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xREとの連携による「SREの一日」と組織的協業の実際

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July 11, 2026
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 xREとの連携による「SREの一日」と組織的協業の実際

SRE NEXT 2026 Day2 Tack Cでの登壇資料です。

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Junya Taniai

July 11, 2026

Transcript

  1. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. Confidential 聞いた人が得られるもの 日々の業務が依頼対応や緊急対応に終始しがちな便利屋SREと、組織スケールに 課題を持つマネージャーの双方に向けた実践知が得られます。

    • 現場の方へ: xREやセキュリティ、FinOps等へ専門領域を戦略的に移譲し、Platform Engineering等のコアミッションに集中するための具体的な連携ワークフ ロー • マネージャーの方へ: 職能を分立させつつ組織全体の信頼性を高める組織設計モデル 2
  2. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. Confidential • Oracle Databaseの設計・構築・テクニカルサポートを経験

    • SIerで11名のチームのEngineering Managerを経て、2025年 11月アンドパッドに参画 谷合 純也 開発本部サービスプラットフォーム部 SRE Profile | 経 歴 3 自己紹介 • ラーメン屋:てんてんラーメン • うどん屋 :ウエスト • ビール :アサヒィスゥパァドゥルァァァァイ Favorite| 推し jnytnai0530 Activity| 活動 • Fukuoka.sre 共同運営
  3. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. Confidential スマホで撮影した写真、 チャットで共有された 資料や各現場の図面

    ANDPADは現場の効率化から経営改善まで一元管理できる クラウド型建設プロジェクト管理サービスです ※ データ 入力 データ 活用 データを活用して、 ・資料作成 ・検査報告書作成 ・帳票作成 ・データ資産... 検査 受発注 引合粗利 図面 チャット 工程表 報告 写真 クラウド上で最新の情報を共有 6 ANDPADとは ※『建設業マネジメントクラウドサービス市場の動向とベンダシェア(ミックITリポート 2025年12月号)』(デロイト トーマツ ミック経済研究所調べ)
  4. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. 7 ※『建設業マネジメントクラウドサービス市場の動向とベンダシェア(ミックITリポート2025年 12月号)』(デロイト トーマツ

    ミック経済研究所調べ) ANDPAD が支える建設DX 幸せを築く人を、幸せに。 住まいをつくる。ビルや施設をつくる。街をつくる。 生活を豊かにする建築・建設業は、幸せづくりと例えられます。 私たちは、その幸せづくりをする人たちをテクノロジーの力で 後押ししていきたい。心からそう考えています。 我々はこれからもお客様の声をサービスに反映して、 建設業界及び建設業従事者様の業務効率化、 DX化を支援してまいります。 Mission 利用社数 26.5万社 ユーザー数 69万人
  5. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. Confidential ANDPADサービス一覧 現場管理を効率化したい 工事写真の撮影・整理・台帳作成を効率化したい

    顧客と円滑にコミュニケーションしたい ・ 顧客への提出物をスムーズに作成したい 工程管理の手間を 減らしたい 円滑にコミュニケーショ ンしたい 検査や是正指示を 効率化したい 経営・営業データを 可視化したい 受発注・請求書受領を 効率化したい z 社内での承認フローを 効率化したい 断熱リフォームの効果を 可視化したい 現地調査を効率化したい 現場訪問の回数を 減らしたい 安全衛生管理を 徹底したい 社外リソースを 活用したい システム連携で効率性を 上げたい 施工管理 案件概要 資料 ボード 写真 写真台帳 黒板 黒板 AI作成 豆図AI キャプチャー デジタル サイン 報告出力 レイアウト 電子納品 おうちノート 工程表 横断 マイルストーン チャット 報告 図面 検査 Analytics 引合粗利管理 受発注 請求管理 資料承認 サーモ 3Dスキャン 遠隔臨場 入退場管理 BPO API連携 アプリ マーケット 8
  6. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. Confidential アジェンダ • 「あるSREの一日」のビフォー/アフター

    • よくあるSREの姿 • xREへのミッションの移譲と役割分担 • xRE連携ワークフローと組織的協業 • 中途入社後の新鮮な視点で解決した課題 • サマリ 11
  7. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. Confidential ビフォー/アフターの対比による組織課題の明確化 • ビフォー:SREの業務の一部を他のxREチームに移譲する前

