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開発トップのマネジメント: 採用からオンボーディングで始まる一貫した生産性向上戦略

開発トップのマネジメント: 採用からオンボーディングで始まる一貫した生産性向上戦略

開発生産性カンファレンス2024の登壇資料です。
https://dev-productivity-con.findy-code.io/2024

haruki

June 30, 2024
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  1. Copyright ©2024 hokan, Inc. All rights reserved. 1 hokanについて ⾃⼰紹介

    開発組織の課題と取り組み 今後の戦略 まとめ 3
  2. Copyright ©2024 hokan, Inc. All rights reserved. 保険業界を更新(アップデート)し、⾰新(アップグレード)する 我々には志と使命があります。 それは、保険業界を更新し⾰新すること。

    全世界でInsurTech、インシュアテック=保険とテクノロジーの融合により更なる発展をしています。 国内においてもオンライン募集の解禁などチャネルの多様化も進み、⽣成AIの導⼊も始まるなど技術⾰新により ⼀層の変化が進んでいます。 我々は最善のプロダクトとサービスを通じて、皆様と共に保険業界に「更新」と「⾰新」をもたらしていきます。 hokanについて/Mission 4
  3. Copyright ©2024 hokan, Inc. All rights reserved. hokanについて / 会社概要

    会社名 株式会社hokan 設⽴ 2017年8⽉1⽇ 従業員数 69名(2024年5⽉1⽇現在) 所在地 〒103-0026 東京都中央区⽇本橋兜町9­1 兜町第2平和ビル FinGATE BLOOM 5F 5
  4. Copyright ©2024 hokan, Inc. All rights reserved. 会社について / 沿⾰

    2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年 2017年8月 株式会社hokan 創業 従業員数2名 2018年2月 大手町ビル FINOLAB オフィス設立 シードラウン ドで6,000万円 の資金調達 従業員数7名 2019年1月 hokan®正式リリース テスト販売開始 従業員数10名 2020年9月 シリーズAラウ ンド2.5億円資 金調達 従業員数12名 2021年4月 保険代理店の経営情 報を可視化するダッ シュボード機能リリ ース 従業員数18名 2022年4月 企業代理店へ hokan®導入開始 従業員数44名 2023年4月 FinGATE BLOOM へ オフィス移転 従業員数53名 従業員数69名 2018年11月 プレシリーズA ラウンド1.4億 円資金調達 2019年5月 保険業界特化データ 連携機能リリース 2019年7月 保険業界特化態勢整 備機能リリース 2023年7月 入出金管理や精算業務 に特化した新プロダク トhokan出納リリース 2023年10月 シリーズBラウ ンド 総額15億 円資金調達 6 累計調達額約20億
  5. Copyright ©2024 hokan, Inc. All rights reserved. 2 7 hokanについて

    ⾃⼰紹介 開発組織の課題と取り組み 今後の戦略 まとめ
  6. ⾃⼰紹介 横塚 出 取締役副社⻑CTO 東京⼯業⼤学社会⼯学部卒。 ・⼤学在学中にシステム開発会社、教育系会社を 創業。 ・ダイアログにて、アパレル、介護、物流業界等 でITコンサルとシステム開発を担当。 ・リクルートにて飲⾷店向けSaaSサービスの新規

    プロダクト⽴ち上げに参画。 ・2018年2⽉にhokanに参画し、プロダクト開 発・開発組織のマネジメントを⾏い、2019年6⽉ に取締役CTOに就任。 ・2024年4⽉24⽇付で取締役副社⻑CTOに就任
  7. ⾃⼰紹介 愛知県名古屋市出⾝ 1989⽣まれ • ビジネスエンジニアリング株式会社 • タイムチケット • MUGENUP(システム部⻑) •

    D2Cスタートアップ • hokan 2021年9⽉hokanにエンジニアリングマネージャーとして ⼊社し、エンジニア採⽤とマネジメントに従事 2022年12⽉に全社の⼈事責任者 2024年6⽉に再びエンジニアリングマネージャーとして開 発組織のマネジメントに従事 趣味︓ボクシング SNS︓@tonarinoharuki 前島治樹 エンジニアリングマネージャー
  8. Copyright ©2024 hokan, Inc. All rights reserved. 3 hokanについて ⾃⼰紹介

