Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
React のルーター事情
Search
sadnessOjisan
February 20, 2025
Programming
1
470
React のルーター事情
sadnessOjisan
February 20, 2025
Tweet
Share
More Decks by sadnessOjisan
See All by sadnessOjisan
AIエージェントが動かないときの原因とその対処
sadnessojisan
2
27
PHPこそ OpenTelemetry が嬉しい
sadnessojisan
2
350
TypeScript、上達の瞬間
sadnessojisan
51
18k
フロントエンド・オブザーバビリティを支える要素技術を学ぼう
sadnessojisan
2
810
疎通2024
sadnessojisan
5
1.6k
BasicBasic認証
sadnessojisan
5
4.5k
ISUCON入門以前_ISUNARABE_LT#1
sadnessojisan
20
6k
サーバーとは何かを理解して、コンテナ1つで実行しよう | PHPerKaigi2024
sadnessojisan
36
15k
Node.js v12 を使い続けていたのはなぁぜなぁぜ?
sadnessojisan
11
28k
Other Decks in Programming
See All in Programming
CSC509 Lecture 01
javiergs
PRO
1
430
CSC509 Lecture 05
javiergs
PRO
0
300
CSC305 Lecture 03
javiergs
PRO
0
230
Pull-Requestの内容を1クリックで動作確認可能にするワークフロー
natmark
2
450
AI Coding Meetup #3 - 導入セッション / ai-coding-meetup-3
izumin5210
0
590
Your Perfect Project Setup for Angular @BASTA! 2025 in Mainz
manfredsteyer
PRO
0
130
Go言語の特性を活かした公式MCP SDKの設計
hond0413
1
180
XP, Testing and ninja testing ZOZ5
m_seki
2
300
明日から始めるリファクタリング
ryounasso
0
120
CSC509 Lecture 06
javiergs
PRO
0
240
AIで開発生産性を上げる個人とチームの取り組み
taniigo
0
130
Railsだからできる 例外業務に禍根を残さない 設定設計パターン
ei_ei_eiichi
0
310
Featured
See All Featured
The Myth of the Modular Monolith - Day 2 Keynote - Rails World 2024
eileencodes
26
3.1k
Site-Speed That Sticks
csswizardry
11
880
The Art of Delivering Value - GDevCon NA Keynote
reverentgeek
15
1.7k
We Have a Design System, Now What?
morganepeng
53
7.8k
"I'm Feeling Lucky" - Building Great Search Experiences for Today's Users (#IAC19)
danielanewman
229
22k
How to Create Impact in a Changing Tech Landscape [PerfNow 2023]
tammyeverts
54
3k
JavaScript: Past, Present, and Future - NDC Porto 2020
reverentgeek
52
5.6k
Designing Experiences People Love
moore
142
24k
Making the Leap to Tech Lead
cromwellryan
135
9.5k
Building Adaptive Systems
keathley
43
2.8k
Rails Girls Zürich Keynote
gr2m
95
14k
XXLCSS - How to scale CSS and keep your sanity
sugarenia
248
1.3M
Transcript
React のルーター事情 @sadnessOjisan 1
自己紹介 • ID: sadnessOjisan • 近況: 生活が破壊されるレベルで、ポケカ と ポケ モンにハマった。今日持ってきています。
• ゆるぼ: 地面師が飲んでいたウイスキーを飲みにい きませんか(6人くらいで30mlを割り勘すれば飲め そう) 2
今日のお題: React とルーティング • React のルーティングの常識が変わりつつある(n回目) のでおさらいしよう ◦ react-router v3
◦ react-router v4 ◦ tanstack router ◦ react-router v6 ◦ react-router v7 ◦ Next.js app router • SSR もする時代なので HTTP サーバーにおけるルーティングから見ていこう 3
ルーティングとは • ネットワーク: 経路の制御 • Web: URI とクライアントリクエストにおけるそれらのレスポンスの定義 4
Webサーバーの例 chatGPT に書かせた 5
