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カスタマーサクセス業務を変革したヘルススコアの実現と学び
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濵口 知之 / Tomoyuki Hamaguchi
January 22, 2026
Programming
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カスタマーサクセス業務を変革したヘルススコアの実現と学び
CRE Camp#4 の登壇資料
https://cre-camp.connpass.com/event/376561/
濵口 知之 / Tomoyuki Hamaguchi
January 22, 2026
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Transcript
カスタマーサクセス業務を変⾰した ヘルススコアの実現と学び CRE Camp#4 2026年1⽉21⽇ 株式会社ログラス CRE 濵⼝知之 1
⾃⼰紹介 株式会社ログラス CRE 濵⼝ 知之 2 • 2024/08/01 ログラスに CRE
として⼊社しました • 新卒⼊社から 10 年以上、バックエンドエンジニ アとして勤務してきました • 誰かの困りごとを解決するのが好きで、サポート エンジニアや CRE として働いてきた結果、現在は CRE に落ち着きました • ⼭に登るのが好きなのと、ログラスの登⼭部が活 発なため、よく⼭にいます
3
ログラスの CRE とは 「カスタマーサクセス(CS)業務の効率化と⾼度化を⽀援する」が現在のミッション 4 エンジニアリングによって CS の⽣産性を最⼤化したい ログラスのプロダクトの特徴 ⾼単価の
BtoB SaaS ‐ 1 社の解約影響が⼤きく、また顧客の予算策定を⾒据えて接点をもつ必要あり 業務ドメインが複雑、かつ顧客の業務が各社各様 ‐ 顧客ごとのハイタッチとプロダクト上での業務の標準化のバランスを求め続ける CS の負担が⼤きい 顧客と社員の増加にともない、仕組みによる業務の効率化と⾼度化が急務 仕組み化にあたり、CS の課題に寄り添い解決にコミットするエンジニアが必要
なぜヘルススコアの実現が必要になったか 従来の⽅法による顧客状態のモニタリングが困難化し、刷新が急務 5 従来の⽅法とは BI ツール上に作成されたダッシュボードを確認 - 可視化されている指標が時間の経過とともに運⽤に適さなくなっており、改善する必要があった - プロダクト上の数値だけ可視化され、CRM
上の情報がなく、CS の業務実態に即していない部分があった 「早急に対応したい。プロトタイプでもいいので、⼀ヶ⽉後には試験運⽤したい」 温度感 顧客とのやり取りのなかで、担当者個々の能⼒、および判断によって検知 - 社員の増加にともない、経験豊富な社員とそうではない社員の間で判断の揺れが⼤きくなっていった - 同様に、顧客の活⽤状況を統⼀して判断する軸が必要になり、スコアリングの必要性が増してきた プロダクトと CRM のデータを統合し、それらを元にスコアリングし、かつ業務に即したアウトプットが必要
実現に向けての進め⽅ 数カ⽉程度の運⽤に耐えうるものを早急に 6 想定運⽤から逆算したツール選定と初期リリース 利⽤したツール群 - Google Apps Script(GAS)、Google Sheets(スプシ)、Google
AppSheet(AppSheet) - GAS とスプシでデータ取得と⼀覧化を⾏い、AppSheet でリッチで使いやすく⾒た⽬に整形 - 社内の利⽤者にとって取っつきやすく、かつクイックな構築が可能 - 社内のオペレーション改善に知⾒があるメンバー、および⽣成 AI への壁打ちを通じて選定 最低限の運⽤に乗る状態にたどり着くことが初期の最重要 - 運⽤に乗せることができれば、その時点の内容をベースにしてデータを充実させていけばいい - 最初はスコアリングをそもそも⽬指さず、あくまでも「顧客の利⽤状況」として可視化することを合意した - 未確定の仕様が多く、開発を進めながら、こまめに議論と調整を繰り返した ⼀ヶ⽉で最低限の利⽤状況の可視化を完了し、 更に⼆〜三ヶ⽉ほどかけてスコアリングまで完了させ、ヘルススコアとして本格利⽤を開始
ヘルススコアこんな感じ 7
