Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
ftrace を使ったコンテナ内デバッグの準備/container-debug-using-f...
Search
Kenta Tada
September 24, 2019
Programming
7
11k
ftrace を使ったコンテナ内デバッグの準備/container-debug-using-ftrace
Kenta Tada
September 24, 2019
Tweet
Share
More Decks by Kenta Tada
See All by Kenta Tada
cgroup v2 support in Kubeadm
kentatada
0
270
Keynote_ The State of eBPF in Japan
kentatada
0
51
eBPF Japan Meetup のご紹介
kentatada
0
240
eBPF_technologies_with_container
kentatada
0
490
Linux Tracing Technologies for Rust
kentatada
4
1k
seccomp: Whereabouts of Light and Darkness
kentatada
0
710
Embedded Container Runtime Updates - The container performance issues caused by the cgroup
kentatada
0
1.1k
CPU shielding on Docker and Kubernetes
kentatada
0
1.4k
cgroup v2 internals
kentatada
0
920
Other Decks in Programming
See All in Programming
Better Code Design in PHP
afilina
PRO
0
120
RubyLSPのマルチバイト文字対応
notfounds
0
120
Jakarta Concurrencyによる並行処理プログラミングの始め方 (JJUG CCC 2024 Fall)
tnagao7
1
290
Streams APIとTCPフロー制御 / Web Streams API and TCP flow control
tasshi
2
350
役立つログに取り組もう
irof
28
9.6k
Creating a Free Video Ad Network on the Edge
mizoguchicoji
0
120
EventSourcingの理想と現実
wenas
6
2.3k
Ethereum_.pdf
nekomatu
0
460
C++でシェーダを書く
fadis
6
4.1k
CSC509 Lecture 11
javiergs
PRO
0
180
Snowflake x dbtで作るセキュアでアジャイルなデータ基盤
tsoshiro
2
520
タクシーアプリ『GO』のリアルタイムデータ分析基盤における機械学習サービスの活用
mot_techtalk
4
1.4k
Featured
See All Featured
Agile that works and the tools we love
rasmusluckow
327
21k
Mobile First: as difficult as doing things right
swwweet
222
8.9k
Fashionably flexible responsive web design (full day workshop)
malarkey
405
65k
[Rails World 2023 - Day 1 Closing Keynote] - The Magic of Rails
eileencodes
33
1.9k
A better future with KSS
kneath
238
17k
GraphQLとの向き合い方2022年版
quramy
43
13k
Scaling GitHub
holman
458
140k
BBQ
matthewcrist
85
9.3k
Music & Morning Musume
bryan
46
6.2k
GraphQLの誤解/rethinking-graphql
sonatard
67
10k
Gamification - CAS2011
davidbonilla
80
5k
Java REST API Framework Comparison - PWX 2021
mraible
PRO
28
8.2k
Transcript
R&D Center System Technology Development Division Base System Development Department
Copyright 2019 Sony Corporation ftrace を使ったコンテナ内デバッグの準備 Kenta Tada R&D Center Sony Corporation
About me ⚫System Software Engineer ⚫低レイヤな仕事をしています。
本日のアジェンダ ⚫strace や GDB を使えない or 使いたくない環境でコンテ ナ内のアプリケーションをデバッグしたい。
ptrace ベースのデバッグツール(strace、 GDB)の課題 ⚫(特に組み込みでは)仕組み上、重たい。 ⚫システムグローバルな情報が取れない。 • (コンテナ内のアプリケーション起因で)カーネル側に影響 を与える問題の解析が出来ない。 • 例
: dentry キャッシュの増大化 https://qiita.com/kentaost/items/a2e882d2978fba9e17d3
そこで ftrace ⚫ftrace とは • カーネル内に組み込まれているトレーシング機構 • カーネル内関数やシステムコールの呼び出しを含む様々 な情報をカーネル内リングバッファに取得し続ける。
ftrace だと何を取得できるの? ⚫たとえば • カーネル内関数の呼び出し • カーネル内関数のコールグラフ •最大の割り込み禁止区間 •システムコールの呼び出し ←
今日はこれをコンテナ内で 取得してみる …
まずはコンテナ外で ftrace を使う
ftrace によるシステムコールトレース設定(not コンテナ環境) ⚫tracefs のマウント • 本スライドでは /sys/kernel/debug/tracing にマウント ⚫システムコールイベントをトレース対象にする
• /sys/kernel/debug/tracing/events/syscalls の中からシステム コール毎に enable ⚫PIDを限定 • # echo [PID] > /sys/kernel/debug/tracing/set_event_pid • 動作中のプロセスではなく、起動時から取得するに は?? → 次ページで説明 ⚫トレーススタート • # echo 1 > /sys/kernel/debug/tracing/tracing_on
プロセス起動時からトレースする ⚫set_event_pid に指定する PID がプログラム実行前にわ かれば良い。 → 解析対象プログラムを最後に exec するラッパースクリ
プトを作成して、 exec 前に ftrace の設定をすれば OK
コンテナ外のシステムコールトレースの例 : ls コマンド
コンテナ内で ftrace を使うには?
