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2023年にクル(かもしれない)通信ミドルウェア技術(仮)

 2023年にクル(かもしれない)通信ミドルウェア技術(仮)

【オンライン】新年LT会「私の愛するIoT 2023」兼 STM32+mROS 2 作品発表会 で使用した資料です。
https://algyan.connpass.com/event/268971/

Shintaro Hosoai

January 28, 2023
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Transcript

  1. 自己紹介  細合 晋太郎 (ほそあい しんたろう)  Twitter : @ShintaroHosoai

     github : s-hosoai  アカデミアとエンジニアの間を行ったり来たりしてます  現在は東大で某高瀬先生と悪巧みしてます  専門は、ソフトウェア工学(特にモデリング界隈)と組込みシステム(こちらはほぼ趣味)  器用貧乏上等!ってことで、手広くあれこれやってますので、面白いネタがあったら振ってくださいませ  趣味でダイビングはじめました。いい海知ってたら教えてください。
  2. Zenohってなんなん?  The Eclipse Zenoh: Zero Overhead Pub/sub, Store/Query and

    Compute.  Zetta Scale社の通信ミドルウェア。現在はEclipse Foundation下のOSSとして公開されている。  Zetta Scale社はROSの通信ミドルウェア仕様のDDSの実装の一つの開発にも関わっていた模様(Cyclone DDS)。低レイヤの通信ミドルウェアはお手の物。  Zenohは当初Ocamlで実装されていたものをRustに移植(2020/10-)。バリバリの関数型で整えた設計を 再構成しただけあり、かなり堅実な実装となっている。  Github : https://github.com/eclipse-zenoh/zenoh  Web : https://zenoh.io
  3. Publisher-Subscriber 通信  Publisher – Subscriber 通信は、特定のトピックをSubscribe(購読)しているノードに対して、 特定のトピック宛てにPublish(配信)したメッセージが届く形式 パブ サブ1

    サブ2 サブ3 topicA を購読するやで topicBを~ topicAを~ topicA 宛てにメッ セージを送るっす topicAを購読している、サブ1,3のどちらにも 同じメッセージが届く Pub Sub Pub/Subを兼任できるし、 複数のTopicの購読・ 配信も可能
  4. 通信方式 Pub / Sub。だけじゃない!  Pub / Sub (Push) :購読しているTopicのメッセージが届くと、コールバック関数が呼ばれる方式

     Pub / Sub (Pull):Sub時に一時保管され、任意のタイミングで読み出す方式  Pub / Store / Get:上記Pullの一時保管場所がRouter上になったもの  Get / Reply:特定のTopicの配信元に配信を促す方式。RPCのように使える模様 Peer Peer Peer Peer Peer Peer Peer Peer Pub sub(callback) sub(Pull) Pub Pub Get Reply Pull
  5. 柔軟なネットワーク構造 Peer Peer Peer Peer Router Peer Peer Peer client

    client Peer Peer Router client client Router Peer to peer Clique Mesh Brokered Routed Router Router Router Router client client Router client client Peer Router client 機能は同じ要素っぽい。 メッセージの送受をする 中継のみ NAT内ならBroker不要 Brokerを介せばNAT超えれる 複数のRouterを登録しておいて、切り替えたりできる
  6. MQTT(*MQ系)じゃダメなの?  好きなん選んだらええんやで  ZenohはMQTTに比べると、  同一NAT内ではブローカー不要にできるし、NAT越しでも他方のIPが分かればP2Pも可。ブローカーありも可  Pub/Sub以外にもStore系が使える 

    若干性能がいい  一方で  MQTTに比べると若干導入が難しい?ところもある  まだ絶賛開発中でバージョン間で互換を保たない変更が良く入る  標準のプロトコルがMQTTベース(確かAWS IoTにはMQTTで繋げたはず)のところもあるので、そこに繋ぐにはBridge が必要になる。
  7. High!Performance!  8byteのペイロードで4.2M msg/s  1MBペイロードで51GB/s  無負荷時、最小15 μsecのレイテンシ 

    パケットのオーバーヘッドは5 byte (状況によってはもうちょっと増える)  https://zenoh.io/blog/ 2022-09-30-zenoh-bahamut/  https://zenoh.io/blog/ 2021-07-05-zenoh-overhead/
  8. Zenoh Client Library:examples (Rust) Publisher Subscriber builder pattern Future Some

    セッション作成 Publish セッション終了 セッション作成 Subscriber作成 非同期でメッセージ待ち
  9. 組込みでも動くよ!Zenoh-pico!  Cで再実装した組込みボード向け軽量Zenoh。もちろんPC向けのZenohとも通信できる。  かなりええ感じの性能が出ているらしい 2.2.1. Zephyr Note: tested with

    reel_board, nucleo-f767zi, nucleo-f420zi, and nRF52840 boards. 2.2.2. Arduino Note: tested with az-delivery-devkit-v4 ESP32 board 2.2.3. ESP-IDF Note: tested with az-delivery-devkit-v4 ESP32 board 2.2.4. MbedOS Note: tested with nucleo-f747zi and nucleo-f429zi boards 2.2.5. OpenCR Note: tested with ROBOTIS OpenCR 1.0 board https://github.com/eclipse-zenoh/zenoh-pico
  10. おわりに  Zenohは、  主要な通信メソッド(Pub/Sub, Get, Store, Query)が揃ってる  ネットワーク形態も自由自在

     言語対応も多く、多様な通信層にも対応  相互運用性に優れ、多様なプロトコルに対応、組込みボードにも載せられる。  通信性能も高い と、かなりつおいです。  一方、  ROSのようなツールやライブラリは揃ってなさそうです。他と繋いで真価を発揮するタイプです  まだ絶賛開発中なのでしょっちゅう互換性を崩す変更が入ります  いろんなところで使える、なんかええ感じの通信ミドルウェアないかなーって時に、 ぜひ候補に覚えておいてくださいませ