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宇宙から社会を動かす 〜衛星データを「意思決定」に変えるデータサイエンス〜
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The Japan DataScientist Society
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October 01, 2026
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宇宙から社会を動かす 〜衛星データを「意思決定」に変えるデータサイエンス〜
※webセミナーの講演資料(2026年9月30日)
※その他概要はこちら→
https://techplay.jp/event/999859
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Transcript
データサイエンティスト協会 セミナー|第二部|2026.09.30 宇宙から社会を動かす 〜 衛星データを「意思決定」に変えるデータサイエンス 〜 株式会社ME-Lab Japan 坂内 匠
open Copyright ©2026 ME-Lab Japan, Inc. All rights reserved.
自己紹介 坂内 匠(ばんない たくみ) 株式会社ME-Lab Japan 代表取締役社長 株式会社エル・ティー・エス 執行役員 Data
Lead事業部部長 経歴 衛星データから降水量を推定する研究 • 大学(経営学部)学士卒業 • エル・ティー・エス 入社 • 業務・戦略・データ解析・AIプロジェクト • 衛星データ解析の研究活動 • 大学院(工学系研究科)修士課程 • ME-Lab Japan 設立 open Copyright ©2026 ME-Lab Japan, Inc. All rights reserved.
会社・サービス紹介 ❶ 衛星 × AI × 物理の統合解析エンジン MetaEarth Lab, Inc.
株式会社エル・ティー・エス 先端的な 知見・解析技術 1,000人規模 コンサル・エンジニアリソース ME-Lab Japan 衛星データ 物理モデル AI ❷ オンボーディング支援(例. 衛星ダッシュボード開発・運用設計) 気候関連サービス・デリバリ 日本・グローバル市場 防災 カーボン クレジット 気候シミュ レーション 3
実績 • • • • • • • • •
• 宇宙戦略基金(第二期)採択(2026) 「トルコ/インドネシア・衛星+地上センサー密結合の次世代インフラモニタリング」 JICA・水資源マスタープラン策定に向けたデジタル技術・宇宙技術の実証 採択(2026) 「ザンビア・衛星と河川物理モデルを組み合わせた越境水資源管理技術の実証」 経産省・グローバルサウス補助金 委託先として参加(2025) 「トルコ共和国/鉄道インフラ防災プラットフォーム実証事業」 経産省・グローバルサウス補助金 委託先として参加(2025) 「ベトナムでの洪水予測に向けた高品質雨量データの開発」 静岡・森林カーボンクレジット創出促進事業 採択(2025) 「持続可能な森林経営管理の実現にむけた静岡版複合型クレジット創出モデル」 山梨県・火山防災イノベーション事業 採択(2025) 「火山監視に向けたマルチSAR統合解析技術」 NEDO・SSIL 衛星データ活用アワード(2024) 最優秀賞 「衛星データを活用した潜在的なブルーカーボン評価AIシステムの開発」 令和5年度 国交相SBIR事業 委託先として参加(2023) 「次世代機器等を活用した河川管理の監視・観測の高度化に資する技術開発」 経産省・NEDO Challenge, Satellite Data for Green Earth 審査員特別賞(2023) 「森林成長モデルと衛星観測を用いた森林の水源涵養システムの開発」 経産省・NEDO Supply Chain Data Challenge 災害対応部門 準優勝(2022) 「衛星データと洪水物理モデルを組み合わせた浸水予測&サプライチェーン影響評価システム」 4
