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ガバメントクラウドにおけるAWSの長期継続割引について
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takeda_h
March 17, 2026
Technology
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ガバメントクラウドにおけるAWSの長期継続割引について
2026/03/17 Gov-JAWS #6 発表資料
takeda_h
March 17, 2026
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Transcript
ガバメントクラウドにおけるAWSの長期継続割引について 2026/03/17 Gov-JAWS #6 発表資料
自己紹介 ⚫ 北海道の某地方自治体の職員です(情シス歴約 10 年) ⚫ AWS 利用経験約 4 年(個人開発
2 年、ガバメントクラウド対応 2 年) ⚫ オンプレ、クラウド問わずネットワークが得意です ⚫ AWS Certified Solutions Architect – Associate (2023) ⚫ AWS Certified Solutions Architect – Professional (2025) ⚫ AWS Certified Advanced Networking – Specialty (2024) ⚫ IPA 情報処理安全確保支援士試験合格 (2023) ⚫ IPA ネットワークスペシャリスト試験合格 (2024) 仕事・AWS 利用経験など 保有資格など
ガバメントクラウドにおけるAWSの長期継続割引について ⚫ インスタンスの長期継続割引の仕組み ⚫ インスタンスの長期継続割引の注意点 ⚫ 長期継続割引を使うと得する条件 ⚫ EC2 の長期継続割引(Savings
Plans) ⚫ RDS の長期継続割引( Savings Plans とリザーブドインスタンス) ⚫ ガバメントクラウドにおける長期継続割引の制限事項 ⚫ ガバクラルールと AWS 仕様の合わせ技で起きる注意点 ⚫ (参考)RDS のリザーブドインスタンス購入の自動化 ⚫ ネットワーク分離の共同利用方式における長期継続割引の注意点
本日の発表の前提条件 今回は AWS の EC2 と RDS のインスタンスのオンデマンド利用料に RI/SP を適用すること
に焦点を絞り、これを便宜上「長期継続割引」として説明しています。 【背景】 地方自治体のガバメントクラウド利用の場面では、EC2 と RDS が中心の構成が多いため ※そのため、本資料の説明の中ではコンピュート SP 及びデータベース SP で EC2・RDS イ ンスタンス以外に適用される条件のことは一旦横に置いていることをご了承ください。
インスタンスの長期継続割引の仕組み EC2・RDS インスタンスの長期継続割引とは ⚫ EC2・RDS インスタンスのオンデマンド利用料の長期継続割引は、リザーブドインスタン ス(RI)と Savings Plans(SP)の 2
つがある ⚫ RI/SP はどちらも、指定した条件で 1 年または 3 年の期間(Database SP は 1 年のみ)、 インスタンスを利用することを前もって AWS にコミットすることで、利用者はコミット した期間、申し込んだ条件のインスタンスの利用権を通常のオンデマンド利用料よりも安 く購入できる仕組み
インスタンスの長期継続割引の仕組み ※実際にはこの他にストレージの利用料などがかかりますが、長期継続割引の対象外のため 説明は割愛します。 そもそもインスタンスの利用料はどう計算されているのか? ⚫ EC2 も RDS も、選んだインスタンスの仕様によって 1
時間当たりの利用料が決まる ⚫ 例えば東京リージョンにて Windows の m6i.xlarge の EC2 インスタンスを使うと、1 時 間あたり 0.432 ドルの利用料がかかる m6i.xlarge 1 時間あたり 0.432 ドル ×1 か月間無停止で使う と約 730 時間= m6i.xlarge 1 か月あたり 0.432 ドル×730 時間 =315.36 ドル ここを安く したい
インスタンスの長期継続割引の仕組み 割引なし 割引あり(Instance SP) 1 か月あたりの割引額 0.432 ドル×730 時間= 315.36
