学習プロダクト開発の理想と現実

【教育 x デザイン】新しい時代に向けた教育のあり方とは？というテーマで登壇したときの資料です

イベント概要
https://redesigner.connpass.com/event/197140/

Transcript

1. GLOBIS 学習プロダクト開発の理想と現実
2. 神崎 正明 グロービス・デジタル・プラットフォーム プロダクトマネージャー デザイナー デザイナー兼 制作ディレクター プロダクトマネージャー 制作会社にて、自社サービスの新規立ち上げやGUIのデザインを担当。 株式会社Speeeにて新規サービスの制作チームのリードとして、KPIの 設計から施策実行を行い、CVRの改善を担当。 兼務としてデザイン組織のマネジメントも行う。 株式会社DeNAトラベルにて、プロダクトマネージャーとしてビジネス・ 開発・マーケティングを担当。 現在は株式会社グロービスにて自社サービスのアプリ開発チームにて プロダクトマネージャーに従事。
3. 私は、プロダクトマネージャーとして 前半で話した「学習サービスの未来」について すごくワクワクしている！
4. ワクワクしているけど、プロダクト開発を 進めて行くなかで自分の中でこのような疑問が うまれました...
5. プロダクト開発をしていく中で生まれた疑問 現在、プロダクトを利用してくれているユーザーは 本当に志が高い人が多いのだろうか？ 大半の人が、将来やキャリアのために勉強している中で 様々な誘惑に負けてサボってしまっているのが現実ではないか？
6. PdMの私が今、向き合うべきこと
7. PdMとして向き合うべきこと ユーザーの現実を知り 今、プロダクトが成すべきことを具体的にする
8. ユーザーの現実を知るために行ったこと 行動分析 定性調査 行動ログ(GA、Firebase、BigQuery)を見て分析 自社で提供しているユーザーコミュニティーに参加し実態を把握 行動分析 定性調査
9. ユーザーの調査・分析から得られたこと ・目的を持ち計画的に学習を続けられるユーザーはほんの一部 ・大多数は月に数回ログインする程度 行動分析 定性調査 学習に対するモチベーションが高く継続学習するユーザーが 多いと思っていたが実際は違った。
10. ユーザーの調査・分析から得られたこと 学習に対する意欲の維持や学習時間の確保が想定より難しいことや とりあえず開始したため何をどう始めたら良いかわからないユーザーが 多かった ・「学習意欲にムラがあり続かない」 ・「学習時間が確保できない」 ・「目的意識が薄いので何をどう始めていいかわからない」 行動分析 定性調査
11. 分析結果から推測したユーザーに対する課題仮説 学習はしたいし、するべきだと思っているが それを続けること自体に高いハードルがある
12. プロダクトが成すべきことの明確化 プロダクトの理想の提供価値 どんなユーザーに使ってほしいのか？ 利用した結果、ユーザーにどのような状態になってほしいのか？ ビジネススキル向上のため、学習の必要性を感じているが続かないユーザー 継続して学んだこと自体が、キャリアにおける自信や糧となっている状態
13. 価値を定義したことで見えて来た プロダクト開発現場の問題
14. プロダクト開発する上で見えて来た開発プロセスの問題 開発プロセスの問題 プロダクトを通した利用体験を良くするために、仮説を立てながら 検証していく仕組みがなかった ユーザー層が変わったことにより、学習を始める際の意欲や動機が 変化したことに適応できていなかった。
15. 開発プロセスの問題から発生した課題 仮説を立て検証することを前提とした開発ではなく機能を作ることを 目的とした開発になってしまった。 ユーザー視点を考慮した開発が行えていないため、機能が増えるばかりで プロダクトとしてのコア体験が何か誰もわからない状態になってしまった。 仮説検証する仕組みがない ユーザー層と学習意欲の変化が把握ができなかった
16. PdMとして 見えて来た開発プロセスの問題や課題に どのように向き合ったか
17. 開発プロセスの問題に対するPdMとしての取り組み 機能重視の開発プロセスを見直し、仮説検証を重視した開発プロセスに変更 ユーザーをより理解するためにチームでユーザーミートアップに参加。 実際の利用ユーザーと対話を行いユーザーへの理解を深めた。 問題1：機能重視の開発プロセス 問題2：利用ユーザーへの理解不足
18. 誰もユーザーが本当に欲しいものはわからない 仮説検証をやり続けるために 開発プロセスの課題を解決するために実行したこと ユーザーの声を聞き、本当に欲しいものを見つけられるまで、ひたすら検証 のプロセスを回す 組織として仮説検証を継続的に行える環境にするために、まずは関係者に わかりやすい成果を示す
19. 関係者が納得しやすい成果をつくるために重視したこと 学習開始のメイン導線、かつユーザビリティに問題がある箇所 ユーザーコミュニティからリクルーティングしてユーザーテスト トラフィックが多くインパクトが大きく定性調査により問題を発見しやすい コミュニティチームと連携して素早く実施できる 変化の起こしやすさ スピード感
20. 関係者が納得しやすい成果をつくるために重視したこと 学習開始のメイン導線、かつユーザビリティに問題がある箇所 ユーザーコミュニティからリクルーティングしてユーザーテスト トラフィックが多くインパクトが大きく定性調査により問題を発見しやすい 変化の起こしやすさ スピード感
21. オンラインユーザビリティーテスト
22. オンラインユーザビリティーテストの結果 操作効率が 200% UP !! 課題仮説 カテゴリ数が多くスライドタブでは一覧性が低く 見たいカテゴリーを探すのに時間がかかるのでは ないか？ 決められたカリキュラムを利用する人よりも カテゴリから能動的にコースを探す人が多いので はないか？ 現行版 パターン1 パターン2
23. 関係者が納得しやすい成果をつくるために重視したこと 学習開始のメイン導線、かつユーザビリティに問題がある箇所 ユーザーコミュニティからリクルーティングしてユーザーテスト コミュニティチームと連携して素早く実施できること 変化の起こしやすさ スピード感
24. ユーザーの現実を知るためのユーザーミートアップ
25. ユーザーミートアップに実際に参加して 学習者はめちゃくちゃ悩んでる １人の学習者としての自分 ・周りに真剣に学ぶ人がおらず質問や相談ができない、仕事では恥をかけない ・ユーザーコミュニティで他人と繋がり、刺激し励まし合うということが価値になっている ・コミュニティの中にいるとプロダクト開発者であるということを忘れてしまう瞬間がある ・「どうやってアウトプットの機会をつくるか？」「どんな目標を設定するか？」といった テーマで議論している時間が心地よい
26. 社会人学習という領域で プロダクト開発を行う面白さ
27. 多種多様な教育理論、学習理論 課題解決型の学びで意欲向上 教えるための全体プロセス 学習意欲向上モデル 教育理論は無数にあり、社内勉強会でも 参加するたびに新たな気付きがある
28. チャレンジは『ユーザー体験と学習理論の融合』 そのまま理論を応用してしまうと・・・・ 強いコンテンツを持っているがゆえに体験にフォーカスしたい ・ユーザーの利用コンテキストにそぐわない体験になってしまう ・利用時の負荷が大きすぎる ・我々はどのようにして、なめらかに学習を習慣化できるだろうか？ ・我々はどのようにして、（理論に基づき）効率的な学習を提供できるだろうか？
29. Thank you !