Speaker: 永山 翔太
量子情報時代の通信について概説する。量子インターネットは今のインターネットとは異なる原理(量子力学)で動き、任意の2ノード間にエンタングルメントを生成する基盤である。当然、利点も異なる。例えば、「完全に安全な暗号通信」を実現するための基盤となる。また、量子コンピュータは、エンタングルメントと重ね合わせを用いて大量の状態を同時に扱う。この特性上、量子メモリサイズが重要である。量子コンピュータ同士を通信で繋げて分散量子計算を行うことで、より大きな計算力を得られる。また、エンタングルメントは量子力学の基本的な物理特性なので、様々な科学実験にも役立つ。この他、現在の量子インターネットの研究開発状況についても触れる。このセッションを通して、将来の通信の姿に少しでも想いを馳せてもらえたら幸いである。