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A_アルゴリズム高速化を目指して

 A_アルゴリズム高速化を目指して

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Takashi Makino

April 25, 2021
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Transcript

  1. A*アルゴリズム 高速化を目指して 牧野トミー孝史 2021/04/21@TechBash

  2. 高速化の前に理解しよう • 一般的な経路探索アルゴリズムに A*アルゴリズムがある • Wikipediaにこうしたら速くなるよと書いてある ◦ データ構造の工夫 ◦ ヒューリスティック関数の工夫

    • そもそものアルゴリズムを自分で実装したことがない →しっかり理解したことをみんなに伝えてみよう!
  3. どんな問題を解くのか StartからGoalまでの経路を求める! • ノード(青い点):81個 • エッジ(線):144本 Start Goal

  4. どんな問題を解くのか StartからGoalまでの経路を求める! • ノード(青い点):81個 • エッジ(線):144本 Start Goal 赤い線っぽくなってく れたらいいな

  5. A*の考え方 S G (0, 0) (100, 100) (50, 100) (0,

    100) (50, 0) (90, 0) (0, 50) (50, 50) (100, 50) f(n) = g(n) + h(n) のf(n)が最小となる経路をたどっていく
  6. A*の考え方 最小経路の時のコストをf(n)*と置くと ※nはノードを指している f(n)* = g(n)* + h(n)* g(n)*はスタートからノードnまでのコスト h(n)*はノードnからゴールまでのコスト

    g(n)*とh(n)*はわからないため、推定値として計 算する必要がある。推定値 f(n)と置くと f(n) = g(n) + h(n) g(n)は通った時に算出すれば良いが、 h(n)はゴールに辿り着くまで不明である。 S G (0, 0) (100, 100) (50, 100) (0, 100) (50, 0) (90, 0) (0, 50) (50, 50) (100, 50)
  7. A*の考え方 最小経路の時のコストをf(n)*と置くと ※nはノードを指している f(n)* = g(n)* + h(n)* g(n)*はスタートからノードnまでのコスト h(n)*はノードnからゴールまでのコスト

    g(n)*とh(n)*はわからないため、推定値として計 算する必要がある。推定値 f(n)と置くと f(n) = g(n) + h(n) g(n)は通った時に算出すれば良いが、 h(n)はゴールに辿り着くまで不明である。 S G (0, 0) (100, 100) (50, 100) (0, 100) (50, 0) (90, 0) (0, 50) (50, 50) (100, 50) f(n)* = 50 + 50*3 = 200
  8. (50, 50) A*の考え方 最小経路の時のコストをf(n)*と置くと ※nはノードを指している f(n)* = g(n)* + h(n)*

    g(n)*はスタートからノードnまでのコスト h(n)*はノードnからゴールまでのコスト g(n)*とh(n)*はわからないため、推定値として計 算する必要がある。推定値 f(n)と置くと f(n) = g(n) + h(n) g(n)は通った時に算出すれば良いが、 h(n)はゴールに辿り着くまで不明である。 S G (0, 0) (100, 100) (50, 100) (0, 100) (50, 0) (90, 0) (0, 50) (100, 50) f(n) = 50 + ? = ??
  9. (50, 50) A*の考え方 最小経路の時のコストをf(n)*と置くと ※nはノードを指している f(n)* = g(n)* + h(n)*

    g(n)*はスタートからノードnまでのコスト h(n)*はノードnからゴールまでのコスト g(n)*とh(n)*はわからないため、推定値として計 算する必要がある。推定値 f(n)と置くと f(n) = g(n) + h(n) g(n)は通った時に算出すれば良いが、 h(n)はゴールに辿り着くまで不明である。 S G (0, 0) (100, 100) (50, 100) (0, 100) (50, 0) (90, 0) (0, 50) (100, 50) h(n)にはヒューリスティックな関数を定 義する e.g. ユークリッド距離 マンハッタン距離 e.g. マンハッタン距離の時 h(n) = (100-50) + (100-0) h(n) = 150 f(n) = 50 + 150 = 200
  10. コストを使ってどうやって経路探索するのか Wikipediaの実装をそのまま再現 事前準備・備考 • 優先度付きキューOPENとCLOSEを用意 • 優先度はf(n)の低い順 • h(n)はマンハッタン距離 S

    G (0, 0) (100, 100) (50, 100) (0, 100) (50, 0) (90, 0) (0, 50) (50, 50) (100, 50)
  11. OPEN:[11] CLOSE:[] TARGET: 説明 スタートのノードをOPENへ入れる (0, 0) (100, 100) (50,

