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オントロジーの概要 / Ontology overview
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January 16, 2019
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オントロジーの概要 / Ontology overview
(1)オントロジーとは
(2)言語的オントロジー
(3)オントロジーと推論
(4)オントロジーの構築と学習
Atom
January 16, 2019
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Transcript
オントロジーの概要 基本から推論・構築まで 第2回 B3勉強会 2019/1/17 長岡技術科学大学 自然言語処理研究室 吉澤 亜斗武
参考文献・資料 書籍 [1] 溝口理一郎:オントロジー工学,オーム社(2005) [2] 古崎晃司,來村徳信,笹島宗彦,溝口理一郎: オントロジー構築入門,オーム社(2006) [3] 兼岩憲:記述論理とWebオントロジー言語,オーム社(2009) [4]
來村徳信:オントロジーの普及と応用,オーム社(2012) 資料 [5] 古崎晃司:オントロジー工学に基づく知識の体系化と利用 https://www.slideshare.net/KoujiKozaki/ss-35373962 2
Contents (1) オントロジーとは (2) 言語的オントロジー (3) オントロジーと推論 (4) オントロジーの構築と学習 3
(1) オントロジーとは オリジナルの意味:存在論(哲学用語) コンピュータ科学:対象世界の概念や概念間の関係を明示的に 記述したもの 対象世界に「何が存在しているか」を明確にした上で モデルを構築 4 オントロジー工学では,対象世界の基本概念 や概念間の関係を
土台にして世界に関するモデルを記述する
オントロジーの利用 ・意味共有 :知的システムの使いやすさの向上 ・検索 :検索結果の意味的な構造化 ・分析・抽出・推論 :情報推薦システムなどの実現 ・変換・統合 :異種の知識を一括して利用できる 5
(1) オントロジーとは
オントロジー構築の目的 ・知識の共有 :人やシステム間で情報を共有し,連携して作業 ・知識の再利用:知識ベースを別の用途に再利用する そのためには 基本的な概念やモデル化方法を一致させる必要がある 対象世界の概念等を明確に定義する必要がある 6 (1) オントロジーとは
オントロジーは概念,階層構造が明確な指針に基づき 設計されている
オントロジーの種類 ・ドメインオントロジー(domain ontology) 特定の分野の異なるタスクでも使えるオントロジー ・タスクオントロジー(task ontology) 異なる分野の同じタスクに使えるオントロジー ・上位オントロジー(upper ontology) 様々な対象の抽象的な概念体系を扱うオントロジー
7 (1) オントロジーとは
オントロジーの記述 オントロジーは,単なる語彙集合,辞書,概念階層ではない 8 (1) オントロジーとは 乗り物 -陸上車 -車 -船 -…
-飛行機 -… (a)単なる概念構造 乗り物 -種類 -陸上車 -機能 -人を運ぶ -属性 -大きさ (b)オントロジーのイメージ
記述レベルでの分類 レベル1:概念の切り出しと,概念間の関係のみを記述 概念のラベル(名前)と階層構造だけが存在する レベル2:各概念の意味定義や,関係の記述が加えられたもの 記述された性質に関して,コンピュータが答えられる レベル3:オントロジーとして記述されたものだけでなく, 問題解決システムの振る舞いや質問応答ができる 9 (1) オントロジーとは
オントロジーの構成要素 ・クラス ・インスタンス ・意味リンク ・個数制約 ・ロール概念 10 (1) オントロジーとは 乗り物
二輪車 車輪 人間 正の整数 車輪_1 前輪 ロール_1 subclass-of rel:所有者 attribute-of :重さ(kg) part-of , 2 instance-of 前輪(ロールホルダー) rel:前後関係
意味を含んだ自然言語処理を行おうとすると,意味情報を収集・ 整理した語彙資源が必要となる. 言語的オントロジーは,言語表現が指示する概念・意味関係を整 理した資源 語彙概念関係には,例えば下のような関係も含まれる. 含意関係:下位クラスに因果関係がある. 様態関係:「スキップする」は「歩く」の特殊な様態 11 (2) 言語的オントロジー
語彙資源の例 ・WordNet タイプの語彙資源 単語の意味を他の単語との関係によって表現 SUMOとの対応や,OntoWordNet の構築がされている ・語彙概念構造(LCS)タイプの語彙資源 単語の意味を意味概念の組み合わせで表現 意味的な類似性や含意関係が自然に表現できる 12
(2) 言語的オントロジー
語彙資源の例 ・生成語彙論(GL)タイプの語彙資源 コアとなる意味から文脈に応じた多様な意味の生成を表現 クオリア構造によって意味を多次元的に表現 ・FrameNet タイプの語彙資源 フレーム意味論に基づいたフレーム構造による表現 関係をネットワークとして構造化し,世界知識も表現 13 (2)
言語的オントロジー
オントロジーはその目的から,できるだけ多くの種類の推論エン ジンに対応できるように記述されることが求められるが,現実的 にはいくつかの推論に限定して効率の良い推論を実現させる. 推論の例 ・記述からの帰結の推論 ・近似的な推論 ・二つの記述の同一性の判定/類似度の計算 14 (3) オントロジーと推論
推論手法の例 ・記述論理による推論 OWLは記述論理へ変換でき,包含関係などを推論 ・ベイジアンネットワークへの変換による確率推論 因果関係のあるイベント/タスクオントロジーを変換 ・依存型意味論(Dependent Type Semantics)による推論 近年の研究で,自動推論には至っていない 15
(3) オントロジーと推論
オントロジーの構築の手法 ・人手 ・構造情報資源を利用したオントロジー学習 ・半構造情報資源を利用したオントロジー学習 ・フリーテキストを利用したオントロジー学習 オントロジー学習:(半)自動的にオントロジーを構築 16 (4) オントロジーの構築と学習
人手によるオントロジー構築の手順 1. スコープの決定 利用目的,利用者,保守者,網羅すべきドメインの決定 2. 再利用の検討 利用可能なオントロジーがあれば,それを基礎として開発 3. 用語の列挙 その分野の重要な用語を列挙し,リストを作成する.
17 (4) オントロジーの構築と学習
4. クラスの定義 階層関係をsubclass-of 関係で定義する 5. プロパティの定義 内因性,外因性,全体-部分関係,他の個体との関係を定義 6. 制約の定義 定義域,値域,個数制約などの制約を定義
7. インスタンスの作成 18 (4) オントロジーの構築と学習
オントロジー学習の概要 ・構造情報資源を利用したオントロジー学習 複数のオントロジーからオントロジー写像によって生成 ・半構造情報資源を利用したオントロジー学習 Wikipedia, Folksonomy などの利用 ・フリーテキストを利用したオントロジー学習 現状では,高精度で大規模なオントロジーの構築が困難 19
(4) オントロジーの構築と学習
オントロジー学習の限界と注意点 ・不要な用語,関係が含まれており,正答率と再現率は トレードオフの関係であるので吟味する必要がある ・入力・参照リソースに依存するので,専門家の手動による 概念や関係の追加・修正が必要になる ・公理の定義が難しく,ヘヴィウェイトオントロジーの構築は 困難である 20 (4) オントロジーの構築と学習