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あんさんぶるスターズ!の運用について

KUSAKARI Kei
December 08, 2016

 あんさんぶるスターズ!の運用について

関西ゲーム勉強会2016WINTERでの発表内容です

KUSAKARI Kei

December 08, 2016
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Transcript

  1. ⾃⼰紹介 • 草苅 景(くさかり けい) • @kusakari • Happy Elements株式会社カカリアスタジオ所属

    • チーフエンジニア • 「あんさんぶるスターズ!」グループリーダー ©Happy Elements K.K 1
  2. 実績 • 200万ダウンロード(2016年9⽉) • Google Play 2015年ベストゲーム • 「夢王国と眠れる100⼈の王⼦様」と同時選出 •

    ⼥性向けゲームでは初 • 2016年9⽉15⽇ App Store トップセールス1位 • ⼥性向けスマホゲームではトップクラス ©Happy Elements K.K 6 INSIDEより引⽤
  3. ②⾃⼰紹介 • ೥ʹΞϧόΠτͰ)BQQZ&MFNFOUTגࣜձࣾʹΠϥετ Ϩʔλʔͱͯ͠ۈ຿ • カードイラストを2〜3タイトル経験 • →ファンタジー神話カードゲームの終盤イベントでシナリオを担当 ©Happy Elements

    K.K 11 • ೥ΑΓʮ͋Μ͞ΜͿΔελʔζʂʯͷίϯςϯπσΟ ϨΫλʔͱͯ͠ۈ຿ • 開発開始後「あんさんぶるガールズ!」を後任に引き継ぎ、現在は 「あんさんぶるスターズ!」のコンテンツディレクターを担当 • ೥ʹʮ͋Μ͞ΜͿΔΨʔϧζʂʯͷίϯςϯπϓϥϯ φʔͱͯ͠ۈ຿ • 新規タイトルの⽴ち上げでイラストレーターとして参加 • →キャラクターや世界観設定、イベント企画を担当したことがきっか けで、そのままプランナー(コンテンツディレクション)業務がメイン になる
  4. テーマを決める1/4 イベントに登場するメンバーを決めたら、⾒せたいところを考えながらʰςʔϚʱを決める。 今回は8⽉に実施したイベントを元に、2組のアイドルユニットの⾒せ⽅を紹介。 ˣࠨ͕݄ʹ࣮ࢪͨ͠ʰḐ೤ˑւลͷϏʔνϚονʱ ӈ͕݄ʹ࣮ࢪ͍ͨͭ͠΋ͷํ޲ੑͷΠϥετˣ ʢແ๷උɺͪΐͬͱΦϑͷ࢟Λ૝૾ͤ͞Δʣ ʢΨʔυ͕ݎ͍ɺઓୂ΋ͷ͕શ໘ʹग़͍ͯΔʣ ©Happy Elements K.K

    21 『流星隊(りゅうせいたい)』は戦隊ものをモチーフにしているため肌を出さないスーツ系⾐装が 多い。夏の露出できる季節のため、これまでほぼ未登場であるカジュアルな⾐装を着せることにした。 さらに、アイドルではあるものの、たまにはステージ以外の仕事姿も描きたい。 以上から『海の家』をテーマにした。
  5. ⾐装とステージデザインの「ポイント」 ©Happy Elements K.K 31 • 決めた「テーマ」からぶれずにイラストに落とし込む。 • ⾐装とステージのデザインも「テーマ」を反映し統⼀感を出す。 •

    カードのレアリティによる差は⾐装デザインにも反映させ、⾼レアリティの価値が 伝わるように配慮。 ⾐装は『海の家』の従業員海パンと ユニットのテーマカラーでデザインしたシャツ 背景は『海の家』 ほぼ⾒えないが⾐装と店の名前も揃えている
  6. シチュエーションに合わせてイラストを制作する • ⽉⼆回のイベントサイクルで制作 スパンが短いため、シナリオの納 品前にストーリーのおおまかな流 れが書かれたプロットや、イラス トを制作しやすそうなシチュエー ションを先に送っていただき制作。 • シナリオの納品後に、シナリオか

    らイラスト映えするシーンを抜粋 して制作することもある。(ライ ターとイラストレーターだと⾒て いるところが異なるため) • シチュエーションを先にもらって いても、納品されたシナリオで展 開が変わって該当のシーンが異 なっていることもあるため、こま めに連絡を取ってお互いに対応。 ©Happy Elements K.K 40 (Slackで連携している)
  7. まとめ • ゲーム制作の上では、ʮϙΠϯτʢͩ͜ΘΓʣʯをしっかり持って運営 して⾏くことが⼀番⼤事である。 • ʮϙΠϯτʢͩ͜ΘΓʣʯが伝わるように⼼がければ、ユーザーさんは きちんと理解しゲームとしての魅⼒と受け取ってくれる。 • さらに、 ʮϙΠϯτʢͩ͜ΘΓʣʯが他社のゲームと差別化を図れる

