Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
グローバル空調メーカーによるIoTプラットフォームへの調整
Search
Takuya Kitamura
November 08, 2019
Technology
0
780
グローバル空調メーカーによるIoTプラットフォームへの調整
C&Cユーザーフォーラム& iEXPO 2019登壇時の資料です。
Takuya Kitamura
November 08, 2019
Tweet
Share
More Decks by Takuya Kitamura
See All by Takuya Kitamura
アジャイルの手法を取り入れたプロジェクトマネジメントの実例
chipstar_light
0
1.3k
大手ユーザー企業に入ってマネジメントでやってみたこと
chipstar_light
4
4.4k
サーバーレスアーキテクチャで実現するグローバル空調IoTプラットフォームへの挑戦
chipstar_light
3
1.4k
ゼロから作るDeep Learning読書会 7章 畳み込みニューラルネットワーク
chipstar_light
0
1k
ゼロから作るDeep Learning読書会 4章 ニューラルネットワークの学習
chipstar_light
0
510
キレイなコードの書き方
chipstar_light
1
430
AngularJSとバックエンドサービスAppPotで作る業務システム入門
chipstar_light
0
680
Other Decks in Technology
See All in Technology
スクラムチームを立ち上げる〜チーム開発で得られたもの・得られなかったもの〜
ohnoeight
2
350
Shopifyアプリ開発における Shopifyの機能活用
sonatard
4
250
Making your applications cross-environment - OSCG 2024 NA
salaboy
0
190
AWS Lambdaと歩んだ“サーバーレス”と今後 #lambda_10years
yoshidashingo
1
170
AWS Lambda のトラブルシュートをしていて思うこと
kazzpapa3
2
170
BLADE: An Attempt to Automate Penetration Testing Using Autonomous AI Agents
bbrbbq
0
300
Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure(ExaDB-D) UI スクリーン・キャプチャ集
oracle4engineer
PRO
2
3.2k
AIチャットボット開発への生成AI活用
ryomrt
0
170
【令和最新版】AWS Direct Connectと愉快なGWたちのおさらい
minorun365
PRO
5
750
rootlessコンテナのすゝめ - 研究室サーバーでもできる安全なコンテナ管理
kitsuya0828
3
380
【若手エンジニア応援LT会】ソフトウェアを学んできた私がインフラエンジニアを目指した理由
kazushi_ohata
0
150
SSMRunbook作成の勘所_20241120
koichiotomo
2
130
Featured
See All Featured
What's new in Ruby 2.0
geeforr
343
31k
Docker and Python
trallard
40
3.1k
Designing for Performance
lara
604
68k
Building Adaptive Systems
keathley
38
2.3k
The Illustrated Children's Guide to Kubernetes
chrisshort
48
48k
CoffeeScript is Beautiful & I Never Want to Write Plain JavaScript Again
sstephenson
159
15k
Designing the Hi-DPI Web
ddemaree
280
34k
Visualizing Your Data: Incorporating Mongo into Loggly Infrastructure
mongodb
42
9.2k
The MySQL Ecosystem @ GitHub 2015
samlambert
250
12k
Rebuilding a faster, lazier Slack
samanthasiow
79
8.7k
The World Runs on Bad Software
bkeepers
PRO
65
11k
Mobile First: as difficult as doing things right
swwweet
222
8.9k
Transcript
4-H グローバル空調メーカーによる IoTプラットフォームへの挑戦 2019.11.08 ダイキン工業株式会社 空調生産本部 北村拓也 C&Cユーザーフォーラム & iEXPO
2019
自己紹介 北村 拓也 • ダイキン工業株式会社所属 • 主任技師 • 2017年6月:キャリア入社 •
~2018年11月:テクノロジー・イノベーションセンター:研究員 • ~現在:空調生産本部商品開発グループ:エンジニア • Daikin Global Platform構築プロジェクトのプロジェクトマネージャー
3 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. アジェンダ
1. ダイキン工業のAI・IoTの取り組み 2. Daikin Global Platformという取り組み 3. Daikin Global Platformの技術課題 4. 技術課題に対するアプローチ
ダイキン工業のAI・IoTの取り組み
5 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. ダイキン工業株式会社