    開発組織の課題と取り組み 今後の戦略 まとめ 10
  9. © 株式会社hokan, 2024 現状の問題と理想 プロジェ クト マネジメ ント プロダク ト

    マネジメ ント テクノロ ジー マネジメ ント ピープルマネジメント ピープルマネジメ ントが最も薄い状 態、スプリントや 技術選定にも影響 プロジェ クト マネジメ ント プロダク ト マネジメ ント テクノロ ジー マネジメ ント ピープルマネジメント 現状 目指す姿 16
  10. © 株式会社hokan, 2024 現状の問題と中期リスクの概要 ೥2 ೥2 ࠾༻࠾༻޿ใ ਓࡐڭҭɾҭ ੒ ։ൃੜ࢈ੑ

    ೥2 ・短期的な解決策としてターゲット 組織全体の課題認識や共感性の⽋如 共感性や課題認識ができず短期で 離職と離脱がハイレイヤーも発⽣ 開発組織の閉鎖性から⺟集団形 成が困難 ・エンジニアとしての成⻑の⾒通し ・負債解消の⽅向性がない ・エンジニアとしての挑戦が⾒えない ・コミュニケーション不⾜による⼯数 圧迫 エンゲージメント低下 開発意欲が低下 踏ん張れるエンジニアで頑張り続 けて疲弊状態でパフォーマンス低 下 スキルとナレッジが定着せず開発 組織が成⻑しない プロダクト品質の低下 無理にリリースする状態 17
  11. © 株式会社hokan, 2024 ⽣産性向上に向けたジャーニーマップ 採⽤要件 環境適応 開発ONB チームONB スキル向上 キャリア構築

    ⽣産性向上 成果︓SP〇〇の 開発 新しいキャリア hokan⼊社前~⼊社3ヶ⽉ ⼊社3ヶ⽉以上 hokan退職後 退職後コミュニケ ーション 20 ① ②
  12. © 株式会社hokan, 2024 採⽤要件の⾒直し⽅ バリュー基準 環境適応性 開発スキル Elite ・カルチャーマッチ ・パーソナリティ

    自身で道を切り開く能力 得意領域でスペシャリストとして活躍(社内役職、資格) ・考えながら仕事をしている ・社会人スキル:エンプラの顧客コミュニケーション ・出身企業:大手SIer、ITコンサル経由、メガベンチャー ・ドメイン知識:保険ドメインや特定業界 理解、技術領域に関する知識。 ・技術的スキル:フルスタック、要件定義 ・要件を聞いた段階でイメージの中では実 装が完了している High ・カルチャーマッチ ・パーソナリティ 自身の置かれた状況で期待以上の成果を出す努力 キャリアや成功のイメージが明確 ・考えながら仕事をしている ・社会人スキル:エンプラの顧客コミュニケーション ・出身企業:大手SIer、toBプロダクトベンチャー ・ドメイン知識:保険ドメインや特定業界 理解、技術領域に関する知識。 ・技術的スキル:フロント&バックエンド、 インフラ ・要件を聞いた段階で何を実装すれば良い か設計までイメージできている Middle ・カルチャーマッチ ・パーソナリティ 一つ一つ業務を着実にこなして目標達成に向けた自立性 ・社会人スキル:toBシステム開発 ・出身企業:地方・中堅SIer、toB案件の受託、シリーズA前後スタートアッ プ ドメイン知識:得意な技術領域に関する知 識。 技術的スキル:フロント、バックエンドど ちらかで複数言語 ・要件を聞いて、なんとなく実装イメージ がわいている 21
  13. © 株式会社hokan, 2024 ⼊社エンジニアのセグメント別ONB バリュー基準 想定年収 環境適応 例:開発ONB チームONB Elite