runC のおさらい ⚫runC • 低レイヤコンテナランタイム ⚫runC でコンテナを立ち上げるには • config.json •
コンテナの rootfs
ftrace 環境を config.json に書く時の懸念点 ⚫tracefs のマウント → 懸念点1 : ftrace
のリングバッファはシステムグローバ ル ⚫システムコールイベントをトレース対象にする ⚫PIDを限定 ⚫トレーススタート → 懸念点2 : pid namespace を分割していたら(普通してい る)どうしよう??
懸念点1 : ftrace のリングバッファや設定について ⚫通常 ftrace のリングバッファはシステムグローバル • トレーススタートタイミングは、コンテナ毎に異なる。 •
コンテナAとコンテナBが共に ftrace を使うと、両方のログ が混合される。 –コンテナ側にリングバッファを見せる場合、機微情報等 が入ってたりすると困る。 ⚫コンテナの中で ftrace の設定をいじられたくない • コンテナ内からリングバッファのサイズを変更したり、 トレース対象の PID を変更できてしまう。
懸念点1 : 解決案 ⚫通常 ftrace のリングバッファはシステムグローバル • ftrace にはリングバッファを分割する機能がある(ftrace instances)。
–instances ディレクトリ(例 : /sys/kernel/debug/tracing/instances) で mkdir すると専用のバッファが出来る。 –例 : /sys/kernel/debug/tracing/instances/containerA • コンテナ毎にリングバッファを作成して、コンテナ毎の ユーザに chown して bind mount ⚫コンテナの中でftraceの設定をいじられたくない • bind mount の単位をファイルレベルに細かくする
懸念点2 : pid namespace 分割問題 ⚫ホスト上の PID を set_event_pid に指定する必要がある。
懸念点2 : 解決案 ⚫ホスト上の PID を set_event_pid に指定する必要がある。 • runC
は自身を exec してコンテナの init process になる。 • runC の preStart にて、将来コンテナの中で動く PID (runc init)を探してその PIDを set_event_pid に指定するスクリプ トを実行する。 "hooks": { "prestart": [ { "path": "/hookpath/set_ftrace.sh", "args": [ "set_ftrace.sh" ] } ] },
コンテナ内のシステムコールトレースの例 : ls コマンド
デモ : 実際にコンテナ内からログを出してみる
今後の課題 ⚫preStart から実際に exec されるまでにトレースされる情 報がログに入ってしまう。 • そもそも preStart でやるべきことでもない気がする。
→ preExec 的なものが欲しいなあ・・・ ⚫どのファイルが読めなくてエラーになってるか知りた い。 → (参考) kprobes で表示可能 https://events.linuxfoundation.org/wp-content/uploads/2017/12/oss-eu-2018- fun-with-dynamic-trace-events_steven-rostedt.pdf ⚫ログのシステムコールのエラーメッセージが欲しい。
コンテナ内で ftrace を使うには? ⚫ftrace instances をコンテナ単位で割り当てる ⚫runC の preStart で将来コンテナの中で動く
PID を取得 し、その PID を ftrace の set_event_pid に設定する まとめ
SONYはソニー株式会社の登録商標または商標です。 各ソニー製品の商品名・サービス名はソニー株式会社またはグループ各社の登録商標または商標です。その他の製品および会社名は、各社の商号、登録商標または商標です。