Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

長期運用プロダクトこそ効くコンテキスト管理の妙 / The Art of Context Ma...

長期運用プロダクトこそ効くコンテキスト管理の妙 / The Art of Context Management for Long-Running Products

Avatar for コドモン開発チーム

コドモン開発チーム

November 10, 2025
Tweet

More Decks by コドモン開発チーム

Transcript

  1. 2 友野 敬大(ともの あきひろ) • 2025/03 コドモン ジョイン • 使っているAIエージェント

    ◦ Claude Code(2025/07~) • 好きなもの ◦ 型、柄シャツ • 特技 ◦ おいしい焼きそばを作る スパゲッティコードは作りません
  2. 3 • コドモンレコ ◦ こども施設の入退室打刻サービス ◦ 1st commitが2017年8月(8年経過) • 誤帰宅防止アラート機能追加PJの

    生成AI活用の学びをお話します ◦ 2025/07~09の約3ヶ月 * エンジニア3人 ◦ 打刻種類、兄弟パターン、入退室切替など 考慮すべき既存仕様が多いPJ 8年来サービスの機能追加時の生成AI活用の話です
  3. 13 長期運用プロダクトの特徴と課題(抜粋) class hoge { 責務1 責務2 責務3 … 責務n

    } // 公式仕様に従う と動かなくなる $awesome.exec( do(), hack(another()), ) 1クラスが大きく コード量が多い 様々なアーキテクチャの 書き方がある ベストプラクティスに 則っていない その時々のベストを尽くし た歴史があり、今どの処理 方式か分からない ライブラリをハックした使い 方が散見され、特定バージョ ン以外で動かないことも あいまいな指示のままファ イル全体を読ませると推測 の割合が増える v1 v2 v2’ v3 v4 2000年~ 2020年~ 2010年~
  4. 15 • あいまいさを残すと情報量の多さゆえ暴走する • GitHub Issueでチェックボックス形式で細かくタスク分解 ◦ インタフェース設計 ◦ Redなテストコード

    ◦ レイヤーごとの実装 ◦ 環境変数の設定 etc. • タスクごとに /clear する ◦ コンテキストをリセットして、 前のタスクの影響を受けないようにする 指示は細かく明確に 1クラスが大きくコード量が多い 開発者 AIエージェント ソースコード GitHub Issue
  5. 16 • 例えば ◦ 現在のアーキテクチャとレイヤー責務 ◦ 採用している技術スタックとバージョン ◦ 大切にすべき設計原理原則 ◦

    マルチテナント環境のテナントID解決方法 • 他にも ◦ 段階的なタスクの進め方 ◦ コミットタイミングの明示 ◦ コーディング規約 ◦ テスト戦略と実行ガイドライン 長年の暗黙知を教え込む CLAUDE.md 様々なアーキテクチャの書き方がある ベストプラクティスに則っていない 開発者 AIエージェント ソースコード GitHub Issue
  6. 17 • いつどうやって作り込む? ◦ 暗黙知はタスクごとにClaudeとふりかえりをしてCLAUDE.mdをアップデート ◦ 最初は毎回、慣れてくれば適宜 • 例えば ◦

    「タスク着手時から私の指示で矯正されたコンテキストに不足している情報は何?」 ◦ 「迷いなく進めるためにタスクの粒度はふさわしかった?」 ふりかえりをしてコンテキストを育てる
  7. 19 • 長期運用プロダクトこそ効くコンテキスト管理の妙 ◦ 情報量が 多い 長期運用プロダクトだから こそ、 生成AI活用には情報の取捨選択が 肝に

    なる ▪ タスク指示を明確にする:ユーザープロンプト(GitHub Issue) ▪ 暗黙知の制約を注入する:システムプロンプト(CLAUDE.md) ◦ AIエージェントとふりかえりながらコンテキストを育てる 他、懇親会でお話しましょう! ◦ Claude Code Hooksで何を自動化している? ◦ サブエージェントの使い所? ◦ おいしい焼きそばの作り方? まとめ - ご清聴ありがとうございました