Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
傾いたディラックコーンをもつ系における磁場中のエネルギー準位構造
Search
Kazu Ghalamkari
March 09, 2016
Research
0
570
傾いたディラックコーンをもつ系における磁場中のエネルギー準位構造
卒論発表
Kazu Ghalamkari
March 09, 2016
Tweet
Share
More Decks by Kazu Ghalamkari
See All by Kazu Ghalamkari
Matrix and Tensor Factorization for Machine Learning
gkazunii
0
350
Ph.D. defense "Convex Manifold Approximation for Tensors"
gkazunii
0
280
Non-negative low-rank approximations for multi-dimensional arrays on statistical manifold
gkazunii
2
150
(NII Open House 2022) 欠損値を含むデータからの高速パターン抽出
gkazunii
0
230
平均場近似を用いた非負テンソルの高速な低ランク近似法(StatsML Symposium'21, 招待講演)
gkazunii
2
540
(NII Open House 2021)ビックデータ時代のための情報の効率的な圧縮
gkazunii
0
160
(NII Open House 2020) 異なるアルゴリズムを同じ視点から眺めてみようー機械学習の幾何的解釈
gkazunii
0
240
Real-time_Hand_Gesture_Detection_and_Classification_Using_CNN.pdf
gkazunii
0
130
GradCAM
gkazunii
0
240
Other Decks in Research
See All in Research
SSII2024 [OS2] 大規模言語モデルとVision & Languageのこれから
ssii
PRO
5
1.4k
Weekly AI Agents News!
masatoto
21
16k
snlp2024_multiheadMoE
takase
0
310
初めての研究発表を成功させよう! スライド作成の基本
ayaco0
11
4.3k
自動運転・AIシステムの問題を賢く探す・賢く直す / Smart Search & Repair Techniques for Automated Driving Systems and AI Systems
ishikawafyu
0
180
SSII2024 [OS3] 企業における基盤モデル開発の実際
ssii
PRO
0
550
SSII2024 [TS3] 画像認識におけるマルチモーダル基盤モデル ~基盤モデル、あなたのタスクに役立つかも?~
ssii
PRO
0
1.1k
DroidKaigi CfP分析
yukihiromori
0
130
【ICASSP2024】音声変換に関する全論文まとめ【Parakeet株式会社】
supikiti
0
690
第60回名古屋CV・PRMU勉強会:CVPR2024論文紹介(Vision Transformer)
waka_90b
1
140
Isotropy, Clusters, and Classifiers
hpprc
2
440
Weekly AI Agents News! 7月号 論文のアーカイブ
masatoto
1
150
Featured
See All Featured
Music & Morning Musume
bryan
46
6k
Bash Introduction
62gerente
608
210k
CoffeeScript is Beautiful & I Never Want to Write Plain JavaScript Again
sstephenson
157
15k
Embracing the Ebb and Flow
colly
83
4.4k
What's in a price? How to price your products and services
michaelherold
241
11k
Design and Strategy: How to Deal with People Who Don’t "Get" Design
morganepeng
122
18k
Agile that works and the tools we love
rasmusluckow
327
20k
Speed Design
sergeychernyshev
18
400
Helping Users Find Their Own Way: Creating Modern Search Experiences
danielanewman
28
2.2k
Making Projects Easy
brettharned
113
5.8k
The Cult of Friendly URLs
andyhume
76
5.9k
StorybookのUI Testing Handbookを読んだ
zakiyama
25
5k
Transcript
傾いたディラックコーンをもつ系における 磁場中のエネルギー準位構造 12-041-016 ガラムカリ 和
目次 • ディラックコーン • 傾いたディラックコーン • 一様磁場中の傾いたディラックコーン • 六角格子系 ・この発表を通して電子のスピンは一切考慮しない
・扱う系は全て2次元系
ディラックコーン
2次元系のディラックコーン 自由電子の分散関係 ディラックコーン ∝ ±|| = ℏ2||2 2 ∝ 2
kx ky 例:グラフェン 2次元 kx ky
2次元系における磁場中の議論 自由電子の分散関係 ディラックコーン = ℎ + 1 2 = ±ℎ
= 0をみたす状態がある = 0をみたす状態がない = 0,1,2 ⋯ = 0,1,2 ⋯ 0 ⋯ ⋯ ⋯ 0 古典的にはサイクロトロン運動 →調和振動子の形に帰着 ゼロ点振動 ここに注目
ディラックコーンを実現する系の例 例:α-(BEDT-TTF)2 I3 傾いたディラックコーン 例:グラフェン(六方格子上にC原子を並べたシート) ディラックコーン ky ky kx kx
