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【HackCampの共創スイッチ】「People Powered 遠くへ行きたければ、みんなで行け」から紐解く”ともにつくる”ということ

TAKASU Masakazu
June 29, 2022
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【HackCampの共創スイッチ】「People Powered 遠くへ行きたければ、みんなで行け」から紐解く”ともにつくる”ということ

M5Stackのコミュニティを題材に、書籍「遠くへ行きたければ」の内容を深彫していく
https://hackcamp.jp/events/seminar/cocreative-switch/

TAKASU Masakazu

June 29, 2022
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Transcript

  1. 自己紹介 事業/研究/コミュニティ 深圳ほか世界各地のパートナーを開拓し、先進的な開発ツールを輸出入・共同開発、投資,企業間 提携などを行う。大公坊創客基地,MakerNet等の中国企業で海外向け事業開発を 事業:スイッチサイエンス他 グローバルビジネスデベロップメント 研究/布教:早稲田ビジネススクール招聘研究員/非常勤講師 「深圳の産業集積とマスイノベーション」 開源社(中国最大のオープンソースアライアンス) ニコ技深圳コミュニティ

    Co-founderほか、様々なコミュニティ 事業=仕組みになっていて利益を生むもの 事業開発=事業を作ること 研究や布教=講演や執筆などで少しはお金になるけど、 基本的には仕組みになりづらいもの 2008~11年間で39都市107回のメイカーイベント参加 ほか、浜野製作所のガレージスミダ研究所 主任研究員、 コミュニティ=社会的な価値が生まれる前、 事業や研究でもできないところをやる 面白ければ仲間が増えるし、熱が冷めると終わる
  2. M5Stack(2018年日本発売開始) ・社長ジミー・ライは、もと中国南方電網のエンジニア ・しょっちゅうスマートメーターを開発している間に、 「多くのメーターに共通する機能を製品にしよう」と思 いついて起業 ・社長室に専用の部品ボックスと作業台を起き、プロト タイプを自分で作る。いつも身の回りには試作品が転 がっている ・Arduino IDEが利用可能で、IoT開発に必要なwifi/BTをあらかじめ備えたESP32シリーズの

    CPUを採用した開発ボード。日本でもArduinoを置き換える勢いで普及が進んでいる ・画面、バッテリ、ボタン、Grove,GPIOなどを備え、安価(1500-5000円程度) ・毎週1つ以上の新ハードウェア/センサー類を発表し、拡張性が高い オープンソースハードウェア(部品リスト,ピン番号などの 開発に必要な情報があらかじめ公開されているハードウェア) 買ってくれば使える。ソリューションを開発する上でM5Stack社の取引開始稟 議書、審査や許可が要らない。必要な情報はオンラインで公開されている
  3. 開発ボードという製品 マイコンチップ、無線機能、I/O端子などをひとまとめにしたもの 用途や価格に応じて多様なボードが存在する 利用者はソリューションを開発するエンジニア、IoTシステム開発を学ぶ学生など 代表的な開発ボード RaspberryPi(英国)などを使って開発 ・適合するセンサを選ぶ ・センサーを処理するソフトをつくる ・動作確認の画面をつける ・ケースを3Dプリンタなどでつくる

    M5Stack シリーズを 使って開発 完成までまだまだ、 本質(ドアセンサー) 以外の時間がかかる.. 完成。 アイデアの検証が できる! (Proof of Concept) M5Stackシリーズは 「アイデア→実際に作ってみて試す」までの時間を最小化する 例:入退室を記録するシステムを開発する
  4. #遠くへ行きたければ 本の内容 300ページ以上ある厚い本だが、内容が具体的で細かいだけで、 大意はシンプル 最初の100ページ ・コミュニティとはどういうものか何ができるか、人々はなぜ参加するか ・コミュニティの性質(いっしょに何かを作る、ファン同士で交流するなど) 後半の200ページ ・コミュニティをつくり、運営していくための具体的で詳細なガイドライン ・企業がコミュニティやる上でのよくある失敗などのケース

