掲げる行為を行うと認めら れる場合又は信託銀行が出資若しくは拠出をする金銭について同項第2 号に掲げる行為を行うと 認められる場合には、当該信託銀行が「適格機関投資家等」のうちの「適格機関投資家」として 扱われるものと考えられます。」
  17. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #22 #4-2

    規制/投資家保護|①適格機関投資家等特例業務該当性 WGの見解としては、LP投資主体は委託者(金融商品取引業者)から信託譲渡を受けた「信託口」(受託者たる信託銀行)1名であるが、VCファンドSTが投資する VCファンドは、以下記載の諸条件を満たすことで、基本的に適格機関投資家等特例業務に該当すると考えられる。(最終的には個別案件の実態によって判断) 【必須】法の潜脱目的と評価される実態がない 【必須】VCファンドのLP持分取得判断を最初に行う委託者が、適格機関投資家である第一種金融商品取 引業者である 【必須】委託者からLP持分等の信託譲渡を受け、STファンドとして組成される信託の引き受けを行う受託者は、 適格機関投資家である信託銀行である 【必須】STファンドとしての信託の意思決定は、VCファンドとは独立して行われる(VCファンドの状態によっては 出資を終了する判断もあり得る) 【必須】VCファンドと信託の背後の投資家である受益者との直接のやりとりが生じないよう、信託財産であるLP 持分が受益者に現物(LP持分)で交付されない(金銭による償還のみ)旨を信託契約で規定して いる(参考:「企業内容等開示ガイドライン2‐5」) 【尚良】STファンドとしての信託の組成時期が、VCファンドの組成時期(LP持分の取得勧誘の実施時期)に 合わせて行われるものではない 【尚良】VCファンドにLP出資を行う主体に、STファンドとしての信託以外の他機関投資家も存在する   LP投資家 VCファンド(LPS) 他機関投資家 … STファンド(信託) 委託者 (投資判断) 受益者代理人 (権利保全) 信託譲渡/指図 意思 GP (投資判断) 指図 【私募】 論点① 適格機関投資家等 特例業務該当性 LPS組成後、LPの一角として 独立して投資/信託組成 #4 VCファンドSTのスキーム詳細 企業内容等開示ガイドライン 2‐5 (適格機関投資家に該当しない場合) 「新たに発行される有価証券の取得勧誘又は既に発行された有価証券の売付け勧誘等(法第2条 第4項に規定する売付け勧誘等をいう。以下同じ。)を適格機関投資家に該当する者に対し行う 場合で、例えば、相手方が次に掲げる者に該当することを知りながら勧誘を行うときには、当該 相手方は適格機関投資家には該当しないものとして取り扱うことに留意する。 ① 信託に係る適格機関投資家以外の者(以下2-5において「一般投資者」という。)との契 約等、一般投資者に有価証券が交付されるおそれのある信託の契約に基づいて、有価証券を取得 し、又は買い付けようとする信託銀行(…略…)」
  18. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #23 #4-3

    規制/投資家保護|②情報開示水準 VCは既存LP投資家向け情報以上の情報提供を想定しておらず、「受益証券発行信託」の公募における法定開示内容に“VCの個別投資先の財務情報等”は含 まれない中で、金融審議会における非上場企業の状況に適した情報開示(緩和)の在り方の議論等も踏まえ、必要十分かつ実現可能な開示の在り方が論点。 (出典)金融審議会 資産運用に関するタスクフォース 第1回 事務局資料 7頁 (出典)金融審議会 資産運用に関するタスクフォース 第1回 事務局資料 21頁 #4 VCファンドSTのスキーム詳細 最終投資家 LP投資家 他機関投資家 … STファンド(信託) 委託者 (投資判断) 受益者代理人 (権利保全) 受益者 意思 【公募】 【私募】 論点② 情報開示水準 信託譲渡/指図 代理 VCは、既存LP投資家に提供 する範囲以上の情報提供困難 金商法上、VC投資先等の 財務内容は開示の直接規制 を受けることになっていない
  19. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #24 #4-3