    ことにつながるのではないかと思う。 ただし、 ʮϙΠϯτʢͩ͜ΘΓʣʯが過ぎると運営に⽀障が出る(締め 切りまでに終わらずリリースギリギリになる)ため、効率も考えていいバ ランスを取ることが不可⽋。 ©Happy Elements K.K 45
  8. 使⽤しているサービス • Slack(チャット) • Skype→HipChat→Slack • 興味のあるチャンネルは、他アプリのチャンネルでも閲覧可能 • GitHub(ソースコード管理) •

    ⾃社でホスティングせず、可能な限り管理コストを省く • GitHub Issues(タスク管理) • Asana→backlog→GitHub Issues • タスク管理はいろいろ試したものの、完全に満⾜できるものはない • 業務にツールを合わせるのではなく、ツールに業務を合わせていく⽅ が柔軟 • GitHubとの連携は⾮常に⼤きなポイント ©Happy Elements K.K 48
  9. 開発チーム構成 • ։ൃϦʔμʔʷ • 社員エンジニア×3 • 学⽣アルバイトエンジニア×2 • プランナー×1 •

    デザイナー×1 ※チーム全体は約30名 ※サポートチームは別チーム ©Happy Elements K.K 51
  10. 開発リーダーの役割 • 開発フローの明確化 • 可能なら明⽂化も • 開発に関する判断を実施 • 判断には実装⼒必須 •

    例えば、タスク・レビュアー割り当て • 開発全般における責任を開発リーダーがもつ • そのため、最悪⾃分で対応できる⼈が望ましい ©Happy Elements K.K 52
  11. イベント周期に合わせた運⽤ • ⼆週間に⼀度、⽉⼆回のイベント • 運⽤フローはイベントサイクル合わせ • 基本的に⼆週間で1マイルストーン • クライアントアップデート •

    基本的にイベントに合わせて、⼆週間に⼀度のアップデート • サーバーアップデート • イベントサイクルに加えて、⼀週間に⼀度アップデート • 定期導⼊⽇を決めて細かな対応をまとめて導⼊ • 例えば、誤字脱字、軽微なイラストの修正、管理画⾯修正など ©Happy Elements K.K 53
  12. 3つのGitHubリポジトリー • hekk/boys • サーバープログラム⽤のリポジトリー • hekk/boys_client • クライアントプログラム⽤のリポジトリー •

    hekk/boys_issues • 上記2リポジトリーではIssuesを使⽤せず、こちらだけを利⽤ • 実運⽤ではサーバーとクライアントを横断したIssueが多いこともあ り⼀元化 ©Happy Elements K.K 54
  13. リリース内容調整 • ⼆週間に⼀度、開発リーダーとプランナーで実施 • Issueごとにマイルストーンを設定 • このタイミングで実装担当者も割り振る • 考慮すべきポイント •

    プロモーション的に必要な機能開発を含める • ユーザーさん的にうれしい内容を含める • アップデートがあってもユーザーさんに⾒える改善がなければ、アップデートしたく ないはず • ⼤きい機能はステップ分けして含めて、⼆週間ごとに進捗確認、スケ ジュールが⾒直しできるように ©Happy Elements K.K 63
  14. 開発フロー ©Happy Elements K.K 68 ブランチの作成 実装 レビュー依頼 レビュー マージ

    差し戻し エンジニア レビュアー 開発リーダー レビュアー割り当て
  15. ブランチの作成 • 1つのIssueに対して1つのブランチを作成 • forkはせずブランチを作る • _yourname/xxx-yyy-zzzのような形 • GitHubの使い⽅は簡易版Git-Flow(今回は省略) •

    ブランチ作成と同時に[WIP]なPull Request(以下 PR)を作成 • WIPはWork In Progressの略 • 担当タスクの明確化と経過の可視化 ©Happy Elements K.K 69
  16. レビュアー割り当て2 • レビュアーは開発リーダーが割り当てる • 優先的に割り当てる⼈ • 元々そのコードを書いた⼈ • 周辺コードに理解がある⼈ •

    実装者とレビュアーが責任をもつことを明確化 • チーム状況などにもよるが、少⼈数のチームで開発リーダーがアプリ のソースコードを把握しているという状況であれば、開発リーダーの みが担当を割り当てるのが良いと考えている • 重要なコードはレビュアーを⼆⼈割り当てる • 重要であることを明確化 • 例えば、⼤きめの改修や課⾦系の機能 ©Happy Elements K.K 75
  17. レビュー時の⼼がけ1 ©Happy Elements K.K 78 • チーム開発の必読書⼆冊 • ここでは詳しく触れませんが、前提知識としてオススメの⼆冊 •

    新メンバー加⼊時にまず読んでもらう 実装とレビューの 前提知識 開発チームコミュ ニケーションの 前提知識
  18. レビュー時の⼼がけ2 • 以下を予め決めておくことが重要(あんスタの例) • レビューの⽬的 • 新しいメンバーが最短時間で理解できるソースコードとする • バグのダブルチェック。実装者とレビュアーが責任を持つ •

    実装者に求める基準 • サーバー: Ruby on Railsの基本的な使い⽅を理解している • クライアント: C#3.0およびUnityの基本的な使い⽅を理解している • レビュアーのスタンス • 指摘→修正の流れではなく、基本的にはディスカッションで、質 問・提案という形でコメントする • 好みの問題となれば、実装者・開発リーダーを尊重する ©Happy Elements K.K 79