HTTP のリクエストを見る • HTTP リクエスト = リクエストライン<改行>ヘッダー<改行><改行>ボディ • リクエストライン =
メソッド<スペース>URI<スペース>バージョン ◦ GET https://example.com/piyo HTTP/1.1 6
文字列とルーターのマッチング • リクエストラインをパースするとメソッド、パスを取り出せる • それらに応じたハンドラーを実行すると、URLに応じた処理の切り替えを実 現できる • どのパスがどのハンドラーかというマッチングをさせなければいけず、一致 ・正規表現・Trie木など色々な戦略が考えられる 7
補足: なぜ Ruby で例を書いたか • HTTP を教えるための題材として一番良い言語だと思っている • ライブラリなしで、サーバーを自作するための必要な機能が一通り揃ってい る。(socket,
erb(template engine)) • JS だと body parser が必要、Go だと最初から組み込みの HTTP が含まれて しまっている • それでいてRubyは Mac であれば環境構築が不要 サーバーを教える研修をする時はRubyを使うようにしている 8
HTTPのルーターとSPAのルーター • HTTPサーバーのルーティングはナビゲーションリクエストに対するルー ティング • 一方で SPA における画面遷移ではナビゲーションリクエストは発生しない • アプリケーション内の状態遷移でルーティングを実現する
サーバー /piyo.html /hoge.html /fuga.html サーバー /index.html 返ってくるHTMLは1つだけ パスごとにHTMLが返ってくる 9
SPAの状態は揮発するのでURLに保持したい • 画面をリロードすると状態がリセットされる • ローカルストレージやクッキーに状態を保存してもいいが、それだと誰かに 画面を共有するということができない • どのページを開いているかという状態はURLに保持したい。例えば、パスや ハッシュ(#)によって保持する •
JS上での状態遷移をURLに反映させられるのか ◦ -> 反対にURLに状態を保持することで useState を使わない開発が react-rotuer v6 から可 能になっている 10
URLを操作できるhistoryオブジェクト • SPAのHTMLは1つなので、/hoge のようなページでリロードしても hoge.html は手に入らない • history オブジェクトを使った初期化が肝 •
history を使うことでJSの世界からURLを変えられる • push で状態を積んでいけるので、ブラウザバックもできるようになる 11
SPAルーターを自作しよう 12
SPAルーターを自作しよう history に path を積む 13
SPAルーターを自作しよう 「戻る」のようなイベントを監視し、 URLが変わった時に 同期するようにする 14
react-router のミニマムな使い方 • 自分で作るのはめんどくさい + 事故の元 なので、ライブラリを使おう。 https://reactrouter.com/6.29.0/route rs/create-browser-router 15
react-router のミニマムな使い方 • 自分で作るのはめんどくさい + 事故の元 なので、ライブラリを使おう。 https://reactrouter.com/6.29.0/route rs/create-browser-router 楽
16
tanstack-router は何が嬉しいのか • react-rotuer は型がつかない(=遷移先などに型がついて欲しい) • とはいえ型がつくルーターなんて少数派ではある • react-router と比べて破壊的変更がない(という信仰がある)
17
ルーティングエコシステムの整理 • ルーティングの王道: react-router • デメリットに向き合った後発: tanstack-router • 圧倒的シェア率によるちゃぶ台返し: Next.js
18
react-router 以外の台頭 • react router v4 あたりは上記の世界観のルーターだった。競合は reach-router • react-router
v4 は破壊的変更がすごくて(onEnterなど)警戒される( IMO: ここで痛い目を見ると remix に対する目が...) • その後に tanstack router が台頭してくる • また routing library ではないが VS next.js という構図でも見られるように なってきた(Nextなくてもvite+react-routerでいいよね?という言説 19
react-router のフレームワークとしての進化 • Nextの流行りはじめの時期に Remix が react-router の作者によって作られ ていた •
react-router と remix が統合されつつあり、react-router がフレームワー クとしての能力を獲得する 20
action: フォームのサポート https://reactrouter.com/how-to/form-validation 21
action: フォームのサポート https://reactrouter.com/how-to/form-validation form イベントを action で抽象化 22
action: フォームのサポート https://reactrouter.com/how-to/form-validation 送信データを取得し操作する 23
action: フォームのサポート https://reactrouter.com/how-to/form-validation validation は error を返すことで実現。 この error は