    規制/投資家保護|②情報開示水準 #4 VCファンドSTのスキーム詳細 短期的な目線(現実的な当面の案件スコープ) 【前提①】GPから提供された情報をLPが開示する場合は、GPの事前の承認が必要。 【前提②】社名の開示についても、ファンドの運営に支障がないか、投資先の意向も考慮したうえで個別に判断 しているため、GPが任意開示水準を満たそうとした場合でも、一律に一定水準の開示を許容することは困難。 【必須】STファンドにおける法定開示情報 【尚良】VCファンド投資先の銘柄名(投資先企業名称) 【尚良】VCファンドにおける各銘柄組入比率 WGの見解としては、法定開示に加えて、VCや投資先未上場企業にとって無理のない範囲で、以下記載の任意開示水準を満たすことがより望ましいと考えられる。 (任意開示水準は実案件の組成関係者間での判断となるが、業界知見としての目線共有の趣旨) 中長期的な目線(目指す姿) 【前提①】GPから提供された情報をLPが開示する場合は、GPの事前の承認が必要。 【前提②】社名の開示についても、ファンドの運営に支障がないか、投資先の意向も考慮したうえで個別に判断 しているため、GPが任意開示水準を満たそうとした場合でも、一律に一定水準の開示を許容することは困難。 【必須】STファンドにおける法定開示情報 【尚良】VCファンド投資先の銘柄名(投資先企業名称) 【尚良】VCファンドにおける各銘柄組入比率 + 【尚良】VCファンドのLPS業務報告情報の一部(決算数値は含めない) 最終投資家 LP投資家 他機関投資家 … STファンド(信託) 委託者 (投資判断) 受益者代理人 (権利保全) 受益者 意思 【公募】 【私募】 論点② 情報開示水準 信託譲渡/指図 代理 VCは、既存LP投資家に提供 する範囲以上の情報提供困難 金商法上、VC投資先等の 財務内容は開示の直接規制 を受けることになっていない
  20. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #25 本来、「受益証券発行信託」の公募において投資金額上限の規制はないが、既存の上場ベンチャーファンドの開示水準とは異なること、他方株式投資型クラファンに

    おける絶対額ベースの投資上限額の規制緩和が検討されていること等を踏まえ、対象投資家範囲(証券会社における取引開始基準)をどこまで拡げるかが論点。 #4 VCファンドSTのスキーム詳細 最終投資家 LP投資家 STファンド(信託) 委託者 (投資判断) 受益者代理人 (権利保全) 受益者 意思 論点③ 対象投資家 (取引開始基準) 指図 代理 証券会社X 受益者 証券会社Y PTS取引 P2P取引 #4-4 規制/投資家保護|③対象投資家(取引開始基準) (出典)金融審議会 資産運用に関するタスクフォース 第1回 事務局資料 15頁 特定 投資家 一般投資家 上限50万円 上限無し 50万円超 低 中 高 開 示 水 準 プ ロ 介 在 無 有 既存クラファン 上場ベンチャーファンド 上場ベンチャーファンド 上場ベンチャーファンド クラファン(緩和) 既存クラファン クラファン(緩和) *1 *2 *1 *2 株式投資型クラファンにおける「投資上限額の規制緩和」検討 上場VFにおける「開示要件(東証上場規程等)」見直し検討 上場VF(緩和)
  21. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #26 #4