    800万〜1200万 ・環境適応への準備 ・会社理解 ・業界理解 ・開発理解 各プロダクト機能のユースケース 1ヶ月後デモンストレーション 1ヶ月後の明確な目標設定 High 600万~800万 ・環境適応への準備 ・会社理解 ・業界理解 ・開発理解 バグバッシュデイ: 新入社員が入社初期にバグバッシュ デイに参加し、既存のバグを修正する ペアプロ:メンターによるSPの1~3の開発を一緒に行う 1ヶ月での成果振り返り 2ヶ月後の明確な目標設定 Middle 500万~700万 ・環境適応への準備 ・会社理解 ・業界理解 ・開発理解 ・hokanで働く上でのスタンス浸 透 バグバッシュデイ: 新入社員が入社初期にバグバッシュ デイに参加し、既存のバグを修正する ペアプロ:メンターによるSPの1~3の開発を一緒に行う ドキュメントの更新 デモンストレーション 3ヶ月後の明確な目標設定 それぞれのセグメントの認識合わせ、ONBへの投資対効果の把握 22
  14. © 株式会社hokan, 2024 バリューとは何か 1. バリュー創出の期間 a. 推奨期間: エンジニアは⼊社後1〜3ヶ⽉以内に顕著なバリューを出すことが期待される。 i.

    プロダクトの理解、チームにおける役割の把握、SP8のチケットを対応できるようになるなど初期の成果の提供が含 まれます。 2. 初期投資期間と投資内容 a. 投資期間: 最初の1~3ヶ⽉間は投資期間とし、以下に重点を置きます。 i. カルチャー: 企業⽂化の理解と適応。 ii. ドメイン知識: 保険ドメインや特定の技術領域に関する知識。 iii. 技術的スキル: 必要な技術スタックのトレーニング。 3. エンジニアの初期の成果創出において重要な要素 a. ⼀番⼤事なこと: オンボーディングプロセスの充実。 b. 新⼊社員向けの包括的なオンボーディングプログラムを提供 c. 教育とすり合わせ: 技術トレーニング、メンター制度、定期的なフィードバックセッション。 4. 平均勤続年数と投資回収期間 a. 平均勤続年数: 2年。 b. 投資回収期間: エンジニアが初期投資を回収し、事業に対してプラスのROIを提供するまでの期間は通常1年以内が⽬標 23
  15. © 株式会社hokan, 2024 ⼀⼈当たりの投資回収期間の例 合計初期投資コスト:1200万 合計収益︓1300万 投資回収期間︓0.923年(約11ヶ⽉) 初期投資コストの例(⼀⼈当たり) • 採⽤コスト:

    250万(年間) • オンボーディングコスト: 50万 • 給与と福利厚⽣: 8,000,000(年間) 合計初期投資コスト: 250万 + 50万+ 800万 = 1200万 エンジニアの⽣産性による収益増加(⼀⼈当たり)の計算(直接ARRで⾒積もれないため間接的な要素として最終的にはARRに貢献する) • 新機能開発︓年間800万 • 新機能がもたらす新規顧客の獲得や既存顧客の満⾜度向上。 • パフォーマンス改善︓年間100万 • システムの効率化によるコスト削減や顧客のリテンション率向上。 • 技術的負債の解消︓年間200万 • メンテナンスコストの削減やバグ修正による顧客満⾜度向上。 • プロセス改善︓年間100万 • 開発サイクルの短縮と効率化によるリリース機能の増加。 24
  16. © 株式会社hokan, 2024 早期バリュー創出のために⾏うこと • 早期のバリュー創出: a. 新しいエンジニアが最初の3ヶ⽉以内に⼩さなプロジェクトで 成果を出す。 i.

    会社理解と業界理解 1. ⼊社前から的確なオンボーディングプログラムを提供 し、hokanカルチャー、歴史とドメイン知識の習得を ⽀援。 b. 継続的な教育とサポート: メンター制度や1on1、定期的なトレ ーニングを通じて、新⼊社員が開発理解を早々にでき早期に⾼ いパフォーマンスを発揮できるようにサポート。 27
  17. © 株式会社hokan, 2024 オンボーディングにおける各領域の優先度 • 会社の戦略理解 a. ミッションとバリュー: hokanの企業理念、⻑期的な⽬標、成⻑計画。 b.

