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プロダクトがリリースされるまでを『見える化』 することで組織体質を変えていった話 〜改...
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Masato Ishigaki / 石垣雅人
July 07, 2018
Design
0
450
プロダクトがリリースされるまでを『見える化』 することで組織体質を変えていった話 〜改善を進めるはじめの1歩目〜
2018/07/07 プロダクトオーナー祭り2018 Summer 登壇資料
Masato Ishigaki / 石垣雅人
July 07, 2018
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Transcript
プロダクトがリリースされるまでを 『見える化』 することで 組織体質を変えていった話 石垣雅人 - DMM.com 2018/07/07 プロダクトオーナー祭り2018 Summer
〜改善を進めるはじめの1歩目〜
© DMM.com 2 私 石垣雅人(いしがきまさと) ・プラットフォーム開発部 第2グループ(会員基盤) Account(ID) , Auth
, Personalinfo バックエンド基盤担当 スクラムチーム プロダクトオーナー (2017〜) ・DMM.com 2015/04~ 新卒入社 Twitter @i35_267
© DMM.com 3 3 リリースまでを『見える化』することで 本セッションでお話すること 268.5h→54hに短縮した事例を紹介します 組織体質をかえてリリースまでのリードタイムを
© DMM.com 4 Agenda About DMM.com DMM.comについて / 組織体質について 改善事例
最後に 4 4 VSM / SIPOCの書き方
© DMM.com 手のひらと世界にいろどりを。 人類の想像をはるかにこえるスピードとス ケールで、私たちの生活は変化していま す。 DMM.comは1999年から時代のニーズに 合わせた多彩なコンテンツを、独自プラット フォームで安定的に提供しています。 5
40以上の幅広いサービスを展開 サービスについて About DMM.com
© DMM.com 6 6 チームが当時抱えていた組織体質 の問題点
© DMM.com 7 { What is … 悪い組織体質} 7 自動化をもっと改善していきたい!
© DMM.com 8 { What is … 悪い組織体質} 8 今のやり方でも困ってないから
一度チームで決めたことだから 学習コストがかかるから
© DMM.com 9 { What is … 悪い組織体質} 9 今のやり方でも困ってないから
一度チームで決めたことだから 学習コストがかかるから 組織体質を変えるには色々方法はあるが....
© DMM.com 10 { What is … 悪い組織体質} 10 今のやり方でも困ってないから
一度チームで決めたことだから 学習コストがかかるから 組織体質の『ムダ』を 定量的に可視化して見せること。 効果的なのが
© DMM.com 11 11 = VSM (Value Stream Mapping) =
SIPOC分析 ・・・定量的にリードタイムを可視化 ・・・定量的にフロー(ステークホルダー)を可視化 方法論提示
© DMM.com 12 Agenda About DMM.com DMM.comについて / 組織体質について 改善事例
最後に 12 12 VSM / SIPOCの書き方
© DMM.com 13 { What is VSM… } 13 Idea
Value
© DMM.com 14
© DMM.com 15 15 書き方 (Value Stream Mapping)
© DMM.com 16 4 STEPS プロセスのタイトル 1 2 プロセスタイム (PT
※+WT) 3 リードタイム(LT) 4 完成と正確性の割合(aka %C/A)
© DMM.com 17 17 顧客 顧客 GitHub Ato GitHub Atom
PT : 10h WT : 2h %C/A : 0% PT : 1h WT : 0h %C/A : 20% 12h 1h 100h 1h 開発チーム 1 1 会員登録機能作成 リリース作業 GitHub Atom GCP ブラウザ VSM (Value Stream Mapping) PT : 1h WT : 0h %C/A : 70% 承認MTG 84h 開発チーム ディレクター 5
© DMM.com 18 18 STEP 0 PT : Process Time
WT : Wasting Time リードタイム (LT) プロセスのタイトル GitHub Ato GitHub Atom PT : 10h WT : 2h %C/A : 0% 12h 1h 開発チーム 1 会員登録機能作成 PT : 1h WT : 0h %C/A : 70% 承認MTG 84h 完成と正確性の割合 (%C/A) ディレクター 5
© DMM.com 19 19 STEP 1 PT : Process Time