はじめに|本日お話しすること INTRODUCTION 第二部では、衛星データを「社会で使われるもの」にするために何が必要かを考えます 私たちの立ち位置 データ提供・ アクセス 衛星の開発・運用 衛星をつくる・届ける側 本日の焦点 分析・AI
社会実装・ 意思決定 衛星データを「使う」側 研究・PoCの“先”にある社会実装 第一部 第二部(本講演) 地球観測データを 「使えるようにする」 そのデータを 「社会で使われるもの」にする データへのアクセスを容易にする技術 データを社会価値に変える 5
衛星データは、データサイエンスのフロンティア PART 1 地球そのものが、データサイエンスの対象になる これまで「データがない」と考えられていた世界が、急速にデータ化され始めている これまでの分析対象 これからの分析対象 企業データ Earth Data
顧客 商品 森林 農地 河川 海洋 都市 大気 売上 Webアクセス 工場設備 活用が広がる領域 農業 森林 海洋 水資源 災害 インフラ 都市 気候変動 分析対象が「企業の中」から「地球そのもの」へ広がっている open Copyright ©2026 ME-Lab Japan, Inc. All rights reserved. 6
衛星データと気象モデル https://destine.ecmwf.int/explainer/ open Copyright ©2026 ME-Lab Japan, Inc. All rights
reserved. 7
衛星データ(観測)と気象モデル(シミュレーション) シミュレーション 観測 空間的・時間的な網羅性 仮想シナリオや将来計算 不確実性 観測情報 空間的・時間的に限定的 現実シナリオのみ https://destine.ecmwf.int/explainer/
open Copyright ©2026 ME-Lab Japan, Inc. All rights reserved. 8
PART 1 地球そのものが、データサイエンスの対象になる Satellite Image → Earth Data Cube 衛星データは「画像」ではない。巨大な「時空間・多次元データ」である
一般的なRGB画像 Earth Data Cube Time(観測日時) B Channel(波長) G R 可視光 1マス = 1枚の画像 X × Y(緯度・経度) 赤外 マイクロ波 X(経度) × Y(緯度) × 3バンド X×Y×3 X×Y 緯度・経度 奥行き = Sensor 複数衛星・観測角度 SAR(偏波) X × Y × Time × Channel × Sensor Time 観測時刻・時系列 open Channel 可視光・赤外・マイクロ波・SAR偏波 Copyright ©2026 ME-Lab Japan, Inc. All rights reserved. Sensor 複数衛星・観測角度 9
More Satellites × Higher Resolution × Higher Frequency PART 1
地球そのものが、データサイエンスの対象になる 衛星の数も性能(解像度・頻度・波長・観測方式)も、この50年で桁違いに伸びた 稼働中の商用地球観測衛星数 1972年(Landsat-1)と現在の比較 1,650機 1972年 現在 代表的な衛星 空間解像度 80 m 0.3 m WorldView-3 観測頻度 18日ごと 毎日 PlanetScope 波長バンド数 4 200以上 観測方式 光学のみ 光学+SAR 約12倍 590機 EnMAP 50機 2012 2022 2032E Sentinel-1、ICEYE 注:2032年は予測値。商用ベースでデータ提供される政府衛星を含む。 出典:Novaspace「Earth Observation Satellite Systems」2024年版(ESA Φ-lab講演資料, 2024)、Belward & Skøien, ISPRS J. (2015)、各衛星の公開仕様 open Copyright ©2026 ME-Lab Japan, Inc. All rights reserved. 10
Satellite × Multimodal Data PART 1 地球そのものが、データサイエンスの対象になる 価値は衛星単体ではなく、データの組み合わせから生まれる 衛星データ +
