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トップエンジニアが実践する思考整理法〜テクニカルライティングを用いた課題解決の基本

 トップエンジニアが実践する思考整理法〜テクニカルライティングを用いた課題解決の基本

エンジニア・研究者が研究開発を進めるうえで必須となる「テクニカルライティングをとおした思考の整理法とその具体的な方法論」に焦点を当て、これを解説します。

「言語化」はPDCAの基盤となる取り組みであり、課題解決の成否に直結する重要なスキルの1つです。テクニカルライティングは、この言語化の精度を上げ、思考整理を促すことによって、課題解決の可能性を高めることができます。

正しいテクニカルライティングの作法を身につけて思考を整理し、それを正確に言語化できるようになれば、研究開発で継続的に成果を上げられることを説明します。

Hajime Fujita

April 24, 2019
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Transcript

  1. 自己紹介 2 藤田 肇 ⚫ 技術経営コンサルタント・弁理士 株式会社リジー 代表取締役 ⚫ 「人工知能

    冬の時代」に機械学習・人工知能を専攻し 研究 者・データサイエンティストとして活躍後 弁理士資格を取得 ⚫ 大手特許事務所でテクニカルライティングを習得し AI関連企業で技術戦略・知財戦略の立案・推進に携わる ⚫ 技術・事業・知的財産の融合領域における専門知識を生かし て独立 テクノロジー企業を中心に、技術経営・知財戦略に関す るコンサルティングを提供 ⚫ 朝日新聞社主催「AI FORUM 2018」、ソフトバンクC&S主催 研修会、日本弁理士会主催継続研修など各種イベント・研修 会の講師を多数務めるほか、「人工知能が支える先進医療」 (野村ヘルスケアノート)など多数執筆。 株式会社リジー 代表
  2. How to 「適切なテクニカルライティング」 18 背景・前提 • 従来どうだったか? • 前回まで何が進んでいたか? •

    何が前提となっているか? 課題 • いま直面している課題は何か? • なぜそれを課題と捉えているか? • 課題に対する仮説は何か? 手段・アプローチ • どう解決しようとしているか? • なぜその手段を採用するのか? • それはどんな意味を持つのか? 効果・結論 • 結果から何が言えるのか? • なぜそれが言えるのか? • 次はどうするつもりか? しかし だから 差分 裏返し
  3. How to 「適切なテクニカルライティング」 19 背景・前提 • 従来どうだったか? • 前回まで何が進んでいたか? •

    何が前提となっているか? 課題 • いま直面している課題は何か? • なぜそれを課題と捉えているか? • 課題に対する仮説は何か? 手段・アプローチ • どう解決しようとしているか? • なぜその手段を採用するのか? • それはどんな意味を持つのか? 効果・結論 • 結果から何が言えるのか? • なぜそれが言えるのか? • 次はどうするつもりか? しかし だから 差分 裏返し 各ボックスの内容 < ボックス間の関係
  4. 先ほどの自転車の例をあてはめる 20 背景・前提 課題 手段・アプローチ 効果・結論 しかし だから 差分 裏返し

    乗ってる間は ラジオが聴けない… ラジオ! 乗りながら ラジオが聴ける!
  5. 先ほどの自転車の例をあてはめる 21 背景・前提 課題 手段・アプローチ 効果・結論 しかし だから 乗ってる間は ラジオが聴けない…

    ラジオ! 乗りながら ラジオが聴ける! 差分 =オリジナリティ 裏返し =インパクト (課題解決)
  6. 思考整理 → 課題解決 23 いま どこにいるのか? なぜ そこにいるのか? どこに 行きたいのか?

    なぜ そこに行きたいのか? どのような 手段で行くのか? なぜ その手段で行けるのか? 何が そこに行けば起こるのか? その後 どうなりそうか? (現状把握) (予想) (目的) (目標) (仮説) (解決) (論拠) (手段)
  7. How to 「適切なテクニカルライティング」(再掲) 24 背景・前提 • 従来どうだったか? • 前回まで何が進んでいたか? •

    何が前提となっているか? 課題 • いま直面している課題は何か? • なぜそれを課題と捉えているか? • 課題に対する仮説は何か? 手段・アプローチ • どう解決しようとしているか? • なぜその手段を採用するのか? • それはどんな意味を持つのか? 効果・結論 • 結果から何が言えるのか? • なぜそれが言えるのか? • 次はどうするつもりか? しかし だから 差分 裏返し
  8. what if not 黄金フォーマット? 26 背景・前提 (記載なし) 課題 (記載なし) 手段・アプローチ

    • 僕はこんなに頑張りました!! • こんな風に • あんな風に • そうしたらこうなるので • 次はこんな風に • そしてあんな風に …以下 延々と続く 効果・結論 • ほーら こんなことができました! • 次は こうしたいと思います!! ?? だから ?? ??
  9. what if not 黄金フォーマット? 27 背景・前提 (記載なし) 課題 (記載なし) 手段・アプローチ

    • 僕はこんなに頑張りました!! • こんな風に • あんな風に • そうしたらこうなるので • 次はこんな風に • そしてあんな風に …以下 延々と続く 効果・結論 • ほーら こんなことができました! • 次は こうしたいと思います!! ?? だから ?? ?? 典型的なダメ資料
  10. what will be happen? 28 凄惨な現場が爆誕します ダメ資料=単なるエッセイ ✓ なぜそのアプローチを採用したの? ✓

    そのアプローチは従来と何が違うの? ✓ なぜそのアプローチでそれが達成できるの? ✓ というか そもそも何がしたかったんだっけ?
  11. How to 「適切なテクニカルライティング」(再々掲) 32 背景・前提 • 従来どうだったか? • 前回まで何が進んでいたか? •

    何が前提となっているか? 課題 • いま直面している課題は何か? • なぜそれを課題と捉えているか? • 課題に対する仮説は何か? 手段・アプローチ • どう解決しようとしているか? • なぜその手段を採用するのか? • それはどんな意味を持つのか? 効果・結論 • 結果から何が言えるのか? • なぜそれが言えるのか? • 次はどうするつもりか? しかし だから 差分 裏返し
  12. 38