    VCファンドSTのスキーム詳細 最終投資家 LP投資家 STファンド(信託) 委託者 (投資判断) 受益者代理人 (権利保全) 受益者 意思 論点③ 対象投資家 (取引開始基準) 指図 代理 証券会社X 受益者 証券会社Y PTS取引 P2P取引 #4-4 規制/投資家保護|③対象投資家(取引開始基準) WGの見解としては、業界として以下記載のような一定の目線を共有しつつ、各証券会社において具体的な取引開始基準を設定することが、投資家保護の観点か ら望ましい。(具体的な取引開始基準は実案件での取扱証券会社において決定すべきものだが、業界知見としての目線共有の趣旨) 短期的な目線(現実的な当面の案件スコープ) 【前提】2次流通取引範囲 :プライマリー取扱証券会社内での売買 【区分①】特定投資家 :投資上限額無し 【区分②】特定投資家以外の投資家 :年収又は保有金融資産の10%程度を上限とする 【区分③】区分②のうち年収又は保有金融資産が一定額未満の投資家 :投資勧誘対象には含めない 中長期的な目線(目指す姿) 【前提】2次流通取引範囲 :PTS取引、(将来的には)P2P(投資家間直接)取引 【前提】PTSで取り扱う際の必須事項 :PTSで取り扱う際は、不公正取引を防止するための措置が必要となる。 【区分】少なくともいずれかの証券会社において別途適合性を確認しST取引用口座を開設した投資家 :2次流通取引からの参加の場合、金額面での上限無し
  22. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #27 #4

    VCファンドSTのスキーム詳細 #4-5 取引事由例|「新規設定」における前提/実施主体は以下のとおり 投資家 委託者/金商業者 STファンド(信託) VCファンド(LPS) 新 規 設 定 LP投資家向けファンド情報 +α(委託者と協議) LP投資家向けファンド情報 確認/投資判断 LPA(出資契約)締結/ LP出資金(1回目)払込 STファンド内容設計/ 法定開示&契約書用意 STファンド内容設計 法定開示&契約書用意 LPA(出資契約)締結/ LP出資金(1回目)調達 法定開示実施 法定開示実施/ 投資勧誘(各種前提説明) ファンド情報(各種前提) 確認/投資判断/申込 信託組成/ 「LP持分+金銭」信託譲渡 LP持分+待機資金保有 (将来出資&コスト分含む) ST譲渡/資金回収 (発行価格に必要コスト含む) 資金払込/ST取得 (必要コスト含めて支払) ST発行 (委託者兼当初受益者へ) 適格機関投資家として 実施 追加出資・期間延長・終了 条件等を予め明定/合意 予め資金を確保し、LP追加 出資時もST追加募集回避 委託者/金商業者としての 報酬を転嫁し発行時に回収 期中キャッシュインはほぼ発生 しないためコスト分も予め確保
  23. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #28 #4

    VCファンドSTのスキーム詳細 #4-5 取引事由例|「期中管理」「追加出資」「期間延長」における前提/実施主体は以下のとおり 投資家 委託者/金商業者 STファンド(信託) VCファンド(LPS) 期 中 管 理 ファンド維持コスト支払/ 待機資金減少 LPS決算情報等提供 STファンド決算/ 法定開示等用意 STファンド決算/ 法定開示等用意 開示情報確認 追 加 出 資 キャピタルコール (LPAに基づく追加出資要請) 追加出資指図 (信託契約規定に基づき判断) LP出資金(追加)払込/ 待機資金減少 LP出資金(追加)調達 期 間 延 長 LPS運用期間延長連絡 (LPAに基づく期間延長要請) 信託期間延長指図 (信託契約規定に基づき判断) 信託期間延長/ LPS期間延長応諾連絡 LPS運用期間延長 設定時に一括払込済のため STの追加募集不要 当初信託契約に予め条件等 規定し、受益者関与不要化 設定時に一括払込済のため 期中キャッシュインは特に不要
  24. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #29 #4

