Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

ドローン運搬導入のポイント(20260516)

 ドローン運搬導入のポイント(20260516)

「DRONE HYOGO MEETUPセミナー in ももスタ」(2026年3月5日)にて発表した資料です。
重量物のドローン運搬とそれまでの運搬方法(人肩運搬/モノレール・索道/ヘリコプター)を比較し、どういった場合にドローン運搬が有効であるかを解説したものです。
「運搬手段選択Yes/Noチャート」が便利です。

Avatar for logictron

logictron

May 15, 2026

Other Decks in Technology

Transcript

  1. © Logictron corp. 「DJI FlyCart100」について 2026/5/15 2 2024年日本のドローン運搬業界に登場したDJI FlyCart30はあま りにも高性能なスペックでそれまでの大型運搬ドローンを凌駕し、

    同時にドローン運搬事業への参入者が一気に増えるなど、空前の ヒット商品となりましたが、2026年、満を持して最大積載量 80kgのFlyCart100という後継機種が発売されました。 最大80kg(ウインチモードデュアルバッテリーで60kg)の荷物 を高精度な自動航行によって安全かつ迅速に搬送可能な、次世代 の大型運搬ドローンです。 本日は、機体スペック等の細かな説明ではなく、FC100の登場に よって、「運搬・荷上げ」という仕事のどこまでがドローンでで きるのか、既存の運搬方法と比較しながら解説します。 2024年発売 2026年発売 最大積載量 80kg 最大積載量 40kg 実運用30kg 実運用60kg
  2. © Logictron corp. 既存の運搬方法:人肩運搬 2026/5/15 3 最小設備で始められるが、工期と安全は「人数」で決まる →小口・短距離・軽量、かつ安全導線が確保できる現場 設備ゼロで即日開始(道路 が無くても動ける)

    動線が“人の通れる幅”で 成立(狭路・林内に強い) 工期は人数で縮むが、ピー ク人数が増えるほど安全・ 統制が難しくなる メリット デメリット 初期費用が小さい/準備が 速い 少量・短距離・軽量物なら 最も柔軟 小回りが効き、現場の裁量 で調整しやすい 遠方かつ少量の場合、現場 までの移動工数が小さい (島嶼部で顕著) そもそも運搬費が発生しな い場合もある(内製) 総重量が増えると人数依存 で破綻(ピーク人数が膨ら む) 安全リスクが上がる(転 倒・滑落・疲労・熱中症・ 交通導線) 品質がばらつく(熟練差/ 天候/路面状況) 長期化すると労務確保が難 しい(人が集まらない・続 かない)
  3. © Logictron corp. 既存の運搬方法:モノレール・索道 2026/5/15 5 メリット デメリット 大量・反復運搬に強い(毎 日回すほど効率が上がる)

    人の移動距離を減らせる (疲労・転倒リスクの低減 に寄与/現場が近くなる) 荷姿の自由度が比較的高い (資材をまとめて流しやす い) 運搬が“作業工程”として組 み込みやすい(現場が回 る) 設置・撤去に時間がかかる (短期工事だと間に合わな いことがある) 設置可否が現場条件に依存 (地形/伐開/支点確保/ 権利関係) ルート変更が難しい(施工 途中の計画変更に弱い) 初期費用が先に出る(小 口・短期だと割高になりや すい) “道を作る”のではなく、運 搬ルートを仮設する(斜 面・林内で効く) 連続運搬・定常運転が得意 (工期が長い/運搬量が多 い現場に強い) 一度組めば品質が安定(安 全ルール・手順が固定化し やすい) 索道写真:林野庁ホームページより 設置できれば、運用中の費用はほぼレンタル代のみ →運搬量が多い/工期が長い/同じルートで繰り返し運ぶ現場
  4. © Logictron corp. 既存の運搬方法:ヘリコプター 2026/5/15 6 メリット デメリット 工期短縮のインパクトが最 大(大量運搬を短期間で)

