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コロナ到来から約2年半、リアルで開催していた新人向けスクラム研修が、フルリモート版に生まれかわり恒例コンテンツとなるまでの軌跡

 コロナ到来から約2年半、リアルで開催していた新人向けスクラム研修が、フルリモート版に生まれかわり恒例コンテンツとなるまでの軌跡

ScrumFestOsaka2022発表資料

Yuki Sakaguchi

November 09, 2022
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  1. update update Copyright © 2022 WingArc1st Inc. All Rights Reserved.

    ウイングアーク1st 株式会社 ソフトウェアプロセス&品質改善部 坂口祐樹 荒川 健太郎 コロナ到来から約2年半、 リアルで開催していた新人向けスクラム研修が、 フルリモート版に生まれかわり恒例コンテンツとなるまでの軌跡 Scrum Fest Osaka 2022
  2. page No. page No. 2 ソフトウェアプロセス&品質改善部 DEQIグループ 兼 SPIチーム 坂口

    祐樹 Yuki Sakaguchi • 札幌生まれ、札幌育ち、北広島在住 • 仕事 • QAマネジメント • QAエンジニア • プライベート • 子供と野球練習、野球審判 • 海外サッカー観戦 • 家族とキャンプ、夜は一人で焚き火
  3. page No. page No. 3 ソフトウェアプロセス&品質改善部 SPIチーム 兼 Automationチーム 荒川

    健太郎 Kentaro Arakawa • ⾧崎生まれ、神戸/京都育ち、横浜在住 • 仕事 • プロセス改善 • スクラムマスター • テストオートメーション • プライベート • 家族とドライブ • 息子とゲーム(Switch) • バスケットボール審判 2022.5 スクフェス新潟にて
  4. page No. page No. 4 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. 01 この発表について 02 コロナ前のスクラム研修 04 ワーク声、運営の学び 05 さいごに INDEX 03 コロナ到来、もうLEGO®は使えない
  5. Copyright © 2022 WingArc1st Inc. All Rights Reserved. Copyright ©

    2022 WingArc1st Inc. All Rights Reserved. この発表について
  6. page No. page No. 6 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. 本発表について • オンラインでスクラム研修できるんだね! • こんな研修やってみたいな!おもしろそう! お話しする内容 お話ししない内容 ぜひ聞いて頂きたい方々 ゴール • オンラインでスクラム研修をどのように行ったか • 研修参加者と運営の学び • スクラムとは • 社内研修のネタに困っている • チーム開発ってどうやるの? • いきなり現場でスクラムをやるのはちょっと。。 本発表 • 事前収録 • 質問は随時Discordでお願いします
  7. Copyright © 2022 WingArc1st Inc. All Rights Reserved. Copyright ©

    2022 WingArc1st Inc. All Rights Reserved. コロナ前のスクラム研修
  8. page No. page No. 8 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. 2019年4月 荒川が「チームビルディングを学ぶワークショップ~まちづくり編~」に参加 LEGO®を使って街づくりをしながら、 PDCAを素早く回すスクラム開発と チームビルディングを体験するワークショップ。 サービスの開発プロセスを擬似的に体験する 手段として考案されたDMMの社内研修がベース になっている。 個人的に
  9. page No. page No. 9 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. 顧客:街の構想 開発:構想把握 開発:準備 顧客:追加要望 LEGO®ワーク まち完成 自チーム 別チーム 顧客になったり 開発になったり • 顧客:家族となって住みたい街を構想する • 開発:顧客が住みたい街をLEGO®で再現する • 自チームが作りたいまちを構想する • 別チームの家族が構想した街を開発する ペルソナ カンバン
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    All Rights Reserved. 2019年6月 DMM河西様にファシリテーターをお願いして自社の新入社員に実施 その年の新入社員や中途入社の有志に参加してもらい好評を得た。
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    All Rights Reserved. その後、少しスクラム色を強めたアレンジを行い、 自部署のワークショップやSQIP研究会の仲間とも実験的に実施した。
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    All Rights Reserved. 「これは来年の新人研修でもコンテンツとして使えるな」と 一定の手応えを感じでいた矢先・・・
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    2022 WingArc1st Inc. All Rights Reserved. コロナ到来。もうLEGO®は使えない
  14. page No. page No. 14 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. 2020年2月 総務トップからの全社メール
  15. page No. page No. 15 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. 以来、リモートワークが続きオフィスも返却
  16. page No. page No. 16 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. 「今年7月の新人研修はフルリモート!」 「スクラム研修もフルリモート!」 2020年6月頃
  17. page No. page No. 17 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. スクラム研修リモート化の課題 • コミュニケーション方法どうする? • ペン・紙、ホワイトボードに代わるもの • 対面に代わるもの • ツールどうする? • LEGO®に代わるもの
  18. page No. page No. 18 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. ペン・紙、ホワイトボードに代わるもの • 複数人で共同作業 • 付箋やペンなど機能も充実 • 豊富なテンプレート • タイマー機能 ※「リアルよりよくない?」との声も多数
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    All Rights Reserved. ホワイトボード系に代わるもの→Miroで即決 対面に代わるもの→多少迷った
  20. page No. page No. 20 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. 対面に代わるもの エントリーNo.1 • もはや説明不要 • リモートワークの申し子 • 使い慣れている • ブレイクアウトの手間 https://zoom.us/
  21. page No. page No. 21 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. 対面に代わるもの エントリーNo. 2 • 距離感で会話の調整ができる • 集合・解散が容易 • 20名程度なら無料(当時) • 動作も軽快(当時) https://spatial.chat/
  22. page No. page No. 22 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. 対面に代わるもの エントリーNo. 3 • 距離感で会話の調整ができる • 集合・解散が容易 • 20名程度なら無料(当時) • 動作が少し重い(当時) https://ovice.in/ja/
  23. page No. page No. 23 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. 採用 ※2021年はoViceを使用(会社が有料プランを契約したため) ※2022年はDiscordを使用(インターンで使用していたため)
  24. page No. page No. 24 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. LEGO®に代わるもの→混迷を極めた
  25. page No. page No. オンラインCAD 25 Copyright © 2022 WingArc1st