    VCファンドSTのスキーム詳細 #4-5 取引事由例|「異例事由」「期間満了」における前提/実施主体は以下のとおり 投資家 委託者/金商業者 STファンド(信託) VCファンド(LPS) 異 例 事 由 LPS不芳事態発生 (信託協議事由に該当) 受益者代理人協議実施 (信託協議事由に該当) 受益者代理人が意思表示 (信託終了事由に該当) 信託終了指図 LPAに基づく出資終了手続/ 信託終了/清算 LPAに基づく出資終了手続 償還金受領 償還金(残余財産)支払 期 間 満 了 投資先銘柄Exit/ LPS運用終了/償還金支払 LPS償還金受領 信託終了指図 (信託契約規定に基づき判断) 償還金受領 信託終了/清算 償還金支払 LPS運用終了予定時期と 同期(期間延長オプション有)
  25. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #30 #4

    VCファンドSTのスキーム詳細 #4-6 想定するスキーム参加者|WGの見解は以下のとおり 見解 論点 STファンドの「委託者兼当初受益者」はどのよ うなエンティティが想定されるか。 【前提①】VCファンドのGPが、STファンドの委託者(=VCファンドのLP)を兼任することは不適 【前提②】VCファンドがQⅡ特例業務に依拠するための要件として、適格機関投資家であることが必須 【前提③】信託財産の運用については、委託者が投資運用業の登録を受けていること又は投資運用業の登録を受けているアセットマネジメント 会社に資産運用業務の全部を委託することが必要 【前提④】委託者兼当初受益者が一般受益権(ST)を販売するのであれば証券会社(第一種金融商品取引業者)であることが必要だが、販 売を他の証券会社に委託する場合には、その限りではない STファンドの「精算受益者」はどのようなエンティ ティが想定されるか。 【前提①】VCファンドのGP側で、特定LPの残余債権/債務処理を引き受ける積極的に希望する先はない 【前提②】精算受益者の機能不全により損害を被るような事態が生じた場合、実質的に当該精算受益者を選定したとみなされる委託者/受 託者の責任が問われる可能性もあるところ、元々信託財産管理を受託者に委ねた委託者は、役割/責任を果たすことができる 【前提③】不動産STと異なり精算受益者が現実的にコスト負担等の責任が現実化する可能性は僅少であり、委託者兼当初受益者から敢え て第三者へ譲渡する実益は乏しい 【原則】精算受益者は、委託者兼当初受益者がそのまま就任する(第三者へ譲渡しない) 【例外】精算受益権(受益証券発行の受益権かつ受益者による不所持の申し出による券面不発行化)の設定自体を不要とするために必要な、 受益証券発行信託における全ての受益権について受益証券(券面)発行を不要化する信託法解釈がコンセンサスとなることがより望まし く、当該コンセンサスが確立された場合はそもそもVCファンドSTにおいては精算受益者自体が不要とできる STファンドが出資するVCファンドの入出金業 務は「ファンドアドミニストレーター等外部業 者」へ委託することを必須とすべきか。 【前提①】基本的に、LPS運営期間における入出金業務はVCファンド運営会社(GP)が実施することが想定される 【前提②】いずれにせよ、委託者/STファンドからのLP出資にあたり、GPの内部管理態勢(分別管理態勢を含む)は一定のチェックが入る 【原則】外部委託の選択肢自体は排除しないものの、採用可否はコスト次第であり、必須(強制)とまではしない(個別案件次第)
  26. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #31 #4-7