ドル 0.34832 ドル×730 時間= 254.27 ドル 61.09 ドル 長期継続割引を使えばこの 1 時間あたりのインスタンス利用料を割り引くことができる 東京リージョンにて Windows の m6i.xlarge の EC2 インスタンスを 1 台常時使う場合で、 通常のオンデマンド料金と、長期継続割引として 1 年間前払いなしのインスタンス SP を購 入した 1 か月の料金を比較すると、約 19% の料金が割り引かれていることが分かります。 インスタンス SP を購入した 1 年間この割引を受けることができます。 https://aws.amazon.com/jp/savingsplans/compute-pricing/ ※2026/03/17 現在
インスタンスの長期継続割引の仕組み インスタンスの長期継続割引のイメージ(先ほどのインスタンス SP 1 年間の例) m6i.xlarge 1 時間あたり 0.432 ドル
×1 か月間無停止で使う と約 730 時間= m6i.xlarge 1 か月あたり 0.432 ドル×730 時間 =315.36ドル ×1 か月間無停止で使う と約 730 時間= 割引された単価 で 1 年分買いま すと先に AWS へ約束する m6i.xlarge 1 時間あたり 0.34832 ドル m6i.xlarge 1 か月あたり 0.34832 ドル×730 時間 =254.27 ドル 通常のインスタンスの利用料 長期継続割引 1 年間割引され た単価で利用料 が計算される
インスタンスの長期継続割引の注意点 割引対象となるインスタンスを 24 時間 365 日起動していないと損をする ⚫ インスタンスの長期継続割引の基本的な考え方は、購入時に約束した期間(1 年 or
3 年)、割り引かれた単価でインスタンスを常時起動する利用権を買うようなもの ⚫ そのため例えば 1 日 12 時間しか起動しないインスタンスのために長期継続割引を買う と、残り 12 時間分の利用権を損してしまう 長期継続割引で 買った利用権 (24 時間) 実際に対象のインス タンスを起動した時 間(24 時間) 長期継続割引で 買った利用権 (24 時間) 実際に対象のインス タンスを起動した時 間(12 時間) インスタンスを起動 していないが請求さ れてしまう 長期継続割引 じゃない方が 安い 常時起動の場合 1 日 12 時間のみ起動の場合
インスタンスの長期継続割引の注意点 長期継続割引を購入すると途中でキャンセルはできない 購入した後でしばらく様子を見て、不要そうならキャンセルする、といった使い方はできな いことに注意です。 長期継続割引で 買った利用権 (例・m6i.xlarge) 実際に起動したイン スタンス (m6i.xlarge)
長期継続割引で 買った利用権 (例・m6i.xlarge) 実際に起動したイン スタンス (m6i.large) この差額分も請求さ れてしまう 長期継続割引で買った仕様のイ ンスタンスを使う場合 長期継続割引で買った仕様 より小さいサイズのインス タンスを使う場合 長期継続割引 じゃない方が 安い
インスタンスの長期継続割引の注意点(Savings Plans を例に) 01 02 03 04 05 06 07
08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 2 4 6 8 10 Savings Plans でカバーできる 1 時間あたりオンデマンド利用料相当額 実際に Savings Plans 対象リソースを利用した 1 時間あたりオンデマンド利用料相当額 利用料 時間 リソースを 使っていないくても 料金がかかる Savings Plans で購入(コミット)した 1 時間あたり利用料 損をしている範囲 購入した 1(または 3)年間を通して ここが最小になるようにする
インスタンスの長期継続割引の注意点(Savings Plans を例に) 01 02 03 04 05 06 07
08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 2 4 6 8 10 Savings Plans でカバーできる 1 時間あたりオンデマンド利用料相当額 実際に Savings Plans 対象リソースを利用した 1 時間あたりオンデマンド利用料相当額 利用料 時間 リソースを 使っていないくても 料金がかかる Savings Plans で購入(コミット)した 1 時間あたり利用料 最大限 Savings Plans の割引効果を得ている状態
インスタンスの長期継続割引の注意点(使用率・カバー率の確認) 長期継続割引の使用率・カバー率をモニタリングする ⚫ 使用状況レポート→購入した長期継続割引を使い切れているかを確認 ⚫ カバレッジレポート→購入した長期継続割引でカバーできる可能性のある利用料全体のう ちの何割が実際に長期継続割引が適用されているかを確認 ⚫ ガバクラの場合、いずれも購入後のキャンセルができないため、次回購入時の参考にする