    Inc. All Rights Reserved. LEGO®に代わるもの エントリーNo.1 • そこそこ自由に図面が描ける • ログイン不要 • 共同作業できない • いかんせん平面 http://www.ar-cad.net/
  26. page No. page No. ブロックゲーム 26 Copyright © 2022 WingArc1st

    Inc. All Rights Reserved. LEGO®に代わるもの エントリーNo.2 • ログイン不要 • 共同作業できる • 立体 • 動作しない! https://ja.gamejoystick.com/push-block/
  27. page No. page No. 27 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. LEGO®に代わるもの エントリーNo.3 • 図形が豊富 • 共同作業できる • 操作も簡単 • 平面・・・ ※いったん決定しかけました
  28. page No. page No. 28 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. その頃のある日の一コマ https://ghasts.blog.fc2.com/blog-entry-1462.html 私 息子
  29. page No. page No. 29 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. 「マイクラで出来たらなあ…」
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    All Rights Reserved. マイクラ導入の障壁は1点だけ、ただこれが重い パーツの豊富さ ◦ • LEGO®には劣るが立方体の種類が豊富 • LEGO®同様、立体的な表現が可能でまちづくりに適している 共同作業 ◦ • マルチプレイが可能 操作の難度 ◦ • 「歩く、パーツ置く、パーツ壊す」と至ってシンプル • 少しの練習時間を設ければ問題ない 導入コスト ☓ • クライアントソフト(有料)のインストール必須 • クラウド版は操作イマイチ(当時) Switch?Steam?PC?スマホ? いずれにしろこの研修だけのために準備してもらうのは、少し手間が大きいよなあ…
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    All Rights Reserved. 「何かいい手はないか」と一日中ググる
  32. page No. page No. 32 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. ClassiCube発見 • 共同作業できる • 独自サーバーを立てられる • Webブラウザで操作可能 • アカウント無料 ※オリジナルとは無関係とのこと https://www.classicube.net/
  33. page No. page No. 33 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. ClassiCubeの準備 クライアント サーバー Server application ・MCGalaxy Webサイトにて無料アカウント作成 サーバー起動後に指定URLにアクセス サーバーアプリケーションを インストール&起動 以上
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    All Rights Reserved. 操作も短時間の練習で慣れる 最初は戸惑いが見受けられたものの、10分程度の練習時間で火事を発生させるレベルまで上達。 手順書 実際の練習風景
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    All Rights Reserved. リモート版スクラム研修に使うツール スターティング3決定!
  36. page No. page No. 36 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. プランニングポーカー スプリントバックログ スプリント レトロスペクティブ プロダクト バックログ 街のイメージを描く(顧客時に使用) ペルソナ (顧客時に使用) ・顧客:ある海辺の街に引っ越してくる家族 ・開発:家族が欲しい施設・建物を建設する どちらもやる(立場を入れ替えながらワークを進める)
  37. page No. page No. 37 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. • 自由に全員集合⇔チーム作業 • 全員周知もシームレス • サーバー側でフラットなエリアを生成 • 赤青ブロックで境界線を作った
  38. page No. page No. 38 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. 顧客:街の構想 開発:構想把握 開発:準備 顧客:追加要望 ClassiCubeワーク まち完成 後ほど動画でご紹介します Miroをベースに顧客チームと開発チームが対話し まちの構想検討、要求の把握・すり合わせを行う。 この時点で最初のプロダクトバックログが完成する。 スプリントバックログ スプリント レビュー スプリント レトロスペクティブ スプリント プランニング スプリント (10分) インクリメント プロダクトバックログ リファインメント 未完成の建物は レビュー対象外 PO:開発チームの代表者* DEV:開発チーム SM:荒川* • スクラムのフレームワークでまちを作る • 10分×3スプリント • デイリースクラムにあたるイベントはない • ベロシティも計測 *スクラムからは逸脱
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    All Rights Reserved. まっさらだったMiroもしっかり活用された跡が
  40. page No. page No. 40 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. ベロシティも計測、スプリント2から安定(現実はこうはいかない)
  41. page No. page No. 41 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. https://youtu.be/412T-LpOf1A 2020年の作品集
  42. page No. page No. 42 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. そんなこんなで、 • 「2020年夏の新人研修」 • 「2021年夏の新人研修」 • 「2022年冬のインターン」 の計3回、リモートでのスクラム研修を実施。 ※来週の新人研修でも実施する予定 恒例コンテンツに
  43. Copyright © 2022 WingArc1st Inc. All Rights Reserved. Copyright ©