    会計処理|論点概要は以下のとおり LPS財産の持分相当額を出資金として計上し、 LPSの営業により獲得した純損益の持分相当 額を当期の受益証券発行信託の純損益とし て計上 (金融商品会計実務指針第132項、308項) 組合等への出資 VC出資を行う機関投資家において、LP出資 持分は組合等への出資の会計処理が行われ るのが原則の認識だが、 金融商品会計実務指針308項後段で 「…(略)…多様な実情を踏まえ、組合 等への出資については、その契約内容の 実態及び経営者の意図を考慮して、経済 実態を適切に反映する会計処理及び表示 を選択することとなる。」 とあるため、管理処分を目的とする点、投資信 託と類似するという点等の経済的実態を鑑み、 その他保有目的の「投資有価証券」として会 計処理することができないか検討。 形式的な建付け GPが運用・管理するLPSからの利益分配、 持分の中長期的な価格変動による利益獲得 を目的とした有価証券投資 (投資信託に類似) 経済的実態 本件におけるLP出資の位置づけ 実務上の問題点 時価評価を行う 時価評価は行わない 投資信託は一般にその他保有目的の 「投資有価証券」として処理 求められる会計処理 以下①②の問題から、スキームとして成立しな い可能性あり。 ① 決算スケジュール問題 信託決算日までにLPS決算情報の取得ができない。 ② 非現金収入の収益問題 LPSが利益を一部留保した場合、信託では収益を 認識しつつ現金を受け取れず、信託に留保金が滞 留する可能性(=2.5%ルールでアウトの可能性) 要確認事項 【論点①】 LP出資持 分の取扱い 【論点②】 時価評価の 有無 ③ 時価情報取得問題 信託決算開示に適したLPS時価情報(NAV)を 取得することができるのか。 実務上の問題は無しと思われるが、 会計基準上は選択困難か。 左記の問題点を鑑みると、時価評価を行わな い方向が実務上望ましいが、以下の理由から 時価評価は回避困難と思われる。 ① LPSからはNAV情報を受領する認識のた め、「時価を把握することが極めて困難」と は言い難い。 ② 時価算定に関する会計基準及び適用指 針では、投資信託は時価評価の対象とさ れており、時価評価不要との定めはない。 時価評価の回避可能性はないか要確認。 #4 VCファンドSTのスキーム詳細
  27. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #32 #4-8

    会計処理|組合等出資|決算スケジュール問題(LPS:12月決算、信託:1月決算) ※実務上、12月決算が多いとのこと 12月 1月 3月 4月 5月 6月 LPS 受益証券 発行信託 ※信託決算は基本、以下①②のいずれか。 ①1月 & 7月 ②4月 & 10月 (信託銀行本体の決算までに信託財務諸表を固める必要あり) 有報 提出期限 決算 財務諸表作成・監査(2か月) 2月 LPS年度決算の報告は、決算日(12月決算が多いとのこと)から90日要するのが一般的。 →受益証券発行信託の決算を1月とした場合、その時点では信託決算を確定できない。(受益証券発行信託の損益は決算時点で確定する必要あり) 問題 LPSの年度決算報告を受領する3月末以降に、信託決算を迎える場合を検討。(次ページ参照) 考察 7月 年度決算 90日 決算情報 信託決算日(+1週間以内)にLPS損益取込を行うべきところ、 その時点ではLPS決算情報を得られない #4 VCファンドSTのスキーム詳細
  28. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #33 #4-8

    会計処理|組合等出資|決算スケジュール問題(LPS:12月決算、信託:4月決算) ※実務上、12月決算が多いとのこと 12月 1月 3月 4月 5月 6月 LPS 受益証券 発行信託 ※信託決算は基本、以下①②のいずれか。 ①1月 & 7月 ②4月 & 10月 (信託銀行本体の決算までに信託財務諸表を固める必要あり) 有報 提出期限 決算 財務諸表作成・監査(2か月) 2月 受益証券発行信託の決算日を4月末とすれば、信託決算日までにLPS決算報告を受け取ることはできる。 しかし、会計基準上、他の事業体の決算情報を取り込むにあたっては、決算日の差異が3か月を超えることは実務上許容しにくい可能性がある。 問題 LPS年度決算が12月との前提に立つと、受益証券発行信託では対応困難と思料。 考察 7月 年度決算 90日 決算情報 3か月を超える決算日差異は認められない。 (具体的にこれを規定する基準はないが、連結会計基準を参考にこのように考えられる) 4カ月 #4 VCファンドSTのスキーム詳細
  29. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #34 #4-9

