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新米スクラムマスターが考える 仕事を通じてチームを育む「制約主導」のアプローチ

新米スクラムマスターが考える 仕事を通じてチームを育む「制約主導」のアプローチ

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October 05, 2025
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  1. © dip Corporation. Agenda 1. ⾃⼰紹介 2. 会社概要 3. チームが機能する条件

    4. 制約主導アプローチとスクラム 5. チームの発達段階に応じた制約 6. まとめ
  2. © dip Corporation. ⽑利 修⼈ Mohri Shuto ディップ株式会社 アジャイル推進課 所属

    / 第2Ops課 課⻑ バイトルアプリチーム Scrum Master スクラムマスター経験は約1年半(2024年5⽉頃から)。 この期間内でチーム再編成やメンバー⼊れ替えが7回ほど、、 ⾃⼰紹介
  3. × Human work force solution ユーザーファーストな独⾃機能を搭載した、 求⼈情報‧⼈材紹介サービスの提供を通じて、 ユーザーの就業課題を解決しています。 ⼈材サービス事業 Digital

    labor force solution バイトコミュニケーションアプリ『バイトル トーク』や、機能を絞ったシンプルなSaaS型の 『コボット』を通じて、職場環境やコミュニ ケーション課題を解決しています。 DX事業
  4. © dip Corporation. 機能しない/する状況の⽐較 機能しない状況 機能する状況 何のためにやるのかわかっていない What・Whyが明確 ゴールが共有できていない 目指す方向が定まっている

    ロードマップや期限がない 見通しが立っている タスクが簡単すぎる ちょうどいい難易度 作るものが曖昧になっている 受け入れ基準が明確 チームが機能しない / すると感じた状況を整理。
  5. © dip Corporation. 機能しない/する状況の⽐較 機能しない状況 機能する状況(追加された制約) 何のためにやるのかわかっていない What・Whyが明確(目的) ゴールが共有できていない 目指す方向が定まっている

    (方向性) ロードマップや期限がない 見通しが立っている (時間) タスクが簡単すぎる ちょうどいい難易度(負荷) 作るものが曖昧になっている 受け入れ基準が明確 (タスク) チームが機能しているとき、そこには何らかの「枠」や「制約」が存在する。
  6. © dip Corporation. スクラムとの親和性 スクラム要素 制約の種類 チームに与える影響 スプリント 期間とスコープ 最も価値あるものに選択と集中する。検査と適応の

    サイクルを回す。 タイムボックス 時間 最も重要なことに集中する。リズム感を作る。 完了の定義 アウトプット 何をもって完了とするかの共通認識となり、透明性 が生み出される。 スクラムの役割 役割と責任 誰が何に責任を持つかを明確にする。 スクラムの制約は「学習と適応」「⾃⼰組織化」を⽬的としているため、 制約主導アプローチとの親和性が⾼い。
  7. © dip Corporation. チームの発達段階(タックマンモデル) ❶ 形成期 フォーミング ❸ 統⼀期 ノーミング

    ❹ 機能期 トランスフォーミング ❷ 混乱期 ストーミング _メンバー状態_ 依存‧他責 _メンバー状態_ ⾃律 _メンバー状態_ 共存‧共栄 _メンバー状態_ 統合 グループ 共通の属性(共通点)がある チーム 共通の⽬的‧⽬標がある
  8. © dip Corporation. 形成期の特徴 ❶ 形成期 フォーミング • お互いをよく知らない •

    リーダーからの指⽰を待とう • これを⾔ったらまずいかも? • 誰かがやってくれるだろう • とりあえず⾃分がよければいいや もっと⾃発的に動いてほしいな
  9. © dip Corporation. 形成期から混乱期へ ❶ 形成期 フォーミング ❷ 混乱期 ストーミング

    知らない⼈とはケンカもできない。 まずはケンカできる距離まで近づくところから👊 コミュニケーションの量
  10. © dip Corporation. コミュニケーション量を促進する制約 ① お昼休憩の時間を合わせる • ⼀緒に⾏きやすい‧発⽣しやすい環境を作る ② 1on1をスプリントサイクルに組み込む

    • 毎⽇同じ時間に実施されるデイリースクラムと紐づけ • テーマを決めて、毎⽇5分程度の短い時間で実施 • デイリーのアイスブレイクとして話した内容を元に他⼰紹介
  11. © dip Corporation. 混乱期の特徴 • 考えや意⾒の違いから衝突 • ⾃分ならこうするという意⾒がある • 影響⼒の⼤きい⼈が現れる

    • 序列、役割が表⾯化してくる 意⾒の対⽴や衝突することが増えたな ❷ 混乱期 ストーミング
  12. © dip Corporation. 混乱期の特徴 ❷ 混乱期 ストーミング ❸ 統⼀期 ノーミング

    コミュニケーションの質 意⾒の対⽴や衝突を避けるのではなく、 理解を深めるためのコミュニケーションへとシフト🤝
  13. © dip Corporation. コミュニケーション質を促進する制約 ① モブプログラミング • 何を⽬的にするか、どこまで進めるかを合意する • 常に⾔語化と合意形成を強制され、

    スキルの個⼈依存を下げる ② スキル項⽬を規定 + 同じスキルを繰り返さない • スキルによる個⼈依存を下げる • コミュニケーションメンバーの変化を促す
  14. © dip Corporation. コミュニケーション質を促進する制約 ③ ⼿動コーディング禁⽌ + ⼝頭レビュー会 • 制約によってAIコーディングを促進

    • AIによるアウトプットを正しく理解して⼈が⾔語化して伝える • AIのアウトプットを制御するために設計とプロンプトを磨く