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ざっくりCQRS/Event Sourcingを解説する

ざっくりCQRS/Event Sourcingを解説する

かとじゅん

October 27, 2020
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  1. CQRSとは • Command and Query Responsibility Segregation=コマンド・クエリ責務分離 ◦ (2010年 Greg

    Young氏) • コマンドとクエリをスタックごと隔離すること。単なるモデルの分離ではない。Event Sourcingとセットで採用されることが多い。 • Greg Young氏の論文でも隔離のための境界があると明示されている • コマンドはDDDのドメインモデルを内包することを想定している。というか、DDDの ために考えられたパターン。CQRSである=DDDを採用していることになる。 • モデルだけ分離して、隔離の境界がないものはCQRSと呼んではいけない(個人の 解釈) とはいえ、CQRSですべてが解決されるわけではない
  2. なぜC/Qをわけるのか • そもそもCとQで要件が異なるので、混ぜないで隔離するほうが望ましい。 • ただし、データ形式がクライアント要求に合わせる必要がなければC/Qを分けなくて もよい。そういう案件に巡り会えたことがないが…。 コマンド クエリ 一貫性/可用性 一貫性重視。最新の書き込みが反映され

    るなければならない。トランザクション整合 性(強い整合性)を使う 可用性重視。つまりちょっと古いデータ見 えてもよい。結果整合性 (弱い整合性)を使 う データ形式 正規化されたデータを保存する (集約単位 ≒概念単位) 非正規化されたデータ形式取得する (クラ イアント要求に合わせる ) スケーラビリティ 全体のリクエストに対して少ない比率。必 ずしもスケーラビリティは重要ではない 全体のかなりのリクエスト比率を占めるた め、スケーラビリティが必要
  3. CQRSの利点と欠点 • 利点 ◦ コマンドとクエリに分離されており独立しているため、耐障害性を確保しやす く、デプロイサイクルも別にできる ◦ コマンドとクエリを必要に応じて個別に最適化できる。別々にスケールさせるこ とができる •

    欠点 ◦ コストがかかる。目的ごとにスタックを分離するので、構成要素が多くなる。 ◦ CQRSは従来と比べると複雑と揶揄されることが多いが、従来モデルではC/Q が混在することの複雑があったが、CQRSではある意味シンプルになってい る。が全体の構成要素は複雑なる。 ▪ つまり、単体のオブジェクトとしてはシンプルになるが、ネットワークとして は複雑になるということ
  4. 非Event SourcingでのCQRSはいろいろ難しい • ドメインオブジェクトが計算する値 はそもそも永続化されていない。 その値がリードモデルで必要な 場合、DBトリガで更新を通知して SQLでリードモデルを構築できな い •

    リードモデル更新プロセスを採用 する場合、DBとは別途キューを 必要とする。結局Eventに頼るこ とになる。 • できるだけダブルコミットを避けて、障害でノードが消失しても再開できるようにイベント は永続化される必要がある。Event Sourcingではイベントを真のデータソースにす る。 スケーラビリティの観点でポーリ ングが難しいので、 pub/subを利 用する
  5. CQRS/ES対応分散システムフレームワーク • Akka https://akka.io (Scala, Java) • Akka.NET https://getakka.net/ ,

    https://akkatecture.net/ (.NET) • proto.actor https://proto.actor/ (Golang, .NET, Java/Kotlin) ◦ リアクティブシステムが作れそうなのは Golangのみ 11k starts, 2010~ 3.3k starts, 2016~ 3.7k starts, 2014~