• 創業 1924年(大正13年)10月25日大阪で創業 • 創業者 山田晁 • 会長 井上礼之 • 社長兼CEO 十河政則 • グループ従業員数 76,484名(単独7,254名) • 本社 大阪市 • 売上 2兆4,811億円 • 営業利益 2,763億円
6 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. グローバル展開
2005年⇒2018年の変化 事業展開 63ヵ国 ⇒ 150カ国以上 生産拠点 23拠点 ⇒ 100拠点以上 海外事業比率 46% ⇒ 76% • 販売拠点 • 生産拠点
7 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. 売上高(2019/3月期)
空調 89.6% 化学 8.1% その他 2.3% 2兆4811億円 半導体用途 自動車用途 撥水撥油剤 空調事業 化学事業 その他事業
8 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. ダイキン工業のAI・IoTの取り組み
エアネットサービス • 空調設備をインターネットにつないで監視することで、機器の保守点検・管 理、省エネ制御・提案を行うサービス 工場のIoT化 • 大阪・堺に稼働させた新工場をIoT化。センシング技術で製造現場からデー タを発掘し、工場運営の安定稼働・安心操業・多様なニーズへの対応を実現 ダイキン情報技術大学 • 溜まったデータを分析するための情報系人材を一から育てる社内教育機関を 大阪大学と協業して設立
Daikin Global Platformという取り組み
None
11 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. Daikin
Global Platformが目指すもの 改修 更新 提案 設計 施工 試運転 運用 保守 メンテ 更新提案にかかる工数を大幅に削減 運用改善やメンテナンスに活用 工事コストダウン 故障診断/予測による 機器のダウンタイムを短縮 エネルギーの 最適運用提案 建物に合わせた空調システム提案 空調バリューチェーンの中で、データ活用を切り口に新たな価値づくりを目指す。 そのために、全世界の空調機をインターネットにつなぎ、 データ活用するプラットフォームを作る。
12 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. レジデンシャル市場(家庭用)
コマーシャル市場(業務用) リージョンアプリ(地域別や事業別機能とUI) クラウドプラットフォーム RA 一般住宅などの 小規模建物 スマホ ユーザ エコキュート 床暖 エッジ エッジ 大規模住宅(豪邸) などの中規模建物 VRV ユーザ 燃焼/ボイラ アルテルマ QA RA スマホ エコキュート 床暖 VRV QA RA オフィスビルなど 中規模建物 管理パネル オーナー ビル管 テナント RA ショッピングモールなど 大規模建物 アプライド 管理パネル VRV QA オーナー ビル管 テナント 共通部品(API)群 (機器操作等) システム間 連携 分析システム BMS/BEMS その他システム 柔軟性・拡張性 自動最適制御 情報蓄積 基盤(DB) 情報蓄積基盤(DB) マーケ ティング 営業 商品 開発 品質 管理 施工 業者 販売店 BI/分析ツール 各地域開発者 地域別事業別アプリケーション サービスアプリ 顧客管理、 課金管理など 個人情報保護 不正制御など セキュリティ
13 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. 中国リージョン
日本リージョン 欧州リージョン お客様施設 お客様施設 クラウド プラットフォーム クラウド プラットフォーム エッジ 機 器 機 器 機 器 機 器 … お客様施設 お客様施設 エッジ 機 器 機 器 機 器 機 器 … お客様施設 お客様施設 エッジ 機 器 機 器 機 器 機 器 … クラウド プラットフォーム 統合クラウド リージョンア プリ リージョンア プリ リージョンア プリ … リージョンア プリ リージョンア プリ リージョンア プリ … リージョンア プリ リージョンア プリ リージョンア プリ … … インターネット インターネット インターネット インターネット インターネット インターネット 各拠点 機器情報 各拠点 機器情報 各拠点 機器情報 全拠点 機器情報 インターネット
Daikin Global Platformの技術課題
15 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. 大量接続、大量アクセス
• 想定機器接続台数500万台 (500万台が1分間隔で同時発報) • 想定ユーザー数30万人 (同時アクセス9万人) • 求められる高い処理性能とスケーラビリティ • 無限に発生するデータを扱えるストレージ
16 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. 接続台数に応じたコスト最適化
• 中規模物件向け空調機サービスの適正価格はシビア • 初期投資を限りなく抑えたい • 接続台数とランニングコストを限りなく正比例にしたい • 階段状で増えると無駄が多い、リニアに増えて欲しい 利用料 利用料 接続台数 接続台数 初期投資を 抑えたい 階段を正比例 にしたい
17 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. 大規模システムの運用経験不足
• 組込み屋によるゼロからのシステム運用体制構築 • エアネット等の経験はあるが、大規模Webシステムには明らかな経 験不足 • そもそも組織体制からの見直しが必要 • 24h365dに対応する勤務形態がない • アウトソーシングしても最後は自社社員の判断が必要 • コストを抑えるため、運用体制もできるだけ小さくしたい • 特に契約数が増えてくるまではスモールスタートしたい
