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[名古屋アジャイル]因果関係図で問題の根本原因を突き止めよう
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Yasushi Hagai
February 28, 2014
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[名古屋アジャイル]因果関係図で問題の根本原因を突き止めよう
第60回 名古屋アジャイル勉強会
Yasushi Hagai
February 28, 2014
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Transcript
因果関係図で問題の根本原因を 突き止めよう 第60回 名古屋アジャイル勉強会 2014/2/28(金) Yasushi Hagai
• 本資料は後日名古屋アジャイル勉強会の ブログにて公開します。 • 資料の内容についてすべてのメモをとる 必要はありません。 • ワークショップ内容に集中していただけ れば幸いです。 ATTENTION
2
自己紹介 羽飼康(ハガイヤスシ) フリーランスのITエンジニア 名古屋アジャイル勉強会スタッフ 認定スクラムマスター 認定スクラムプロダクトオーナー @onestepbeyond_y
3
AGENDA • 因果関係図とは • 因果関係図はこう使う • 因果関係図ワークショップ – 結果追求編 •
因果関係図ワークショップ – 原因追求編 • まとめ 4
因果関係図とは 5
問題の根本原因を追及する • 『継続的なカイゼン』はアジャイルの中核 • 的確な問題解決がカイゼンには不可欠 • 解決の為には問題を正しく理解することが必要 • 『因果関係図』は問題の根本原因を分析し、可 視化する方法の一つ
6
ところで こんなことってないですか? 7 • 何度も同じ過ちを繰り返してしまう – たとえばこんなの: どうしてもリリース作業で ヒューマンエラーが起きる…
こうやって諦めてませんか? 8 にんげんだもの
こんな対処してませんか? 9 ダブルチェック! チェックするのもにんげんだけどな
問題のツボはそこじゃない • 症状を深く掘り下げずに「解決」してし まうとまたその症状は出てくる可能性が 高い • まず問題自体を理解しなければならない – なぜ解決しなければならないのか? –
その問題が解決したことをどうやって証明す るのか? – 根本原因は何なのか? 10
そこで因果関係図 • 因果関係図とは – 問題の根本原因分析を行うためのシンプルで 実用的なツール • 問題がどんな結果をもたらすのか • その問題の根本原因は何なのか
– これを原因と結果を矢印でつないだ図を使っ て追求するというもの 11
たったこれだけです 12 簡単ですね 原因 結果 原因から結果に向かって矢印を引く それってどんな図?
因果関係図はこう使う 13
因果関係図の使い方 1. 問題を選んで書き出す 2. その問題が引き起こすビジネス上の損害(悪い 結果)を上方向に突き止めていく 3. 根本原因を下方向に突き止めていく 4. 図に現れた悪循環を特定して目立つように印を
つける 5. 図を洗練しわかりやすくするために、これらの 手順を何回か繰り返す 6. どの根本原因をどう解決するかを決める 14
1. 問題を選んで書き出す 解決すべき問題を書き出す 15 リリースの遅延
2. その問題が引き起こすビジネス上の損害 (悪い結果)を上方向に突き止めていく 16 長いリリースサイクル リリースの遅延 収益発生の遅れ 顧客を失う
3.根本原因を下方向に突き止めていく なぜその問題が起きているかを追求する 17 長いリリースサイクル リリースの遅延 収益発生の遅れ 顧客を失う スコープ全体の増加 現在のリリースサイ
クルに新機能が追加 される 現在のリリース サイクル中にビ ジネスニーズが 変わってしまう 優先度の低い機能が削除されない
4.図に現れた悪循環を特定して 目立たせる あるボックスがそれより下にあるボックスの原因と なり得るかをチェックし悪循環を見つける 18 長いリリースサイクル リリースの遅延 収益発生の遅れ 顧客を失う
スコープ全体の増加 現在のリリースサイ クルに新機能が追加 される 現在のリリース サイクル中にビ ジネスニーズが 変わってしまう 優先度の低い機能が削除されない
5. 図を洗練しわかりやすくするために これらの手順を何回か繰り返す 深掘りするだけではなく、原因と結果の循環に も気をつけて 19
6.どの根本原因をどう解決するか を決める 20 – 根本原因: – 優先度の低い機能が削除されない – 解決策: –
顧客と機能追加ルールを交渉して、現在のリリースに 新機能を追加する場合は同程度のサイズで優先度の低 い機能を減らすようにする。
因果関係図ワークショップ 結果追求編 21
ワークショップ – 結果追求編 #1 • 現在抱えている問題をひとつ簡潔に付箋 紙に書いてください – チームの問題 –
組織の問題 – プロセスの問題 など、なんでもかまいません。 制限時間10分 22
ワークショップ – 結果追求編 #2 • テーブル内で自己紹介をしてください – 本日呼ばれたいお名前 – 付箋紙に書いた問題を簡単に説明
制限時間5分 23
ワークショップ – 結果追求編 #3 • ペアになってください • どちら問題を深掘りするかを決めてください • 問題の書かれた付箋紙をA3用紙の中央に置き、
上方向へその問題が引き起こす悪い結果を書き 出していきます – 問題提示者ではない方が聞きながら書く – 問題提示者は質問に答える 24 それでどうなり ますか?