    会計処理|組合等出資|非現金収入の問題 収益 費用 当期利益 ※一般的な機関投資 家の会計実務上では、 未実現損益(非上場 株の評価損益)反映 前の利益を取込むもの と認識しております。 LPS損益計算書 受益証券発行信託 へ分配 LPSで内部留保 信託損益計算書 LPSの利益処分 現金収入を 伴う収益 現金収入を 伴わない収益 受益者へ分配 現金がないので、 受益者へ分配不可 =内部留保不可避 信託の利益処分 LPSの処理 受益証券発行信託の処理 (×)LPSからの分配額を収益認識 (〇)LPS利益の持分相当額を収益認識 現金支出費用 当期利益 現金 【特定要件】 留保額が元本額の 2.5%以下でなけれ ばならない。 特定要件から外れた場合、特定受益証券発行信託ではなくなり、信託断面で課税がなされる。 ↓ 受益者も所得課税がなされるので、二重課税となる。 LPSで内部留保がある場合、信託では当該内部留保分の現金は受け取ることができないものの収益としては計上され、同額は現金裏付けがないため受益者に 分配できず内部留保とせざるを得ない。その内部留保が元本額の2.5%を超える場合、特定要件から外れ、信託で課税(二重課税)となってしまう。 ※上図では便宜上、持分割合100%と仮定する #4 VCファンドSTのスキーム詳細
  30. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only © Progmat, Inc. #35 #4-10

    会計処理|その他有価証券|時価情報取得問題 ※実務上、12月決算が多いとのこと 12月 1月 3月 4月 5月 6月 LPS 受益証券 発行信託 ※決算は基本、以下①②のいずれか。 ①1月 & 7月 ②4月 & 10月 (信託銀行本体の決算までに財務諸表を固める必要あり) 有報 提出期限 決算 財務諸表作成・監査(2か月) 2月 ①信託決算日時点の時価情報(NAV)の入手は通常は困難なのが通常 ②直近LPS決算日の時価情報(NAV)入手に45日 or 90日程度かかる想定 問題 『時価の算定に関する会計基準の適用指針』49-12項では、投資信託の時価評価について、以下のように規定されている。 「基準価額は時価の算定日に算定されるものを使用することが原則と考えられるが、投資信託財産が不動産である投資信託は、基準価額の算定頻度が低く、時価の算定日に おける基準価額がない場合が考えられる。この場合、たとえ時価の算定日と基準価額の算定日との間の期間が短いとは言えないとしても、取得原価より直近の基準価額の方 が有用な情報と考えられるため、投資信託財産が不動産である投資信託については、時価の算定日における基準価額がない場合は、入手し得る直近の基準価額を使用する」 本件において、LPSの財産は不動産ではなく非上場株式であるため上記基準に直接的には該当しない。 しかし、非上場株式は時価の把握が困難(金融商品会計基準上は「時価を把握することが極めて困難な有価証券」に該当)なことから、LPSにおける基準価額の算定頻 度が低いという点は不動産投資信託と共通するものと思料。したがって、上記適用指針文言の青字部分は本件と共通するものと理解。 これを援用し、本件でも入手し得る直近のNAVを使用するとできないか。 考察 NAV 7月 決算 年度決算 45日 or 90日? 有報作成中に時価情報は受領→財務諸表への反映は可能と思料 #4 VCファンドSTのスキーム詳細
  31. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only LPS財産の持分相当額を出資金として計上し、 LPSの営業により獲得した純損益の持分相当 額を当期の受益証券発行信託の純損益とし て計上 (金融商品会計実務指針第132項、308項)

