Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

画像認識から アドテクノロジーの世界に飛び込んだ

画像認識から アドテクノロジーの世界に飛び込んだ

2023.3.3『KGDC Tech Conference #4 Day1 KDDIグループの多彩な技術 』にて、Supership プロダクト開発本部 アドテクノロジーセンター 伊藤 千紘が登壇の際に投影した資料です。
イベント詳細はこちら:https://kgdc.connpass.com/event/272345/

これまでAIを用いた画像認識を勉強しており、行動認識や異常検出に関わっていた伊藤が、画像とは関わりのないアドテクノロジーの世界に飛び込んで苦労したことや、開発する上で気づいた共通点などをお話しました。

アドテクノロジー(アドテク)について気になる方は以下のエンジニア職種の募集要項をご確認ください。
https://supership.jp/recruit/

Supership株式会社

March 03, 2023
Tweet

More Decks by Supership株式会社

Other Decks in Technology

Transcript

  1. 画像認識 から アドテク の世界に飛び込む 伊藤 千紘 いとう ちひろ 自己紹介
 2

    Supership株式会社 プロダクト開発本部 アドテクノロジーセンター • 大学ではAIを用いた画像認識に取り組む ◦ 研究内容 :スマートフォンのセンサ信号を画像に変換して人の行動を分類 ◦ インターン:製造業向け異常検知AIによる外観検査 • 入社後はデータマイニングチームに所属 ◦ オンプレの大規模Hadoop基盤をクラウドに移行するプロジェクトに従事 Supership株式会社,アドテクノロジーが面白いと思う理由 行動認識 異常検出 代表的なアドテクノロジー 画像認識 ( 22新卒 )
  2. アジェンダ
 • 画像認識について ◦ 画像認識とは ◦ 画像認識とAI技術 • アドテクノロジー(アドテク)について ◦

    代表的なアドテクノロジー ◦ Supershipとアドテクプロダクト ◦ アドテクにおけるAI技術の活用例 • 画像認識からアドテクの世界に飛び込んで感じたこと ◦ 苦労したこと:必要な技術とAIを利用する目的の違い ◦ 共通すること:AI技術を利用する上で解決すべき課題 3
  3. 画像認識とは
 5 画像認識(Image Recognition)  画像に何が写っているかを識別するパターン認識技術の1つ パターン認識(Pattern Recognition)  観測されたパターンをあらかじめ定められた複数の概念(クラス)のうちの1つに対応させる処理 ※ ※わかりやすいパターン認識第2版,オーム社

    前処理部 特徴抽出部 識別演算部 識別辞書 “5” 入力パターン 照合 識別部 出力 パターン認識系の構成 ※ 特徴抽出部  膨大な情報を持つ原パターンから  識別に必要な本質的な特徴のみを  抽出する 識別部  抽出された特徴を識別演算部で  識別辞書と照合することで  入力パターンが所属するクラスを  出力する
  4. 画像認識とAI技術
 6 深層学習(Deep learning)による画像認識  特徴抽出部と識別部を一体とした深層ニューラルネットワークを作成することで  人間の直感によるヒューリスティックな手法で特徴を抽出せずに  大量データから分類に有効な特徴を学習可能となる “5” 物体認識 物体検出

    画像キャプション生成 セグメンテーション 文字認識 異常検知 姿勢推定 がん細胞の検出 感情認識 ImageNet Large Scale Visual Recognition Competition(ILSVRC)  100万枚を超える大規模画像データセットImageNetを対象とした画像認識のコンペティション   2012年に畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を採用したモデル(AlextNet)が優勝  深層学習ブーム(第3次AIブーム)に繋がる
  5. 代表的なアドテクノロジー
 8 アドテクノロジー(アドテク) 広告主・媒体社・ユーザ それぞれに最も価値のある広告を効率的に届ける仕組み アドテクを活用して広告の配信管理や分析を行うことで広告配信の最適化や工数削減に繋がる SSP(Supply Side Platform)  広告在庫の管理や収益管理を目的とした

