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2021年を展望 フィンテックトレンドのすべて

 2021年を展望 フィンテックトレンドのすべて

2020年12月11日に開催した『フィンテックトレンド 2021(フィンテックエンジニア養成勉強会#12)〜ニューノーマル時代に不可欠なコンパスを持ち歩く〜』の発表スライド。

タイトル『2021年を展望 フィンテックトレンドのすべて』
発表者:藤井 達人@日本マイクロソフト

https://fintech-engineer.connpass.com/event/193987/

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Transcript

  1. 【自己紹介】 藤井 達人 金融革新同友会FINOVATORS Co-Founder 日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 金融イノベーション本部長 これまでのフィンテックとの関わり •

    Microsoftでフィンテック(Square)に触れて刺激を受ける • MUFGにてフィンテック関連の施策を推進(オープンイノベーション、 オープンAPI、MUFGコイン等) • auフィナンシャルホールディングスにてCDOとしてフィンテック活 用推進を実施
  2. 1. 2021のゲームチェンジャー:モジュラー型金融 これまでの動き ➢ 銀行APIの開放が進み、BaaS(Banking as a Service)を活用して新しい形態のモバイル専 業銀行(ネオバンク)の開始が相次いだ。Apple, Googleなども金融サービスを提供

    ➢ BaaSの機能だけを提供し自らは表に出ないBaaS専業銀行が勢いを増している。 来年以降は? ➢ A16z パートナーAngela Strange氏:“すべての企業がフィンテック企業になる” ➢ 埋込型金融(embedded finance)、もしくはモジュラー型金融と呼ばれる機能化された 金融APIが爆発的に普及、一般企業がカジュアルに金融機能を自社サービスに埋込み ➢ 金融サービスは顧客離反を防ぎかつNPSも向上させる ➢ 企業は顧客データを活用して与信精度を向上させたりリスク管理を高度化できる ➢ プリミティブなAPIからカジュアル導入できるスニペットへ(Unit)/また金融モジュールの マーケットプレースなども(Bold)/オープンソースの埋込型金融プラットフォーム(Moov) 6
  3. 2. リテール投資領域のビジネス機会拡大 これまでの動き ➢ Covid-19の影響でリテール投資アプリの利用者が急拡大、ライトな投資ユーザーの取り 込みに成功(少額から投資、手数料無料) ➢ STO(セキュリティトークンオファリング)などデジタル私募プラットフォームの新しい 仕組みが進展 来年以降は?

    ➢ 一般投資家の拡大により、そうした層をサポートする投資分析ツールもユーザー数を急拡 大させる:Koyfin、Stockperks ➢ おもしろアセット(ゲームカード、レトロゲームカセット、ビンテージカー、美術品、な ど)への小口投資ブームが一般層まで広がる:Otis, Collectable, Rally Rd. ➢ 投資サービスのモジュラー化が進む ➢ 一般投資家が暗号資産を投資・決済に使う行為が一般化していく(Square, PayPal, BBVA) 7
  4. 3. 自律型金融の拡大 - AUTONOMOUS FINANCE これまでの動き ➢ これまでも、ロボアドバイザーやPFMなどAIを用いて適切なアドバイス、投資を行う サービスは存在。ロボアドサービスがネオバンク化する動きも ➢

    ただし、それぞれのサービスは断片的であり、依然としてユーザーに多くの操作や判断を 要求する 来年以降は? ➢ より自律的に動き、end-to-endでユーザーの金融行動をサポートするサービスが登場 (金融の自動運転的な感覚を提供) ➢ 生活の実態に合わせた最適なプランの提示(投資、住宅購入、など)/最も低い金利を自 動選択/オーバードラフトしないための節約、など (現在、消費者が選択を強いられている場面はもっとあるでしょう!) ➢ AIとMLを活用し、様々な金融サービスのAPIをつなぐことで、お金を使うすべての行為に ついてアドバイスのみならずユーザーに成り代わって(デジタルツイン)面倒を見るサー ビスが生まれてくる。リテールのみならず中小法人向けも 8
  5. 4. 止まらないDEFI これまでの動き ➢ DeFi(分散型金融)は、スマートコントラクトを実行可能なパブリックチェーン上で 様々なサービス開発が急速に進められており、暗号資産を使った融資、分散型取引、ス テーブルコインなどの金融的サービスが急速に発達 ➢ 金融機関はDeFiと距離を置いており直接関与している事例はほぼ無いが、ブロック チェーンを活用した金融サービスの試行的事例、開発意向表明が相次いだ

    来年以降は? ➢ 2020年を超える勢いで様々なサービスが生まれてくる一方で、速度とスケーラビリティの 問題はETH2.0まで続く ➢ ガバナンストークンの改良が進む ➢ 実施主体が曖昧なため有効な規制を敷くことは難しいが、信用されるスマートコントラク トの基準が決まる(監査、投票、・・) 9