多様なデータ Satellite + + Weather IoT + LiDAR + Drone + GIS + Corporate Data 組み合わせると、ビッグデータとマルチモーダルデータの融合問題になる 取り組み例 Big Data 量が爆発する 衛星数・解像度・頻度・波長数の掛け算で、データ 量はペタバイト級に膨らみ続ける × Multimodal 種類が異なる 画像・時系列・点群・表・テキスト。解像度も更新間 隔も座標系も違うデータをそろえて扱う必要がある open Copyright ©2026 ME-Lab Japan, Inc. All rights reserved. https://arxiv.org/abs/2604.10414 11
PART 2 しかし、データが増えれば地球が分かるわけではない But, More Data ≠ More Understanding データが増えることと、現実世界を理解できることは同じではない
工場・情報システム 比較的閉じたシステム。ルールや変数を管理しやすく、 不確実性が小さい 自然環境(地球観測の対象) ≠ 非常に複雑なオープンシステム 0/1では語れない大きな不確実性がある 自然を観測することの難しさ 観測できない変数がある 空間・時間で状態が変化する 人間活動とも相互作用する センサーには観測限界がある 衛星が捉えるのは地球の表層のごく一 部。背後にある要因は直接見えない 同じ場所でも、季節・天候・時刻によっ て状態が変わり続ける 農業・ダム操作・開発など、人の営み が自然の状態を変える 解像度・観測頻度・雲・波長など、 センサーごとに見えるものが限られる データが大量にあっても、簡単には「答え」にならない=人間(データサイエンティスト)の仕事 open Copyright ©2026 ME-Lab Japan, Inc. All rights reserved. 12
PART 2 しかし、データが増えれば地球が分かるわけではない Observation ≠ Reality 衛星が見ているのは「地球そのもの」ではなく、現実の断片である 衛星は、特定のセンサーで、特定の時刻に、特定の物理現象の一部を観測している Observation 衛星で観測できること
Reality 本当に知りたいこと SARで水面らしい領域を検出 ≠ 洪水被害(浸水範囲・深)が分かる 植生指数を観測 ≠ 作物収量が分かる 衛星から降水量を推定 ≠ 河川流量・洪水リスクが分かる データは、『世界のごく一部を切り取った「断片」にすぎない』 活用できる「情報」に変換する必要がある 情報の価値は「コンテクスト(前提・文脈)」に依存する データ +バイアス・ノイズ 情報 +コンテクスト 世界(現実) open Copyright ©2026 ME-Lab Japan, Inc. All rights reserved. 13
PART 3 では、データサイエンティストは何をするのか Observation → Inference → Decision → Action
衛星が主に提供するのはObservation。社会が必要としているのはAction Observation Inference 観測 推論 Decision Action 意思決定 行動 ▲ 衛星が主に提供する ▲ 社会が必要としている ObservationとActionの間を、何でつなぐか AI 統計 物理モデル 他データ 専門知識 現地情報 断片的なデータと、その背後にある世界をつなぐロジックを作る。 それがデータサイエンティストの仕事 open Copyright ©2026 ME-Lab Japan, Inc. All rights reserved. 14
現地に行くデータ・サイエンティスト PART 3 では、データサイエンティストは何をするのか 宇宙から見る・データで考える・現地情報で繋ぐ 宇宙から見えるもの 広域性 時系列変化 現地でしか見えないもの 分布
背景 原因 制約 人の行動 意思決定 本当に困っていること + 地域間比較 データを増やすだけでは、現実への理解は完成しない NEXT Case Study:ザンビアの水資源管理 open Copyright ©2026 ME-Lab Japan, Inc. All rights reserved. 15
Case|宇宙からアフリカの水を捉える open Copyright ©2026 ME-Lab Japan, Inc. All rights reserved.