WT : Wasting Time リードタイム (LT) プロセスのタイトル GitHub Ato GitHub Atom PT : 10h WT : 2h %C/A : 0% 12h 1h 開発チーム 1 会員登録機能作成 PT : 1h WT : 0h %C/A : 70% 承認MTG 84h 完成と正確性の割合 (%C/A) ディレクター 5
© DMM.com 20 20 STEP 2 PT : Process Time
WT : Wasting Time リードタイム (LT) プロセスのタイトル GitHub Ato GitHub Atom PT : 10h WT : 2h %C/A : 0% 12h 1h 開発チーム 1 会員登録機能作成 PT : 1h WT : 0h %C/A : 70% 承認MTG 84h 完成と正確性の割合 (%C/A) ディレクター 5
© DMM.com 21 21 STEP 3 PT : Process Time
WT : Wasting Time リードタイム (LT) プロセスのタイトル GitHub Ato GitHub Atom PT : 10h WT : 2h %C/A : 0% 12h 1h 開発チーム 1 会員登録機能作成 PT : 1h WT : 0h %C/A : 70% 承認MTG 84h 完成と正確性の割合 (%C/A) ディレクター 5
© DMM.com 22 22 STEP 3 PT : Process Time
WT : Wasting Time リードタイム (LT) プロセスのタイトル GitHub Ato GitHub Atom PT : 10h WT : 2h %C/A : 0% 12h 1h 開発チーム 1 会員登録機能作成 PT : 1h WT : 0h %C/A : 70% 承認MTG 84h 完成と正確性の割合 (%C/A) ディレクター 5
© DMM.com 23 23 STEP 4 PT : Process Time
WT : Wasting Time リードタイム (LT) プロセスのタイトル GitHub Ato GitHub Atom PT : 10h WT : 2h %C/A : 0% 12h 1h 開発チーム 1 会員登録機能作成 PT : 1h WT : 0h %C/A : 70% 承認MTG 84h 完成と正確性の割合 (%C/A) ディレクター 5
© DMM.com 24 24 24 ①現状のVSM ③改善プロセス ②理想(仮説) のVSM プロセス
© DMM.com 25 25 25 顧客 顧客 GitHub Ato GitHub
Atom LT : 12h PT : 10h WT : 2h %C/A : 0% LT : 1h PT : 1h WT : 0h %C/A : 20% 12h 1h 100h 2h 開発チーム 1 1 会員登録機能作成 リリース作業 GitHub Atom GCP ブラウザ VSM (Value Stream Mapping) LT : 1h PT : 1h WT : 0h %C/A : 70% 承認MTG 84h 開発チーム ディレクター 5 大事なのは、改善ポイント(=ムダ)を見つけること ※ どう改善するかはまた別のレイヤーの話
© DMM.com 26 26 26 書き方 (SIPOC分析)
© DMM.com 27 27 Supplier Input Process Output Customer 供給者
インプット プロセス アウトプット 顧客 SIPOC分析
© DMM.com 28 SIPOC分析 O : Output (アウトプット) S :
Supplier(供給者) I : Input (インプット) P : Process (プロセス) C : Customer (顧客) VSMで記載した プロセスを記載していく Process Input Supplier
© DMM.com 29 SIPOC分析 O : Output (アウトプット) S :
Supplier(供給者) I : Input (インプット) P : Process (プロセス) C : Customer (顧客) Process Input 会員登録機能作成 承認MTG リリース作業 Supplier
© DMM.com 30 SIPOC分析 O : Output (アウトプット) S :
Supplier(供給者) I : Input (インプット) P : Process (プロセス) C : Customer (顧客) Process Input 会員登録機能作成 承認MTG リリース作業 Doneの定義 Supplier
© DMM.com 31 SIPOC分析 O : Output (アウトプット) S :
Supplier(供給者) I : Input (インプット) P : Process (プロセス) C : Customer (顧客) Process Input 会員登録機能作成 承認MTG リリース作業 Doneの定義 PO Supplier
© DMM.com 32 SIPOC分析 O : Output (アウトプット) S :