業務への定着 定量的な確認と定性的なフィードバック 8 ヘルススコア⾃体の利⽤状況 AppSheet の管理画⾯からアクセスログを確認 - 誰がどれぐらい使っているのか、あるいは使えていないのは誰なのかを継続して確認した - 利⽤想定⼈数に対する利⽤割合、利⽤回数を考えると、定着しているのでは、という感覚はあった
ある⽇「次の四半期から KPI として使います」と CS 側の担当者の声があり、業務への定着を確信 良好な定性的フィードバック ポジティブな声が多く、改善要望が多くあるなど、期待をもっていただいていることを確認 - 「こういうのを待っていた。ついつい⾒てしまう」 - 「私の感覚と合ってて、データに裏付けられた活動ができるようになった感じがします」 - (余談)ヘルススコアを⾒ながら CS の⽅と⼀緒に顧客コミュニケーションを設計したことも
ヘルススコアの成果 必要不可⽋な業務基盤としての定着 9 ⾒落としがゼロに 顧客がプロダクトを活⽤できているかを早期に、かつ能動的に把握可能な状態を実現 - 従来の⽅法(BI ツールのダッシュボード、個々の努⼒)では無くせなかった⾒落としをゼロにできた - 可視化した時点で活⽤度の低い顧客すべてと接点をもち、正確な状況を把握することができた
- ヘルススコアの変動を定期的に確認し、変動に応じた対応の検討と実施をしている 攻めの活⽤⽀援の実施 顧客の活⽤度を向上させるための⻑期的な計画の策定と実施 - 活⽤度の低い顧客に着⽬するだけではなく、より⾼度な活⽤へと顧客を導く活動を始めた まさに、カスタマーサクセス業務の効率化と⾼度化の実現
成功に必要だった考え⽅(その 1) 責務の構造を捉え、共通のミッションに向かうパートナーの⽴ち位置を意識 10 業務の構造 責務の構造 顧客 CS CRE そこはかとない業務委託感
顧客の成功 CS CRE 成果(⽬的) 共通の⽬的に向かい顧客の成功を⽬指す
成功に必要だった考え⽅(その 2) 仕組みをつくることが成功というわけではない 11 仕組みが活⽤され、業務を改善できていることが成功 どういう状態になれば成功なのか?を考え抜いた成功の定義が必要 - よく「責任」という⾔葉は「失敗」とくっついているが、実のところ「成功の責任」がまず⼤事である - 成功したと⾔える状態とは?その状態にいたるためには、いつまでに、何をどうするべきかを決め、推進する
運⽤されているのか?定着しているのか?を追跡することも責務の⼀つ - つくった瞬間から仕組みが負債化し始めるという事実を理解する(特にスタートアップでは負債化が速い) - 運⽤と定着の度合を観測し、積極的にフィードバックを求め、ときに捨てることも検討する 仕組み化の理由や、どういった業務をどう変えるのか?を知ることが⼤事 - 運⽤まで意識し、必要に応じて我々から CS に向けて提案することも意識する - 運⽤観点はもちろん、短期と中⻑期の両⽅の⽬線からツールやアーキテクチャを選定し提案する
まとめ ヘルススコアによるカスタマーサクセス業務の変⾰ 12 既存業務の改善と新規業務プロセスの実現 CS の課題に寄り添い、成功とは何か、運⽤できるのかを考え抜いたことによる成果 - ⾼度な技術やアーキテクチャの利⽤ではなく、まずは現場が使えるものを素早く提供する - ⽬的に沿ったものを開発できているか、運⽤されているのか、こまめに把握する
ヘルススコアを実現し、提供した後も、状況を追跡 - 定量的にも定性的にも良好なフィードバックを得られたことで、成功の確信をもてた 業務に定着したこと、業務を改善できたことを確認し、初めて成功と断⾔ CRE から⾒ると、CS の皆さんは、顧客であると同時に、ともに会社としての顧客の成功を⽬指す仲間 成功のために対等な関係で対話し、⽬的に向かっていくことが⼤事 - 「業務の構造」に囚われず、「責務の構造」を意識して⼀緒に成功を⽬指していく
最後に プロダクトに直接、あるいは顧客に直接とどく成果ではなくても、 顧客の体験向上と事業成⻑に貢献できる 13 ヘルススコアは、間違いなく顧客と事業数値に良い影響を与えることに貢献 活⽤度の低い顧客を事前に、かつ能動的に把握して対応を検討 - プロダクトの利活⽤が促進される - 継続率の安定と向上にともない、アップセルやクロスセルを提案しやすくなる
顧客の活⽤度を向上させるための施策を練り、実⾏ - 顧客の満⾜度、ロイヤリティの向上に寄与する - こちらもアップセルやクロスセルに好影響を及ぼし、レベニューに寄与する 今後も様々な業務改善を通じて、広くカスタマーサクセス業務の効率化と⾼度化を⽀援していく予定
14