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プロダクト負債に立ち向かう

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November 21, 2025
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 プロダクト負債に立ち向かう

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November 21, 2025
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  1. プロダクト負債とは何か? 開発負債 体験負債 コンセプト負債 開発の進行に負の影響を与える機能 UXが悪く、顧客が価値に到達しづらい 機能 中長期でのプロダクト価値がぼやける 開発速度低下 /

    不具合リスク増加 離脱率増加 / 顧客不満 意味 影響 意味 影響 意味 影響 世界観・ビジョンから逸脱した機能 顧客カスタマイズしすぎた機能 分岐が多く複雑化しすぎている機能 全く使われていない機能 例 本来の工程以上に、余計な手順を踏ま ないといけない機能 例 例 11
  2. プロダクト負債とは何か? (繰り返し) 負債創出理由は大きく3つに分類 顧客の声をそのまま作ってしまう 「刺さるはず」の思い込みで作る ビルドトラップ 部分最適の判断 既存機能に引っ張られて、   該当機能の理想体験の再設計をしない

    「CSがカバーするから大丈夫」と、   体験課題を先送りにしてしまう 安易な体験設計 事業方向性の変化 市況変化で想定していたValueがズレる 事業や市況の変化 Discover Define Develop Deliver Reference: Design Council “The Double Diamond” 13
  3. 魅力的品質 当たり前品質 1次品質 対応すべき領域 無視すべき領域 負債対応の指針 顧客体験にどのくらいの負があるのか? → 体験負債は基本的に当たり前品質の未達。  

    その負は「対応すべき領域か」 「無視すべき領域か」を見極める。 対応すべき領域 体験が顧客にとって致命的な負になっていないか? 1 無視すべき領域 一部の顧客のこだわりになっていないか? 「あったらいいな」くらいのレベル感か? コアターゲットではない層の声ではないか? 2 Reference: Kano, N., et al. (1984) 30
  4. 負債対応の指針 今後の開発に対してどのくらいの負があるのか? → 「中長期的な開発速度」と「不具合のリスク」で考える。 開発速度 不具合リスク 時間 高 低 中長期的な開発速度

    今後の開発スピードにどの程度の影響を与えるのか? 1 不具合のリスク 現在どのくらいのインシデントが発生しているのか? 今後どの程度、再発・拡大する可能性があるか? 2 31
  5. 負債の解消 Case2. 世界観とはズレたコアなデータ構造を整備 「応募があるたびに、新しい求職者レコードができる」というデータ構造になっていた。 データを活かした採用マーケティングのシステムを目指す上で、この構造がネックに。 応募データと求職者データを分離し、求職者を一意に扱えるデータ構造へと再設計した。 解消プロセス 背景 負債解消方針検討 顧客への説明

    データ構造の変更 ・ドメインモデリングで構造決定 ・体験変更点は顧客ヒアリングで調整 ・動画/ドキュメント作成 ・1〜2ヶ月前から全顧客に説明 ・CSからも直接説明 ・プロダクト価値をより尖らせられた ・多くの顧客から喜びの声 ただし、2%の顧客で大きなハレーション発生 37
  6. プロダクト負債とは何か? 開発負債 体験負債 コンセプト負債 開発の進行に負の影響を与える機能 UXが悪く、顧客が価値に到達しづらい 機能 中長期でのプロダクト価値がぼやける 開発速度低下 /

    不具合リスク増加 離脱率増加 / 顧客不満 意味 影響 意味 影響 意味 影響 世界観・ビジョンから逸脱した機能 顧客カスタマイズしすぎた機能 分岐が多く複雑化しすぎている機能 全く使われていない機能 例 本来の工程以上に、余計な手順を踏ま ないといけない機能 例 例 40