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XP matsuri 2024 - 銀河英雄伝説に学ぶ
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Yasunobu Kawaguchi
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September 28, 2024
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XP matsuri 2024 - 銀河英雄伝説に学ぶ
XP祭り2024
https://confengine.com/conferences/xp2024/proposal/20258#0
Yasunobu Kawaguchi
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September 28, 2024
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Transcript
銀河英雄伝説に学ぶ、 スクラムチームに必要な リーダーシップ
銀河英雄伝説とは 『アルスラーン戦記』『創竜伝』の 田中芳樹の処女作。 遠い未来の宇宙で人類の生存圏を二分する 2つの勢力の間の政治対立と戦争を描いた 大河SF小説。正伝10巻、外伝4巻。 銀河帝国の若き貴族ラインハルトと、 自由惑星同盟の制服軍人ヤン・ウェンリー を中心に多くの登場人物の群像劇を描く。
初版は 徳間ノベルズから 創元SF文庫版 電書は らいとすたっふ文庫
2回アニメ化されてます。 石黒版 劇場公開アニメ3作、 OVA本伝110話、 外伝52話 圧倒的なボリュームで 全エピソードを映像化。 ラインハルトの声はベジータ(堀川亮)、 ヤンの声は故・富山敬。 ヤッターマンの「説明しよう!」の人
Die Neue These 原作4巻まで進行中。 美しい映像。 2024年1月~ 日テレで全話放送中(らしい)
第一巻 黎明編 銀河英雄伝説はもともと10巻の予定で 刊行されたわけではなく、この一巻の 反響が大きかったので続巻が決まったという 経緯を持つ。なので1巻だけ文字が小さく、 文量が多い。ほぼこれだけで完結している といっても過言ではないと思う。 ※今回のトークではこの一巻に限っての ネタバレを含みます。
第一巻 黎明編のおもな展開 0.これまでの歴史 (プロローグ) 1. アスターテ会戦 2. 帝国と同盟それぞれの事情 3. イゼルローン奪取作戦
4. 同盟国内の政治的思惑 5. 帝国領侵攻作戦 6. アムリッツァ会戦
第一巻 黎明編のおもな展開 0.これまでの歴史 (プロローグ) 1. アスターテ会戦 2. 帝国と同盟それぞれの事情 3. イゼルローン奪取作戦
4. 同盟国内の政治的思惑 5. 帝国領侵攻作戦 6. アムリッツァ会戦
第一巻 黎明編のおもな展開 0.これまでの歴史 (プロローグ) この歴史がだいぶ長くて、固有名詞が多い。 人類は外宇宙に進出して、地球以外の星に遷都。 さらに複数の星系に進出して銀河連邦を樹立。 一方で地球は没落していく。 宇宙海賊の討伐で名を上げたルドルフ・フォン・ ゴールデンバウムは政界に転身して執政官になり、
その後、皇帝になることを宣言、専制君主となる。
第一巻 黎明編のおもな展開 0.これまでの歴史 (プロローグ) その約150年後、共和主義者ハイネセンらは、 辺境の流刑惑星を脱出し、苦難の上に 新しい星系を発見し自由惑星同盟が成立する。 さらに100年後、自由惑星同盟と銀河帝国は 初めて接敵し、宇宙を二分する大勢力は 戦争の時代に入る。
