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Libertyの基本的な構成方法

 Libertyの基本的な構成方法

2022年7月12日に開催されたLiberty Dojo第二回の発表資料になります。
セミナーの詳細については,以下のURLを参照ください。
https://ibm-developer.connpass.com/event/252221/

Takakiyo Tanaka

July 12, 2022
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Transcript

  1. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software IBM Automation Software Liberty

    Dojo 第⼆回 Libertyの基本的な構成 https://openliberty.io ⽇本IBM ⽥中 孝清
  2. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software Liberty Dojo 1 開催⽇・時間

    タイトル 担当 6/28(⽕) 17-18時 Cloud Nativeの世界でもJava EEを使える︕ OSSの実⾏環境 Open Liberty ⽥中 孝清 7/12(⽕) 17-18時 Libertyの基本的な構成⽅法 ⽥中 孝清 7/20(⽔) 13-14時 tWASからLibertyへのモダナイズ カスタマー サクセスマネージャ有志 8/2(⽕) 17-18時 MicroProfileを触ろう ⾺場 剛 申込はIBM Tech / Developer Dojoへ https://ibm-developer.connpass.com/
  3. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software ⾃⼰紹介 n ⽥中 孝清

    n ⽇本アイ・ビー・エム株式会社 オートメーションソフトウェア テクニカルセールス n WebSphere Application Serverなどの テクニカルセールスを20年以上担当 n Twitter @TTakakiyo 2
  4. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software 本⽇のアジェンダ n Get started

    –JDK,Git,Maven –EclipseとLiberty Developer Tools –Liberty starter n 基本情報 –Libertyのディレクトリ構成 –構成ファイルの種類 n server.xmlの基本 –デフォルトベースの構成 –時間の記述⽅法 –変数の使⽤ –別のファイルの読み込み n server.xmlの構成例 –Featureの管理 –アプリケーションのデプロイ –データベース接続の構成 n server.xml以外の構成ファイル –server.env –jvm.options –bootstrap.properties 3
  5. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software Libertyを利⽤する前に⽤意するといいもの(1) n JDK(Java SE

    8 / 11 / 17などのバージョン) 例) – IBM Semeru Runtimes︓ IBM Developerサイトから⼊⼿ https://developer.ibm.com/languages/java/semeru-runtimes/downloads/ – Eclipse Temurin︓ Adoptiumプロジェクトページから⼊⼿ https://adoptium.net/temurin/releases n Git n ビルドツール – Maven – Gradle 5
  6. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software Libertyを利⽤する前に⽤意するといいもの(2) n Eclipse IDE

    for Enterprise Java and Web Developers – https://www.eclipse.org/downloads/packages/ n IBM Liberty Developer Tools – Eclipse IDE上で,メニューから [Help] → [Eclipse Marketplace...]で マーケットプレイスを開き, 検索してInstallする 6
  7. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software Open LibertyのGet Startedページ https://openliberty.io/start/

    n Starterによるプロジェクトのダウンロード n ツールによるダウンロード – Maven • 依存関係(<dependency>)に追加 – Gradle • 依存関係(dependencies)に追加 – Docker • docker pull open-liberty n パッケージのダウンロード – ZIPファイルを配布 7
  8. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software 早速エラーが報告されています n SSLが必須なのにKeystoreが指定されていない (デフォルトのまま)なので

    エラーが報告されている – コメントアウトされている <keyStore>をpassword付きで設定すると エラーが消えます 9
  9. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software EclipseのServersにLibertyを登録 n プロジェクトの「Maven」のメニューから 「Create

    WebSphere Liberty runtime and server」選ぶと登録される 10 サーバー名の右クリックメニューから 様々な操作ができるようになる。
  10. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software Libertyのディレクトリ構成 • wlp ︓製品ルート