Supplier(供給者) I : Input (インプット) P : Process (プロセス) C : Customer (顧客) Process Input 会員登録機能作成 承認MTG リリース作業 Doneの定義 PO Supplier
© DMM.com 33 SIPOC分析 O : Output (アウトプット) S :
Supplier(供給者) I : Input (インプット) P : Process (プロセス) C : Customer (顧客) Process 会員登録機能作成 承認MTG リリース作業 Output ソースコード Customer
© DMM.com 34 SIPOC分析 O : Output (アウトプット) S :
Supplier(供給者) I : Input (インプット) P : Process (プロセス) C : Customer (顧客) Process 会員登録機能作成 承認MTG リリース作業 Output Customer ソースコード チーム
© DMM.com 35 35 Supplier Input Process Output Customer 会員登録機能作成
承認MTG リリース作業 Doneの定義 PO チーム ソースコード ドキュメント マネジメント層 意思決定 チーム チーム ソースコード ex. SIPOC分析 プロダクト ユーザー
© DMM.com 36 Agenda About DMM.com DMM.comについて / 組織体質について 改善事例
最後に 36 36 VSM / SIPOCの書き方
© DMM.com 37 37 改善事例 Value Stream Mapping / SIPOC分析
© DMM.com 38 38 VSMから見える共通点 グループ ステークホルダーとの調整 開発作業 リリース準備 +
作業 Featureをリリースするために必要な調整。MTGが多い コーディング作業 リリースするための申請やリリース作業 1 2 3
© DMM.com 39 39 ステークホルダーとの調整 開発作業 リリース準備 + 作業 VSMから見える共通点
リードタイム : 268.5h Featureをリリースするために必要な調整。MTGが多い コーディング作業 リリースするための申請やリリース作業 1 2 3 グループ
© DMM.com 40 40 ステークホルダーとの調整 開発作業 リリース準備 + 作業 約85%
約5% 約10% VSMから見える共通点 (228.25h) (14h) (26.25h) Featureをリリースするために必要な調整。MTGが多い コーディング作業 リリースするための申請やリリース作業 1 2 3 グループ リードタイム : 268.5h
© DMM.com 41 41 カテゴリー ステークホルダーとの調整 開発作業 リリース準備 + 作業
約85% 約5% 約10% 4つのVSMから見える共通点 ほぼすべてのVSMがこの比率になった。 チームの行動パターン(開発プロセス)は一緒である。 この時点で「開発効率」をあげてもムダだと判断できた。
© DMM.com 42 42 カテゴリー ステークホルダーとの調整 開発作業 リリース準備 + 作業
約85% 約5% 約10% VSMから見える共通点 (228.25h) (14h) (26.25h) Featureをリリースするために必要な調整。MTGが多い コーディング作業 リリースするための申請やリリース作業 1 3 2 リードタイム : 268.5h
© DMM.com 43 43 ステークホルダーとの調整 SIPOC分析から見える共通点 Featureをリリースするために必要な調整。MTGが多い 1 Supplier Input
Process Output Customer プロセス数 : 2 Output数 : 7 Output数 : 5 Customer数 : 1 Supplier数 : 1 チームメンバー 説明用の ドキュメント準備 ...etc 説明用の ドキュメント ...etc マネジメント層 承認MTG x 2
© DMM.com 44 44 44 ステークホルダーとの調整 : 228.25h → リリース準備
+ 作業 : 26.25h →
© DMM.com 45 45 45 ステークホルダーとの調整 : 228.25h →40hに短縮 リリース準備
+ 作業 : 26.25h → 5mに短縮 268.5h (45日) 54.5h (9日) こんなに改善できますよ。というのを 定量的な削減率で見せることが大事
© DMM.com 46 46 46 ステークホルダーとの調整 : 228.25h →40hに短縮 リリース準備
+ 作業 : 26.25h → 5mに短縮 268.5h (45日) 54.5h (9日)
© DMM.com 47 Agenda About DMM.com DMM.comについて / 組織体質について 改善事例
最後に 47 47 VSM / SIPOCの書き方
© DMM.com 48 48 { What is VSM… } 48
Idea Value 問題を共有するのに難しいことはいらない。 明日からすぐにVSM/SIPOC分析を作ろう。
© DMM.com 49 49 ご清聴ありがとうございました。