技術課題に対するアプローチ
19 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. クラウドサービス(AWS)の利用
• 数千/数万というサーバーでも、必要なリソースをオンデマンドで調達しすぐに利用可能 • 一定レベルの可用性や拡張性、セキュリティをクラウドベンダーが担保してくれる • コンピュータリソースを小さな単位で必要な分だけ買足すことができる(従量課金制) • 機能の充実度合い、世界への展開率、情報とエンジニアの集め易さからAWSを採用 ファシリティ クラウド オンプレミス ネットワーク 物理サーバー 仮想マシン ハイパーバイザー OS ミドルウェア アプリケーション データ ファシリティ ネットワーク 物理サーバー 仮想マシン ハイパーバイザー OS ミドルウェア アプリケーション データ • 自前で物理的に調達・構築 • 予め初期投資して購入 • 自社で運用する • 大規模でもオンデマンドで調達 • 必要な分だけ支払う • クラウドベンダーに運用を任せる
20 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. フルマネージドサービス/サーバーレスアーキテクチャの徹底利用
• IaaSでもコンテナサービスでもなく、フルマネージドサービスの活用し、サーバーレスアーキテク チャを徹底する事でさらにクラウドベンダーに調達・管理を任せる領域を増やす • OSやミドルウェアレイヤまでクラウドベンダーに任せることでOSバージョンアップ問題や、セキュリ ティパッチ対応などからも開放し、運用・保守の体制を小さく保つ • コストも処理単位(1回のユーザーアクセス/1回のデータ発報/etc…)まで細分化した従量課金にす る事で無駄をなくす IaaS コンテナサービス フルマネージドサービス ファシリティ ネットワーク 物理サーバー 仮想マシン ハイパーバイザー OS ミドルウェア アプリケーション データ ファシリティ ネットワーク 物理サーバー 仮想マシン ハイパーバイザー コンテナ環境 コンテナ データ ファシリティ ネットワーク 物理サーバー 仮想マシン ハイパーバイザー OS ミドルウェア データ OS ミドルウェア アプリケーション サービス サービス設定/関数 • IaaSよりも運用を任せる領域を拡大 • サーバーマシンではなく”機能”を利用する事で処 理単位で必要な分だけ支払う • コンテナサービス(Docker)よりも更に踏み込 んで利用者の負担領域を減らす フルマネージドサービス サーバー構築から、監視、障害対応、セキュリティ 対策までシステム運用に関わる作業をクラウドベン ダーに任せるサービス サーバーレスアーキテクチャ サーバーを自前で用意せず、フルマネージドサービ スを活用してシステムを構築する設計思想
21 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. フルマネージドサービスを用いた概略アーキテクチャ
統合クラウド クラウドプラットフォーム リージョンアプリケーション エッジ リージョンアプリインターフェース 機器自動制御 ・スケジュール制御 ・機器連動制御 ・セットバック制御 など Amazon Lambda Amazon DynamoDB Amazon API Gateway Amazon Lambda Amazon Lambda Amazon Lambda Amazon DynamoDB ・プラットフォームの各種機能を 利活用するインターフェース Amazon S3 ・各リージョンで 発生した機器データ ・機種メダデータ管理 ・ファームウェア管理 Amazon S3 AWS IoT Amazon Kinesis 機器操作・指示 機器データ収集・管理 ・機器の現在状態 ・エッジの現在状態 ・時系列蓄積データ ・積算値 ・最大、最小、平均値 Amazon API Gateway Amazon Lambda Amazon DynamoDB ・ユーザに提供するサービスアプリケーション群 Amazon S3 ・機器操作指示 ・リモート現地設定 ・ファームウェア更新 ・マスタデータ同期
22 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. 運用の徹底的な自動化
• リリース/監視/拡張/復旧/セキュリティ対策の作業を可能な限り自動化 • 拡張/復旧/セキュリティ対策はフルマネージドサービスの利用で担保 • インフラ構築作業を全てIaC(Infrastructure as Code)により自動化 • リリースや監視部分もAWSサービスと外部サービスを組み合わせて自動化 システム実行環境 CloudTrail CloudWatch Logs CloudWatch Metrics Health GuardDuty メンテナンス 情報の収集 ログの抽出・集約 セキュリティ インシデント の検知 メトリクス 情報の収集 死活/傾向情報 の可視化・監視 自動拡張 /自動復旧 異常通知 クラウドプラットフォーム(運用機能含む) CodeBuild CodeDeploy リリースパイプライン の自動制御 リリース コード の取得 AWSサービスの 自動プロビジョニング CloudFormation 実行モジュール の自動ビルド 実行モジュール の自動デプロイ
23 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. 技術課題とアプローチまとめ
大量接続、大量アクセス 接続台数に応じたコスト最適化 大規模システムの運用経験不足 フルマネージドサービス利用の徹底 ~サーバーレスアーキテクチャの採用~ クラウドサービス(AWS)の利用 運用の徹底的な自動化
24 Copyright: ©2019 DAIKIN INDUSTRIES, LTD., All Rights Reserved. 営業
製造 施工 物流 サービス 開発 運用 機器売りだけでなく、データを活用することで 空調ライフサイクル全体を通じて価値を提供し続けていく
None