hooks 経由で取得可能。 24
loader: データフェッチのサポート https://reactrouter.com/6.29.0/hooks/use-loader-data 25
loader: データフェッチのサポート https://reactrouter.com/6.29.0/hooks/use-loader-data loader 関数で data fetch して return hooks
で loader から data を取得 26
loader: データフェッチのサポート https://reactrouter.com/6.29.0/hooks/use-loader-data loader 関数で data fetch して return hooks
で loader から data を取得 データ取得おける状態管理が 不要となっている。 27
loader: データフェッチのサポート https://reactrouter.com/6.29.0/hooks/use-loader-data loader 関数で data fetch して return hooks
で loader から data を取得 Suspenseのおかげで ローディング管理も楽になる 28
フレームワークの機能は概ね開発効率がよい • ルーターを使わないといけないようなアプリケーションは、ほぼほぼ data fetch や form submit の機能を実装しなければいけない •
ルーターを入れるだけでそれらの機能が使え、react-router と統合されて使 えるのが嬉しい • 例: ページ切り替え時に勝手にデータを取得・ページ遷移におけるデータの ローディングの状態管理がフレームワークでサポートされる 29
loader と awaited による useEffect 除去 • AwaitedコンポーネントがError Boundaryの機能を持っている •
Promise を await しなくてよい https://reactrouter.com/6.29.0/components/await 30
outlet による nesting layout の最適化と可読性向上 • 一覧ページと詳細ページが同居してい て、一覧から一つ選択したら詳細ペー ジが切り替わるUIに便利 •
詳細ページは一覧ページにNestされて いるという定義をすれば、Outletで子 供として表示できる 31
outlet による nesting layout の最適化と可読性向上 • タブUIなども Nested Route で表現す
れば、URL で表示を切り替えられ、状 態管理を不要にできる。 32
react router v6 は我々が求めていた答えだ!!!!! 33
34
react-router v7 による大きな変更 • 破壊的変更はないとされている。実際にない。 • フレームワーク機能とライブラリ機能に分割 • ライブラリ機能を使い続ければ、破壊的変更がない •
フレームワーク機能においてはルーティングの方法が大きく変わった。 Convention over Configuration が導入され、全てが変わった 35
ルーティング方法の before / after https://reactrouter.com/start/framework/routing https://reactrouter.com/6.29.0/routers/create-browser-router 36
37
ついに型が付く 38
SSR が可能となる(実は vi(t|k)e 経由で昔からできていた) • ビルド時にサーバーが生成される 39
冷静に考えると 謎技術では? 40
ビルド時に型やサーバーが存在する理由 • ビルド時にパスから型を作った り、サーバーの実装が生えるのは TypeScriptができるわけがない • 【悲報】react-router さん、ビ ルドプロセスに介入していた wwwwww
• vite プラグインが必要だったり、 CLI が必要になっている 41
導入や移行は少し大変 • Manually Install のためには@react-router/dev/vite, @react-router/node などといったライブラリが必要 • ファイルの配置位置や命名をフレームワークの規約に従わないといけない •
そもそも記法が大幅に変わる • その上でまだ安定もしていないかつドキュメントも不足している • vite を前提としているので制約があり、将来の技術選定にも制約が生まれる 技術選定にはなる ◦ ツールがバンドラに依存する辛さについて、Zero-runtime CSS in JS のこと、ときどきで良 いから.....思い出してください。 42
react-router を採用すべきか • 答えは... 43
知らんがな 44
react-router を採用すべきか • 知らんがな • react-rotuer は破壊的変更の常習犯なので採用すべきでない...と言われる が、どの有名ライブラリも破壊的変更だらけじゃないですか? app router
を見よ! • 何を選んでも辛いので何選んでもいいと思っている 45
In My Opinion • Next を使うことが多め • react-router は自分で準備する部分が多く、自分の好みは Simple
よりも Easy(果たしてNextがEasyなのかは議論の余地がありますが...) • とはいえ、なにかと人口の多さが正しさなところを感じている。人口が多い と何とかなることが結構ある。なんとかなれ〜〜〜〜〜〜 • 実際には 「SSR 必須か?」 「要件的に useEffect が必要か?」 「Outlet があると綺麗になるか?」 などの星取表思考を元に選定しているので、気に なる方は懇親会などで聞いてください〜 46