    100) (0, 100) (50, 0) (90, 0) (0, 50) (50, 50) (100, 50) 11 12 13 22 21 31 32 23 33
  12. OPEN:[] CLOSE:[11] TARGET:11 説明 OPENから一つ取り出しCLOSEに加える (0, 0) (100, 100) (50,

    100) (0, 100) (50, 0) (90, 0) (0, 50) (50, 50) (100, 50) 11 12 13 22 21 31 32 23 33
  13. 12 21 OPEN:[] CLOSE:[11] TARGET:11 説明 TARGETと隣接しているノードがOPENまたはCLOSE に含まれるか確認する (含まれなかった) (0,

    0) (100, 100) (50, 100) (0, 100) (50, 0) (90, 0) (0, 50) (50, 50) (100, 50) 11 13 22 31 32 23 33
  14. 12 21 OPEN:[12(200), 21(200)] CLOSE:[11] TARGET:11 説明 TARGETと隣接しているノードのfn(n)を求めてOPEN に追加する f(12)

    = 50 + 150 = 200 f(21) = 50 + 150 = 200 この時各ノードに親情報( 11から繋がっている)を付 与する ここまで1セット (0, 0) (100, 100) (50, 100) (0, 100) (50, 0) (90, 0) (0, 50) (50, 50) (100, 50) 11 13 22 31 32 23 33
  15. OPEN:[21(200)] CLOSE:[11, 12(200)] TARGET:12(200) 説明 OPENから一つ取り出しCLOSEに加える (0, 0) (100, 100)

    (50, 100) (0, 100) (50, 0) (90, 0) (0, 50) (50, 50) (100, 50) 11 12 13 22 21 31 32 23 33
  16. 13 22 OPEN:[21(200)] CLOSE:[11, 12(200)] TARGET:12(200) 説明 TARGETと隣接しているノードがOPENまたはCLOSE に含まれるか確認する (含まれなかった)

    (0, 0) (100, 100) (50, 100) (0, 100) (50, 0) (90, 0) (0, 50) (50, 50) (100, 50) 11 12 21 31 32 23 33
  17. 13 22 OPEN:[21(200), 13(200), 22(200)] CLOSE:[11, 12(200)] TARGET:12(200) 説明 TARGETと隣接しているノードのfn(n)を求めてOPEN

    に追加する f(13) = 100 + 100 = 200 f(22) = 100 + 100 = 200 この時各ノードに親情報を付与する (0, 0) (100, 100) (50, 100) (0, 100) (50, 0) (90, 0) (0, 50) (50, 50) (100, 50) 11 12 21 31 32 23 33
  18. 13 22 OPEN:[21(200), 13(200), 22(200)] CLOSE:[11, 12(200)] TARGET:12(200) 説明 TARGETと隣接しているノードのfn(n)を求めてOPEN

    に追加する f(13) = 100 + 100 = 200 f(22) = 100 + 100 = 200 この時各ノードに親情報を付与する (0, 0) (100, 100) (50, 100) (0, 100) (50, 0) (90, 0) (0, 50) (50, 50) (100, 50) 11 12 21 31 32 23 33
  19. OPEN:[13(200), 22(200)] CLOSE:[11, 12(200), 21(200)] TARGET:21(200) 説明 OPENから一つ取り出しCLOSEに加える (0, 0)

    (100, 100) (50, 100) (0, 100) (50, 0) (90, 0) (0, 50) (50, 50) (100, 50) 11 12 13 22 21 31 32 23 33
  20. 22 31 OPEN:[13(200), 22(200)] CLOSE:[11, 12(200), 21(200)] TARGET:21(200) 説明 TARGETと隣接しているノードがOPENまたはCLOSE

    に含まれるか確認する (22がOPENに含まれている) (0, 0) (100, 100) (50, 100) (0, 100) (50, 0) (90, 0) (0, 50) (50, 50) (100, 50) 11 12 13 21 32 23 33
  21. 22 31 OPEN:[13(200), 22(200), 31(200)] CLOSE:[11, 12(200), 21(200)] TARGET:21(200) 説明

    TARGETと隣接しているノードのfn(n)を求めてOPEN に追加する f(31) = 90 + 110 = 200 f(22) = 100 + 100 = 200 もしf(22)が元のコストより低ければコストと親情報を 更新する この時各ノードに親情報を付与する (0, 0) (100, 100) (50, 100) (0, 100) (50, 0) (90, 0) (0, 50) (50, 50) (100, 50) 11 12 13 21 32 23 33
  22. (0, 0) (100, 100) (50, 100) (0, 100) (50, 0)

