Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
joi2012-sp-day2-broadcasting
Search
Masaki Hara
March 21, 2012
Programming
1
210
joi2012-sp-day2-broadcasting
第11回 日本情報オリンピック 春合宿 競技2日目 「テレビ放送(Broadcasting)」 解説スライド
Masaki Hara
March 21, 2012
Tweet
Share
More Decks by Masaki Hara
See All by Masaki Hara
バックエンドのためのアプリ内課金入門 (サブスク編)
qnighy
8
1.8k
Dockerfileの考え方
qnighy
45
17k
Arm移行タイムアタック
qnighy
1
510
Quine, Polyglot, 良いコード
qnighy
5
740
Prolog入門
qnighy
5
1.5k
Rubyのobject_id
qnighy
6
1.6k
Getting along with YAML comments with Psych
qnighy
2
2.3k
状態設計から「なんとなく」を無くそう
qnighy
85
28k
日付時刻A to Z
qnighy
1
640
Other Decks in Programming
See All in Programming
お前もAI鬼にならないか?👹Bolt & Cursor & Supabase & Vercelで人間をやめるぞ、ジョジョー!👺
taishiyade
6
4k
Honoとフロントエンドの 型安全性について
yodaka
7
1.2k
How mixi2 Uses TiDB for SNS Scalability and Performance
kanmo
36
14k
Ruby on cygwin 2025-02
fd0
0
140
pylint custom ruleで始めるレビュー自動化
shogoujiie
0
120
時計仕掛けのCompose
mkeeda
1
300
密集、ドキュメントのコロケーション with AWS Lambda
satoshi256kbyte
0
190
ARA Ansible for the teams
kksat
0
150
color-scheme: light dark; を完全に理解する
uhyo
3
290
負債になりにくいCSSをデザイナとつくるには?
fsubal
9
2.4k
個人アプリを2年ぶりにアプデしたから褒めて / I just updated my personal app, praise me!
lovee
0
340
Amazon Q Developer Proで効率化するAPI開発入門
seike460
PRO
0
110
Featured
See All Featured
RailsConf & Balkan Ruby 2019: The Past, Present, and Future of Rails at GitHub
eileencodes
133
33k
Learning to Love Humans: Emotional Interface Design
aarron
273
40k
I Don’t Have Time: Getting Over the Fear to Launch Your Podcast
jcasabona
32
2.1k
How to train your dragon (web standard)
notwaldorf
91
5.8k
[Rails World 2023 - Day 1 Closing Keynote] - The Magic of Rails
eileencodes
33
2.1k
Building Better People: How to give real-time feedback that sticks.
wjessup
367
19k
[RailsConf 2023] Rails as a piece of cake
palkan
53
5.2k
Principles of Awesome APIs and How to Build Them.
keavy
126
17k
Fashionably flexible responsive web design (full day workshop)
malarkey
406
66k
Large-scale JavaScript Application Architecture
addyosmani
511
110k
Put a Button on it: Removing Barriers to Going Fast.
kastner
60
3.7k
Done Done
chrislema
182
16k
Transcript
Masaki Hara @qnighy 2歳のとき強く頭を打ち、算数に目覚める。 9歳のとき強く頭を打ち、プログラミングに目覚める。 10歳のとき強く頭を打ち、Javaに目覚める。 14歳のとき強く頭を打ち、アニメに目覚める。 15歳のとき強く頭を打ち、アルゴリズムに目覚める。 17歳のとき強く頭を打ち、形式的定理証明に目覚める https://twitter.com/#!/qnighy/status/25315686027
問題 平面上にN個の点がある K個の円を配置(場所・大きさは任意)し、それらの点をカ バーする それぞれの円について、半径の二乗に比例するコストが かかる
コストの合計値を小さくしたい 出力のみ提出
問題 平面上にN個の点がある K個の円を配置(場所・大きさは任意)し、それらの点をカ バーする それぞれの円について、半径の二乗に比例するコストが かかる
コストの合計値を小さくしたい 出力のみ提出
出力のみ問題! 一般的なアドヴァイスから
出力のみ問題! (1) 入力を見ながらコーディングできる 入力データの特徴は最大限活用しよう そのためにビジュアライザが欲しい時もある
出力のみ問題! (2) プログラムを提出する必要がない いくつプログラムを使ってもよい 手作業をしてもよい 場合によっては有用(e.g.
