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語られた戦略を 語れる戦略へー共通言語を作るPdMの試み / making-strategy-...
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コドモン開発チーム
December 03, 2025
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語られた戦略を 語れる戦略へー共通言語を作るPdMの試み / making-strategy-shareable
コドモン開発チーム
December 03, 2025
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Transcript
pmconf 2025 Tokyo 語られた戦略を 語れる戦略へ 株式会社コドモン プロダクト企画部 重山 由香梨 2025.12.04 ー共通言語を作るPdMの試み
CoDMON PM Conf 2025 重山 由香梨|Yukari Shigeyama 2024年4月よりコドモンに入社。 現在はプロダクトマネジメント組織の責任者として、
プロダクト開発と組織作りを担当。 新卒で法人営業を経験、新規プロダクトの立ち上げを プロジェクトマネージャーとして推進。 その後は子育てアプリのプロダクトオーナーや、 SaaS事業においてリテール領域のプロダクト開発に携わる。 コドモンの「子どもを取り巻く環境をテクノロジーの力で よりよいものに」というミッションに深く共感し、現職に参画。 株式会社コドモン 開発本部 プロダクト企画部長 名前 猫と遊ぶこと 自己紹介 P2 経歴 現在の役割 趣味
CoDMON PM Conf 2025 この間には、意外と大きな壁が存在する 聞いて理解する 受動的な状態 能動的な状態 自分の言葉で語れる
大 き な 壁 戦略理解における壁 P3
CoDMON PM Conf 2025 コドモンでも戦略共有会のあと、戦略そのものは理解されていました。しかし── その戦略の「背景にある問い(なぜ)」が見えづらい 日々の施策とのつながりがつかみにくい 人によって受け取り方に差がある 戦略は届いている
だが“腹落ち”していなかった P4 人に対して説明できるほどの解像度は持てていない状態
CoDMON PM Conf 2025 従来のアプローチ 資料を作り込んで丁寧に説明する メッセージの伝え方を工夫する “伝える側”の改善が中心 受け手を巻き込んで戦略を翻訳していく
今回のアプローチ どこに受け取り方の差分がある のかを確認 “どう聞こえているか” を可視化 受け取り側の前提差・文脈差を 理解した上で “伝わる構造” に 再編集する P5
CoDMON PM Conf 2025 “戦略が伝わらない” をどう扱うか 悩んでいる方へ 明日からの戦略共有が前に進むヒント セッションの対象
持ち帰れること 戦略共有に課題を感じる PdM Engineering Manager (EM) 組織マネージャー なぜ同じ戦略でも受け取り方が ズレるのか 現場が “語れる状態” に向かう ための実践 本セッションの概要 P6
背 景
CoDMON PM Conf 2025 Mission 子どもを取り巻く環境を テクノロジーの力でよりよいものに 業務効率化にとどまらず育ち・学びの基盤を 社会全体で支えられる世界を目指す
子どもの育ちや学びを 社会全体で支えられる世の中へ Vision コドモンとは P8
CoDMON PM Conf 2025 こども施設向け(保育・学童・小中学校など) の業務支援SaaSを提供 すべての先生に子どもと向き合う 時間と心のゆとりを 提供プロダクト
P9
CoDMON PM Conf 2025 行政・自治体 保護者 こども施設 教育・保育領域の多様なステークホルダーを “子どもの育ち・学び”を支えるためにデジタルでつなぐ
保育・学童施設など ICTプロダクトでの業務省力化 保育・教育の質向上支援 連絡帳・写真販売など モデル事業・政策提言など 家庭と施設の “日々のつながり”を支える基盤 現場の負荷を減らす制度運用を “行政と協働”で支援 事業概要 P10
CoDMON PM Conf 2025 レイヤーの違い 事業 / プロダクト /
案件 どの階層で見ているかで “意味”が変わる 縦軸 戦略の理解がブレる3つの要素 この要素が重なることで、 同じ戦略でも “別のもの” として受け取られる 提供価値の違い ターゲット / ユースケース どこに価値を届けるのかで “優先順位”が変わる 横軸 歴史・成熟度 サービスの蓄積 / 基盤 / 入社歴 積み重ねてきた文脈の差が “前提”を変える 奥行き P11
CoDMON PM Conf 2025 コドモンのケース P12 レイヤーの違い 横断職能×モノリス/新基盤 事業/プロダクト/案件の
階層差が理解のズレを生む 縦軸 コドモンでも以下の要素が重なり 「戦略は届いているのに人により解釈が異なる」という感覚が表面化 提供価値の違い 保育 / 学童 など 複数領域の顧客 優先順位となぜ今かが 揃いづらい 横軸 歴史・成熟度 積み重ねてきた文脈と入社 時期の違いから前提知識が 揃わない 奥行き