絶望的な気持ちになるまで 追求してみましょう 25 制限時間10分
• 問題が引き起こす結果追求のポイント – 結果は複数あるかもしれない • 他に起きうる悪い結果はないか? – 定量化できるか考えてみる • どのくらいの損失がある?
• どれくらいの顧客を失う? – どうしたら問題解決と認識できるか • 追求した「悪い結果」が起きなければ解決? 26 ワークショップ – 結果追求編 #4
因果関係図ワークショップ 原因追求編 27
ワークショップ – 原因追求編 #1 • テーブル内で根本原因追及をする問題を 一つ選んでください 制限時間5分 28
ワークショップ – 原因追求編 #2 • テーブル内で根本原因追及をする問題を 一つ選んでください • 下方向へその問題の原因を書き出してい きます
29
ワークショップ – 原因追求編 #3 • 今度は下方向へ問題の原因を書き出していきます • なぜそうなっているのかを追求します – なぜ?という質問を繰り返して掘り下げていきます
• あるボックスがそれより下にあるボックスの原因と なり得るかどうかに注目してください – もしそうなっているならそれは悪循環です • 可能な限り掘り下げてみましょう 30 なぜそうなっている のでしょう?
ワークショップ – 原因追求編 #4 31 長いリリースサイクル リリースの遅延 収益発生の遅れ 顧客を失う スコープ全体の増加
現在のリリースサイ クルに新機能が追加 される 現在のリリース サイクル中にビ ジネスニーズが 変わってしまう 優先度の低い機能が削除されない • なぜ?を繰り返して追求する • 悪循環を見つける なぜ?
暗闇の中で遠くに光が見えてくる まで追求してみましょう 32 制限時間10分
ワークショップ –原因追求編 #5 • どこまで行ったら根本原因にたどり着け るのか – 根本原因を特定する厳密なルールはないが、 以下の特徴を備えていることが多い •
この課題に入る矢印がなく出る矢印だけがある • さらに問題を掘り下げてゆく(さらに「なぜ」という質問を 繰り返す)必要性を感じない • この課題が対処可能な物であり、問題に対して良い影響がで る可能性がある 33
ワークショップ –原因追求編 #6 • 導き出した根本原因をどう解決するかを 決めましょう – テーブル内で話し合って解決策を挙げてください – 3つ
制限時間10分 34
ワークショップ –原因追求編 #7 • 共有しましょう – 最初に書き出した問題 – 問題が引き起こす結果 –
根本原因 – どうやって解決するか 35
因果関係図 まとめ 36
なぜ因果関係図を使うのか • 問題に対する共通理解を形成する • 問題がビジネスに与える影響を 明確にする • 根本原因を見つける • 悪循環を取り除く
37
因果関係図のポイント #1 • 「問題」が引き起こす悪い結果を追求す る – 「それでどうなる?」を繰り返す • 結果は一つとは限らない •
コトの重大さを計る – その結果がもたらす影響を評価する – ひょっとしたら大した問題ではないかも • 見つかったのは悪いゴールのはず – そしてそうならないようにできれば解決と言えるはず 38
因果関係図のポイント #2 • 「問題」が起きている原因を追求する – 「なぜ?」を繰り返す • 悪循環を発見せよ • これ以上の「なぜ?」がなくなったら根本原因
• 根本原因も一つとは限らない • 見つかった根本原因を解決したら問題は解消だ! 39
因果関係図のポイント #3 • 因果関係図は『解決』してくれない – 原因と結果を見つけるツールである – 原因をどうにかしてくれるわけではない 40
見つけた根本原因が解決できないですか? 41 それはなぜ?
書籍紹介 42 • リーン開発の現場 カンバンによる大規模プロジェクトの運営 – http://amzn.to/1e7ojj2 • 質問会議 なぜ質問だけの会議で生産性が上がるのか?
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ありがとうございました 43