    一回あたりの搬送量が大き く、反復回数を減らせる 長尺・大型資材など、荷姿 の許容範囲が広い場合があ る 施工計画上「ここだけは空 輸が必要」を満たせる コストが立ち上がりやすい (最低出動・回航・待機な ど固定費が効く) 気象に左右されやすい (風・視界・雲底などで中 止/待機が発生) 手配の難度が高い(機体・ パイロットの確保、空域調 整、時間窓) 安全管理が重い(立入規制、 第三者対策、吊り荷・地上 連携) 短期間で大きな総重量を捌 ける(“一気に終わらせる” が得意) 地上動線に依存しにくい (谷越え・急斜面・アクセ ス困難でも成立) 一方で、運航調整と安全管 理の比重が大きい(段取り が勝負) 写真:北海道森林管理局 「国有林の事業(2012年)」より 短期で大量を動かせるが、調整・気象・コストがハードル →総重量が大きい/短期完了が必須/地上動線が成立しない現場
  5. © Logictron corp. 新興の運搬方法:ドローン運搬 2026/5/15 7 メリット デメリット 中量帯〜重量寄りで、短期 完了の選択肢になりやすい

    立入・安全管理を“運用 ルール”に落とし込みやす い(手順化しやすい) 地上動線の負担を減らし、 危険箇所を避けやすい 工程が読みやすい(回転モ デルで「何日で何t」が組 める) 気象の影響(風・降雨・視 界) 離発着スペース/運用体制 が必要(第三者対策・立入 管理) 規制・許認可・計画品質が 成果を左右(空域・時間 窓・監視体制) バッテリー運用がボトル ネックになり得る(充電・ 交換・予備) 仮設不要で着手が速い(索 道・モノレールの設置/撤 去を回避) 工期は“回転”で決まる(サ イクル時間 × 回数 ÷ 同時 運用) FC100は運搬能力が大きい が、運用人数・段取りも増 える → 総重量が小さい場合は FC30の方が効率的になり やすい 「設置不要」で工期を短縮できる運搬手段 →仮設が重い/地上動線が厳しい/短期で“確実に積み上げたい”現場
  6. © Logictron corp. 運搬手段比較 2026/5/15 8 人肩運搬(歩荷) モノレール・索道(仮設) ヘリコプター(外吊り等) 大型ドローン(FC30/FC100)

    運搬能力 (距離/高低差/ 時間/総量) 短距離〜中距離/高低差OKだが疲 労増/準備期間最短/総量は人数 次第 同一路線で反復に強い/高低差 OK/設置工事が必要/総量が大 きいほど有利 長距離/高低差・谷越えOK/短期 ×大量/総量最大クラス 中距離(数百m〜数km)/高 低差OK/中量〜重量寄りを短期 で 1回の運搬重量 人が安全に持てる範囲 (荷姿と体力で変動) 数十〜数百kg/回 (設備仕様) 数百kg〜数t/回 (機種・標高条件) 40kg級/80kg級(機種) 運べるものの大 きさ 人が持てる寸法 (長尺は人手が必要) 超重量物・長尺も可 (ただしルート制約あり) 大型・長尺も可 (ただし吊り方・安全域が必要) 長尺は制約が出やすい(振れ・ 風・吊り具)/モッコ・バッグ 向き→長さの前に重量上限あり 天候による影響 雨雪・暑さで安全低下 (滑落/熱中症) 積雪には弱い? (総じて耐候性あり) 影響大 (風・視界・雲底で中止/待機) 影響中 (視界不良には勝てない) ルート選定/ 設置 歩行動線の確保 (危険箇所は人の対策) 設置工事あり (支点/伐開/権利調整) 空域・時間窓の調整 (地上設置は不要) 離発着ヤード+運用体制 (許認可・第三者対策) 周辺への影響 低 (騒音小) 中 (伐開・景観・仮設物) 大(騒音・ダウンウォッシュ・立 入規制が大きい) 中(騒音・風)/安全エリア設 定が必要 費用 低〜中 (人数が増えると上振れ) 中〜高 (設置固定費が先に出る) 高 (最低出動+時間/ 回航/待機の影響) 中(段取り+回転で積み上げ) /小口はFC30が有利になりや すい 特徴(ひと言) 最小設備・最速着手/ ただしピーク人数がボトルネック 設置できれば安定/ 長期・大量で効く 一気に終わらせることができる 人肩運搬とヘリコプターの間を 埋める存在
  7. © Logictron corp. 運搬手段選択Yes/Noチャート 2026/5/15 9 Q1.総重量は 2t以下? Q2.工期に余裕があり、安全動線 +ピーク人数を確保できる?