    カルチャー︓歴史、誰が誰とどういう関係値か、どういう⼈が評価されるか、会 話スタンス • ドメイン理解 a. 業界理解: 保険業界の全体像、規制、トレンド、競合他社。 b. 業務プロセス理解: 保険代理店の業務フロー、顧客管理、契約管理。 1. 保険商品知識︓各種保険商品(⽣命保険、損害保険など)の特徴、契約。 2. 業務フロー︓保険契約の提案から契約締結、アフターフォローまでのプロセス。 c. プロダクト理解: hokanの具体的な使い⽅、機能、設定⽅法、オプション。 i. 機能理解: hokanの主要機能(顧客管理、契約管理、案件管理、ダッシュボードなど) の理解。 ii. 操作⽅法: hokanのUI/UX、設定⽅法。 • テクノロジー理解 a. hokanが使⽤する技術スタックや開発ツールの勉強会 i. バックエンド、フロント、インフラに分解して個々に不安点がある技術領域 28
  18. © 株式会社hokan, 2024 会社の理解がオンボーディングにおいて最も重要な理由 1. 企業⽂化への適応 • カルチャーや⼈間関係を理解することで、迅速に職場に適応しやすくなる。会社の価値観、 SAHO、期待される⾏動などを理解することで⽇常の業務やチーム内でのコラボレーション が円滑になる。

    2. エンゲージメントの向上 • hokanのカルチャー、社会貢献、個⼈のwillと会社の⽅向性の⼀致を理解することで、新⼊社 員は⾃分の仕事が会社の成功にどのように貢献するかを理解できる。 • ⽬標設定や優先順位の付け⽅が明確になる。 3. コミュニケーションパスの円滑化 • 価値観や期待される⾏動、⼈間関係を理解することで、社内でのコミュニケーションが円滑 になります。これにより、不安感や誤解、摩擦を減らし効率的な業務遂⾏を⽀援する。 29
  19. © 株式会社hokan, 2024 hokan⼊社社員セグメントごとのオンボーディングとゴール セグメント オンボーディング ゴール Elite ・プログラム: 会社理解、業界理解、開発理解との差分を

    軸に提供。 ・メンター制度: EMによる毎週1on1設定 ・チームコミュニケーション︓全体1on1、ご飯 ・ドキュメント: 詳細なマニュアル、FAQ、内部Wikiの提 供。 ・学んだことをチームに対してプレゼン、理解度を 確認 ・具体的なキャリアマップが描けている ・1ヶ⽉で⼀つストーリー(SP5)を開発してリリース ・2スプリント⽬でSP8~13の開発のリリース⽬処 が⽴っている High ・プログラム: 会社理解、業界理解、開発理解との差分を 軸に提供。 ・メンター制度: EMによる2ヶ⽉毎週1on1設定 ・チームコミュニケーション︓全体1on1、ペアプロ、ご飯 ・ドキュメント: 詳細なマニュアル、FAQ、内部Wikiの提 供。 ・学んだことをチームにプレゼン、理解度を確認 ・2ヶ⽉で⼀つストーリーを開発着⼿ ・バグバッシュデイ: 新⼊社員が⼊社初期にバグバ ッシュデイに参加し、既存のバグを修正 ・3ヶ⽉でSP5~8の開発のリリースメドが⽴ってい る Middle ・プログラム: 環境適応とプロダクトとの 技術スタックとの差分を軸に提供。 ・メンター制度: EMによる3ヶ⽉毎週1on1設定 ・チームコミュニケーション︓モブプロ、ペアプロ、ご飯 ・ドキュメント: 詳細なマニュアル、FAQ、内部Wikiの提 供。 ・学んだことをチームに対してプレゼンさせて、理 解度を確認 ・3ヶ⽉で⼀つストーリー(SP3)を開発着⼿ ・バグバッシュデイ: 新⼊社員が⼊社初期にバグバ ッシュデイに参加し、既存のバグを修正 ・Tech div内でプロダクトdemo 30
  20. © 株式会社hokan, 2024 hokan⼊社中社員(試⽤期間後)セグメントごとのコミュニケーション設計 セグメント M1〜M2 S1~S3 ⾃⾛ ・毎週の1on1(昇格から3ヶ⽉) ・幹部勉強会

    ・登壇機会 ・隔週ot毎週1on1 ・マネジメントトラックによる ・キャリア構築 ・Q定期懇親会設計(withCTO) ・montly ランチ( withリーダー、 EM、div⻑) 要育成 ・毎週1on1 ・div⻑、EMから継続サポート ・マネージャー勉強会 ・毎週1on1 ・キャリア構築とスキル教育 ・個々の⾃⼰分析プランの策定 ・定期懇親会(withリーダー、EM) 31
  21. © 株式会社hokan, 2024 コミュニケーション設計改善による想定の成果指標 • 既存社員 ◦ ストーリーポイント合計 ◦ サイクルタイムの改善