    ◦ 日々の依頼の優先順位のコントロールが難しい「便利屋SRE」の姿 • アフター:SREの業務の一部を他のxREチームに移譲したあと ◦ 事業インパクトに基づき優先順位をコントロールし、サイト信頼性や Observability、トイル改善、Platform Engineeringなどのコアミッション に集中するSREの姿 14
  8. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. 15 時間 出来事と判断 09:00

    予定していた検討タスク開始 09:30 突発的なDBチューニング相談が入り、検討タスク中断 11:00 SRE朝会 13:00 DBユーザ含む複数のアカウント発行依頼に割り込まれる 15:00 インシデント発生!インシデントコマンダーとして対応 17:00 インシデント対応後に、突発的なセキュリティレビュー依頼 19:00 終業 割り込みと「依頼順」の判断により、コアミッションが後回しになっていた 【ビフォー】便利屋SREのある1日 コアミッションに集中 できていた時間
  9. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. Confidential 大改造!!劇的ビフォーアフター コストコントロール アカウント欲しい

    DBチューニングしたい セキュリティやインフラ のコードレビュー依頼 依 頼 順 に な り や す い アカウント欲しい コストコントロール DBチューニングしたい レビュー依頼 インシデント発生! 緊急対応で全ての順番が崩壊 ビフォー 16
  10. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. 17 時間 出来事と判断 09:00

    予定していた検討タスク開始 09:30 DBチューニング相談をDBREチームにトス 11:00 SRE朝会 13:00 SRE管轄のアカウント発行のみとなり、継続的な割り込みがなく 検討を継続 15:00 インシデント発生!SREは一次対応や振り返りをサポート 17:00 セキュリティレビュー依頼をセキュリティチームにトス 18:00 終業 【アフター】コアミッションに集中しているSREのある1日 コアミッションに集中 できていた時間 専門領域の移譲により、SREは「コアミッション」に集中できている
  11. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. Confidential アフター 大改造!!劇的ビフォーアフター DBチューニング

    セキュリティの レビュー依頼 コストコントロール 専門領域を 別チームに移譲 Observability 問い合わせや相談 境界線を引く サイト信頼性設計 トイル改善(自動化) 事業インパクトに基づく順位付け可能 インシデント対応! アーキテクチャ レビュー 18
  12. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. Confidential SREのよくある風景 関心事 •

    サイト信頼性 • Observability • トイル改善(自動化) • Platform Engineering • SLI/SLOの設計 現実 • DBの相談(チューニング、データパッチ、マイグレーション) • コストの相談 • インシデント対応 • セキュリティのレビュー依頼 • 各種アカウント発行 20
  13. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. Confidential 便利屋化のメカニズムと対策 1. 「便利屋化」を招く構造

    (Mechanism) ◦ 少数精鋭 & 高い技術力 & 断らない姿勢 ◦ 境界が曖昧になり、依頼が集中する 2. 発生する問題 (Problem) ◦ 事業に基づく順位付けができず、優先順位が戦略ではなく「依頼順」になる ◦ 結果として、SRE本来の関心事(信頼性設計、自動化など)に集中できない状況を生む 3. 解決策 (Solution) ◦ 「やらないこと」を決め、境界線を引く ◦ チームミッションの内、専門領域(例:DB、セキュリティ、コスト)を移譲する ◦ → SREは「コアミッション」に集中する 22
  14. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. Confidential マルチプロダクト戦略、多数の開発チーム Frontend Backend

    Native App QA Frontend Backend QA Frontend Backend Native App 開発チームA 開発チームB 開発チームC Frontend Backend 開発チームD 横断的な関心事を扱うチーム (SRE, DBRE, CRE, セキュリティ, FinOpsなど) 24
  15. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. Confidential ミッションを明確化した体制にシフト • SREのチームミッションの中で推進していたいくつかの課題領域が、事業成長に伴い、

    超重要課題となった • ミッションをSREから独立させて専任体制に移行することで、xREの各チームが本来の 関心ごとの活動へリソースを集中できるように、組織編成した • 経験豊富なSREが専任チームへ異動しミッションを担うことで、それぞれの課題がより効果的に 推進できるようになった SRE DBRE CRE セキュリティ FinOps ミッションを 移譲 メンバーが異動 25 xRE
  16. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. Confidential SREのチームミッションを明確化 26 アンドパッドのサービス安定稼働