    #4-11 会計処理|WGの見解として、VCファンドSTにおいては「組合等への出資」としての処理が適当 組合等への出資 VC出資を行う機関投資家において、LP出資 持分は組合等への出資の会計処理が行われ るのが原則の認識だが、 金融商品会計実務指針308項後段で 「…(略)…多様な実情を踏まえ、組合 等への出資については、その契約内容の 実態及び経営者の意図を考慮して、経済 実態を適切に反映する会計処理及び表示 を選択することとなる。」 とあるため、管理処分を目的とする点、投資信 託と類似するという点等の経済的実態を鑑み、 その他保有目的の「投資有価証券」として処 理することも可能と思料。この点、認識齟齬な いか要確認。 形式的な建付け GPが運用・管理するLPSからの利益分配、 持分の中長期的な価格変動による利益獲得 を目的とした有価証券投資 (投資信託に類似) 経済的実態 本件におけるLP出資の位置づけ 実務上の問題点 時価評価を行う 時価評価は行わない 投資信託は一般にその他保有目的の 「投資有価証券」として処理 求められる会計処理 以下①②の問題から、スキームとして成立しな い可能性あり。 ① 決算スケジュール問題 信託決算日までにLPS決算情報の取得ができない。 ② 非現金収入の収益問題 LPSが利益を一部留保した場合、信託では収益を 認識しつつ現金を受け取れず、信託に留保金が滞 留する可能性(=2.5%ルールでアウトの可能性) 要確認事項 【論点①】 LP出資持 分の取扱い 【論点②】 時価評価の 有無 ③ 時価情報取得問題 信託決算開示に適したLPS時価情報(NAV)を 取得することができるのか。 実務上の問題は無しと思われるが、 会計基準上は選択困難か。 左記の問題点を鑑みると、時価評価を行わな い方向が実務上望ましいが、以下の理由から 時価評価は回避困難と思われる。 ① LPSからはNAV情報を受領する認識のた め、「時価を把握することが極めて困難」と は言い難い。 ② 時価算定に関する会計基準及び適用指 針では、投資信託は時価評価の対象とさ れており、時価評価不要との定めはない。 時価評価の回避可能性はないか要確認。 VCファンド保有の「市場価格のない株式」に ついて時価評価の対象とすべきかを、 企業会計基準委員会(ASBJ)で議論中 ↓ “②非現金収入の収益問題”に 影響あり 【WGでの議論】 特定受益証券発行信託でLP出資持分 を保有する際の会計処理としては、 組合等への出資として処理するのが原 則。 その他保有目的有価証券としての処理 について、今後検討の可能性まで排除さ れないものの、原則としては認められない。 #4 VCファンドSTのスキーム詳細 © Progmat, Inc. #36
  32. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only #4-12 会計処理|非現金収入の問題|ASBJの議論を踏まえると本件問題は不可避 収益 費用 当期純利益

    LPS損益計算書 受益証券発行信託 へ分配 LPSで必然的に 内部留保 信託損益計算書 LPSの利益処分 現金収入を 伴う収益 現金収入を 伴わない収益 受益者へ分配 現金がないので、 受益者へ分配不可 =内部留保不可避 信託の利益処分 LPSの処理 特定受益証券発行信託の処理 (×)LPSからの分配額を収益認識 (〇)LPS利益の持分相当額を収益認識 現金支出費用 当期純利益 現金 【特定要件】 留保額が元本額の 2.5%以下 今後のASBJでの議論の結果、VCファンド(LPS)が保有する市場価格のない株式(非上場株式)が時価評価(評価差額は純損益)との取扱いとなれば、 LPSで評価益が生じる場合に、受益証券発行信託にて現金収入を伴わない収益が発生することになり、特定要件から外れる可能性を完全に回避することは困難。 ※上図では便宜上、持分割合100%と仮定する 市場価格のない株式 の時価評価益 当該評価益は 当期純利益を構成 ①現状、LPSにおける非上場株式は有責会計規則にて公正価値(時価)評価が求められつつ、金融商品会計基準上は取得原価評価とされる ②ASBJ議論上、LPAで非上場株式の公正価値(時価)評価を行う旨を定めたLPSは、金融商品会計基準上も公正価値(時価)評価となる可能性 ③公募STで販売を担う証券会社としても、時価情報を持たない投資商品の取扱いは困難と思われ、ST化の対象はLPAで公正価値(時価)評価を行う旨を定めた LPSのLP持分となることが想定される(よって、特定受益証券発行信託側でLPSにおける時価評価益の持分相当額を反映することになる) ASBJ議論を受けたWG内議論 © Progmat, Inc. #37 #4 VCファンドSTのスキーム詳細
  33. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only #4-13 会計処理|非現金収入の問題|利益留保金割合計算に係るルール改正が望ましい 収益 費用 当期純利益