    ◦ レビュー対応スピード • ⼊社社員 ◦ オンボーディング後の開発リードタイム ◦ オンボーディング期間終了から最初のスプリントのSP ◦ サーベイによる満⾜度 • 全体 ◦ slackレスポンススピード ◦ 発⾔量 32
  22. © 株式会社hokan, 2024 プレボーディングブックとは プレボーディング ブック共有 ⼊社前(1~3ヶ⽉) ブック読了 ⼊社前(1~3ヶ⽉) 理解度確認

    ⼊社初⽇ 課題 • 情報提供不⾜: 新⼊社員が⼊社前に必要な情報が不⾜している。 ◦ 会社理解 ◦ 業界理解 ◦ 開発理解 • 期待のすり合わせ:新⼊社員と会社側の期待が⼀致していない。 スムーズにhokanでのキャリアをスタートできるよう、必要な情報を提供する 33
  23. © 株式会社hokan, 2024 オンボーディングプロセスの基本設計 3ヶ⽉でバリューを出すためには インプット 学習 アウトプット ⼊社社員がアウトプットを出すためには、インプットと学習⽀援、インプットからアウトプットへの変換率を上げるこ とが必要

    • インプット a. トレーニングセッション: 新⼊社員向けのオンボーディング・トレーニングプログラムの提供。 b. メンター: hokan社員による1on1、ペアプロ、交流の場設計 c. ドキュメント: 詳細なマニュアル、FAQ、内部Wikiの提供。 • アウトプット a. OJT研修: 実際のプロジェクトに参加させ、実務を通じて開発 b. フィードバックセッション: 定期的な1on1ミーティングで書いたコードをチーム内でレビュー、コミュ ニケーション、スタンスにおけるフィードバックを提供。 c. デモンストレーション: Tech divにプロダクトについて実際にデモンストレーション d. 学んだことをチームに対してプレゼンさせて、理解度を確認 35
  24. © 株式会社hokan, 2024 オンボーディングプロセスの詳細設計 共通オンボーディングフロー 初回1on1 プランニング フォローアップ • 初回1on1事前準備

    ◦ コミュニケーションガイドラインから質問リストを作成 ◦ 過去の経歴、チーム経験を事前に把握しておく • 初回1on1 ◦ エンジニアの過去から現在の理解 ◦ ファクトの収集 • プランニング ◦ 以下の三つの軸でプラン ▪ 会社理解・適応 ▪ 業界理解 ▪ 開発理解 • フォローアップ 36
  25. © 株式会社hokan, 2024 コミュニケーションガイドライン • 基本ルール ◦ プライベートな内容は⾃分から聞かない。ログを取らない ◦ 個⼈の状況、課題に合わせて傾聴

    ◦ 静かな環境で参加する ◦ 1on1中はカメラをつけ、カメラオフやミュートは原則しない ◦ 1on1の内容はkaonaviで集積する • 基本的な質問集(以下をそのまま誰にでも当てはめてそのままの表現で質問しないこと︕︕︕) ◦ 例︓ ▪ 上⻑について、マネージャーについて • あなたの仕事をサポートするために、私がもっとできることは何ですか︖ • フィードバックはどういう形で受け取るのが好きですか︖ ▪ コミュニケーション • 最近⼀番話しているのは誰ですか︖ • 最近全然話していない⼈はいますか︖ 1on1するマネージャー以上が同じクオリティでできるようにする 37
  26. © 株式会社hokan, 2024 オンボーディング期間の具体的なアウトプット • 仕様理解 a. バグ修正 i. 既存システムのバグを修正し、ソフトウェアの品質を向上