    テキストが入ります。テキストが入 ります。テキストが入ります。テキ ストが入ります。テキストが入りま す。テキストが入ります。テキスト が入ります。 開発者体験向上 • Platform Engineering • Platformの改良と品質維持 • AWS IAMの改善 (SSO対応など) • 各種モノレポの運用改善 • インフラやアプリケーション のリリース改善 • 開発者Portalを使用したサー ビスカタログ導入 • インシデント対応 • 管轄を限定したアカウント発行依 頼対応 • トイル改善 • インフラ管理 • 基盤更新 ◦ EKSのバージョンアップ ◦ レガシーな不要構成の除却 開発組織が全力疾走するのに安全で丈夫な道が必要 アンドパッドのSREは、その道をつくるチーム
  17. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. Confidential SRE以外のxREチームのミッション DBRE CRE

    インシデント レポート ポストモーテム 取りまとめ テクニカルサポート QA Observability DBチューニング 環境構築および バージョンアップ、 新機能検証 アカウント発行対応 インシデント対応 セキュリティ FinOps アプリケーション 脆弱性対策 クラウド セキュリティ対策 組織のセキュリティ 文化醸成 セキュリティ 研修開催 セキュリティツール の評価および導入 コストモニタリング コスト最適化 アーキテクチャ改善 コストインシデント 対応および コスト版ポストモー テム作成 27
  18. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. Confidential 29 各xRE相談用 Slackチャンネル

    整備 曖昧な依頼はSRE用 のチャンネルへ来る SREで対応開始 SRE以外のxREに タスクを渡す SREと他xREと協業 対応 チームの 判断 SREのみで対応 SRE以外の専門領域 xREで協業が必要 xRE連携ワークフロー 判断基準を重視した上で、具体的 にどのようにタスクを振り分けて いるのか、そのプロセスを解説し ます。
  19. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. Confidential 優先順位づけと「SREが持つべきボール」の明確化 判断の線引きとオーナーシップ ◦

    「最後まで持つべきボール」か 「協力者を探すべきか」を常に 問い続ける ◦ 曖昧な境界線を、事業貢献度に 基づき意図的に「線引き」する 連携の判断基準(実例ベース) インシデント xREへ渡すタイミング 例:一次対応はSREやDBRE、セキュリティが行 い、レポートや影響範囲調査、顧客担当はCRE 改善タスク SREはどこまで踏み込むか? 例:FinOpsがコスト最適化の機会を洗い出し、 SREは必要なインフラ改善と実装を担う 判断指標 「専門性」と「事業インパクト」 戦略的な活動を阻害しないためのトスアップ 30
  20. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. Confidential 意思決定を支える3つの評価視点 技術的専門性 SREがリードすべき領域

    プラットフォーム領域やネッ トワーク層、 Observability、自動化な ど、高度な専門 知識が不可欠な課題。 ※ただし、特定個人への依存 や知識のブラックボックス化 は徹底して避ける設計を行 う。 事業インパクト 優先順位の決定打 そのタスクが事業の拡大や 成功にどれほど貢献する か? 「あった方が良い(Nice to have)」ではなく「ビジネ ス継続に不可欠(Must have)」かをシビアに評価 する。 自走可能性 「渡す」ための準備 ドキュメント化やツールの 提供により、開発チームが 自ら解決できる「土壌」を 作れるか? SREが介在し続けずとも、 組織全体で品質を担保でき る仕組み化を重視する。 31 判断の軸:その「ボール」は誰のためのものか
  21. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. Confidential 情報共有を「実利」に繋げる具体的プロセス 具体的な活動ステップ 1.

    場の設定 SRE×DBRE×セキュリティの 3チームによる定例会を戦略 共有の場として設置。 2. 方向性の同期 開発本部の動きや、議題を 持ち寄り、優先順位や依存 関係を相互にすり合わせ 3. 実行への繋ぎ込み 定例会で合意した方針を、各 チームが現場の活動に反映 32 共同での学びと戦略共有を通じた組織的協業 部門間連携 組織構造とツールの活用 • SRE/DBRE/セキュリティは同じ部に所属 し、方向性を共有 • FinOpsは別の部門に属するものの、知識の サイロ化を防ぐため同じSlackチャンネルで 活動 SRE視点の設計 「有事」を見据えた実利性 • インシデント対応時の有効性を設計の評価 軸に据える 例:「ANDPADシステムの状態を把握する会」 を開催し、暗黙知の形式化を図る
  22. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. Confidential 学びを「文化」として組織に定着させるプロセス ポストモーテムの横展開 横展開での振り返り