    • bin ︓Libertyプロファイル 管理スクリプト • clients ︓Libertyプロファイルクライアント、シン・クライアント • dev ︓ユーザー・コードから参照可能なライブラリ • lib ︓プラットフォームのランタイム • templates ︓構成のテンプレート、サンプル • etc ︓全サーバーに適⽤される(デフォルトでは存在しない) server.env, jvm.optionsファイルを配置 • usr ︓ サーバーの構成情報 • servers/<サーバー名> ︓ サーバー定義ディレクトリ • apps ︓ アプリケーション・構成導⼊⽤ディレクトリ • dropins ︓アプリケーション・ドロップイン導⼊⽤ディレクトリ • logs ︓ サーバー・ログ・ディレクトリ(ffdc含む) • workarea ︓サーバー・ワークエリア • shared ︓共有ファイル・ディレクトリ • apps ︓共有アプリケーション • config ︓共有構成ファイル • resource ︓共有リソース 13 ユーザーがファイルを置いてもいい場所(これ以外はファイルの追加・編集はできない)
  11. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software ⼆つのディレクトリの使い分け • etc ︓全サーバーに適⽤される(デフォルトでは存在しない)

    server.env, jvm.optionsファイルを配置 • usr ︓ サーバーで使⽤される構成情報など • servers/<サーバー名> ︓ サーバー定義ディレクトリ • apps ︓ アプリケーション・構成導⼊⽤ディレクトリ • dropins ︓アプリケーション・ドロップイン導⼊⽤ディレクトリ • logs ︓ サーバー・ログ・ディレクトリ(ffdc含む) • workarea ︓サーバー・ワークエリア • shared ︓共有ファイル・ディレクトリ • apps ︓共有アプリケーション • config ︓共有構成ファイル • resource ︓共有リソース 14 可搬性のある,どの環境でも動くの(ZIPにパッケージされる) 可搬性のない,その環境固有のもの(ZIPにパッケージされない)
  12. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software 変数でのディレクトリの参照 n server.xml内では ${変数名}で値を参照できる

    n 環境変数などで, 場所をデフォルトと変えた場合も, 変数で参照すれば,追随できる n ${server.config.dir} – ${server.config.dir}/server.xml や ${server.config.dir}/jvm.options などが 構成ファイルとして使われる n ${server.output.dir} – ${server.output.dir}/logs や ${server.output.dir}/workarea などに ファイルが出⼒される – 実⾏されているサーバーの (デフォルトの)カレントディレクトリ 15 n ${wlp.install.dir} – wlp n ${wlp.user.dir} – wlp/usr n ${server.config.dir} – wlp/usr/servers/サーバー名 n ${server.output.dir} – wlp/usr/servers/サーバー名 n ${shared.app.dir} – wlp/usr/shared/apps n ${shared.config.dir} – wlp/usr/shared/config n ${shared.resource.dir} – wlp/usr/shared/resouces
  13. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software サーバー定義ディレクトリ(usr/servers/サーバー名)の構成ファイル n server.xml(必須) –

    Libertyの⼤部分の設定をおこなう構成ファイル – XML形式で記述される n server.env – サーバプロセスの環境変数を定義するファイル – 名前=値を各⾏に記述する n jvm.options – サーバープロセスを実⾏するJVMに与えるオプション(引数)を定義する – 各⾏にオプションを⼀つずつ記述する n bootstrap.properties – Libertyプロセスの起動時に読み込まれる – server.xmlが読み込まれる前に設定する必要がある値(トレースなど)を設定する 16
  14. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software Eclipse上のLiberty Developer Toolによるserver.xmlの編集 n

    LDTを使うと,server.xmlをGUIを使って編集することができる – 「Source」のタブで,XML形式のファイルを直接編集 – 「Design」のタブで,GUIでファイルを編集 n 構⽂チェックにも対応 – エラーがあると,サーバーを動かす前に,問題として報告される 18
  15. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software デフォルトベースの構成 n server.xmlで設定する全ての項⽬には「デフォルト値」が決まっている –

    デフォルト値は,バージョンが上がっても変更されない – バージョンが上がっても,構成ファイルが変更されなければ,同じ値が使われ続ける n デフォルト値から変更する項⽬だけをファイルに記述する – ⾮常に簡潔な構成ファイルで稼働する – 別途,パラメーターシートなどで「デフォルトのまま」「変更したもの」を管理する必要はない – 記述してあるものだけが「デフォルトから変更したもの」 n デフォルトの値は,Documentを参照することでもわかるが, Eclipse上のLiberty Developer Toolで参照するのが便利 19
  16. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software Eclipse上のLiberty Developer Toolによるデフォルト値の確認 20