そして現代、腐敗した帝国と、建国の理想を忘れた 同盟は断続的に軍事衝突を繰り返している。
第一巻 黎明編のおもな展開 0.これまでの歴史 (プロローグ) ラインハルト・フォン・ミューゼルは帝国首都星 オーディン生まれの下級貴族。姉のアンネローゼが 皇帝の後宮に入ったことにより、士官学校に進学、 戦闘で実力を示しつつ、急速に昇進していく。 宇宙歴796年、帝国歴487年。ラインハルトは 2万隻の艦隊で同盟領に向かう。対する同盟軍は
合計4万隻。その幕僚にヤン・ウェンリーがいた。
我々は銀英伝から何を学べるか
我々は銀英伝から何を学べるか だいたい全部
第一巻 黎明編のおもな展開 0.これまでの歴史 (プロローグ) 1. アスターテ会戦 2. 帝国と同盟それぞれの事情 3. イゼルローン奪取作戦
4. 同盟国内の政治的思惑 5. 帝国領侵攻作戦 6. アムリッツァ会戦
まずリーダーシップを学ぶ
2人の主人公 ラインハルト・フォン・ ローエングラム ヤン・ウェンリー 「常勝の天才」 「不敗の魔術師」 20代の天才。 姉が皇帝の寵愛を受け、 戦争にも勝ち続け、 どんどん出世していく。
完璧超人で超孤独。 30代の天才。 歴史家を志していた はずが、軍略家として 生き残り続けて、 ワン&オンリーになる。
ラインハルト “「もういい!このうえ、議論は不要だ。 皇帝陛下は私に叛乱軍征討司令官たれと仰せられた。 卿らは私の指揮にしたがうことを陛下への忠誠の 証明とせねばならぬはずだ。 それが帝国軍人の責務ではないか。 忘れるな、私が卿らの上位にあるということを」” 補足: この戦いには本来の幕僚である、ミッターマイヤーやロイエンタールを 同伴していません。彼らなしで実績をあげることを試されている状況です。
ラインハルト “「奴らに何ができるものか。いやみひとつ言うにも、 ひとりではなく幾人かでつるんでしか来られない ような腰ぬけどもだ。皇帝の権威に逆らうような 勇気などはありはせぬ」”
ラインハルト “「奴らに何ができるものか。いやみひとつ言うにも、 ひとりではなく幾人かでつるんでしか来られない ような腰ぬけどもだ。皇帝の権威に逆らうような 勇気などはありはせぬ」” 「よろしいのですか?」
ラインハルト “「奴らに何ができるものか。いやみひとつ言うにも、 ひとりではなく幾人かでつるんでしか来られない ような腰ぬけどもだ。皇帝の権威に逆らうような 勇気などはありはせぬ」” 「今は不平たらたらでも、一日たてば 様相が変わる。シュターデンの低能に、 奴の好きな実績とやらを額縁付きで 見せてやるさ。」
ヤン・ウェンリー “硬直した固定観念ほど危険なものはない。” “敵の心理を読む。傭兵のポイントはここにある。 そして戦場にあって完全に能力を発揮するには 補給が不可欠だ。極端なことを言えば、敵の本隊を 撃つ必要はなく、補給さえ断てばよい。戦わずして 敵は退かざるをえない。”
ヤン・ウェンリー “「旗艦パトロクロスが被弾し、 パエッタ総司令官は重傷をおわれた。 総司令官の命令により、私が全艦隊の指揮をひきつぐ」 ここでひと呼吸おいて、 味方が驚愕から解放されるだけの余裕をあたえる。 「心配するな。私の命令にしたがえば助かる。生還したい ものはおちついて私の指示にしたがってほしい。 わが部隊は現在のところ負けてはいるが、要は最後の 瞬間に勝っていればいいのだ。」”
ヤン・ウェンリー “現在のところ、敵の行動はヤンの予測を超えては いない。問題は味方の行動である。彼の作戦に したがってうごいてくれればよいが、一歩誤れば 収拾がつかなくなり、全軍潰走という事態になる であろう。そのときはどうする?”
