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スムーズな価格改定を実現するためのベストプラクティス
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Dai Miyamoto
September 11, 2024
Programming
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スムーズな価格改定を実現するためのベストプラクティス
(Unofficial) DroidKaigi 2024 Pre Party ~全然野菜~ 発表資料
Dai Miyamoto
September 11, 2024
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Transcript
スムーズな価格改定を 実現するための ベストプラクティス (Unofficial) DroidKaigi 2024 Pre Party 〜全然野菜〜
宮本 大 / Dai Miyamoto マネーフォワード ビジネスカンパニー SMB開発本部 個人事業主開発部 モバイルサービスグループ
Androidエンジニア 社内でDroidKaigiのスポンサー旗振りや、 プロポーザル提出促進活動なども行っています
None
2023年12月に、月額有料プランの料金体系を改定させて頂きました • 月額1,500円 (税込) (旧 月額980円) • 利用可能になる主な機能 ◦ 青色申告決算書の作成
◦ 50件を超える仕訳登録 ◦ 青色申告決算書/収支内訳書の提出 ◦ etc…
Play Consoleから変更を行う
新規定期購入の価格変更 数時間以内にすべての新規購入で新しい価格が有効になる。 例: 毎月5日に請求が行われる新規購読ユーザーのタイムライン Play Console User 12/1 980円→1,500円 12/5
1ヶ月目: 1,500円の請求 1/5 2ヶ月目: 1,500円の請求
これで終わり...? とはならない
価格変更で気をつけるべき落とし穴 1. オプトイン・オプトアウトによる既存定期購入ユーザーに対する 値上げの理解 2. アプリ内で価格変更に関するお知らせを表示する 3. 既存定期購入ユーザーも新価格で請求されるようにする
既存定期購入ユーザーも新価格で請求されるようにする 旧価格コホート 価格変更後における、旧価格で適用されているユーザー集団のこと。 デベロッパーが旧価格コホートを終了することで、既存定期購入ユーザーも 新価格コホートに移行することができる。
既存定期購入ユーザーも新価格で請求されるようにする
オプトインによる価格値上げ デフォルトの値上げ変更設定。 ユーザーは最初に請求された価格よりも高い価格に対して明示的に同意 する必要があり、同意しない場合には、 Google Play が定期購入を自動 的 に解約する。 ユーザーがメールやプッシュ通知で同意連絡に対して必ずレスポンスする
保証は無いため、 既存ユーザーの課金継続を維持するためにはオプトアウトによる値上げ を行うのが良い。
オプトインによる価格値上げ 変更が有効になるまでに30日、更にユーザーへの通知待機期間で 事前に7日必要になるため、 既存ユーザーへの価格変更が反映されるまでに合計で 37日かかる。 事前通知期間の終了後、次回の支払日に値上げ価格が請求される。
7日間 37日間 オプトインによる価格値上げ 例: 毎月5日に請求が行われる既存購読ユーザーの、オプトインによる価格値上げのタイムライン 11/5 1ヶ月目: 980円請求 980円→1,500円 12/1
2ヶ月目: 980円請求 12/5 2/5 4ヶ月目 同意済み: 1,500円の請 求 同意せず: 自動解約 12/8 ここまでGoogle Playか らの通知猶予期間 1/5 3ヶ月目: 980円請求 1/7 価格変更の適用日 1/6 Google Playから 通知 30日間
オプトアウトによる価格値上げ 近年追加された値上げ変更設定。 条件に合致する場合、事前にユーザーに通知はしてもユーザーの同意など は必要とせずに値上げすることができる。 日本ではユーザーへの通知から30日後に自動的に新価格で請求される。
オプトアウトを選択できる条件 • 日本を含む一部の国や地域 • Google Play で良好な状態にあるデベロッパー ◦ 「良好な状態」とはポリシー違反によってアカウント停止などの措置を受けていないデベロッパーを意味する (Googleに問い合わせた)
• 定期購入の基本プランごとに過去 365 日間に 1 回のみ • すべての国または地域での値上げ幅の上限は、次のうちの大きい方となる ◦ ユーザーが現在支払っている価格の 50% ◦ 1 日あたり 17 米セント(必要に応じて現地通貨に換算) ▪ 0.17ドル × 31日 × xxx円/ドル(価格変更時の為替レート参照 ) = 値上げ幅 • アプリの利用規約で、事前通知による定期購入の値上げを行う権利を留保し、そうした値上げの理由を明確かつ有 効な形で提示する必要がある • 値上げが有効になる 30 日以上前に、値上げの影響を受ける各ユーザーに、少なくとも、ユーザーの定期購入の名 前、現在の価格と新価格、新価格が自動的に有効になる日付、解約方法に関する情報を記載したアプリ内通知を 目立つように表示する
オプトアウトによる価格値上げ 例: 毎月5日に請求が行われる既存購読ユーザーの、オプトアウトによる価格値上げのタイムライン 12/1 980円→1,500円 11/5 1ヶ月目: 980円請求 1/5 2ヶ月目:
980円請求 12/1 12/5 3ヶ月目: 1,500円請求 12/31 価格変更の適用日 30日間
アプリ内で価格変更に関するお知らせを表示する
Play Billing Labを使った 動作確認
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Play Billing Labアプリを使った、オプトインの価格変更の動作確認
Play Billing Labアプリを使った、オプトインの価格変更の動作確認
Play Billing Labアプリを使った、オプトアウトの価格変更の動作確認
まとめ
まとめ • Androidアプリの価格変更では、新規だけでなく既存定期購入者の価格移行も考慮する ◦ オプトアウトによる価格変更が望ましい • 価格変更に関するユーザーとのコミュニケーションを忘れずに行う • Play Consoleでの操作ミスに注意!
• Play Billing Labアプリを使ってユーザー目線でどのような変更が行われるか確認しよう ◦ オプトインでは、ユーザーが新しい価格に対する同意または拒否の操作を行うと RTDNが 送信される • プラットフォームの影響を強く受ける領域のため、公式リファレンスをよく読む
Thank you!