CoDMON PM Conf 2025 領域ごとに “Why” が違う 1. 誰に価値を届けるかで、何を先にやるべきかが変わり
同じ戦略でも違って聞こえる 横の複雑さ そのほかの領域 学童領域 保育領域 ユーザー数が圧倒的 法的枠組みが強い 改善の優先度が明確 ニーズを未確認 法的枠組みはこれから ユースケースが多種多様 保育とは異なるニーズ P13 課題の共通化が難しい 参入するかも不明
CoDMON PM Conf 2025 役割によって “見る高さ” が違う 2. 事業・プロダクト・開発のどこから見るかで
何が重要かが異なり、会話にズレが生まれる 縦の違い P14 開発 (EM/エンジニア) プロダクト (PdM) 事業 (Biz/経営) 事業KPI・成長 長期価値・体験 実用性・負債・品質 優先度 安全性 一貫性
CoDMON PM Conf 2025 どこが先に伸び、どこを これから伸ばすのかで “戦略が効くポイント”が違う いつ入ったかで 理解の前提となる
情報量が大きく違う 過去の判断の積み重ねを どこまで理解しているかで “当たり前”が変わる 経験してきた “文脈” が違う 3. 奥行きの違い プロダクトの歴史・成長フェーズ・入社時期の違いで 文脈が異なる 入社時期 意思決定の歴史 成長フェーズ P15
CoDMON PM Conf 2025 P16 戦略の理解を揃えるために行ったこと 自分が説明する としたら...? 疑問・違和感は
どこにある? どんな背景で そう感じている? 足りない観点や 情報はなに? どこでズレが生まれているのかを可視化する そのために行ったのが「戦略の再編集プロセス」だった
CoDMON PM Conf 2025 「ズレ」を可視化する仕組み “理解できているか”ではなく“どこにズレがあるか”を発見するための 場として、まずはマネージャー/テックリード27名で読み合わせを実施 P17 大事にしたのは
「理解できていないことを否定しない」
CoDMON PM Conf 2025 1. ☀☁☔でどこに何を 感じたかを発散 マイナスな意見も否定しない P18
再編集のステップ ズレの発見 → 整理 → 再編集の起点をつくる最小プロセス 心情の発散 2. 全体に伝える時にどのような 懸念や不安があるかを 洗い出し 全体への観点 3. 自分が伝えるとしたら どのような観点を 盛り込むかを案出し 話者への転換 4. ①から③で 出た意見を踏まえ 開発部向けの補足資料を作成 再編集
CoDMON PM Conf 2025 再編集した戦略を開発部向けに再共有 受け手を巻き込みながら理解を深めていく時間 大事なのはモヤモヤを持ち帰らせないこと P19 “なぜ”
が “なるほど” に変わる 読み合わせで発見した「ズレ」を反映 「理解しやすい順番」と「顧客起点」で再編集した 戦略を提示 1時間以上の白熱質疑 = すり合わせ時間 各メンバーの「ズレ」を個別回収 Slidoで質問を収集し読み合わせに参加したメンバー がその場で回答
CoDMON PM Conf 2025 読み合わせは「ズレを発見する装置」 開発部共有会は 「ズレを回収し、組織のストーリーに統合する場」 P20 プロセスの本質
CoDMON PM Conf 2025 小さな変化 P21 少しずつではあるが組織の地盤が変わり始めた 接続の理解 繋がりづらかった
戦略と施策の関係性の 理解が進んだ 納得できた 開発部共有会に 参加した9割が 納得できたと回答 説明できる 戦略を自分なりに 理解して説明できる人が 増えてきた
CoDMON PM Conf 2025 P22 継続して向き合うテーマ 一回実施して終わりではない(そんな綺麗な話ではない) 組織やプロダクトにおける残タスクも色々 North
Starの再定義 領域別最適と全体最適の どちらを目指すのか 複雑化する事業構造の中で、 「全体として何を成し遂げたいのか」 を再定義する 指標や基準の整理 複数事業・複数プロダクトを 横断で見るために 「同じものさし」で語れる 指標体系を再構築する
CoDMON PM Conf 2025 誠実で ありたい 戦略は「顧客のため」だけでなく、一緒に働く仲間のためのものでも ある。ズレを放置すると、判断・議論・協働のあらゆる場面で負債が 積み重なっていく。誠実であるために、前提を揃える努力をしたい。
P23 なぜここに時間をかけるのか これは戦略の話であり、組織と文化の話でもある PdMとしての 意志 読み合わせや対話づくりは、手間もコストもかかるが、 ここに時間をかけるかどうかが、組織への意志だと思っている。 どんな組織をつくりたいのかという価値観に直結している。
CoDMON PM Conf 2025 コドモンは“業務支援SaaS”ではなく 子どもを取り巻く環境そのものを良くしたい会社 大きなミッションに取り組む中で、事業のフェーズが 変わっていくタイミングでは自分たちの価値観やスタンスを アップデートすることも必要になってきます
そこには時間やコストがかかりますが、それでもやる価値がある。 その積み重ねが、結果として プロダクトや事業を推進する力になると感じています P24 最後に
戦略は “語られた瞬間” ではなく “語れるようになった瞬間” に 組織の力になる
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