    <applicationManager autoExpand="true" /> GUIで 開くと 明⽰的に記載された「アプリケーションの⾃動展開」以外の 4つの設定項⽬や,そのデフォルト値もわかる GUIでデフォルト値から変更すると・・・ <applicationManager autoExpand="true" startTimeout="15s"/> 隠れていた設定項⽬が 記載される
  17. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software server.xmlでの時間の設定項⽬ n 時間を設定する項⽬には,単位をつける –

    d ⽇ – h 時間 – m 分 – s 秒 – ms ミリ秒 n 複数の単位を併⽤することもできる – 「1m30s」→ 1分30秒(90秒) 21
  18. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software server.xmlでの変数の使⽤ n server.xmlの設定値には,以下の値が「${変数名}」で参照できる(下のものほど優先) –

    server.xmlに記述された,<variable>要素のdefaultValue属性で指定された値 – 環境変数 – bootstrap.propertiesで指定された値 – Javaのシステムプロパティ • Libertyの各種ディレクトリの位置を表す${wlp.install.dir}や${server.config.dir}なども システムプロパティとして登録されている – ${server.config.dir}/variablesディレクトリに置かれたファイルで指定された値 – server.xmlに記述された,<variable>要素のvalue属性で指定された値 – Libertyを起動したserverコマンドで「--」の後に指定された値 • 例) server run myserver -- --keyName=value n 環境変数は,形式を変換されたものも検索される たとえば${my.env.var}という変数が参照された場合,以下の環境変数が順に検索される – my.env.var そのまま – my_env_var 英数字以外を下線(_)に変換したもの – MY_ENV_VAR 英字を⼤⽂字に変換したもの 22
  19. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software 変数の使⽤例 n デフォルトの値をdefaultValueに構成しておいて,実⾏時に環境変数などでカスタマイズできる –

    例)デフォルトではhttpPortとして9080番,httpsPortとして9443番ポートが使⽤されるが, 「HTTP_PORT」などの環境変数で設定を上書きできる n 数値の変数には,+や*などの数値演算が使⽤できる – 例)httpPortとして,9000+80で9080番ポートが使⽤される 23 <variable name="http.port" defaultValue="9080" /> <variable name="https.port" defaultValue="9443" /> <httpEndpoint httpPort="${http.port}" httpsPort="${https.port}" host="*" id="defaultHttpEndpoint" /> <variable name="port.offset" defaultValue="9000" /> <httpEndpoint httpPort="${port.offset+80}" httpsPort="${port.offset+443}" host="*" id="defaultHttpEndpoint" />
  20. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software idによる参照 n 設定する要素の中には,他の要素の設定を参照しなければいけないものがある –

    例)DataSourceはJDBCドライバーが必要,JDBCドラーバーはライブラリ,ファイルセットが必要 n 他の要素の参照は,ネストするか,idを使⽤して参照する 24 <dataSource jndiName="jdbc/myDS"> <jdbcDriver> <library> <fileset dir="${shared.resource.dir}/derby" includes="derby.jar" /> </library> </jdbcDriver> </dataSource> <dataSource jndiName="jdbc/myDS" jdbcDriverRef="derbyDriver" /> <jdbcDriver id="derbyDriver" libraryRef="derbyLib" /> <library id="derbyLib" filesetRef="derbyFile" /> <fileset id="derbyFile" dir="${shared.resource.dir}/derby" includes="derby.jar" /> ネストした設定の例 idで参照した設定の例
  21. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software server.xmlから他のファイルの読み込み n <include>要素で,他のファイルを読み込むことができる –

    相対パスで記述すると,元のファイルからの相対パス,${server.config.dir}からの相対パスが検索される – 変数などを使⽤した絶対パスでの記述がおすすめ – 読み込むファイルが存在しないとエラーとなる。存在するときにだけ読み込む場合にはoptionalを設定する – location属性には,ネット上のURLも指定できる 25 <include location="${shared.config.dir}/sessiondb.xml" /> <include location="${shared.config.dir}/sessiondb.xml" optional="true" /> <include location="sessiondb.xml" /> <include location="https://server.example.com/config/sessiondb.xml" />
  22. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software ⾃動でincludeされるファイル n 以下のファイルが存在していれば,⾃動的にserver.xmlファイルにincludeされる –