    ガイドライン ・コミュニティ構造の理解(コアメンバーとカジュアルメンバ、導入路の設計や コミュニケーションルール) ・詳細な実施ガイドラインミッション(大きな目的)→ビッグロックス(ミッ ションを数字と結びつける)→担当者がアサインされた四半期実施計画→報告書 のフォーマット
  5. Amazonでの人気 Great Kindleシリーズに入ってる レビュー98(「僕にはそれが楽しかったから」が215,伽藍とバザールで168, ハー ドウェアハッカーで115なのでおおむね同クラス。 MAKERSで330,Factfulnessで1 万なので、一般向けの本よりは少ないが、無視できる数字ではない) 推薦者 Linux

    Foundationのジム・ゼムリン GitHub CEOのNat Friedman Red Had CEOのJim Whitehurst マイクロソフトCTOのKevin Scott 「怪しい伝説」のジェミー・ハイネマン YcombinatorのGia Scinto など、「ちょうど日本にない産業」の人たちが 絶賛している #遠くへ行きたければ の原書がアメリカでどのぐらい人気か
  6. 並行して、中国最大のオープンソースアライアンス「開源社」 にもコミットしていく オープンソースの最前線は? -オープンソース活動を中国で盛り上げるための団体 -年1回のCOSCON開催 -年1回のレポート発行 -ほかハッカソンや様々なイベントなど -公式wechatアカウント、ビリビリ動画のチャンネルな どで情報発信 -メンバーは理事2名の推薦、その後メンバー全員の選挙

    で決まる 現在100名程度政府関係者、大学教授、アリバ バやHuaweiなどのOSPO,VSCodeの中国ユーザグルー プ、起業家やファンドなど (今のところ高須は唯一の外国人メンバー) 中国全体では、オープンソースへの理解はまだまだなの で、布教活動をしていくのが役割
  7. 「開源社」各ワーキンググループ グループ⾧ マイクロソフトリサーチアジアでReactorのプロ ジェクトマネージャ グループ副⾧ SegmentFault(技術コミュニティ)COO グループ秘書 ポスドク システム運営 freeCodeCamp成都

    法務 VC(中国国営自動車会社の知財ファンド) アナリ スト メディア PRマネージャ イベント⾧ Huawei AI大会の運営&Evangelist イベント副⾧ Huawei AI大会のエコシステム管理 コミュニティ連 携 Datawhaleスタートアップ CEO コミュニティ連 携 副⾧ インフルエンサー 大学連携/OSS 教育 師範大学教授 メンバー開拓 webエンジニア 財務 大企業の財務部⾧ 顧問委員会開拓 マイクロソフトのAI製品マネージャ コミュニティ連携、顧問開拓、システム維持などのワーキンググループごとに知見のあるメンバーが プロボノ的に運営している 本業と開源社での活動がリンクしてる人が多い
  8. COSCONイベントでは優秀メンバーの表彰も 高須も「コミュニティ連携の星」 【やったこと】 -このOSCやシンガポールFOSSASIAなどで開源社/中国オープンソースの活動紹介 -中国開源年度報告等のレポート日本語翻訳 -中国のメイカーフェア、メイカースペースなどに開源社を紹介し、無錫ではCOSCONのサ テライト会場に (中国人がみんなOSSや開源社を知ってるわけでなくて、むしろ知らない人のほうが多い) -COSCONハードウェアトラックでの登壇、中国でのメイカーフェア等で開源社の話を紹介 -少しは中国語を勉強しています

    2021年、中国での発表は中国語に(それまでは英語で やってた) 【開源社の表彰コメント】 高須正和氏は、中国のオープンソースコミュニティに深く関わる国際的な友人であり、开 源社の最初の、そして現在でも唯一の外国人正会員となっています。 毎年開催される「オープンソース・ハードウェア・フォーラムCOSCON」に参加して以来、 オープンソース協会が発行する「中国オープンソース年度報告」の日本語版を翻訳する など、オープンソースコミュニティの普及に積極的に取り組んでいます。 様々な国際的なオープンソースイベントで、开源社をアピール。 また、オープンソースの コミュニティグループや毎年開催されるオープンソースカンファレンスでは、積極的に中国 語を学び、中国語でコミュニケーションをとっています。 开源社の国際協力大使とも言えるでしょう。