    (90, 0) (0, 50) (50, 50) (100, 50) 11 12 13 22 21 31 32 23 33 OPEN:[13(200), 22(200)] CLOSE:[11, 12(200), 21(200), 31(200)] TARGET:31(200) 説明 OPENから一つ取り出しCLOSEに加える (ちょっと恣意的に31を取り出しました)
  23. 32 22 31 OPEN:[13(200), 22(200)] CLOSE:[11, 12(200), 21(200), 31(200)] TARGET:31(200)

    説明 TARGETと隣接しているノードがOPENまたはCLOSE に含まれるか確認する (含まれなかった) (0, 0) (100, 100) (50, 100) (0, 100) (50, 0) (90, 0) (0, 50) (50, 50) (100, 50) 11 12 13 21 23 33
  24. 32 22 31 OPEN:[13(200), 22(200), 32(200] CLOSE:[11, 12(200), 21(200), 31(200)]

    TARGET:31(200) 説明 TARGETと隣接しているノードのfn(n)を求めてOPEN に追加する f(32) = 150 + 50 = 200 この時各ノードに親情報を付与する (0, 0) (100, 100) (50, 100) (0, 100) (50, 0) (90, 0) (0, 50) (50, 50) (100, 50) 11 12 13 21 23 33
  25. (0, 0) (100, 100) (50, 100) (0, 100) (50, 0)

    (90, 0) (0, 50) (50, 50) (100, 50) 11 12 13 22 21 31 32 23 33 OPEN:[13(200), 22(200)] CLOSE: [11, 12(200), 21(200), 31(200), 32(200)] TARGET:32(200) 説明 OPENから一つ取り出しCLOSEに加える (ちょっと恣意的に32を取り出しました)
  26. 22 33 (0, 0) (100, 100) (50, 100) (0, 100)

    (50, 0) (90, 0) (0, 50) (50, 50) (100, 50) 11 12 13 21 31 32 23 OPEN:[13(200), 22(200)] CLOSE: [11, 12(200), 21(200), 31(200), 32(200)] TARGET:32(200) 説明 TARGETと隣接しているノードがOPENまたはCLOSE に含まれるか確認する (22がOPENに含まれる)
  27. 22 33 (0, 0) (100, 100) (50, 100) (0, 100)

    (50, 0) (90, 0) (0, 50) (50, 50) (100, 50) 11 12 13 21 31 32 23 OPEN:[13(200), 22(200), 33(200)] CLOSE: [11, 12(200), 21(200), 31(200), 32(200)] TARGET:32(200) 説明 TARGETと隣接しているノードのfn(n)を求めてOPEN に追加する f(22) = 250 + 100 = 350 f(33) = 0+200 = 200 この時各ノードに親情報を付与する
  28. (0, 0) (100, 100) (50, 100) (0, 100) (50, 0)

    (90, 0) (0, 50) (50, 50) (100, 50) 11 12 13 22 21 31 32 23 33 OPEN:[13(200), 22(200), 33(200)] CLOSE: [11, 12(200), 21(200), 31(200), 32(200), 33(200] TARGET:33(200) 説明 OPENから一つ取り出しCLOSEに加える (ちょっと恣意的に33を取り出しました)
  29. (0, 0) (100, 100) (50, 100) (0, 100) (50, 0)

    (90, 0) (0, 50) (50, 50) (100, 50) 11 12 13 22 21 31 32 23 33 OPEN:[13(200), 22(200), 33(200)] CLOSE: [11, 12(200), 21(200), 31(200), 32(200), 33(200] TARGET:33(200) 説明 TARGETがGoalと等しいので終了
  30. (0, 0) (100, 100) (50, 100) (0, 100) (50, 0)

    (90, 0) (0, 50) (50, 50) (100, 50) 11 12 13 22 21 31 32 23 33 OPEN:[13(200), 22(200), 33(200)] CLOSE: [11, 12(200), 21(200), 31(200), 32(200), 33(200] TARGET:33(200) 説明 TARGETの親情報をたどっていけば 33->32->31->21->11 という経路となることがわかる
  31. 実際に解いてみると Start Goal • ノード(青い点):81個 • エッジ(線):144個 • 計算時間:0.00536s

  32. こんな複雑な問題も解ける Start Goal • ノード(青い点):2401個 • エッジ(線):3984個 • 計算時間:3.24s(これじゃ遅い)

  33. 余談:ダイクストラ法って何? A*アルゴリズムの特殊版 ヒューリスティックな値が0として、スタートからノードnまでのコストのみで計算 f(n) = g(n) + h(n) h(n) =

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