    2022 WingArc1st Inc. All Rights Reserved. 参加者の声、運営の学び
  44. page No. page No. フィードバック サイクル 顧客要求 44 顧客の要件確認の大切さを実感しました。顧客にとってどこが優先で、 どのポイントを重視しているかを早い段階で把握しておくと開発側は

    スムーズに事が進められるなと感じました。 指摘ポイントを次スプリントで改善できたことがすばらしい! 顧客が欲しいといったものが「なぜ欲しいのか」を理解することが 大切だなとおもった。 いかに要件を優先して実施するかということの大切さを学びました。 マイクラで町をつくるという非現実でありながら、スクラム開発は こういうものなのかという感覚を体験できてよかったです。 チームで開発することになるとメンバーの性格や立場からいろい ろな動きをする様子もわかりました。 計画を立てる⇒実際に作る⇒振り返る、の繰り返しがどんな効果を 与えてくれるのかを体感させてくれる点がよかった。 実プロジェクトのKPTだと改善している実感がなかなか持てないの で、成功体験を感じられるよい機会になりました。 コミュニケーションが増えてチームが一体になれた感じがする 楽しくてチームメンバーがだんだんモチベーション上がってきた 参加者の声 スクラム 自己組織化 Copyright © 2022 WingArc1st Inc. All Rights Reserved. 3スプリント目あたりのスクラムマスター用無し状態が気持ちよ かった(荒川の声) レビューのたびに顧客の要求を明確化できるので自信をもって開発 できるとおもった。 スプリントでやることが決まっているので集中できた
  45. page No. page No. 45 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. 振り返りした時のKPTを次スプリントのプランニングで、どう活 かせるかというのがもう少し明確になるといいのかなと思った。 最後に全体的な振り返りがあるといいなと思います。 参加者からの フィードバック リアル vs リモート的な 課題との向き合い方 ワークでは伝えきれな いスクラムの原則 TDDやテスト周りのニュアンスはワークに盛り込めていない デイリースクラムがごっそり抜け落ちている 職能横断型である重要性も伝えられない 思い起こせばリモートワーク体制に切り替わった3月・4月頃、何かと出 くわす不便さや課題に対してついついリモートワークのせいにしがちな ところを、「リモートで起きることはリアルでも起きる。それってリ モートが原因?」と自問自答して変化に対応するように努めてきました。 2020年の荒川のブログより 「リアルで出来ることはリモートでも出来る。知らんけど。」の精神 運営の学び リモートワークが注目されて、2年が経過しツールも進歩し経験も蓄 積されており、より「やりようはある」状況になっているとも思う。 スクラムの勘違いされがちなところ(ベロシティとか) の詳細説明などはできない
  46. page No. page No. 46 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. • 既存にとらわれず、より良いものにしていく • 目的は「楽しく気づきや学びを得てもらう」 これからのこと、それからのこと 大方針
  47. page No. page No. 47 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. GATHER使ってみたい • Spatial Chatと同機能 • なんかかわいい • なんか楽しそう • この分野はいろいろ試せる https://app.gather.town/app これからのこと
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    All Rights Reserved. まちづくりから発展 • バーチャルアシスタント • ノーコードでBotなども作成できる • まちづくりから多少業務寄りに • テストの観点も盛り込めるかも • 自社サービスで研修が完結 https://www.dejiren.com/ それからのこと
  49. Copyright © 2022 WingArc1st Inc. All Rights Reserved. Copyright ©

    2022 WingArc1st Inc. All Rights Reserved. さいごに
  50. page No. page No. 50 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. さいごに • オンラインでもスクラム研修ができた • 新たなコミュニケーションツールの検討 • テストも含むコンテンツの考案
  51. page No. page No. 51 Copyright © 2022 WingArc1st Inc.

    All Rights Reserved. さいごに まとめ 今後の展望 • オンラインでもスクラム研修できた • 新たなコミュニケーションツールの検討 • テストも含むコンテンツの考案