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アジャイルなアナリストの道具箱:『概念マップ』で要件のバグを見つけよう!
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Yutaka Nakano
June 26, 2021
Programming
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120
アジャイルなアナリストの道具箱:『概念マップ』で要件のバグを見つけよう!
Scrum Oosaka 2021 札幌セッション 14:25-
Yutaka Nakano
June 26, 2021
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Transcript
アジャイルなアナリストの道具箱: 『概念マップ』で要件のバグを見つけよう! Scrum Fest Oosaka 2021 / @ytk250
自己紹介 • 中野 裕(なかの ゆたか) • 尼崎生まれ、札幌育ち • 経歴 •
SIerで金融系システム(2002年- / 東京) • フリーで業務系システムをいろいろ(2014年- / 札幌) • SCM(2019年-) • 読書、ビール、登山(初心者)
要件定義が仕事になった • 金融系システム開発の現場 • ベテランばかり • 30代は若手 • 業務はガチガチ •
設計、プログラミング、単体/結合テスト • 札幌にUターン後の現場 • まわりが自分より若い • 業務(ユーザーの活動)への興味がうすい • 要件定義、システムテスト
アジャイルな『アナリスト』 • 自分が普段使っているツールを 総動員して、ユーザーストーリー の本質について顧客と 意思疎通をはかる 引用:『アジャイルサムライ』 Jonathan Rasmusson 著
西村直人・角谷信太郎 監訳 / 近藤修平・角掛巧拓未 訳 この人
ここから本題 ツールの1つを紹介します
よく使う道具の1つ『概念マップ』 • 未知のドメイン(業務/業界)を理解する第一歩 • 概念、用語を抽出して整理 • シンプル、軽量 • 概念モデルの名で知ったが Design
It!に『概念マップ』アクティビティ14(P.277) として紹介されていたので、こちらの名称を使用
概念マップの描き方 • 要素(概念)を抽出 • 関連をつける • 多重度をつける 概念A * 概念B
1 要素 関連 多重度
ex. ももたろう 桃太郎 鬼 財宝 きびだんご 1 主人公 (桃太郎) 1
1 0..3 * * * 1 お供 0..3
ex. ももたろう 桃太郎 鬼 財宝 きびだんご 1 主人公 (桃太郎) 1
1 0..3 * * * 1 ? きびだんごは3コだけ? →多重度への疑問 お供 0..3
ex. ももたろう 桃太郎 鬼 お供 財宝 きびだんご 1 主人公 (桃太郎)
1 1 0..3 * * * 1 0..3 おばあさん 1 0..3 手伝う 従える 作る 退治 退治 される 持つ 情報を追加してもOK 概念 追加 ふる まい 関連 追加 お腰に つけた♪ 1 1
使いみち? • 未知のドメインを理解したい • 既存システムを理解したい • 要件定義の不整合をみつけたい • etc..
実例 • Case1 画面で語る要件定義は多重度が不明だった • Case2 類似画面だらけの現行システムを踏襲したくなかった
Case1 画面で語る要件定義は多重度が不明だった • デジタル化が必要なお客様に • 情報システムを導入したいある会社が • デジタル化のメリットを感じてもらうために • プロトタイプをつくりたい
お客様 わたし ある会社 資料, ヒアリング 要件 定義書 プロト タイプ
Case1 画面で語る要件定義は多重度が不明だった • 要件定義書 • 業務フロー • 画面イメージ • 画面で扱う情報の単位が不明確
• あらためて確認することに 計画受領 検討 ▪受領計画登録 年度 計画名 計画番号 … ▪検討結果登録 計画番号 検討事項 検討結果 … 承認 2021 XXX 1234 1234 計画番号 がキー? (業務フロー) (画面イメージ)
Case1 画面で語る要件定義は多重度が不明だった • 概念マップで整理前 計画 検討 要件定義書を読むと、 計画に対して検討は1回 1 1
≪TBL≫ 計画 ≪TBL≫ 検討結果 1 1 ▪受領計画一覧 計画番号 年度 計画名 検討結果 … 0001 2021 XXXの強化計画 承認 0002 2021 YYYの新設計画 検討不要 …
▪受領計画一覧 Case1 画面で語る要件定義は多重度が不明だった • 概念マップで整理後 計画 検討 1 0..2 計画に対して検討は最大2回
ただし、省略することもある ≪TBL≫ 計画 ≪TBL≫ 検討結果 1 0..2 計画番号 年度 計画名 検討結果 … 0001 2021 XXXの強化計画 承認(2/2) 0002 2021 YYYの新設計画 省略 …
Case2 類似画面だらけの現行システムを踏襲したくなかった • お客様の現行システム(書評登録システム)が老朽化 • システム更改 • 業務の変更はない → 仕様は現行踏襲
お客様 わたし in ある会社 業務, 現システム, ヒアリング 新システム 要件定義
Case2 類似画面だらけの現行システムを踏襲したくなかった • 現行システムは似たような画面だらけ.. メニュー ジャンル 選択 発行年 選択 書評
登録(編集) ジャンル 選択 発行年 選択 書評 参照 ▪画面遷移(現) 書評登録 書評参照 書籍 選択 書籍 選択 書評 プレビュー 類似
Case2 重複画面だらけの現行システムを踏襲したくなかった • 概念マップで整理.. 書評 書籍 * 1 ジャンル 発行年
ジャンル、発行年は 書籍が持っている情報
Case2 重複画面だらけの現行システムを踏襲したくなかった • 概念マップ→画面構成 メニュー 書評一覧 書評 詳細/編集 一覧でデータを選択し、 参照/編集を行うシンプルな構成に
まとめ • 以下のシーンでは『概念マップ』が有効 • じぶんにとって未知のドメインを理解したい • 既存のシステムを理解したい • 要件定義のチェックをしたい •
etc. • 概念マップはシンプルで軽い • 要素、関連、多重度だけ • むずかしく考えずに、まずは描いてみよう!