ヤン・ウェンリー “現在のところ、敵の行動はヤンの予測を超えては いない。問題は味方の行動である。彼の作戦に したがってうごいてくれればよいが、一歩誤れば 収拾がつかなくなり、全軍潰走という事態になる であろう。そのときはどうする?” 「頭をかいてごまかすさ」
リーダーシップのスタイル ヤン・ウェンリー 「常勝の天才」 「不敗の魔術師」 優しい独裁者モデル 部下の意見を求めるが、 最終に決めるのは自分。 専制国家なので階級は絶対。 部下の信頼も厚い。 民主的なサーバントリーダー
ただし、基本的に100通りは 作戦を考えているので、 部下に意見を求めるが、 答えはだいたい頭の中にある。 ラインハルト・フォン・ ローエングラム
カリスマを支えるフォロワーがいる 「常勝の天才」 ラインハルト・フォン・ ローエングラム 「ハンサムな赤毛の のっぽさん」 ジークフリード・ キルヒアイス ラインハルトの姉 アンネローゼ
ラインハルト “「奴らに何ができるものか。いやみひとつ言うにも、 ひとりではなく幾人かでつるんでしか来られない ような腰ぬけどもだ。皇帝の権威に逆らうような 勇気などはありはせぬ」” 「よろしいのですか?」
第一巻 黎明編のおもな展開 0.これまでの歴史 (プロローグ) 1. アスターテ会戦 2. 帝国と同盟それぞれの事情 3. イゼルローン奪取作戦
4. 同盟国内の政治的思惑 5. 帝国領侵攻作戦 6. アムリッツァ会戦
人類の三大勢力 ゴールデンバウム朝 銀河帝国 フリー・プラネッツ 自由惑星同盟 形式的には帝国の属領 フェザーン自治州
人類の三大勢力 ゴールデンバウム朝 銀河帝国 フリー・プラネッツ 自由惑星同盟 形式的には帝国の属領 フェザーン自治州 貴族制度の疲弊 新興貴族と 平民出身者の台頭
実質的に経済を支配 二大国に情報網 死の商人 民主制の腐敗 選挙対策で戦争 扇動する政治家
第一巻 黎明編のおもな展開 0.これまでの歴史 (プロローグ) 1. アスターテ会戦 2. 帝国と同盟それぞれの事情 3. イゼルローン奪取作戦
4. 同盟国内の政治的思惑 5. 帝国領侵攻作戦 6. アムリッツァ会戦
負けたときこそ英雄が必要 ヤン・ウェンリー 「不敗の魔術師」 アスターテ会戦では 敗北したが、 ガス抜きのために 英雄に祭り上げられる。 敗残兵をまとめて 第13艦隊設立。 難攻不落の
イゼルローン要塞を奪取する 無理ゲーミッション
イゼルローン要塞 ゴールデンバウム朝 銀河帝国 フリー・プラネッツ 自由惑星同盟 イゼルローン要塞
第一巻 黎明編のおもな展開 0.これまでの歴史 (プロローグ) 1. アスターテ会戦 2. 帝国と同盟それぞれの事情 3. イゼルローン奪取作戦
4. 同盟国内の政治的思惑 5. 帝国領侵攻作戦 6. アムリッツァ会戦
魔術師がイゼルローンを奪取してしまう ヤン・ウェンリー 「不敗の魔術師」 イゼルローンを奪取し てしまったヤン・ウェ ンリー。 ここでしばらく攻め込まれな いので、守りに徹して平和な 時代が?????
イゼルローン要塞 ゴールデンバウム朝 銀河帝国 フリー・プラネッツ 自由惑星同盟 イゼルローン要塞 攻め込まなければ 平和になるじゃん
帝国領大侵攻作戦が同盟評議会で決まる。 大勝利すれば支持率低 下を避けられる。 私の作戦で! ヤン・ウェンリーなん かじゃなくて!
