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使うAIから働くAIへ

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October 12, 2026
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 使うAIから働くAIへ

2023年から進めてきた損害保険ジャパンの生成AI活用の歩みと現在地を紹介します。内製AI ChatからGemini Enterpriseへの進化、全社員へのAIエージェント展開、さらに「おしそんLLM」や業務支援エージェントなど、特化型AIの実践事例を交えてお話しします

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October 12, 2026

Transcript

  1. 本日の内容 「使うAI」を育て、「働くAI」へ進化させる 5つの施策で、ぶつかった壁と、越えるためのコツをお話しします 使うAI 全社員向け 業務特化 働くAI ① 2023〜 ②

    2026〜 SOMPO AI Chat SOMPO AI エージェント 全社員が安全に使える社内版 生成AI 全社員がAIを相棒に仕事を進める環境 ③ 2023〜 ④ 開発中 ⑤ PoC中 おしそんLLM おしそんエージェント 照会に根拠つきの回答案をつ くる AIが自ら計画して照会に答える 引受審査支援エージェ ント 「使うAI」から「働くAI」へ ベテランの判断をAIが担う 02
  2. 施策① SOMPO AI Chat SOMPO AI Chat とは 全社員が安全に使える、内製の社内版生成AI 

    チャット  アプリ  内製開発 ファイル添付・Web検索にも対応 よく使うプロンプトを共有・再利用 現場の要望を3か月ごとに機能へ 2023年〜 約2万人に提供 アプリ 1,000個以上 「使うAI」から「働くAI」へ 04
  3. 施策① SOMPO AI Chat|壁 ツールを配っただけでは、使われなかった 月間利用率(MAU) 51% 35% 15〜20% 20%〜

    10% 全社展開直後 「使うAI」から「働くAI」へ ファイル添付 好事例の展開 Web検索・ アプリ作成+研修 最終 05
  4. 施策① SOMPO AI Chat|壁とコツ 機能・教育・共有を、地道に重ねる ぶつかった壁 越えたコツ  配っても使われない (全社展開直後のMAU

    10%)  3か月ごとに機能を足す 現場の声を内製ですぐ形にする  何に使えばよいか分からない  研修と好事例の発信を続ける ユースケースを一緒に見つける  できる人だけが使いこなし、 ノウハウが広がらない  プロンプトをチームの資産に 「アプリ」で共有 → 1,000個以上 「使うAI」から「働くAI」へ 06
  5. 施策② SOMPO AI エージェント SOMPO AI エージェント とは Gemini Enterprise

    上に構築した、全社員のAIエージェント環境  Gemini Notebook  エージェント  社内データ連携 資料や会議録に質問・要約 公式を選ぶことも、自作もできる 規程・マニュアルなどを参照 2026年1月〜 国内グループ29社・約3.4万人 損保ジャパン 約2万人 「使うAI」から「働くAI」へ 08
  6. 施策② SOMPO AI エージェント|壁とコツ 大企業のAI浸透「あるある」な壁と、6つの解き方 テーマ あるある課題 ① ② ③

    ④ ⑤ ⑥ 解き方 できる人だけが使いこなし、ノウハウが属人化 できる人の技を共通資産に。使うまでの手間も消す 一部の熱量が広がらず、様子見の人が動かない 「やってみた」に光を当て、熱量を全国へ 導入しても使われない(50%の壁)、相談相手がい ない AIレンジャーの伴走で「手放せない」に 管理職が無関心、リテラシーやルールへの不安 上が使う姿を見せる。ID配布は必須研修とセット 効率化止まりで、本当の業務変革につながらない 「時短」で終わらせず、生まれた時間の行き先を決める 2万人に配っても、使われない・不適切に使われる 合格者だけに付与・入出力の審査・「認めて監視」を内製で 「使うAI」から「働くAI」へ この後 p.10–12 p.13 p.14 p.15 p.16 全体を 下支え 09
  7. 施策② SOMPO AI エージェント|テーマ① 「できる人」の技を、全社の共通資産へ 本社が用意 公式エージェント 26個 公式Notebook 73個

     活用ナレッジ集  社内SNSのコミュニティ 現場の成功事例やプロンプトを、誰でも再現できる「型」に 選ぶだけで、すぐ使える 自部署の活用事例を共有し、教え合う場に 社員が自作 1万個超 カスタムエージェント 「使うAI」から「働くAI」へ  全国約90部署へのヒアリング 好事例は記事に。困りごとは必ずToDoにして、後続対応まで責任を 持つ 10
  8. 施策② SOMPO AI エージェント|テーマ① 公式ツールの例 AIが仕事の「相棒」になる使い方が広がった 会議の記録と共有 組織の記憶として AIが:「SOMPO 音声メモ」で会