    ${server.config.dir}/configDropins/defaults/ にあるXMLファイル • server.xmlより先に読み込まれる • 同じ設定項⽬がある場合には,server.xmlが優先される – ${server.config.dir}/configDropins/overrides/ にあるXMLファイル • server.xmlより後に読み込まれる • 同じ設定項⽬がある場合には,構成は上書きされる 26
  23. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software パスワードの難読化 n パスワードを設定する属性には XORやAESで難読化することができる

    – Liberty Developer Toolsで「Set...」をおす – ダイアログボックスでパスワードを⼊⼒し 難読化のEncodingを指定する 27 <keyStore password="{xor}LT5uMTI+NDot" />
  24. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software server.xmlの動的更新 n Libertyのプロセス起動中にserver.xmlの内容を更新して保存した場合, 変更結果は即座に反映される

    n <include>したファイル,configDropinsのファイルが更新された場合も,即座に反映される n 動的更新を無効にするには<config>要素のupdateTrigger属性にmbeanを設定する – MBean経由でトリガーされたときにのみ,再読み込みするようになる 28 <config updateTrigger="mbean"/>
  25. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software Featureの構成 n アプリケーションやサーバーで使⽤するFeatureを <featureManager>の⼦要素として設定する

    – デフォルトは「なし」なので,構成しないとLibertyは何もできない – 構成ファイル中に複数の<featureManager>要素がある場合, 定義された全ての<feature>が読み込まれる n 依存関係も⾃動的に解決される 例) – jaxrs-2.1を有効にすると jaxrsClient-2.1, jsonp-1.1, servlet-4.0も有効になる – jakartaee-8.0, もしくはjavaee-8.0, microProfile-2.0等を有効にすると jaxrs-2.1が有効になる n これを利⽤して,仕様群をまとめて有効にするFeatureも定義されている – 上記のjavaee-8.0, microProfile-2.0など n jakartaee-8.0などの統合Featureより, 個別のAPIのFeature単位で有効にした⽅が, サーバーのランタイムを軽量に保てる 30
  26. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software Featureの構成(続き) n 共存できないFeatureを同時に設定すると, エラーとして報告される

    – 異なるバージョンの仕様(Java EE 7とEE 8など)を混在させる などするとエラーになる n ⾜りないFeatureは, featureUtilityコマンドで追加導⼊できる – 例) % ./featureUtility if jsp-2.2 n サーバー名を指定して,server.xmlなどで 定義されたFeatureを追加導⼊できる – 例) % ./featureUtility isf defaultServer 31 % ./featureUtility if jsp-2.2 初期化中... リモート・フィーチャーを解決中です。 このプロセスは、完了するまでに数分間かかる場合があ ります。 資産をインストールする準備をしています。 このプロセスは、完了するまでに数分間かかる場合 があります。 構成された Maven リポジトリーへの接続を確立中... このプロセスは、完了するまでに数分間かかる場合があります。 構成されたリポジトリーへの接続が成功しました。 必要なフィーチャーをダウンロード中... インストールを開始中... フィーチャー jsp-2.2 を正常にインストールしました。 すべてのフィーチャーが正常にインストールされました。 製品妥当性検査を開始します... 製品妥当性検査が正常に完了しました。
  27. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software HTTPエンドポイントの構成 n LibertyがHTTPリクエストを処理するためにLISTENするエンドポイントの構成 n

    host属性(LISTENするさいにBINDするIPアドレス)のデフォルトは「localhost」 – デフォルトのままでは,ローカルからの接続しかできない – 明⽰的に「host="*"」を指定し,全てのIPアドレスにBINDしないと,リモートからの接続ができない n ⼦要素として構成できるものの例 – <httpOptions>︓HTTPレベルの各種設定 • ヘッダの数やサイズの制限,各種タイムアウトや,HTTP/2の設定など – <tcpOptions>︓TCPレベルの各種設定 • ソケットオプションや接続制限など – <accessLogging>︓アクセスログを取得する構成 – <compression>︓レスポンスを⾃動的に圧縮するための構成 32 <httpEndpoint host="*" httpPort="${http.port}" httpsPort="${https.port}" id="defaultHttpEndpoint" />
  28. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software Java EE/Jakarta EEアプリケーションのデプロイ n

