Negative Capability

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1. NEGATIVE CAPABILITY 足 立 正 治
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3. ・真偽を見極めずに早急な結論に飛びついたり、過激 な意見に走ったりする。 ・中ぶらりんに耐えられない。 ・閉鎖的空間内で価値観の似た者同士が交流し、共感 することで特定の意見や思想が増幅される。 (echo chamber) 「悩んで耐える能力こそ知性 帚木蓬生、ネガティブの勧め」 （朝日新聞、2020/4/12）より
4. ・自分の答えが正しいと思いたいという要請に世の中 全体で、走っている。 ・誰もが意見を表明しないといけないという強迫観念 に駆られているから、『分からないこと』が許されな くなった。 「悩んで耐える能力こそ知性 帚木蓬生、ネガティブの勧め」 （朝日新聞、2020/4/12）より
5. 分からないという状況に耐え、悩むことは本来、価値 がある知的な能力である。(Negative Capability) 悩みや不安があっても、急がず、焦らず耐えていく。 ネガティブを日陰者として排除する状況がかえって、 生きづらくしている。 「悩んで耐える能力こそ知性 帚木蓬生、ネガティブの勧め」 （朝日新聞、2020/4/12）より
6. http://www.natsume-books.com/i_item/2014/07/151283.jpg
7. とくに文学において人に偉業を成し遂げさせ、シェイクスピアが ずば抜けて持っていたもの――それがネガティブ・ケイパビリ ティである。つまり、不確実・不可解・疑念の状態にありながら、 事実や論拠を求めてじたばたしない人に見出されるものである （ジョン・キーツ 1817年12月22日） ・・・what quality went to form a Man of Achievement, especially in Literature, and which Shakespeare possessed so enormously—I mean Negative Capability, that is, when a man is capable of being in uncertainties, mysteries, doubts, without any irritable reaching after fact and reason (John Keats on 22 December 1817) https://en.wikipedia.org/wiki/Negative_capability
8. 推論する人もまた自分の「直観」(intuition)に頼ら ねばならないのではないか。つまり、反省が自分に 提示する異論を押しのけてでも、感覚的・感情的な 直接経験のなかでひょっこり脳裏に浮かぶものに頼 らねばならないのではないか。(ジョン・デューイ著、栗田 修訳『経験としての芸術』晃洋書房2010、p.36)
9. 「もっぱらイマジネーションに頼る心は、無言のまま で活動を繰り返し、断続的に、しかもまったく突然に、 神霊(the Spirit)[＝霊妙なもの]に出くわすとき、自ら の報酬をえるのです」 これは、幾多の心理学の論文よりも創造的思考の心理 を見事に説明する所見である。(ibid. p.36)
10. 人生と経験を、それにともなうすべての不確実・神秘・ 疑惑・中途半端な知識といっしょに、そのまま受容する。 そしてその経験がもつ性質を深め強めるために、その経 験を吟味する・・・－つまり、イマジネーションと芸術 へと発展させる・・・。これがシェイクスピアとキーツ の哲学である。(ibid. p.38)