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「ものづくりと生産技術の未来」Future Session プロセスレポート
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Future Sessions
June 16, 2016
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「ものづくりと生産技術の未来」Future Session プロセスレポート
育成戦略創造プロジェクト
2016/5/26(Thu)開催
株式会社フューチャーセッションズ
Future Sessions
June 16, 2016
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Transcript
「ものづくりと⽣産技術の未来」 Future Sessionプロセスレポート 育成戦略創造プロジェクト 2016/5/26(Thu)開催 株式会社フューチャーセッションズ
ものづくりと⽣産技術の未来 Future Sessionの開催概要 • ⽇時:2016/5/26 (⽊) 13:00 〜 17:00 •
場所:新丸ビルコンファレンススクエア 新丸の内ビルディング9階 • 参加者:約30名 • AGC旭硝⼦育成プロジェクトメンバー:20名 • AGC旭硝⼦その他社員:若⼲名 • 社外メンバー:12名 • ⽬的 • 未来のものづくりと⽣産技術への影響について対話し、⽣産技術部 の未来を描くこと • 詳細URL: • https://www.ourfutures.net/sessions/1728?access_key=c805fedb c5b032f9c43d06fbcc2fb601 • プロセス 1. 未来のものづくりに影響のある変化の兆しを集める 1. イントロダクション 2. ペア対話 3. インスピレーショントーク 4. 全体対話(ワールドカフェ) 5. 変化の兆しの集約(ハーベスト) 6. ドット投票(起きてほしい、起きてほしくない変化の観点で変 化の兆しに投票し、重み付け) 2. 変化に対して求められる、未来のものづくりの⽅向性を検討する 1. 全体対話(ワールドカフェ) 2. 未来のものづくりの⽅向性を集約(ハーベスト) 3. 未来の⽣産技術部のありたい姿を抽出する 1. 各⼈の実現したいことを基盤にチームを⾃⼰組織化(マグネッ トテーブル) 2. 数年後、⽣産技術部の活躍が掲載された時の状態を、新聞の⼀ ⾯で描写(未来編集会議) 3. プレゼンテーション 4. チェックアウト 2
インスピレーショントーク・サマリー 池⽥ 靖 ⽒(慶應義塾⼤学 政策・メディア研究科教授、環境情報学部教授、政策・メディア研究科委員) • デザインとは、やりたいことと、できることの間を発 ⾒すること • この間を埋めるのが、情報技術の仕組み(Mechanism,
Method, System)となる。 • 情報技術による⾮規格標準化部品の持つ新たな合理性 が、⼤量⽣産の優位性を揺るがしている • 合理化や効率化の点からデザイン根拠になっていた標 準化の制限は、情報技術の進化で低下している。 • ⼤量⽣産には依然有利な点も多いが、その圧倒的優位 はもはや存在していない。 • 情報技術で均質性デザインではない⽅向が出てきてい る。いつでも部品が取り替えられたり、時間とともに 形が変わっていくような、有機的なものづくりもでき るようにならないか。 • マス・プロダクションから 「スマート・プロダクション」の時代へ • 情報処理技術でデザインの⾃動⽣成が可能になり(① Processing) 、それを物質化する技術が発展し(② Materializing) 、⽣産された多様な部品を、IoT等のセ ンシング技術で容易に管理して組み⽴てられるように なる(③Sensing) 。また、これらのデータを共有し、 誰とでもコミュニケーションができるようになる(④ Open Source) 。 • これらにより、3Dプリンター1台持って、現地の⽵を 使って家を作ったりすることができるようになる。物 を運ばずに、技術だけを持って⾏って⽣産が可能に なってきている。 • マスプロダクションは、⼤量のエネルギー集約ができ て初めて可能になるが、いつまで継続できるのか。量 を減らすのではなく、時間を⻑くすることで節約は可 能になる。情報技術、⾃律分散、輸送の最適化、個別 管理による材料の⻑期使⽤で、更新可能なものづくり が可能になるのではないか。 3
未来のものづくりに影響のある変化の兆し 確実なこと • 多様なニーズに対応できる⽣産⽅式が実現される • ニーズ多様化に対応するファブレスな⽣産⽅式が主流になる • デジタル化による少量多品種⽣産が可能になる • 個⼈の趣向が多様化し、個⼈がデザインと製作をするようになる
• AIで設計・⽣産の最適化ができ、差別化が難しくなる • 誰もが「プロ」になれる • AIの進化により設計の最適化ができる • 提案型AIができる(⼈間は決定権を持つ) • どこで誰が作っても、同じものができる 4
未来のものづくりに影響のある変化の兆し 不確実なこと:起こるか、起こらないかわからないが、起こると影響の⼤きなこと • AI ・ロボットとの協働により、⼈間のできること・創り出せるも のが進化する(23+10=33) • ⼈間が半分ロボット化する(2+8=10) • ⼈の直感、デザイン、アイデアが、AIにより⾃動化・共有され、成⻑
する(7+2=9) • 新しく⼈間にしかできないことが発⾒される(8+0=8) • AI、IoTによって研究から量産までの垣根がなくなる(6+0=6) • ⽣産能⼒に対して、国の⼲渉が強くなる(4+27=31) • 国家主導型で⽣産能⼒が調整される(0+12=12) • ⽣産性指標が法律で規制される(0+11=11) • 法律・条例のルールが変化する(4+1=5) • Made in Japanのブランドが差別化要素ではなくなる(0+3=3) • AI・ロボットが急激に進化し、ものづくり現場では既存の⼈間の 役割が激減する(8+17=25) • ⼈の仕事がすべてロボットに置き換わる(0+10=10) • AIなどにより全⾃動⼯場ができ、⼈の役割は⼯場にはない(5+1=6) • 何も与えずAIが⾃ら学び始める(0+6=6) • Input情報のみでOutputされる(3+0=3) • 既存の⽣産設備とは違う、有機的なものづくりラインが登場する (16+3=19) • ⾃⼰修復する「モノ」が登場する(7+0=7) • ものが有機物化し⾃⼰修復するようになる(5+1=6) • 有機的で⼈間的な装置が⽣まれる(3+1=4) • ⽣き物がつくる⽣産ライン(1+1=2) • ⼯場ライン・設備のシェア、ものづくり設備の⼩型化により、も のづくりの⺠主化が進む(6+0=6) • ⼯場ライン・設備のシェアやレンタルが始まる(⼤企業の概念が変わ る)(3+0=3) • ⾃宅でものづくりができる(3+0=3) 緑:ぜひとも起きてほしい変化の投票数 ⻘:起きてほしくない変化の投票数 5
補:未来のものづくりに影響のある変化の兆し 不確実なこと:起こるか、起こらないかわからないが、起こると影響の⼤きなこと ぜひとも起きてほしい変化(Top5) 1. 新しく⼈間にしかできないことが発⾒さ れる(8) 2. ⼈の直感、デザイン、アイデアが、AIに より⾃動化・共有され、成⻑する(7) 3.
