Lock in $30 Savings on PRO—Offer Ends Soon! ⏳

OOUIとTBUIのバランスからみるkintoneのUI設計

Avatar for yui.abe yui.abe
December 10, 2025

 OOUIとTBUIのバランスからみるkintoneのUI設計

kintone Café 東京 Vol.25 petitで登壇した際の資料です。
https://kintone-cafe-tokyo.connpass.com/event/373252/

Avatar for yui.abe

yui.abe

December 10, 2025
Tweet

More Decks by yui.abe

Other Decks in Technology

Transcript

  1. 自己紹介 3 • ITエンジニア @教育・子ども支援 NPO • Webアプリ開発・各種 SaaSの権限自動化・生成 AI導入/教育・kintoneアプリ

    開発...etc • kintone歴 ◦ ユーザーとして: 4年 ◦ アプリ開発者として: 3ヶ月未満(初心者です ...!) ◦ kintoneのチーム応援プラン( NPO割引)には大変大変お世話になってい ます
  2. オブジェクト志向 UI(OOUI) 9 • オブジェクト( 名詞=モノ)を起点とした UI • 対象となるモノを選択・特定してから、操作を加える 料理に例えると...

    目の前にある材料が起点 目の前の材料を基に、下ごしらえ する、包丁で切る、炒める、煮る ... など作業する。 必ずしも線形的/固定的に作業 する必要はなく、自由な順番で 作業できる。思い描いた最終形 が途中で変わってもよい
  3. タスクベース UI(TBUI) 9 • タスク(動詞=やること)を起点とした UI • 特定の操作(作業)の流れに沿って動くことが前提 料理に例えると... レシピ(作業工程)が起点

    レシピに忠実に作業することで、 着実に当初の最終成果に到達で きる。 決まった作業の流れから外れる ことは想定されていない 。または 流れから外れるのが仕組み的に / 心理的に難しい
  4. OOUIとTBUI 9 オブジェクト志向 UI (OOUI) タスクベース UI (TBUI) 基本の設計 オブジェクト(名詞=モノ)を起点としたUI

    タスク(動詞=やること)を起点としたUI 操作の順序 名詞 → 動詞(オブジェクトを選択してからアクション を選択) 動詞 → 名詞(タスクを選択してから対象物やパラ メーターを指定) UIの構成 モードレス で、ユーザーが対象オブジェクトを自由に 操れることを基本とする モーダル な操作手順が多く、特定の入力操作を強要 し、ユーザーの仕事を中断する メンタルモデ ル 日常生活の作業(モノを選んでから行動)と同じ感覚 で、ユーザーのメンタルモデルと一致しやすい 日常の「商品を選んでからお金を払う」というような基 本の流れとは逆になる場合がある 操作性/拡張 性 高い。開発者/ユーザー双方にとって、線形的な手順 に縛られず、自由度が高い 低くなりやすい。固定的/線形的な作業フローを前提と したUIに縛られる
  5. kintoneのUIは? 基本的にはオブジェクト志向UI (「kintoneの『アプリ』は要するにデータベースだよ~」) 10 • ユーザーが最初に目 にするのはレコード一 覧(=名詞) • 特定のレコードを選

    び、編集・削除・コメン ト付与・承認申請など の操作をおこなう • 開発者にとって最も重 要なのは、適切なデー タモデリングとフィール ド設計
  6. kintoneのUI設計をどう考える? 1/2 • 人間の認知の順番はモノ→動作 ◦ よって、レコード一覧画面を中心としたOOUIは理にかなっている • 一方で、固定的なタスクに早期に慣れてもらいたい場合は、タスク志向が適 している場合もある •

    cf. 祖母にLINEの使い方を教えた思い出 ◦ 「まずホーム画面でこのボタンを押して」、「次にこの画面でメッセージ相 手を選んで」、「ここにメッセージを打ち込んで」、「この送信ボタンを押 す」みたいなタスク志向の説明 になる ◦ 「アプリ」「アカウント」「チャット」みたいなオブジェクトの理解は二の次 ◦ UIがちょっとでも変わったら一気に不安になる(ex.広告が出現) ◦ 自由度が低い。自律的/発展的な使い方に広がっていかない 10
  7. kintoneのUI設計をどう考える? 2/2 • kintoneの良さは、アプリユーザーと開発者の垣根が低く、誰もが設計視点を 持って仕組みを改善していけること ◦ cf. 「市民開発」 • みんなで仕組み改善していくためには、なるべく全員がアプリのデータモデ

    ルを把握する必要がある • kintoneのオブジェクト志向のUIは、アプリユーザーが自然と業務のデータモ デルを把握するのに適している ◦ cf. スプレッドシートやExcelは、表形式といえどもフリーフォーマットで何 でも書けてしまうので、メンタルモデルの形成につながりにくい 10 結論:kintoneはモノが中心だからこそ、「みんなで作ってみ んなで使う」チームワークにつながるのでは