    Q3.総重量は 20t以下? Yes No Yes No 人肩運搬 ドローン運搬 (FC30/XYZ55等) No Yes 次頁:20t以下の判断(Q4) 次々頁20t超の判断(Q6) ※目安。規制・ヤード(作業エリア)・気象・権利条件で最適解は変わります。 設備ゼロで 即着手 少人数で 短期化
  8. © Logictron corp. 運搬手段選択Yes/Noチャート 2026/5/15 10 Q4.工期が最優先? (数日で終えたい) Q5.ヘリの運用条件がクリアできる? (回航距離・周辺合意・時間窓)

    Yes No Yes No ドローン運搬 (FC100) ヘリ運搬 ※目安。規制・ヤード(作業エリア)・気象・権利条件で最適解は変わります。 20t以下=原則ドローン (例外:超短期=ヘリ/小口+余裕=人肩) 運搬工期を 短くできる 運搬工期は 延びるも 融通がきく
  9. © Logictron corp. 運搬手段選択Yes/Noチャート 2026/5/15 11 Q8.水平距離が長い(例:1〜2km) Yes No Yes

    No ヘリ運搬 No モノレール/索道 Q9.それでも総重量が非常に大きい (例:100t級)/工期が長い? Yes ※目安。規制・ヤード(作業エリア)・気象・権利条件で最適解は変わります。 Q6.総重量は50t級以上? (ドローンのみでは長期化しやすい) No Yes ドローン運搬 (FC100) Q7.モノレール/索道の設置が現実的? (支点・伐開・権利・設置工期) 前提:総重量20t超 ドローン運搬で 20日〜30日 (条件で変動) 短期×大量の とき最も有力 設置できれば 反復に強い
  10. © Logictron corp. ドローン運搬を選択する例 2026/5/15 13 このような場合、ドローン運搬をご検討ください • 総重量が人肩運搬(1〜2t)以上〜 50t未満

    • 総重量が20t以下は一番競争力があります(費用対効果最大) (条件にもよりますが、一般的に20tなら5〜10日で運搬できます) • 総重量が20t〜50tでは競争力が落ちてくるがメリットを活かすなら選択肢に (20日を超えるような案件ではスタッフの滞在費が重くなり価格競争力が落ちる) • 荷を施工場所ごとに複数の場所に下ろすなど細やかなリクエストがある場合 ▼ただし、以下の場合はNG 離発着ヤード(離発着場)が取れない 荷の個別重量が上限を超える場合
  11. © Logictron corp. 株式会社ロジクトロンについて 2026/5/15 14 “重い仕事を速くする” 「人口減少社会をテクノロジーで乗り越える」ことを目指し、2022年に大型運搬 用ドローンを導入し、林業や中山間エリアでの建設業、電設業のお客様に人肩運 搬に代わるドローン運搬サービスを展開。ドローンの使用のみに拘らず、課題の

    解決を最優先したサービス提供を行っています。 https://logictron.jp ▼主なドローン事業 ドローン運搬 ドローン架線(パイロットロープの架線/撤去) 大型ドローン導入サポート(販売・教育) ドローン運航管理教育事業(レベル3.5飛行の伴走支援) ドローン高圧洗浄 狭小空間点検(廉価版)