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Railsの限界を超えろ!「家族アルバム みてね」の画像・動画の大規模アップロードを支えるアー...

Railsの限界を超えろ!「家族アルバム みてね」の画像・動画の大規模アップロードを支えるアーキテクチャの変遷

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Ojima Hikaru

July 23, 2025
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  1. 2 ©MIXI ⾃⼰紹介 ⽣島 光 @ojima_h 2019年から『家族アルバム みてね』のSREチームで 活動しています。 海が好きです。

    ⽇々感謝の気持ちで⽣きています。 3児の⽗です。 ありがとうございます。
  2. 9 ©MIXI メディアアップロードに関する最初期の構成 • Railsサーバーが⼀度メディアファイルを受信 • その後、S3にファイルを書き込み • サムネイル画像の⽣成などを⾮同期に実⾏ 課題

    • 海外から⽇本のRailsサーバーに対して⼤容量 のファイルをアップロードするのは⾮常に不安 定。 海外に進出します!!
  3. 10 ©MIXI クラウドリソースの有効活⽤ • Railsからクライアントにアップロード⽤の⼀時 URLを払い出す • クライアントは、最寄りのエンドポイントを経由 して直接S3にファイルをアップロードする ◦

    https://speakerdeck.com/kohbis/towards-the-next-dec ade-enhancing-global-service-reliability-through-sre • S3へのアップロードが完了すると、S3から Lambdaにイベント通知を⾏う • Lambdaにてサムネイル画像等を⽣成し、完了し たらRailsサーバーに通知 解決策 • AWSのポテンシャルを最⼤限に活⽤する ◦ AWSのエンドポイントは全世界に分散
  4. 11 ©MIXI トレードオフ • S3の無限のスケーラビリティ • 地理的な最適化 海外進出という事業⽅針こそが最重要 開発や運⽤の困難は受け⼊れるという判断をしました •

    アップロード処理がRailsだけでは完結できなく なった • → 開発環境の構築が困難になり、開発の難易度 が上がった • → システム全体の複雑性が増し、運⽤の難易度 も上がった
  5. 14 ©MIXI 再びRailsに統合 • クライアントからS3へのアップロードが完了する と、Lambda関数の代わりに、SQSにイベントを通 知する。 • Shoryuken (SQSワーカー)

    がイベントを検知し、 サムネイル画像の⽣成を⾏う。 • Shoryuken はRailsアプリケーションに統合されて おり、通常の開発‧運⽤フローに乗る。 解決策 • Lambda関数の処理を再びRailsに統合しまし た
  6. 15 ©MIXI トレードオフ Rails統合によるメリット • アップロードにまつわる処理が全てRailsアプリ ケーションに統合され、スムーズに開発できる ようになった。 • スポットインスタンスを始めとする、EC2イン

    スタンスによるコスト最適化が可能となった Kubernetesの導⼊が進⾏中だったこともあり、 スケーラビリティに対する不安は受容することができました。 Rails統合によるデメリット • Lambda関数のスケーラビリティを放棄すると いうこと 技術スタックが統⼀されているメリットを認識しました。
  7. 17 ©MIXI OpsWorksの限界 • その当時インフラのオーケストレーションは OpsWorks を利⽤していました。 課題 • スケールアウトが遅い

    • 運⽤の⾃動化が困難 • スポットインスタンスの利⽤が困難 OpsWorksの限界 https://speakerdeck.com/isaoshimizu/cnbf-202001?slide=17
  8. 20 ©MIXI 未知の技術 Kubernetes に⽴ち向かうために PoC として、みてねの全ての機能を Kubernetes 上に実装して みることにしました。

    この PoC は1年以上に及びました。 https://gihyo.jp/article/2022/11/mitene-02eks この判断が正しかったのか、今もわかりません。 今思えばもっと良い⽅法があったと思います。でもそれは今だ から⾔えること。
  9. 23 ©MIXI トレードオフ Kubernetesのメリット • ⾼速なスケールアウト • 各種オペレーションの⾃動化 • インフラ構成のセルフサービス化による開発速

    度の向上 Kubernetesのデメリット • インフラ管理の⾼度化‧複雑化 • 増え続けるワークロード • アプリ開発者のキャッチアップが困難に みてねの魅⼒の1つである多様なフォトアイテム‧デジタルコンテン ツを、⾼速かつ安定して開発することが可能になりました。 ⼀⽅で、開発チームの認知負荷に対処するための取り組みが必要に なっています。