    • CRE×SRE:顧客影響と技術要因を紐付 けて洞察 • FinOps:CREの障害プロセスナレッジ をFinOpsのコスト障害対応へ横展開 自律的学習の仕組み化 自発的な知識共有の場の形成 • SRE×DBRE:有志による技術書輪読会の 定例化 • チームを越えた自律的な文化醸成の推進 具体的アクション 1. 洞察の言語化 インシデントの教訓を 「こと」として整理し、誰も が参照可能な形式知に変える 2. 共通言語の構築 輪読会等で技術的背景を揃 え、チームを跨いだスムーズ な意思疎通を可能にする 3. 心理的安全性の醸成 「ひと」を責めない文化を徹 底し、失敗から学ぶ自律的な サイクルを確立する 33 相互理解の深化と文化醸成
  23. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. Confidential アフター (再掲)大改造!!劇的ビフォーアフター DBチューニング

    セキュリティの レビュー依頼 コストコントロール 専門領域を 別チームに移譲 Observability 問い合わせや相談 境界線を引く サイト信頼性設計 トイル改善(自動化) 事業インパクトに基づく順位付け可能 インシデント対応! アーキテクチャ レビュー 36
  24. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. Confidential 中途入社の「新鮮な視点」で見つけた課題を仕組み化へ 38 この体系化された組織に対し、中途入社者として「新たな提案でさらなる貢献の

    余地」はどこにあるのか、という問いを立てました。 具体的なアプローチ: • まず既存のプロセスやドキュメントを全量把握し、抜け漏れ・属人化を特定 • SREとして「新鮮な目」で課題を発見し、即アクション(提案・実行)する姿勢を維持 • 組織の歴史的コンテキストは「実際に動く」中で吸収する方針で加速
  25. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. Confidential プロセス・ドキュメントの課題 課題 •

    Terraformのモノレポが大規模で、 キャッチアップのハードルが高い • アカウント発行フローがドキュメ ント化されていない、かつ対応プ ロセスが煩雑 • SREと開発チームで定期的なコミュ ニケーションの場がない • ロードマップに乗るような大〜中 玉のタスクが多く、管理が大変 アクション • リポジトリの「歩き方」ドキュメ ントを整備 • 複雑な各種アカウント発行フロー を文書化 かつ、トイル削減の仕組みを整備 • SRE座談会を企画(運用に乗らず 頓挫) • スプレッドシートからJiraに移行 し、運用方法を抜本的に見直し (WIP) 39 中途入社だから気づけた課題
  26. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. Confidential チーム間連携・知の流通の課題 課題 •

    DBRE・SRE間で「ANDPADシステ ムの今を共同認識する場」がない • SRE・DBRE・セキュリティ ・FinOpsがバラバラに情報発信し ており、横断的な知見共有がない • 社外発信やカンファレンスの参加 が少数に留まっており、まだまだ プレゼンス向上の余地がある アクション • DBREとの「ANDPADシステムの状 態を把握する会」を企画・開催 • SRE, DBRE, セキュリティ, FinOps 参加のSlack「わいわいチャンネ ル」の提起・実現 • テックブログ記事やCfPを積極的 に投稿、 KubeCon+CloudNativeCon Japan 2026参加取りまとめを主導 (SRE・DBRE・セキュリティ ・FinOpsから各1名ずつ参加) 40 中途入社だから気づけた課題
  27. © 2026 ANDPAD All Rights Reserved. Confidential 43 サマリ •

    アンドパッドの組織単位での協業の工夫 ◦ SREが便利屋化しないよう専門領域をxREへ戦略的に移譲 ◦ 事業インパクトと専門性を軸にSREの注力領域を明確化 ◦ 部門横断の定例会やSlack連携で組織的な知識共有と協業を促進 ◦ 共通言語とポストモーテム運用により自律的な学びの文化を醸成 • 中途入社の「新鮮な視点」での動き方 ◦ 新鮮な視点で課題を特定し、仕組み化で継続的な改善を実現