    議が自動でNotebookに。判断の 経緯を後から質問できる 人は:欠席しても、同じ情報に たどり着ける 「使うAI」から「働くAI」へ レッカー費用のチェック 一次チェック役として AIが:請求を市場相場と照合 し、妥当性を一次チェック(レ カみる) 人は:結果を確認するだけ 毎朝の通達確認 情報の目利きとして AIが:部署に関係する直近1か月 の通達・ニュースを要約(サク よみ) 人は:重要なものを判断して 動く 11
  9. 施策② SOMPO AI エージェント|テーマ① 体験のハードルを下げる 内製だから、かゆい所に手が届く 一例:録音アプリ「SOMPO 音声メモ」|狙いは「そもそも議事録を作らなくてよい状態」 これまで 会議を録音

    SOMPO 音声メモ 録音ボタンを 押すだけ ファイルを保存 Notebookに アップロード 録音データが自動でNotebookに追加 手間がかかり 続かない 誰でも後から 質問できる 標準機能にない「最後のひと手間」まで、すぐ自分たちで埋められるのが内製の強み 「使うAI」から「働くAI」へ 12
  10. 施策② SOMPO AI エージェント|テーマ② 「やってみた」に光を当て、熱量を全国へ    全国 キャラバン

    AIエージェント ジャーニー AI パイオニア 事務局が全国の現場を回り、不安 や疑問に直接寄り添って対話する 全国の部支店の好事例を追いか け、社内SNSで紹介して称賛する 先進的な社員を集め、各地域で周 りを巻き込むリーダー集団に 挑戦する社員を称賛する空気が、様子見の人を動かす 「使うAI」から「働くAI」へ 13
  11. 施策② SOMPO AI エージェント|テーマ③ 「使われない」を「手放せない」に変える伴走 伴走の核は「AIレンジャー」。各部署で5つの役割を色で分担し、部店長が後押し グリーン レッド ブルー イエロー

    ピンク ブラック 課題を見つける 率先して使う 価値を高める 発信・横展開 分からない人を 助ける 部店長が後押し 2026年2月 2026年7月〜 本社 約40部署で先行 全国の部支店へ お昼30分のライブ配信・ショート動画 月1回の全社勉強会「SOMPO LIVE」 未利用層向け「今から始めるSOMPO AI エージェント使い方研修」 「使うAI」から「働くAI」へ 14
  12. 施策② SOMPO AI エージェント|テーマ④ 「使え」と言うより、上が使う姿を見せる 1 部長自身がGemini Notebookを日常的に使う 社長のエピソード 2

    部長メッセージを「質問できる」Notebookで配布 3 役員にも自らハンズオン ID配布時は研修+テスト合格が必須 4 管理職はリーダー向け研修も必須 秘書が会談相手の資料を事前に Gemini Notebookへ。社長は相手 を知った状態で会談に臨める 「もうなくては ならない」 AIの推進は、説明ではなく体験から 「使うAI」から「働くAI」へ 15
  13. 施策② SOMPO AI エージェント|成果とテーマ⑤ 使われる道具になり、生まれた時間を価値創出へ 週次利用率 日次利用率 部長以上の週次利用率 82% 54%

    98% 1人あたり削減 想定効果(年間) 26分/日 約121万時間 週次・日次は2026年8月最終週、部長以上は7月実績|121万時間 = 約21,500人 × 利用率54% × 26分/日 × 20日/月 × 12か月 「使うAI」から「働くAI」へ 16
  14. 施策③ おしそんLLM|背景 照会の現場には、3つの困りごとがあった 代理店 うまく検索できない 検索文をうまく作れず、欲しい回 答にたどり着けない。結局、営業 店に電話で照会する 営業店の照会対応 「使うAI」から「働くAI」へ

    営業店・本社 商品部 回答づくりに時間がかかる Q&Aの整備が追いつかない 規定集やQ&Aに散らばった情報 を集めて、回答を組み立てる 新商品や改定のたびに、Q&Aの作 成・メンテナンスを人手で行う 1人1日53分 本社への照会 年40万件 18
  15. 施策③ おしそんLLM おしそんLLM とは 照会内容から、根拠つきの回答案をAIが自動でつくる 2024年度トライアル 対象の照会で約4割の時間削減 全照会の約6割に回答案を生成  規定・Q&Aを検索

     回答案+根拠 照会内容を自動で読み取る 人が確かめて回答に使う 2025年 全国営業店で本番 9,000人以上が毎日利用 「使うAI」から「働くAI」へ 19
  16. 施策③ おしそんLLM|壁とコツ 1週間のプロトタイプから、業務の人と2年かけて育てた ぶつかった壁 越えたコツ  何ができるのか、業務側がイメージでき ない  1週間で動くものを見せる

     初期版を現場に出したら、不評  精度より使い勝手 照会画面に自動で貼り付け  精度がなかなか上がらない  業務の人がデータ整備・検証を担う  新商品やモデル変更のたびに品質が不安  LLMで自動評価する仕組みをつくる 「使うAI」から「働くAI」へ 21
  17. 施策④ おしそんエージェント|構想と現在地 AIが自ら計画して動く形へ。ただし全部は任せない 構想 現在地 質問を受けたAIが、自分でタスクを計画し、行 動しながら回答を磨く まずは相性の良い「照会内容の聞き返し」から 任せる 聞き返す