    1. ⽬的︓インシデントへの対応スピードの⼟台作り b. ⼩規模な機能追加 i. ユーザーに直接的な価値を提供する⼩さな機能を追加。 1. ⽬的︓SP8以上のチケットを対応できるようにする仕様把握 c. コードのリファクタリング i. 依存関係の少ないコードのリファクタリング 1. ⽬的︓今のコードの課題について理解 d. テストケースの作成 i. 単体テストやE2Eテストを追加し、システムの信頼性を向上させる。 • ドキュメントの更新 a. プロジェクトドキュメントを整理し、チームの⽣産性を向上させる。 38
  27. © 株式会社hokan, 2024 オンボーディング期間の評価指標 39 成果指標 ⽬的 評価 プレボ理解度 ⼊社前の最低限のインプットを終え、

    ONBへの理解度を上げやすくする。 プレボの理解度(S~D) 初期タスクの完了 環境設定や初期コード変更を迅速か つ正確に完了することで、開発する 環境にスムーズに適応し早期に開発 可能な状態になること。 初期タスクの完了率or 完了時間 チームへの統合 チームメンバーとの初期コミュニケ ーションを活発化させ、早期にチー ムの⼀員として認識されること。 ・⾃⼰紹介1on1の実施率 ・全体1on1後のコミュニケーションパスの増減 フィードバックの質と量 オンボーディングプロセスの改善点 を早期に収集し、適応することで、 プロセスを迅速に最適化すること。 ONB対象者からのフィードバック内容と量 GitHubのプルリクエストのリードタイム プルリクエストのオープンからマー ジまでの時間を計測し、通常の開発 フローに適応できるか判断するため ・コミットからオープンまでの平均時間 ・オープンからレビュー依頼までの平均時間。 ・マージまでのリードタイム ※スプリントと関係ない開発も考慮。
  28. © 株式会社hokan, 2024 ・等級 hokanでは「役割(ミッション)」基準の等級制度でであり、ミッショングレード制とな る。 「役割(ミッション)」とは職責を果たすために、期待される⾏動を簡潔に⽰したもの。 たとえ能⼒があってもその役割を果たしていなければ、その等級の評価は受けられない。 役割(ミッション)ベースの等級制度である。 必ずしも「等級=役職」ではなく、期待役割に応じて等級を上げていくため「等級≒役

    職」ケースもあります。役職・ポストに関係なく、等級を上げていくことができる柔軟性 を持たせた設計となります。 ・役職 会社が定める、役割・期待・責任範囲・求められる能⼒・経験といったものの基準に段階 で分けたものを「役職」と呼ぶ。 Tech Div.においての分類は以下の通り。別途、等級によっては全社指定の役職「Div ⻑」「室⻑」などの任命もある。 等級・役職とは 46
  29. © 株式会社hokan, 2024 職種・役職定義 等級 役割・期待 参考能⼒・資格・要件 E1~ VPoE ・会社の競争⼒の源泉につながる技術貢献を⾏っている

    ・⼈材市場において得難い、希少な技術能⼒を保有している ・会社のビジネス戦略を理解した上で、技術戦略を⽰すことができる ・特定の技術に関する偏りない技術理解があり、会社が保有していない新しい技術も、短 期間でいち早く習得し、組織への技術浸透を⾏うことができる ・技術選定や設計におけるバランス感覚を保有しており、様々な意⾒、考えに対して柔軟 に取り⼊れる発想を持ち、豊富な実績からエンジニアのロールモデルとして尊敬される対 象として期待される ・M3までの期待役割、ミッ ションを継続的に達成する ことのみを条件とし役員に 選任される M3 シニアEM ・組織全体に関わるエンジニア採⽤戦略、組織戦略を策定できる ・事業成⻑の強みにつながる開発⽣産性の最⼤化のノウハウを他社事例踏まえて持ってお り、hokanの開発⽣産性を向上できる ・複数事業、プロダクトの開発戦略の改善を通じて、⽣産性の最⼤化に貢献している ・設計レビュー、開発プロセスのレビューといった業務を通じてだけでなく、⾼度にフィ ードバックや1on1⽬標設定を各チームに実⾏責任を果たせる。 ・チームごとの組織課題を早期に予測し、解決⽅針を各リーダーとともに認識合わせ、実 ⾏をする役割が期待される ・⾃分が関与していない他プロジェクトの⼯数⾒積に対して能動的にレビューを役割が期 待される ・スキルマトリクスの開発 スキル平均4以上 ・その他のスキル平均5以上 47
  30. © 株式会社hokan, 2024 職種・役職定義 マネジメント 等級 役割・期待 参考能⼒・資格・要件 M2 エンジニアリングマ