長期継続割引を使うと得する条件 1(または 3)年間 24 時間 365 日起動するインスタンスであること ⚫ 購入した長期継続割引は言ってしまえばインスタンスの利用権なので、インスタンスを起 動していないと無駄になる
⚫ 特定の時間帯だけしか起動しないインスタンスに長期継続割引を適用するのは無駄になる 可能性が極めて高い インスタンスのサイズが適正であること ⚫ 長期継続割引はキャンセルができないため、いざ購入してからインスタンスのサイズが過 剰であると分かった場合、無駄な費用を払い続けることになる コンピュート Savings Plans はインスタンス以外のリソースにも適用できるが…… ⚫ コンピュート SP ならインスタンスに適用しきれなかった SP を Fargate や Lambda の利 用料に充当できる→Fargate や Lambda の少ない構成なら充当しきれずやはり無駄になる
長期継続割引を使うと得する条件 長期継続割引が満遍なく適用される条件を満たしているか確認を ⚫ インスタンスの起動時間やインスタンスタイプなど、購入した長期継続割引が適用される 条件でインスタンスを使えているか、よく確認しましょう ⚫ 長期継続割引を購入したのにそれが適用されない条件でインスタンスを使うことは、居酒 屋で飲み放題を頼んだのに飲み放題の対象外のメニューばかり注文するのと同じ
EC2 の長期継続割引(Savings Plans) EC2 はコンピュート Savings Plans とインスタンス Savings Plans
の二択 ⚫ それぞれ割引率と、インスタンスを変更した場合に割引が引き続き適用されるかの条件が 異なる ⚫ 運用してからインスタンスファミリーを変える可能性がある場合(例えばメモリ最適化か ら汎用へなど)は、割引率が下がるが柔軟性のあるコンピュート SP を ⚫ インスタンスファミリーは決まっている場合は割引率の高いインスタンス SP も選択肢に 選択する際の観点 コンピュート SP インスタンス SP インスタンス変更の柔軟性 極めて高い(インスタンス ファミリー、インスタンス サイズ、リージョン、OS を 問わず適用) 普通(購入時に指定した リージョンとインスタンス ファミリーに限り、インス タンスサイズ、OS を問わず 適用) 割引率 普通 高い
EC2 の長期継続割引(Savings Plans) EC2 の Savings Plans にはオンデマンドキャパシティ予約を併用しよう ⚫ EC2
の Savings Plans には、ゾーンリザーブドインスタンスのようにキャパシティ予約は 付いていないため、別途オンデマンドキャパシティ予約も併用するのがおすすめ ⚫ 詳細は以下のブログが分かりやすいのでぜひ読みましょう ガバクラ生命保険「キャパシティ予約」をご存知ですか? https://note.com/888_hachi3tsu/n/n35abf43a013d?sub_rt=share_pw
RDS の長期継続割引(Savings Plans とリザーブドインスタンス) RDS はデータベース Savings Plans とリザーブドインスタンスの二択 ⚫
それぞれ割引率と、インスタンスを変更した場合に割引が引き続き適用されるかの条件が 異なる ⚫ 割引率は低いがインスタンスを柔軟に変えられるのはデータベース Savings Plans(ただ し第 7 世代以降のインスタンスのみが対象) ⚫ インスタンス変更の柔軟性は低いが割引率が高いのはリザーブドインスタンス 選択する際の観点 データベース SP リザーブドインスタンス インスタンス変更の柔軟性 極めて高い(エンジン、イ ンスタンスファミリー、サ イズ、デプロイオプション、 AWS リージョンに関わらず 適用) 低い 割引率 低い 高い
ガバメントクラウドにおける長期継続割引の制限事項 AWS の仕様以外にもガバメントクラウドでの購入ルールがあることに注意(正確には公式の確認を!) 従前の制限 2026 年度以降 1 年を超える期間をコミットする購入はできない デジタル庁と CSP
間、デジタル庁と自治体間の契 約期間の範囲内なら EC2 のみ 3 年 SP も OK 4 月 1 日から 3 月 31 日の間の 1 年間に対するコミッ トしか認められない(年度を跨げない) デジタル庁と CSP 間、デジタル庁と自治体間の契 約期間の範囲内なら年度を跨いでも OK 始期は 4 月 1 日 9 時 00 分(日本時間)からしか認め られないため、購入オペレーションは 4 月 1 日 9 時 00 分から 9 時 59 分までの間に行わなければならな い(事前予約は可能) デジタル庁と CSP 間、デジタル庁と自治体間の契 約期間の範囲に収まる始期なら OK(デジタル庁と 自治体の契約が単年度契約の場合は従前どおり) 支払いは前払いを認められず、毎月後払いしか選択 できない 従前どおり毎月後払いのみ