kx ky ky kx 傾いたディラックコーンに磁場を与えた時のゼロエネルギー準位を調べる J. Phys. Soc. Jpn. 78 (2009) 114711
傾いたディラックコーンについて調べる
傾いていないディラックコーン = 0 − + 0 = ± 2 +
2 = ± ディラックコーンを実現するハミルトニアン ディラックコーンの分散関係 kx ky サブ格子A サブ格子B
傾いたディラックコーン = − + = ± 2 + 2 =
± 傾いたディラックコーンを実現するハミルトニアン 傾いたディラックコーンの分散関係 ∈ ℝ
ディラックコーンを傾かせる。 = ± || kx ky = 0 に対してを大きくするとコーンが傾く =
0.6 = 1 倒れ切る 母線
ディラックコーンに磁場をかける = 0 − + 0 磁場なし 一様な磁場B=(0,0,B)を印加。 = 0,
, 0 = 0 − ( +) + ( +) 0 → − 非可換性をどうするか [, ] =
ディラックコーンに磁場をかける 一様な磁場B=(0,0,B)を与える。 = 0, , 0 = 0 − (
+) + ( +) 0 = 2 0 † 0 0 = 0 0 が基底状態 0 = 2 0 † 0 0 0 = 0 エネルギー0の準位が存在することを確認した。 0 0 :調和振動子の基底状態 , † = 1 調和振動子の昇降演算子 = 1 2 ( − − )
傾いたディラックコーンに磁場をかける = − + 磁場なし 一様な磁場B=(0,0,B)を印加。 = 0, , 0
= ( +) − ( +) + ( +) ( + ) → − 解けてる [, ] =
傾いたディラックコーンに磁場をかける 一様な磁場B=(0,0,B)を印加。 = 0, , 0 = ( +) −
( +) + ( +) ( + ) = 2 − 2 († − ) † − 2 († − ) ゼロエネルギー状態が現れるかは分からない。 →傾いたディラックコーンを実現するモデルを考える →そこに磁場を与えた時のスペクトルを数値的に求める , † = 1
六角格子系
傾いたディラックコーンを実現するモデル 第1隣接へのHopping 1 > 0 第2隣接へのHopping 2 ≥ 0 電子は第1隣接と第2隣接の一部にとびうつる
グラフェンをベースにした六角格子モデル サイト数 2N2 周期境界条件 − − −
六角格子系のバンド構造 1 = 1, 2 = 0 六角格子系のハミルトニアン −22 [cos
⋅ 1 + cos(・2 )] ∑ [cos ⋅ − sin ⋅ ] ∑ [cos ⋅ + sin ⋅ ] −22 [cos ⋅ 1 + cos(・2 )] = ディラックポイント近傍でのバンド構造 1 = 1, 2 = 0.5 1 = 1, 2 = 0 1 : 2 = 1: 0.5でコーンが倒れ切る
六角格子系に一様磁場を与える とびうつりの経路に沿った の線積分 だけ位相がズレる。 Hopping 1 → exp ℎ
・ 1 2 → exp ℎ ・ 2 = 0,0, サイト数 2N2 = 0, , 0 実空間でのハミルトニアンを書き下して数値計算 周期境界条件より = 2 ℏ ∈ ℤ フーリエ変換ができない。
対角化する7200次元行列 0 1 0 0 −1 0 1 0 0
−1 0 1 0 0 −1 0 0 21 0 0 −21 0 21 0 0 −21 0 21 0 0 −21 0 1 3 2 2 0 0 − 3 2 2 1 3 2 2 0 0 − 3 2 2 1 1 2 2 0 0 − 3 22 1 1 3 22 0 0 − 3 2 2 1 3 2 2 0 0 − 3 2 2 1 3 2 2 0 0 − 3 21 1 ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ ⋯ = = 1, ℏ = 1
六角格子系に磁場を与えた系のスペクトル (磁場) E 2 = 0(コーンは傾いていない), = 60の場合 = 1で2
を動かしていく エネルギーゼロの準位がある
六角格子系に磁場を与えた系のスペクトル 2 (傾き具合) E = 60, = 1, 1 =
1 1 /2 連続したスペクトルに埋没 傾くとゼロエネルギー準位がなくなる 注目
まとめ ・コーンを倒すとゼロエネルギー準位が消える。 ・ゼロエネルギー準位につながる孤立準位は残る。 ・コーンが倒れ切ると孤立準位は連続した準位に埋没する。 今後の課題 ・倒れ切る直前までの解析解と比較する。 E 2 (傾き具合) 1
2
どのように数値計算したか • 六方格子系を正方格子系に帰着させた。 質問用
どのように数値計算したか (0,0) 格子点 , に粒子がある状態 | ۧ , 境界条件 |
ۧ , = | ۧ + , | ۧ , = | ۧ , + = −1 ∑, | ۧ , ۦ + 1, | + | ۧ , ۦ − 1, | −2 ∑, | ۧ , ۦ − 1, + 1| + | ۧ , ۦ + 1, + 1| + H. c. Hopping 1 → exp ℎ ・ 1 2 → exp ℎ ・ 2 −1 ∑, | ۧ , ۦ, + 1| + | ۧ , ۦ, − 1| 偶奇が不一致のときのみ この系のハミルトニアン , の偶奇が一致のときのみ足す 質問用
傾いたコーンに磁場を与えた場合の解析解 傾いた2次元ディラックコーンに磁場をあたえた系 = sgn() 23|| < で解析的に解けた。 = 1 −
2 ∈ ℤ コーンが倒れ切った時の準位の様子はわからない 質問用 傾いたコーンに一様な磁場B=(0,0,B)を印加。 = ( +) − ( +) + ( +) ( + ) → − = 0, , 0
パイエルス位相について 質問用 = 2 2 + () 12 = න∗
− 1 ( − ) − :Rに局在した電子の波動関数 = ( − )2 2 + () 12 = න − ℎ∗ − − 2 2 + ℎ( − 2 ) = ℏ ′ ・ න ∗ − 1 2 2 + ( − 2 ) 結晶格子中でベクトルポテンシャルは不変であることを用いた。 磁場がない場合 磁場がある場合 = න ・ 磁場がある時に1 に 局在した波動関数
リフシッツ転移 = でコーンが倒れ切る = 0 = 電子が下のコーンを全て占有している状態を考える 状態密度が小さい 状態密度が 突然大きくなる
ky kx 予備
リフシッツ転移 (傾き具合) 比熱 0 比熱などの量が不連続に変化。 予備