    ネージャー ・⾃分のチームのエンジニアの採⽤戦略を策定し、実⾏に移せる ・組織全体の強みにつながるような、開発標準、開発プロセスの改善による、⽣産性の最⼤化のノウ ハウを保有している ・社内標準な技術を持つエンジニアと⽐較した場合に、⼀つの⽬安として2.5倍以上の⽣産性を発揮 している ・開発プロセス(KPT、Daily Meeting、ブランチ戦略、issue/Pull Requestの運⽤など)の改善 を通じて、⽣産性の最⼤化に貢献している ・設計レビュー、開発プロセスのレビューといった業務を通じてだけでなく、⾯談やSlackにおいて、 メンバーからの技術的な質問に答えたり、能⼒開発に関するアドバイス、指導を⾏う役割が期待され る ・⾃分が関与していない他プロジェクトの⼯数⾒積に対して能動的にレビューを役割が期待される ・スキルマトリクスの開発スキ ル平均4以上 ・その他のスキル平均4.5以上 M1 エンジニアリングリ ード ・⾃チームのエンジニア採⽤について、⾒極めができる ・特定のプロダクトやメンバーとだけでなく、性質の異なるプロダクトや性格が異なるメンバーとで も、技術的な専⾨性とリーダーシップを発揮してメンバーをリードできる ・チーム開発におけるプロセス、情報共有の⽅法や、会議設計について、⽅針を策定して⼿本を⽰し てリードすることができる ・メンバーのコードレビューの実施を通じて、品質担保と育成を実施するという意識を持って業務を 遂⾏できている ・リードエンジニアの能⼒に合わせて上⼿くリードエンジニア業務を分担した上で、育成観点で⽀援 やアドバイスを⾏うことができている ・コミュニケーションをとり、バランスをとった仕様調整を⾏うことができる ・⾒積りに対してレビューを能動的に⾏う役割が期待される ・スキルマトリクスの開発スキ ル平均4以上 ・その他のスキル平均4以上 48
  31. © 株式会社hokan, 2024 職種・役職定義 プロフェッショナル 等級 役割・期待 参考能⼒・資格・要件 P+ VPoT

    ・経営視点を持って技術戦略を提案し実行に移すために、開発部門に説明責任を 果たすことができる ・会社のビジネス戦略を理解した上で、技術戦略を示すことができる ・組織の競争力の源泉になる技術設計の勝ちパターンを構築し、組織知として展 開している ・hokanのトップ技術者として後進が育つエンジニア育成戦略に責任を果たす ・P3までの期待役割、ミ ッションを継続的に達成 することのみを条件とし 役員に選任される ・メンバーからの信頼も あること P3 シニアテック マネージャー シニアQAマ ネージャー ・社内標準な技術を持つエンジニアと比較した場合に3倍以上の生産性を発揮し ている ・サーバーサイド、モバイル、フロントエンド、SRE、デザインの6つの技術分野 のうち、3つの分野で社内でもトップレベルの技術力、豊富な知識を持つ ・その中でも特定の技術分野に関しては、業界、コミュニティでも先端の技術レ ベルを持つ ・幅広い技術分野あるいは複数プロダクトを横断した設計、実装を同時に行うこ とができ、通常では発揮できないプロジェクトのクオリティ、アジリティの実現と 高い生産性の発揮をすることができている ・技術選定や設計におけるバランス感覚を保有しており、様々な意見、考えに対 して柔軟に取り入れる発想を持ち、豊富な実績からエンジニアのロールモデルと して尊敬される対象として期待される ・複数の特定技術分野に 関して(※目安としては 一つの分野で5年以上の 習熟した経験を持ち)、 それぞれが社内でもトッ プレベルの技術力、豊富 な知識を持つ ・その中でも特定の技術 分野に関しては、業界、 コミュニティでも先端の 技術レベルを持つ(※目 安としては10年以上の習 熟した経験を持ち) 49
  32. © 株式会社hokan, 2024 職種・役職定義 等級 役割・期待 参考能力・資格・要件 P2 テックマネージャ ー