    アプリケーションの配置場所は⼆種類 – ${server.config.dir}/dropins • server.xmlなどに定義しなくても,アプリケーションとして実⾏される • クラスローダーやセキュリティなど,追加の構成はできない – ${server.config.dir}/apps • server.xmlなどに定義すると,アプリケーションとして実⾏される • クラスローダーやセキュリティなど,追加の構成ができる n アプリケーションは, war/earファイルを直接おいてもいいし, 同名のディレクトリを作成し, その中に展開して配置してもいい 33 アーカイブを直接おいた例 展開して配置した例
  29. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software server.xmlへのアプリケーションの登録 n EARファイル –

    <enterpriseApplication>要素で登録する – location要素でEARファイル/ディレクトリの場所を指定する • 相対パスで記述したときは,${server.config.dir}/appsディレクトリからのパスとして扱われる n WARファイル – <webApplication>要素で登録する – location要素でWARファイル/ディレクトリの場所を指定する • 相対パスで記述したときは,${server.config.dir}/appsディレクトリからのパスとして扱われる – コンテキストルートは,以下の順で値が検索されて使⽤される(上のものほど優先) • server.xmlファイルの<webApplication>要素のcontextRoot属性 • アプリのibm-web-ext.xmlファイルで設定されたcontext-root / server.xmlファイルの<web-ext>要素のcontext-root属性 • server.xmlファイルの<webApplication>要素のname属性 • WARファイルの(.war拡張⼦を除いた)ファイル名(dropinsにWARをおいた場合は,多くはこれになる) 34
  30. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software <webApplication> <enterpriseApplication>の⼦要素に設定できるものの例 n <appProperties>︓アプリケーション・スコープ・プロパティ

    – アプリケーションから参照される初期化パラメーターを設定する n <classloader>︓クラス・ローダー – アプリケーションが参照する外部ライブラリを設定する n <application-bnd>︓アプリケーション・バインディング – アプリケーション内で定義されているリソース参照やセキュリティ・ロールなどに サーバーで構成されたリソースやロールをマップする n <web-ext>︓Webアプリケーション拡張 – IBMの独⾃拡張機能の構成をおこなう 35
  31. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software データベース・アクセスの構成 n Libertyで定義したDataSourceリソースを,アプリケーションから取得して利⽤する n

    DataSourceの定義をおこなうために必要な要素 • <dataSource>︓DataSourceの定義 • <jdbcDriver>︓使⽤するJDBCドライバーの定義 • <library>︓クラスを提供するライブラリ • <file><folder> <fileset>︓JARのファイルの指定 • <properties.db2.jcc>など︓DMBSごとの接続構成 • <connectionManager>︓コネクションプールの構成(オプション) • <containerAuthData> <jaasLoginContextEntry>など︓接続のための認証情報(オプション) n 対応しているDBごとに, 接続のためのプロパティ構成が⽤意されている – 対応していないDBに接続する場合には,「⼀般JDBCドライバー・プロパティ」を使⽤する – 「属性=値」の組み合わせが,そのまま接続時にPropertiesとしてわたされる 36
  32. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software データベース・アクセスの構成例 n 「jdbc/myDS」というJDNI名でアプリケーションから利⽤ n

    wlp/usr/shared/resources/derbyディレクトリに置いたderby.jarでJDBC接続 n サーバーの出⼒ディレクトリのresources/myDSディレクトリ以下にDBを作成 n コネクションプールの最⼤数は30 37 <dataSource jndiName="jdbc/myDS"> <jdbcDriver> <library> <file name="${shared.resource.dir}/derby/derby.jar"/> </library> </jdbcDriver> <properties.derby.embedded createDatabase="create" databaseName="${server.output.dir}/resources/myDS"/> <connectionManager maxIdleTime="10m" maxPoolSize="30"/> </dataSource>
  33. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software その他にどんな設定項⽬があるか,Liberty Developer Toolsで調べる⽅法 n

    server.xmlのGUIで適当な要素をえらんで 「Add」ボタンを押す – その要素の⼦要素として設定可能な⼀覧が出てくる n 適当な設定項⽬を選ぶと,簡単な説明が出る n 実際にserver.xmlに追加してみて, どんな設定項⽬があるが⾒てみる – 要素を追加しただけだと, 「全部デフォルト」のままなのでサーバーの構成は壊れない – 属性を編集してデフォルトから変更してはじめて サーバーの構成に影響が出る – 設定項⽬にマウスカーソルを合わせると, 簡単なヘルプがチップで出る 38
  34. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software server.env n LibertyのJavaプロセスで使⽤される環境変数を定義する –