    社内データを探す 社員に確認する Webで調べる 他システムと連携 複雑にするほど小さなミスが連鎖し、コストも増え る。エージェント化は All or Nothing ではない 学びを残す 「どこまでAIに任せるか」の線引きは、このあとの引受審査で詳しく 「使うAI」から「働くAI」へ 22
  18. 施策④ おしそんエージェント|評価 細かい調整より先に、「測れる状態」をつくる 先に決めたこと/後回しにしたこと     先:最初から最後まで通して評価できる仕組み 先:評価の物差しをチームで合意(論点の網羅性、回答

    の簡潔さ) 評価は「全体」と「部品ごと」の両輪 全体 利用者の目線で最終回答を見る。途中のステップまで読 み、どこで失敗したかを探す 部品ごと 先:今の仕組みと比べられる構成 各ステップ専用の評価データをつくる。人手のレビューに 加え、AIでデータを作り、採点もさせる 後:プロンプトなどの細かい調整 測れるから、「どこまで任せるか」を数字で判断できる 「使うAI」から「働くAI」へ 23
  19. 施策⑤ 引受審査支援エージェント 引受審査支援エージェント とは ベテランの「引き受けてよいか」の判断を、AIが根拠つきで担う 背景 数百ページのマニュアルと無数の例外。ベテラ ンの経験に依存しがち  抽出と照合

     判定+根拠 足りない情報は聞き返す 上位承認の要否などを示す デモ画面(条件およびシナリオは仮のものです) 複数エージェントで役割分担 「使うAI」から「働くAI」へ PoCで検証中 25
  20. 施策⑤ 引受審査支援エージェント|身近な例で おやつのルールと、業務のルールは同じ形 業務にあふれる、同じ構造 わが家のおやつのルール 審査基準 監査ルール おやつ代は1日300円まで 査定ルール 夕食の1時間前(17時〜)は控える

    果物は対象外。ただしバナナはおやつ ① ルールを読む 1回500円を超えたら親の承認 Q. 150円のバナナを15時に買う。親の承認は必要? → バナナはおやつ/300円以内/17時前 業務マニュアル ② 状況を判定する = 承認は不要 ③ 次のアクションを決める ④ 必要なら上長の承認をとる 「使うAI」から「働くAI」へ 26
  21. 施策⑤ 引受審査支援エージェント|壁とコツ AIに任せる所と、決まりで守る所の「境界」を設計する 丸投げすると 0.9×0.9×0.9…で誤りが増幅 全部ルール化すると 情報の抽出・規程の解釈 AIに任せる 数値条件・最終判定 構造化ルールで決定的に

    判定根拠の説明 AIに任せる 情報不足・規程の矛盾・低い確信度 人へエスカレーション 「使うAI」から「働くAI」へ 組み合わせ爆発で保守不能 業務部門がレビュー・変更できる形 27
  22. 施策⑤ 引受審査支援エージェント|デモ ルールを変えれば、同じ申請でも判定が変わる ルール変更前 ルール変更後 申請:保険金額 1.2億円 申請:保険金額 1.2億円(同じ) A-01:保険金額2億円以上

    → 上位承認 業務部門が ルールを追加 追加:売上高10億円未満 かつ 保険金額1億 円以上 承認は不要 → AIが売上高を自動で取得 上位承認が必要 エンジニアへの依頼を待たずに、現場の変化に追従できる 条件およびシナリオは仮のものです 「使うAI」から「働くAI」へ 28
  23. 施策⑤ 引受審査支援エージェント|PoC ベテランの判断を、誰でも・根拠つきで再現する    情報整理の時間が 大きく短縮 新任担当者も 早く戦力に

    ルール変更を 業務部門で反映 AIは一次判断を担い、人は例外と最終判断に集中する 「使うAI」から「働くAI」へ 29
  24. まとめ 「使うAI」を「働くAI」へ 事業会社でAIを根付かせる、6つのコツ 使われるAIにする 働くAIにする 1 配るだけでは使われない。 体験させる 2 「最後のひと手間」を

    内製で消す 5 まず「測れる状態」 をつくる まず上が使う姿を見せる(社長のエピソ ード) 使うまでのハードルを下げる(SOMPO 音声メモ) 細かい調整より先に、評価できる環境を (おしそんエージェント) 3 上と現場の、 両方から広げる 4 いつもの仕事の 流れに入れる 6 任せる所と、 守る所を分ける リーダーの旗振りと現場の教え合い(AI レンジャー) 新しい画面を増やさない(おしそんの照 会画面) 相性の良い所から任せ、ルールは人が持 つ(引受審査) 「使うAI」から「働くAI」へ 30