第一巻 黎明編のおもな展開 0.これまでの歴史 (プロローグ) 1. アスターテ会戦 2. 帝国と同盟それぞれの事情 3. イゼルローン奪取作戦
4. 同盟国内の政治的思惑 5. 帝国領侵攻作戦 6. アムリッツァ会戦
同盟の侵攻と、帝国の焦土作戦 専制政治からの解放じゃ! いいからご飯ください。
補給路の圧迫、物資の枯渇 ご飯たんないよ
孫子の兵法・クラウゼヴィッツの戦争論に学ぶ、スクラ ムチームの戦略的思考 1. 敵を知り己を知る: 市場とチームの理解の重要性 2. 戦況に応じた柔軟な戦略変更: 変化適応力とビジョンの必要性 3. 不確実性の中での意思決定:
スクラムチームの情報戦 • 孫子に学ぶ情報収集の重要性と顧客理解 • クラウゼヴィッツの「戦場の霧」: 限られた情報での判 断の難しさ • ステークホルダーの意向を読み誤った戦略的失敗の教訓
孫子の兵法 https://www.dpimagine.com/sonshi-all- japanese/#google_vignette およそ十万規模の軍隊を編成し、千里の彼 方に外征するとなれば、民衆の出費や政府 の支出は、日に千金の出費するほどになり、 政府の内も外もあわただしく動き回り、民 は道にへたり込み、通常の仕事に専念でき ない者たちは七十万戸にもなる。数年分の 費用を掛けて、たった一日の決戦で勝敗を
争うのである。
孫子の兵法 https://www.dpimagine.com/sonshi-all- japanese/#google_vignette だから聡明な君主や知謀にすぐれた将軍は、 敵に勝ち、成功を収める為に、あらかじめ 敵情を察知するように努める。事前に情報 を知ることは、鬼や神から聞き出すもので もなく、天界の事象になぞらえてわかるも のでもなく、天道の理法とつきあわせてわ かるものでもない。人によってのみ情報を
知ることができるのである。
クラウゼヴィッツの戦争論 しかし戦場において常に完全に状況が把握できる ほど情報が揃うことは歴史的に見れば極めて稀で あった。なぜなら地形や自軍・敵軍の状況、行動 を完全かつリアルタイムに指揮官が把握すること は技術的な観点から不可能であったからである。 特に敵情については非常に流動的であるため、常 に更新の必要性と情報の不完全性がつきまとい、 指揮官が充分な根拠と確信を以て意思決定するこ とを妨げてきた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%A6%E 5%A0%B4%E3%81%AE%E9%9C%A7
チームは十分に情報を取れているか? 「発注者が情報を くれないので作れません。」 自分でユーザーの ところに行って 分析しよう。
https://speakerdeck.com/kawaguti/hagechabin
https://confengine.com/conferences/regional-scrum-gathering-tokyo-2020/proposal/12219 はげちゃびんを乗りこなせ!
流行りには乗らない。後に残る我々のための 地道な取り組みを繰り返す。 https://youtu.be/R612Rz1kQN4
ヤン・ウェンリー (再掲) “硬直した固定観念ほど危険なものはない。” “敵の心理を読む。傭兵のポイントはここにある。 そして戦場にあって完全に能力を発揮するには 補給が不可欠だ。極端なことを言えば、敵の本隊を 撃つ必要はなく、補給さえ断てばよい。戦わずして 敵は退かざるをえない。”
第一巻 黎明編のおもな展開 0.これまでの歴史 (プロローグ) 1. アスターテ会戦 2. 帝国と同盟それぞれの事情 3. イゼルローン奪取作戦
4. 同盟国内の政治的思惑 5. 帝国領侵攻作戦 6. アムリッツァ会戦
補給路の圧迫、物資の枯渇 ご飯たんないよ 蹴散らせ! 逃げろ!
主だった同盟軍の指揮官の損耗 蹴散らせ! 第13艦隊
ヤン・ウェンリーのイゼルローン司令就任 逃げ込んだか。 ヤン艦隊
スクラムが失敗するケースとその教訓 1.イゼルローン攻略とアムリッツァ侵攻の判断ミス 自分たちのベロシティを過信して、できもしない PBIをたくさん積んでいないか?実力が分かる前 に作った計画に振り回されていないか? 2.同盟国内世論の高まりによる戦略の誤り 「できたらいいな」で現実を無視した決定を していないか? 3.危機的状況でのチームの生存と再起 自分のチームだけでも生き残れないか?
後に残せるものはないか?
1.衆愚に陥らないための個人の責任 全員が参加し、役職の上下なく話し合えている か?心理的安全性が確保されて、全員がちゃん と発言できる状態か? 2.多様な意見を尊重しつつ、決断すべき時の勇気 最後は責任者(PO)が決める(しかない)。適時で 判断できているか?責任はとれているか? 合議制の落とし穴と意思決定の在り方
アジャイルにはだいたい書いてある。 銀英伝読めばだいたいわかる。