    各⾏に「環境変数名=値」を記述する(イコールの両側に空⽩を置いてはいけない) – 「#」で始まる⾏はコメントとして無視される n 以下の場所から検索され,全ての設定がマージされる 同じ値が設定されている場合は,下のものほど優先される – ${wlp.install.dir}/etc/server.env • デフォルト︓wlp/etc/server.env – ${wlp.user.dir}/shared/server.env • デフォルト︓wlp/usr/shared/server.env – ${server.config.dir}/server.env • デフォルト︓wlp/usr/servers/サーバー名/server.env n ファイル内での環境変数の展開はできない – 「LIBPATH=${WLP_USER_DIR}/shared/lib:${LIBPATH}」のような設定はできない – 「# enable_variable_expansion」というコメント⾏をつけると展開されるようになるが, プラットフォーム依存になる(Windowsとその他で挙動が異なる)ので,極⼒使わないほうがよい 40
  35. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software Libertyで使われる主な環境変数 n JAVA_HOME –

    Libertyを起動するために使⽤するJava実⾏環境の場所を設定する n WLP_USER_DIR – ユーザー構成のディレクトリ${wlp.user.dir}をデフォルトの場所から変更する n WLP_OUTPUT_DIR – サーバーの出⼒先${server.output.dir}をデフォルトの場所から変えたい場合に設定する – 新しいサーバーの出⼒先は「${WLP_OUTPUT_DIR}/サーバー名」になる n LOG_DIR – ログの出⼒先を,デフォルトの${server.output.dir}/logsから変更したいときに設定する n SERVER_WORKING_DIR – 実⾏中のサーバーのカレントディレクトリを,デフォルトの${server.output.dir}から変更したいときに設定する 41
  36. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software jvm.options n サーバープロセスを実⾏するJVMに与えるオプション(引数)を定義する –

    ⼀⾏にオプションを⼀つずつ記述する n 以下の場所から検索され,全ての設定がマージされる – ${wlp.user.dir}/shared/jvm.options – ${server.config.dir}/configDropins/defaults/jvm.options – ${server.config.dir}/jvm.options – ${server.config.dir}/configDropins/overrides/jvm.options n 四つのファイルがいずれも⾒つからなかった場合には,以下のファイルが使われる – ${wlp.user.dir}/etc/jvm.options n Javaヒープサイズの設定や,Verbose GCの設定などをおこなう – 変数の展開はできないので,ログやダンプの出⼒先は,カレントディレクトリからの相対パスで記述 42
  37. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software bootstrap.properties n server.xmlで使⽤する変数を定義する –

    現在は環境変数で定義できるようになっため,この⽤途の重要性は少なくなっている n server.xmlを読み込むよりも前,Libertyの起動シーケンスの最初期で読み込まれる – server.xmlが読み込まれる前に有効にしたい⼀部の設定(問題判別のためのトレース出⼒など)を設定する 例) • com.ibm.ws.logging.trace.file.name ︓トレースを出⼒するファイル名 • com.ibm.ws.logging.trace.specification ︓トレースを出⼒するコンポーネントや出⼒レベルの構成 n server.xmlと同じディレクトリ,${server.config.dir}に配置される – 形式はJavaの通常のプロパティファイル(名前=値が各⾏に書かれている) 44
  38. @2022 IBM Corporation IBM Automation Software Liberty Dojo 45 開催⽇・時間

    タイトル 担当 6/28(⽕) 17-18時 Cloud Nativeの世界でもJava EEを使える︕ OSSの実⾏環境 Open Liberty ⽥中 孝清 7/12(⽕) 17-18時 Libertyの基本的な構成⽅法 ⽥中 孝清 7/20(⽔) 13-14時 tWASからLibertyへのモダナイズ カスタマー サクセスマネージャ有志 8/2(⽕) 17-18時 MicroProfileを触ろう ⾺場 剛 申込はIBM Tech / Developer Dojoへ https://ibm-developer.connpass.com/