IOI2010 Maze) ただし、Wrong Answerに注意
出力のみ問題! (3) プログラムを提出する必要がない 1秒以内に実行する必要はない 長い時間かけて良い答えを得る C/C++で書く必要もない
Ubuntuなら、bash, Perl, Pythonは確実に入っています ブラウザでJavaScriptを動かすこともできます ただし、コンテストの禁止事項には注意
出力のみ問題! (4) 何回でも挑戦できます 出力のみ問題では、手動でのパラメーター調整が重要にな ります。 時間をかけるほど良い解が出るプログラムはgood
パラメーター調整が簡単にできるようにするとgood
出力のみ問題! (5) ※5時間コンテストです!!! 出力のみ問題にこだわりすぎないように 無制限に時間を消費するので、最後にするのが無難? 複雑な戦略(焼きなましやGA)は、5時間コンテストではあま
り力を発揮しないかもしれません パラメーター調整が難しいし。 山登り法や「焼きっぱなし」がおすすめです
出力のみ問題! 入力データの特徴を活用する いくつプログラムを作ってもよい 好きなだけ実行してよい
閑話休題
問題 平面上にN個の点がある K個の円を配置(場所・大きさは任意)し、それらの点をカ バーする それぞれの円について、半径の二乗に比例するコストが かかる
コストの合計値を小さくしたい
入力の性質 ビジュアライザを書く JavaScript+Canvasで絵を描けます
入力の性質 ビジュアライザを書く
入力の性質 01.txt 02.txt
入力の性質 03.txt 04.txt
入力の性質 05.txt
入力の性質: 考察 入力によって性質が違う 均等なもの (01, 05) 若干ばらつきのあるもの(02,
03) 狙ってるとしか思えないもの(04) アルゴリズムによって得手不得手がありそう
考察 考察: カバーしたい点集合に対して、最小包含円を決め ることができる →以下の2つの問題に分かれる K個の点集合を作る
それぞれの点集合について、最小包含円を求める
最小包含円 与えられた点を全て含む円で、最も半径が小さいもの O(n^3) 平均O(n) その他 -
貪欲法やエセ最小包含円
最小包含円 - O(n^3) ≤ 2 のときは自明 = 3
のとき 鈍角三角形の場合…一番長い辺が直径 鋭角三角形の場合…外接円を考える ≥ 3 のとき 全ての三角形を考えて、その最小包含円のうち最も大きい ものを選べばよい
最小包含円 – 平均O(n) min_disk(, ): 点集合とを含む最小包含円を求める。 ただしは周上にあることが保証されている。 が空なら、
の外接円が答え から点をひとつ選び、とする を除いた最小包含円min_disk( − , )をとおく。 ∈ なら、が答え ∉ なら、 は最小包含円の周上にある → min_disk( − , + {})が答え
最小包含円 – 平均O(n) 点の順番がランダムになっているとする 最小包含円の周上に点は3個程度しかない → min_disk(
− , + {}) が呼び出される確率は (3 − #)/程度 したがって、平均で()
最小包含円 – その他の方法 中心を決めると、必要な半径は で求まる 貪欲法 円の中心を、必要な半径が小さくなる方向に進めていく
適当な値で代用する 円の中心 = 全ての点をカバーする矩形の中心 などとおく それなりに良く近似できるし、簡単に書ける
K個の点集合を決める 乱択で近傍探索 クラスタ解析 その他の方法
K個の点集合 – 近傍探索 とりあえず適当に点集合をおく(乱数とかで) 近傍は以下のように選ぶ 適当な点を選び、適当な集合に移動させる
スコアに応じて、その近傍に移動する 均等なデータのほうが強い
K個の点集合 – クラスタ解析 データ群を類似関係にあるグループに分類する方法 ここでは「K平均法」を使う
K個の点集合 – クラスタ解析 データ群を類似関係にあるグループに分類する方法 ここでは「K平均法」を使う
K個の点集合 – クラスタ解析 データ群を類似関係にあるグループに分類する方法 ここでは「K平均法」を使う 平均
K個の点集合 – クラスタ解析 データ群を類似関係にあるグループに分類する方法 ここでは「K平均法」を使う 平均
K個の点集合 – クラスタ解析 データ群を類似関係にあるグループに分類する方法 ここでは「K平均法」を使う 平均
K個の点集合 – クラスタ解析 データ群を類似関係にあるグループに分類する方法 ここでは「K平均法」を使う 平均
K個の点集合 – クラスタ解析 データ群を類似関係にあるグループに分類する方法 ここでは「K平均法」を使う まばらなデータに強い
K個の点集合 – その他の方法 Kruskal法と同様に、N個から併合を繰り返してK個にす る
その他の方法の紹介 中心決め打ち 貪欲法などを使って半径を決める
それでは
生徒の最良データの紹介
生徒の最良データの紹介 in01 JPN17 スコア 247498181034
生徒の最良データの紹介 in02 JPN18 スコア 246525708455
生徒の最良データの紹介 in03 JPN18 スコア 208558463568
生徒の最良データの紹介 in04 JPN18 スコア 176846776195
生徒の最良データの紹介 in05 JPN18 スコア 342198348502
参考: 得点分布 0 2 4 6 8 10 12 14
まとめ 出力のみ問題に特化した戦略を とにかくプログラムを回しまくるとか 5時間という短い時間内でできることを この時間内でできる戦略をしよう
01→適当な最小包含円+局所探索が良さそう 02-05→適当な最小包含円+クラスター分析が良さそう まだ改善の余地はあるとはいえ、5時間のコンテストでの 成績としては十分ではないでしょうか ただ、不正なデータで0点の人が多いのは勿体無いですね
ご清聴ありがとうございました 今日もよく寝て万全の体調で3日目に臨みましょう。
ご清聴ありがとうございました 今日もよく寝て万全の体調で3日目に臨みましょう。 (拍手!)