ガバメントクラウドにおける長期継続割引の制限事項(公式より) 内閣官房「国・地方デジタル共通基盤推進連絡協議会ワーキングチーム(第10回)」資料 1 から引用 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_gyozaikaikaku/kyotsuwt10/rkw10.html
ガバクラルールと AWS 仕様の合わせ技で起きる注意点 デジタル庁とAWS、自治体間の契約の範囲を超える購入は認められない ⚫ 単年度契約の場合、4/1 から 3/31 までの範囲に RI/SP
が収まっている必要あり ⚫ 単年度契約の場合、RI/SP の始期を日本時間の 4/1 午前 9 時 00 分から午前 9 時 59 分の 間に設定しなければならない Savings Plans のキャンセルは認められない ⚫ ガバメントクラウドは Organizations 構成のため、Savings Plans のキャンセル回数の Quota があり、利用団体が各自でキャンセルしてしまうと制限に抵触するおそれがある ⚫ Savings Plans は事前に予約購入ができるが、リザーブドインスタンスは当日対応が必要
(参考)RDS のリザーブドインスタンス購入の自動化 AWS からリザーブドインスタンス購入の自動化スクリプトが提供されました https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/sample-rds-ri-bulk-purchase-script/ CloudShell や AWS CLI から複
数 RI の一括購 入が可能
ネットワーク分離の共同利用方式における長期継続割引の注意点 RI/SP ともに特定のインスタンス ID を特定して割引を適用することはできない RI/SP ともにアカウント内の条件を満たすインスタンスに自動的に適用する仕組み →一つのアカウントに複数の自治体の VPC を持つネットワーク分離方式の場合、どの自治
体のインスタンスに割引を適用させるかコントロールできないため、コスト配分タグで利用 料を按分しているケースで RI/SP の適用が困難なケースも ネットワーク分離方式アカウント A 自治体 VPC B 自治体 VPC m6i.xlarge m6i.2xlarge A 自治体が m6i.xlarge の SP 購入を希望 B 自治体のインス タンスの方が条件 を満たすのでこち らに適用される m6i.xlarge 1 台分の Savings Plans を購入した場合・・・
ネットワーク分離の共同利用方式における長期継続割引の注意点 RI/SP ともに特定のインスタンス ID を特定して割引を適用することはできない Savings Plans は、削減率が最も高いものがまず適用されます。削減率が等しい使用が複 数ある場合、Savings Plans
は、Savings Plans の割合が最も低い使用にまず適用されます。 Savings Plans が使用に適用される仕組みを理解する https://docs.aws.amazon.com /ja_jp/savingsplans/latest/userguide /sp-applying.html Amazon RDS の DB インスタンスの作成、変更、削除操作では、オンデマンドインスタン スと予約インスタンスの区別は行われません。請求額の計算時、システムは自動的に予約 を適用し、対象となるすべての DB インスタンスが、より低い時間単位の予約済み DB イ ンスタンス料金で課金されるようにします。 どの DB インスタンスが予約インスタンス料金で課金されるかを制御するにはどうすればよいですか? https://docs.aws.amazon.com /ja_jp/savingsplans/latest/userguide /sp-applying.html
まとめ インスタンスの利用状況に合わせた適切な長期継続割引の選択を ⚫ EC2 の長期継続割引はコンピュート Savings Plans(本番運用 1 年を経過していたらイン スタンス
Savings Plans も選択肢に) ⚫ RDS はインスタンスが第 7 世代以降のインスタンスであれば Database Savings Plans (サイジングがきっちりできている場合で、インスタンスが第 7 世代より前であればリ ザーブドインスタンスが選択肢に) ⚫ RDS の 3 年リザーブドインスタンスは認められていないので注意