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PART 4 Case Study:ザンビアの水資源管理 Case|宇宙からアフリカの水を捉える 観測が限られる地域でも、衛星・物理モデル・現地観測を組み合わせて水資源を捉える Problem Available Data 何に困っているのか
何を組み合わせるのか • 目的は「水資源管理への衛星の活用」 • 観測所がない、または十分に機能していない 地域がある • 河川流量を広域・継続的に把握することが難 しい open 何が新しく見えるのか • 物理モデル:再解析データの流出量・地形 データから河川流量を推定 • 過去〜現在の河川流量を再現し、流域の水 資源を広く捉える • 地上観測:限られた地点のデータで補正・比 較検証 • 地図・時系列で、流量と降水量の分布・変動 を可視化 • 衛星:降水量・水位で分布・変動を把握し、 推定の検証・補完を検討 • 観測がない場所のデータを補う可能性を検討 衛星降水量推定 Courtesy of JAXA Satellite + Model 河川モデル Copyright ©2026 ME-Lab Japan, Inc. All rights reserved. 17
Demo Application open Copyright ©2026 ME-Lab Japan, Inc. All rights
reserved. 18
Demo Application open Copyright ©2026 ME-Lab Japan, Inc. All rights
reserved. 19
衛星だけでは分からなかったこと PART 4 Case Study:ザンビアの水資源管理 現地の人の話をつなぐと、水資源が生活・電力・産業政策にどう関わるかが見えてきた 現地で対話 当初の目的 対話を通じて具体化した問い 「衛星を水資源管理に役立てる」
「発電計画に必要な、将来の水量の見通しをどうつくるか」 誰のどの意思決定につながるかは、まだ不明確 生活 電力 産業 水資源 現地で得た情報 現地で得た情報 現地で得た情報 現地で得た情報 カフェで会った経営者:「電気を 使えるのは1日3時間ほど」 電力供給が、水力発電に大きく 依存している(約8割) 電力不足が、さまざまな産業政 策の制約になっている 発電計画には、将来どれだけの 水を使えるかの見通しが必要 見えてきた意味 見えてきた意味 見えてきた意味 見えてきた意味 電力不足が、人々の生活に深く関わっ ている 河川の水資源と電力供給が、密接に つながっている 水資源の把握が、産業の発展や経済 政策にも関わる 過去・現在の把握に加え、将来の水量 を予測する必要がある 異なる立場の人のとの対話をつなぐことで、分析のストーリーが見えてくる open Copyright ©2026 ME-Lab Japan, Inc. All rights reserved. 20
今後の展開 〜データから意思決定へ〜 PART 4 Case Study:ザンビアの水資源管理 「衛星で何が見えたか」ではなく、「誰の意思決定がどう変わるか」まで設計する 現象の理解から、予測の考え方が見えてきた 現地で得た知識 河川を流下
予測の仮説 上流の集水域の雨量を捉えれば、下流のダムに届く水量の見 通しに使えるのではないか 検証の進め方 高度な時系列モデルを選ぶ前に、 集水域ごとの雨量と時間差の関係性で予測はできる 時間差(ラグ) 上流の集水域 下流のダム 降水 Observation 水力発電 Inference 観測 技術実証で実施 上流域の衛星降水量、衛星水位、 現地観測などを捉える Decision 推論 技術実証で実施 物理モデル等と組み合わせ、水資 源の状態を推定する 今後の取り組み 上流域の降水が、時間をかけて下流の流量に影響する Action 意思決定 行動 目指す姿 目指す姿 将来の水量の見通しを、電力公社 や関係機関の発電計画に役立て る 計画に基づく発電・水利用の運用 や見直しにつなげる 上流の降水と時間差の知識で、将 来流量の予測を検討 技術実証で実施 open Copyright ©2026 ME-Lab Japan, Inc. All rights reserved. 今後の取り組み・目指す姿 21
まとめ PART 5 技術だけでは社会実装されない 社会実装とは、モデルを導入することではなく、モデルを組み込んだ意思決定の仕組みを作ること 補助金 Resource Network Protocol 実行し続けるための資源
自分たちにない知識を持つ仲間 導入を判断する受け入れ基準 融資 投資 顧客予算 ストーリーテリング 想いだけでは、実行できない 技術+資源(お金)で提案する必要がある 現地政府 専門家 研究機関 建設コンサル コンサル 民間企業 例:衛星データ解析を導入するか 大学 測量会社 自分たちだけでは、現場に入り込めない 専門家と組めば、何十年分もの試行錯誤を省ける open Copyright ©2026 ME-Lab Japan, Inc. All rights reserved. 日本 既存手法のベースラインがある → 超えれば導入、と判断できる 現地 比べるベースラインがない → 何を超えれば導入か決められない 受入基準がなければ、 高精度な技術でも導入は決まらない 22
衛星データは、世界を見る新しい目である。 しかし、データだけでは社会は動かない。 Data Scientist's Role 不完全で断片的なデータと現実世界をつなぎ、 意思決定を設計する Observation open Inference
Decision Copyright ©2026 ME-Lab Japan, Inc. All rights reserved. Action
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