    QAマネージャー ・本部長など意思決定者と議論した上で、開発をリードできている ・要件定義、設計、実装、テスト、障害対応など、開発で求められる幅広い領域での役割を行う事 ができる ・新しい技術やサービスに対する知識習得に対して積極的であり、影響ないシステムで検証した上 で、技術のライフサイクルをおさえた技術選定を行う事ができている ・特定のプロダクト、チームだけでなく、会社全体に関与して、組織に貢献することができている ・登壇、書籍出版、雑誌寄稿など情報発信を行い会社の技術広報の貢献も期待される ・外部コミュニティとのネットワーキングを定期的に行い、最新の技術情報を獲得できている ・技術的な英語でのやり取り (読み書き) ・低レイヤーな技術についても 知見がありディスカッション可 能 ・スキルマトリクスの平均4以 上 ◆参考資格スキル ・IPAシステムアーキテクト試 験(SA) ・AWS 認定ソリューションア ーキテクト プロフェッショナ ル P1 テックリード QAリード ・複数の言語、技術標準選定、アプリケーション開発の経験だけでなく、インフラ含めたシステム 全体の設計を行う事ができる ・アーキテクチャの拡張性やライフサイクルを考慮した設計を行う事ができる ・システム開発全体の標準(プロセス、ドキュメント体系、採用技術)について、最適な選択を行う事 ができる ・仕様調整段階から関与して、システムの課題、ドメインの課題、要求に対して、会議体の場でデ ィスションを行いながら、顧客に対して様々なアイデアや、技術的解決方法、実現方法、設計上の リスクを意見するができる ・S3以下のエンジニアの技術スキルにおける育成プランを一緒に作成し、実行をサポートできる ・非常に高い技術力と分析力を 持ち、5年以上の開発経験 ・スキルマトリクスの開発スキ ル平均4以上 ◆参考スキル ・IPAデータベーススペシャリ スト試験(DB)合格 50
  33. © 株式会社hokan, 2024 職種・役職定義 等級 役割・期待 参考能⼒・資格・要件 S3 リードエンジニア サブリードエンジニ

    ア ・サービス要求に対して、システム化要件として再構成、定義する事ができている ・対象システムに必要なビジネス・業務知識を理解している ・システム全体の中で⼀部アプリケーション・プラットフォームの設計を⾏っている ・アプリケーション開発に必要な開発標準の最適な選択を⾏う事ができている ・設計やコードのレビューを⾏っている ・アソシエイトの育成、メンタリングを⾏っている ・業務の期限は守りかつアソシエイトの模倣となり、難しければ周囲に報告して調整できる ・スキルマトリクスの開発スキル平 均3以上 ※⾃⾝が関わっているプロダクトの 技術スタック ・スキルマトリクスのその他のスキ ル平均3以上 ◆参考資格スキル ・IPA 応⽤情報レベルの知識があ ること S2 アソシエイト ・下記のいずれかの技術領域の⼀部について専⾨的な知識、経験を保有して独⼒で実装を⾏う事ができるが、⼀ 部については指導を受ける必要がある - SRE - QA - サーバーサイド/フロントエンド - モバイル ・開発標準、定められた開発プロセスに沿ってチーム開発を⾏う事ができる ・担当するプロダクトについての実装をレビューやアドバイスをもらった上で独⼒で実施できる ・社内でナレッジ・知⾒を持ってい る⼈を把握していて、ケースに応じ て教わる相⼿を使い分けて学ぶ事が できている ◆参考資格スキル ・IPA 基本情報レベルの知識があ ること S1 ジュニアアソシエイ ト ・下記のいずれかの技術領域の⼀部について未経験あるいは経験が浅く、実務を⾏うまでに指導を受ける必要が ある - SRE - QA - サーバーサイド/フロントエンド - モバイル ・開発標準、定められた開発プロセスに沿ってチーム開発を⾏う事ができる ・担当する機能開発についての実装をレビューやアドバイスをもらった上で独⼒で実施できる 普段から技術的なアウトプットを⾏ なっている 51
  34. Copyright ©2024 hokan, Inc. All rights reserved. 4 hokanについて ⾃⼰紹介

    開発組織の課題と取り組み 今後の戦略 まとめ 60
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