⾃⼰修復する「モノ」が登場する(7) 4. AI、IoTによって研究から量産までの垣根 がなくなる(6) 5. AIなどにより全⾃動⼯場ができ、⼈の役 割は⼯場にはない(5)/ ものが有機物化 し⾃⼰修復するようになる(5) 起きてほしくない変化(Top5) 1. 国家主導型で⽣産能⼒が調整される (12) 2. ⽣産性指標が法律で規制される(11) 3. ⼈の仕事がすべてロボットに置き換わる (10) 4. ⼈間が半分ロボット化する(8) 5. 何も与えずAIが⾃ら学び始める(6) 6
未来のものづくりに影響のある変化の兆し 7 情報技術による⾮規格標準化部 品の持つ新たな合理性が、⼤量 ⽣産の優位性を揺るがしている マス・プロダクションから 「スマート・プロダクション」 の時代へ 多様なニーズに対応できる⽣産 ⽅式が実現される
AIで設計・⽣産の最適化ができ、 差別化が難しくなる 2016 2026〜 AI ・ロボットとの協働により、 ⼈間のできること・創り出せる ものが進化する ⽣産能⼒に対して、 国の⼲渉が強くなる AI・ロボットが急激に進化し、 ものづくり現場では既存の⼈間 の役割が激減する 既存の⽣産設備とは違う、 有機的なものづくりライン が登場する ⼯場ライン・設備のシェア、 ものづくり設備の⼩型化により、 ものづくりの⺠主化が進む 確実な兆し 不確実な兆し
未来のものづくりに影響のある変化に対して 求められる未来のものづくりの⽅向性 • 多様なニーズに応えるために、⼤量⽣産、多品種⼩ロット⽣産、 消費地⽣産に柔軟に対応できるようになる • 「マスプロ」は徹底的に効率化・省⼈化する • 開発サイクルをより早くする(アイデアをすぐモノにできるようにす る)
• 需要の⼆極化(⼤量低価格+少量⾼付加価値)の両⾯に対応する設備 を⽤意する • 現地需要に合わせた⽣産、消費地で⽣産できるようにする • 超オーダーメード(多品種⼩ロット)に応えられるようになる • 全⾃動化になるまでに、フレキシブルでコストが⾒合った⽣産技術を 獲得する • 価値創造⼒(企画⼒)を増強する • 「少量多品種」はアイデア数で勝負できるようになる • 企画・経営へのマンパワーを増加させる • Why?と問いかける能⼒を獲得する(⼈の役割はWhy?と問いかけるこ と)(⾮ロジカル部分) • 0→1の仕事をする • シーズからアイデアを⽣み出す⼈財を育てる • ⼈間能⼒を拡張するために、AIとの協調能⼒を⾼める • 賢いAIを開発する(最適な条件を⼊れる) • ⼈とAIの共存モデルを構築する(⼈とAI、AI同⼠の最適化) • ⼈間にしか考えつかない、今までにないパラメーター(例:幸せ度、 ⾯⽩度)を作る(ものづくりの前の価値作り) • より⼈間的、⾃然的なものづくりをする(AI進化により時間的余裕が ⽣まれるため) • ⼈とロボットの⾼次の協調環境を構築する(含むデバイス環境) • 異業種と共創する機会領域を広げる • 異業種協働を増やす • 異業種の⼈があつまる、ものづくりプラットフォームを構築する • C2Bのものづくりビジネスモデルを構築する • 未来の⾯⽩いを形にできると妄信する • ⼯場やサービスの⼈がやりたくない仕事をなくし、⾯⽩い仕事をする • 妄信する 8
⽣産技術部の活躍が掲載された時の新聞の⼀⾯ ⼤⾒出し 世界初オーダーメ イド型ガラス⽣産 プラント AGC100カ国で100 品種100ライン同時 ⽣産開始 AGCスーバー ビューンライン開
発成功! ⽇本の巧の技術、 翌⽇に世界へ 世界初「全⾯ガラ ス⾃動⾞」 地球初、AGC⽉⾯ でガラスを⽣産! ⼩⾒出し WEB上で⾃由に オーダー、3⽇後に 到着 業界初のスピード 開発に成功 開発期間1/100に (2年かかっていた が1週間に短縮) 巧の技術(感性) の数値パラメータ 化成功! あの◯◯◯に採⽤ 決定! AGC究極の省エネ 技術を開発 概要 • ◦◦⼯場でガラス製造 のマスカスタマイゼー ションを実現。 • 物流分野で◦◦と提携 し、最短3⽇で注⽂品 を顧客に届けられるよ うに。 • 社内システム⼀新は抵 抗があったが、◦◦、 ◦◦との協業で完成。 • 情報技術を駆使したシ ステム構築により、コ スト投資1/10で、開発 スピード10倍を実現。 • 異業種、協働他社ライ ンも活⽤。 • 宇宙開発も期待されて いる。各国からの問い 合わせも激増。⼤型の 3Dプリンターで⼯場 ごと射出も。 • ⼈⼯知能に創業120年 のAGCのデータ、ノウ ハウをすべて蓄積。 • フレキシブル⽣産ライ ンで、完全⾃動化の少 量⽣産にも対応。 • 企画から商品販売まで ノンストップでマネジ メントする新組織へ。 ⼈件費も激減。 • 技術者集団×巧による プロジェクトで練り上 げて完成。 • 巧の感性をセンシング する技術開発は困難を 極めたが、やりきった。 • 最適設計シミュレー ターも開発。 • 超軽量、超⾼強度。鉄 がガラスに置き換わっ ているが、軽さは樹脂 並で強度は鉄の2倍。 • 全⾯両⾯ガラスディス プレイで、インテリア は⾒たい映像を⾒られ るようになっている。 エクステリアも切り替 え可能。 • AGC、太陽光線照射の ための⼤⾯積ミラーを ⾃社開発。 • NASAと共同で⽉⾯に ガラス溶融設備を開発。 ガラスを⽉⾯基地他に 供給。 9
変化の兆しと未来のものづくりの⽅向性 全体構造 10 情報技術による⾮規格標準化部 品の持つ新たな合理性が、⼤量 ⽣産の優位性を揺るがしている マス・プロダクションから 「スマート・プロダクション」 の時代へ 多様なニーズに対応できる⽣産
⽅式が実現される AIで設計・⽣産の最適化ができ、 差別化が難しくなる 2016 2026〜 AI ・ロボットとの協働により、 ⼈間のできること・創り出せる ものが進化する ⽣産能⼒に対して、 国の⼲渉が強くなる AI・ロボットが急激に進化し、 ものづくり現場では既存の⼈間 の役割が激減する 既存の⽣産設備とは違う、 有機的なものづくりライン が登場する ⼯場ライン・設備のシェア、 ものづくり設備の⼩型化により、 ものづくりの⺠主化が進む マスカスタマイゼーション に対応する⽣産設備と能⼒ 異業種との共創能⼒ AIや情報技術との協調能⼒ 他社との⼯場ライン・設備 のシェアの仕組み 企画から商品販売まで ⼀気通貫の組織体制 新価値創造⼒ (夢と現実をつなぐ能⼒) リアリティを追求する 地味な努⼒を継続する⼒ 未来の⾯⽩いを形に できると妄信する⼒ 確実な兆し 不確実な兆し 獲得すべき能⼒ ありたい姿 世界初オーダーメ イド型ガラス⽣産 プラント AGC100カ国で100 品種100ライン同 時⽣産開始 AGCスーバー ビューンライン開 発成功! ⽇本の巧の技術、 翌⽇に世界へ 世界初「全⾯ガラ ス⾃動⾞」 地球初、AGC⽉⾯ でガラスを⽣産!
Appendix 11
未来の⽣産技術部に実現してほしいこと / ⾃分が実現したいこと • ⾺⿅者のアイデアをスモールスケールで実現すること • 選択の⾃由度(量、材料、場所…)と具現化速度の向上 の両⽴ • カスタマイズされた(⾃分にあった)モノを低コストで
実現してほしい • アイデアをすぐに実現(形に)する(アイデア企画→製 造・設計→モノをビューンと) • スピード、コスト、フレキシブルさを持った⽣産ライン の構築 • 新しいパラメータ(価値)を作って測定して形にしてほ しい。⼀個だけでも作ってほしい。⼯場まで⾏かなくて も物を作ってほしい • 分野/領域にとらわれずなんでも任せろ!と軽やかにハー ドルを⾶び越える(何でも実現) • NO(できない)と⾔わない⽣産技術部→これまでのノウ ハウ(AIに⼊れる)を使ってフレキシブルに実現させる ⼒持ち • 情報技術(AI、IoT、ICT)を駆使した、最⼤効率の⽣産 システム構築。売れるものの提案。ニーズの抽出とデザ イン(企画、開発)。⾼速設計 • 世界初の〇〇〇、世界唯⼀の〇〇〇、あの〇〇〇に採⽤、 有機的・持続・⾃然的なものづくり • 技術の差別化、真似のできない「モノ」を作る • 全⾃動化に負けないコア技術を持つ。新たな価値を作る • 欲しているものを作れる。世の中にないもの(形/仕組 み)を作る • 技術・ものに幅広い興味を持ち、新しいものを提案して いる部隊 12