    LPS損益計算書 受益証券発行信託 へ分配 LPSで必然的に 内部留保 信託損益計算書 LPSの利益処分 現金収入を 伴う収益 現金収入を 伴わない収益 受益者へ分配 現金がないので、 受益者へ分配不可 =内部留保不可避 信託の利益処分 LPSの処理 特定受益証券発行信託の処理 (×)LPSからの分配額を収益認識 (〇)LPS利益の持分相当額を収益認識 現金支出費用 当期純利益 現金 ※上図では便宜上、持分割合100%と仮定する 市場価格のない株式 の時価評価益 当該評価益は 当期純利益を構成 利 益 留 保 割 合 計 算 期末時点の元本金額 分配後の留保金 現金収支を 伴わない損益 ー ≦ 2.5% 利益留保割合計算上、現金収支を伴わない損益は留保金から 除くことができないか検討したい。 【ご参考】 DCC事務局内での意見 • 利益留保割合を2.5%以下とするルール趣旨は、信託内に意図的に利益を残すことで、 受益者にとって課税繰り延べが行われるのを防ぐことにあるものと理解。 →現金収支を伴わな い収益は担税力が低いことをもって、利益留保割合計算の分子から除くことは検討できないか。 • 一方で、株式会社等の通常の法人では、株式の評価益等の現金収入を伴わない損益が 益金損金調整項目になっているわけではない理解。この点との平仄をどう整理するか。 • 上記平仄が問題になるようであれば、個人においては実現益のみ課税のため、例えば受益者を 個人に限定することで右記整理を説明可能とできないか。 #4 VCファンドSTのスキーム詳細 特定受益証券発行信託の利益留保割合計算において現金収入を伴わない未実現評価益を算入しないことができるルールができれば、ボトルネックが解消されるも のと考えられる。一方で、当然に他のルールとの整合性を欠かないよう配慮・検討が必要。 © Progmat, Inc. #38
  34. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only 特定受益証券発行信託のルールメイク議論を行うにあたり、VCファンド(LPS)に議論を限定した場合、既存商品(JDR、不動産ST)や、別途行われている特定受 益証券発行信託を用いたST化アセットの拡張(海外アセットや国内動産等)の検討との不整合が生じる虞がある。 STに関連した信託会計ルールメイクの議論を包括的に行うWGを新設し、信託銀行及び専門家を集めて業界横断での全体最適を図る。 #5 VCファンドST実現に必要なアクション

    #5-1 「信託会計ルールWG」新設|本件を含むST化アセット拡張に必要な内容を包括的に具体化する 既存の検討主体 本WG 別のWG (ex.アセット拡張WG等) 特定JSスキームを検討する各社 信託会計ルールWG 論点① 論点② 論点③ 新設WG内で議論 論点整理・ルール改正アイデア 信託協会 信託銀行 関係当局 信託協会への提案主体は 信託銀行(参加者の一角) 提案 協会ルールの改正 法改正 改正要望 特定受益証券発行信託をはじめとした信託に係る ルールメイクの議論主体は、本来的には信託協会とな り、ここで議論された上で、関係当局への改正要望や 照会が行われる。 提案・要望を受けて検討 ↓ 改正手続 © Progmat, Inc. #40
  35. CONFIDENTIAL / Discussion Purpose Only 免責事項 ⚫ 本資料は、ディスカッション用に作成されたものであり、個別の商品、サービスを勧誘することを目的としたものではあり ません。本ディスカッション或いは資料だけで契約が成立するものではありません。従って、当社はいかなる種類の法 的義務、或いは責任を負うものではありません。

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