     「広告枠を売りたい側」の媒体社向けプラットフォーム DSP(Demand Side Platform)  広告を掲載するために広告枠を買い付ける  「広告枠を買いたい(出したい)側」のプラットフォーム DMP(Data Management Platform)  インターネット上に蓄積された様々な情報データを  管理するためのプラットフォーム Supership株式会社,アドテクノロジーが面白いと思う理由 代表的なアドテクノロジー
  6. 媒体社の広告収益最大化と 広告運用コスト削減を支援する 媒体社向けの 広告配信プラットフォーム 媒体社向け Supershipとアドテクプロダクト
 9 アドジェネレーション スケールアウト フォーチュナ

    SSP DSP DMP データとテクノロジーで 価値ある広告配信を実現する アドプラットフォーム 僅かなデータで 顧客の理解促進を支援し、 スムーズな施策実現へ導く マーケター向け 課題解決ソリューション 広告主/代理店向け 媒体社及び広告主・広告代理店 双方の様々なデジタルマーケティングにかかる課題を解決できる
  7. アドテクにおけるAI技術の活用例 
 10 オーディエンスターゲティングによる広告配信 個人を特定しないオーディエンス(人)データを用いたターゲティング手法 オーディエンスの興味カテゴリ推定 :配信ログからユーザの興味を推定する 類似ユーザの拡張 :配信ログを対象に似ているユーザを推定する 広告枠の買い付け

    SSPとDSP間で行われるオークションでコンバージョン(成果)に繋がる広告枠を買う CTR(Click Through Rate)予測 :広告が表示された時にクリックされる確率を予測する DSP (A) ゲーム広告 SSP (媒体社) DSP (B) 食品広告 DSP (C) 住宅広告 100円 80円 10円 Win この広告枠に出せば 90%クリックされる … ユーザ
  8. アドテクの世界に飛び込んだら 必要な技術もAIを利用する目的も違った AIを利用する目的の違い  画像認識:画像に何が写っているかの識別    アドテク:類似度やCTRなどの確率を予測 必要な技術の違い  画像認識:深層学習フレームワーク / Docker

       アドテク:分散処理フレームワーク / GCP 苦労したこと:必要な技術とAIを利用する目的の違い 
 12 入社後にやった事  オンプレの大規模Hadoop基盤のクラウド移行(機械学習を利用するバッチの移植) Dataproc 90%似ている
  9. 共通すること:AI技術を利用する上で解決すべき課題 
 13 アドテクの世界に飛び込んだら AI技術を利用する上で解決すべき課題は同じだった プライバシーや公平性の確保  プライバシー侵害や著作権, 契約上問題のあるデータ利用  人種や性別に偏りのあるデータによる不公平な予測 判断根拠の説明

     CNNが学習している特徴を人が直感的,論理的に理解できない   不均衡データ / 分布外データ  少量の正例データの学習が上手くいかない  学習していないデータに対しても高い予測値で誤判定する 入稿した広告に対して なぜその広告枠を買ったのか? 成果に繋がったデータが少量で 学習が上手くいかない 配信ログのデータ分析時に 契約を遵守しているか? Geirhos et al., 2019 象 (81.4% ) 猫 (71.1% ) 象 (63.9% )
  10. 画像認識からアドテクの世界に飛び込んだら 必要な技術やAIを利用する目的は違っても解決すべき課題は同じだった • 必要な技術 ◦ 画像認識:深層学習フレームワーク / Docker ◦ アドテク:分散処理フレームワーク

    / GCP • AIを利用する目的 ◦ 画像認識:画像に何が写っているかの識別 ◦ アドテク:類似度やCTRなどの確率を予測 • 解決すべき課題 ◦ 判断根拠の説明 ◦ 不均衡データ / 分布外データ ◦ プライバシーや公平性の確保 これからアドテク × AI を頑張っていきたいと思います! ご清聴ありがとうございました!! おわりに
 15